ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > あいち病害虫情報 > 病害虫図鑑 ルビーロウムシ(カンキツ)

本文

病害虫図鑑 ルビーロウムシ(カンキツ)

ページID:0271868 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Ceroplastes rubens Maskell

1 形態
  カメムシ目ヨコバイ亜目カタカイガラムシ科に属するカイガラムシ。雌成虫は3~4mm程度のあずき色のロウ物質に覆われた半円球の虫で、腹面の気門周辺から分泌された分泌物が4本の白線となっている。虫体から分泌されるロウ物質は1、2齢のうちは白色半透明で3齢以降にあずき色となる。

2 被害の様子
  枝や葉に寄生して樹液を吸汁することから、多発すると樹勢が低下する。また、カイガラムシの排泄物に発生したすす病で、果実や葉が黒く汚染される。カンキツを加害するロウムシ類にはルビーロウムシの他に、ツノロウムシ、カメノコロウムシがある。
 食性は、カンキツやカキなど多くの樹木類を加害するほか、針葉樹類や草本類に発生することも知られている。

3 生態  
 年1回発生し、雌成虫で越冬する。越冬後の雌成虫は、5月下旬から6月下旬にかけて、カイガラの下に約1000粒産卵する。雄はまれにしか現れず、通常は単為生殖を行うものと考えられる。産卵後20時間前後でふ化し、ふ化幼虫は歩行あるいは風に飛ばされて分散して枝に定着する。定着した幼虫は、2,3日後から背面にろう物質を分泌しながら成長し、8月下旬から9月中旬頃に成虫になる。雌成虫は頭も脚もほとんど退化し、一つの塊となって、宿主植物に密着する。
 分布の北限は、年間平均気温14℃の等温線とほぼ一致しており、亜熱帯地方原産の種と考えられている。

ルビーロウムシの生活史
(雌)卵 ⇒幼虫(3齢)⇒成虫(無翅)
(雄)卵 ⇒幼虫(2齢)⇒蛹⇒成虫(有翅1対)

4 発生しやすい条件
・寄生蜂の密度が低い場合

5  防除対策
・その表面にロウ物質を被っているので、農薬は直接虫体にかかりにくく、効果があがりにくい。防除は幼虫の発生がほぼ終了し発育が進んでいない2~3齢幼虫最多寄生期(7月上中旬)をねらって散布する。
・土着の寄生蜂(ルビーアカヤドリコバチ)がいるので、薬剤の種類と散布時期を工夫して天敵の保護利用をはかる。

ルビーロウムシ雌成虫
ルビーロウムシ雌成虫