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病害虫図鑑 アザミウマ類(キク)

ページID:0273697 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

ミナミキイロアザミウマ
学名:Thrips palmi Karny

クロゲハナアザミウマ
学名:Thrips nigropilosus Uzel

ミカンキイロアザミウマ
学名:Frankliniella occidentalis Pergande

1 形態及び被害の様子
〇ミナミキイロアザミウマ
 雌成虫は体長1.2~1.4mm、雄成虫は0.9~1.0mm。体色は橙黄色。翅の縁毛が黒いため、翅をたたんだ時に合わせ目が背中に黒い筋として見える。幼虫は黄白色から黄色。
成虫が新芽に寄生して、食害・産卵することが多いため、展開葉の萎縮、ケロイド症状、奇形となる。多発生の時は芯どまりとなる。
ミナミキイロアザミウマ  

ミナミキイロアザミウマ 

ミナミキイロアザミウマによる被害

ミナミキイロアザミウマによる被害

 

〇クロゲハナアザミウマ
 体長は雌成虫1.2~1.3mm、雄成虫は0.9~1.0mm、体色は淡黄色。幼虫は黄白色。
 キクの葉、花ともに食害し、かすれ状の小白斑を生じる。
クロゲハナアザミウマ

クロゲハナアザミウマ 

クロゲハナアザミウマによる食害

クロゲハナアザミウマによる食害

 

〇ミカンキイロアザミウマ
 体長は雌成虫1.4~1.7mmで体色は橙黄色であるが、冬期などの低温条件になると褐色の個体が増加する。雄成虫は、体長1.0~1.2mmと雌よりも小さく、体色は明黄色である。
 葉に白斑や汚れを生じ、被害が進むと葉裏に「シルバリング症状」が発生する。花を食害した場合、花弁に白斑等の吸汁被害が発生する。
  キクえそ病(TSWV)やキク茎えそ病(CSNV)を媒介する。

ミカンキイロアザミウマ

ミカンキイロアザミウマ 

ミカンキイロアザミウマによる食害

ミカンキイロアザミウマによる食害

 

2 防除対策
・育苗時に防虫ネットを張るなどして、寄生のない健康な苗を作る。
・ほ場周辺の雑草を処理して、ほ場衛生に努める。
・ポリマルチなどで土壌表面を覆い、土中に潜って蛹になりにくくする。
・施設栽培では、施設開口部に細かい目合いの防虫ネットを設置して侵入を防ぐ。
・早期発見に努め、密度の低いうちに薬剤防除する。早期発見には、こまめなほ場の観察のほか青や白の粘着板によるモニタリングも有効である。
・薬剤感受性の低下を防ぐため、系統の異なる薬剤でローテーション防除を行う。
・作付終了後は施設を密閉して、蒸し込みを行う。