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病害虫図鑑 チャノキイロアザミウマ(果樹共通)

ページID:0271821 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Scirtothrips dorsalis Hood

1 形態
 体長:0.8~0.9mm
 体色:全体黄色
 触覚は8節で第3節以下は暗褐色。

2 被害の様子
寄生植物:カキ、カンキツ、ブドウ、イチジク、キウイ、チャ、アジサイ、イヌマキ、サンゴジュなど。
被害部位:葉、果実、茎

カキ:収穫時における果実被害の症状は虫の加害時期により、星型、座布団型、波線状などのさび模様に分けられる。

ブドウ:開花前の新梢の先端部の若葉に多数の幼虫が寄生し、加害する。葉には淡褐色のかすり状の斑点が、無数にできる。花穂に寄生されると果実は灰白色の輪状のあるいは不整形の雲状のさびができる。

カンキツ:5月下旬から6月下旬に幼果と果皮の隙間に虫が侵入し、果皮にリング状あるいはがくと相似形の灰白色の傷ができる。7月から10月に寄生されると果頂部を中心とした灰白色から茶褐色の雲状の傷ができる。果梗部の被害は、おおむね6月上旬から7月まで、果頂部の被害は8月から9月までの加害による。果頂部の被害は、8月から9月中旬までが果頂部前期の被害、9月下旬以降が果頂部後期の被害である。

3 生態
越冬形態:成虫または蛹の形態で、地表面の落葉下や樹皮間隙、浅い土中で越冬する。
生活史:卵 → 幼虫(2齢) → 蛹(2齢) → 成虫
カキ:越冬虫が3月中下旬から4月に越冬場所を脱出し、7月下旬から8月上旬に最高密度となる。以後徐々に減少するが10月まで寄生が続く。成幼虫の寄生が多いのはカキの葉裏、果実のへた部、へた座と果実部の隙間である。(年5~8回発生)
ブドウ:5月頃から発生が見られ、年5~6回発生を繰り返す。発生のピークは8月から9月である。
カンキツ:5月上旬から春梢に寄生を始め、落果後の5月下旬から幼果への寄生が多くなる。その後10月下旬まで果実に寄生して加害する。

4 発生しやすい条件
・5~6月が空梅雨で7~8月も雨の少ない年には多発する。
・夏秋梢の発生が多い園では8~9月の発生量は多い。
・茶やイヌマキなどの寄生植物が果樹園の近くにあるとき。

5 防除対策
・開花期から幼果前半の初期防除が大切。
・幼果になってからの防除では効果が低いため、開花前及び落果後約1か月間の防除に努める。
・6月から10月上旬まで加害されるので、発生予察に基づいた防除をする。
・防風林のイヌマキなどへの薬剤防除をし、園への侵入を防ぐ。
・光反射シートマルチによる物理的防除。

カキにおける被害

カキにおける被害

カンキツにおける被害

カンキツにおける被害

チャノキイロアザミウマ成虫

チャノキイロアザミウマ成虫