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病害虫図鑑 イチジクさび病

ページID:0272974 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
  学名 Phakopsora nishidana S. Ito(担子菌類)

2 被害の様子
  葉の裏面に黄褐色の微細な斑点が散生又は密生し、まもなくこの部分は淡黄色、粉状(夏胞子層)になる。のちにこれとは別に、0.2~0.8mmの黒色斑点(冬胞子層)を伴う赤褐色斑点を生じる。多発葉は早期に落葉して、果実のみを残し、果実は肥大しなくなる。

3 病原菌の生態
  夏胞子と冬胞子を形成し、胞子層は葉の裏面表皮下に形成される。発病葉に生じた冬胞子で越冬し、翌年の伝染源となる。発病適温は 25 ℃前後、潜伏期間は20℃で25~40 日、25 ℃で5 ~15日、30℃で15~20日であり、平年では8月下旬頃から発病し始め、夏胞子が風で分散し二次伝染する。施設栽培では周年発生し、被害が大きい。

4 発生しやすい条件
 夏季の低温多雨。イチジク栽培施設周辺の露地イチジクでは、施設の換気が始まる5月頃から夏胞子が飛散し、早期から多発する。

5 防除対策
 ・窒素過多による枝葉の過繁茂を避け、整枝・せん定、芽かきを適切に行い通風採光を図る。
 ・落葉は園外に持ち出し、土中深く埋めるなど適切に処分する。
 ・平年の初発時期と潜伏期間から、最も重要な防除時期である8月に薬剤散布を行う。
 
6 参考文献
 ・岸國平編(1998)『日本植物病害大事典』全国農村教育協会.

イチジクさび病写真

イチジクさび病写真