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病害虫図鑑 イチジク株枯病

ページID:0271952 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Ceratocystis ficicola Kajitani & Masuya(糸状菌 子のう菌類)

2 被害の様子
 地際部の主幹や主枝が侵され、病斑部の樹皮下は褐色に腐敗し木質部にまで褐変は及ぶ。病斑部より上部の新梢は先端の葉から萎凋し、次第に下葉まで黄化萎凋して、ついには枯死して落葉する。多湿条件下では病斑上に子のう殻を生じる。

3 病原菌の生態
 生育適温は20~25℃である。
 病原菌は被害残根などとともに土壌中で生息している。病原菌は発病樹の根部付近を除き、深さ10cmくらいまでの表層土壌にとどまっている。周辺ほ場への伝搬は、地際部に形成された病斑上の子のう胞子や土壌中の病原菌が風雨によって運ばれて起こる。
 
4 発生しやすい条件
 酸性土壌で、地温が25℃~30℃の時に、湿潤状態になると発病が多い。露地栽培では6~10月、施設栽培では3~11月に感染が多く、葉の萎凋落葉などの病徴は高温乾燥時に発現しやすい。
 
5 防除対策
 ・排水不良園では、溝を設けて排水をよくする。
 ・病原菌はpH8前後で発育が抑制されるため、定植時にアルカリ資材で株元の土壌をpH7.5~8に矯正する。
 ・発生園で穂木を採取すると高い確率で苗伝染するので、挿穂は未発生園から採取し、 育苗は未発生地で行う。
 ・発生園を改植する場合は植付け時に薬剤を灌注して苗木の根を消毒、その後、3~11  月の間に1か月間隔で薬剤灌注を続ける。
 ・早期に発見し、軽症のうちに病患部を削り取りチオファネートメチルペースト剤を処理する。病患部は園外で処分する。
 
6 参考文献
 ・岸國平編(1998)『日本植物病害大事典』全国農村教育協会.

株枯全体萎凋始め写真

イチジク株枯病