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病害虫図鑑 ミカンハモグリガ

ページID:0271837 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Phyllocnistis citrella Stainton

1 形態
 ミカンハモグリガ卵は淡黄色半透明の平たい楕円形で長径約0.3mm、幼虫は淡黄白色半透明、扁平で老熟すると体長4mm程になる。成虫は開張5~6mm体長3mmくらいの小型の蛾で、銀白色の鱗粉に覆われ、翅に淡褐色の条紋や先端に大型の紋がある。

2 被害の様子
 幼木や、若木で被害が大きい。主に若葉を食害するが、緑枝の柔らかい部分や若い果実を食害することもある。幼虫が表皮の下を食害し、表面から見ると白い筋をひいたような跡を残す。白い筋の真ん中には糞が連続して黒い線になっている。若い葉は本虫の加害により変形したり縮んだりして、木の生長に著しい被害を与える。ミカンハモグリガの食害痕は、かいよう病菌の侵入口となりやすく、かいよう病を併発することが多い。

3 生態
 西南暖地では、成虫がミカン園内の日当たりの良いミカンの葉裏などにかたまって越冬することが知られている。越冬後、葉裏に産卵する。8日前後(夏は6日前後)の幼虫期を経て成熟し、葉縁を折り曲げた間で蛹になる。蛹の期間は4~11日。通常5月中旬から6月上旬にかけて第1世代の発生が見られる。6月以降急増する。年間の発生回数は中部以北では5~6回、西南暖地では8~10回と考えられている。発生量は新梢の発生量に左右されることが多い。夏梢と秋梢の発生時期にあわせて本種の発生もピークとなるようである。

4 発生しやすい条件
・ダラダラと不定期に新梢が発生すると多くなる。

5 防除対策
・耕種的防除だけで防ぐことは不可能であるが、春梢が一斉に伸長し早く硬化するように、木の生育ステージを揃えることで、防除を要する期間を短縮すると防除回数が少なくなる。

ミカンハモグリガ