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病害虫図鑑 コブノメイガ

ページID:0334539 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Cnaphalocrocis medinalis Guenée

1 形態
 成虫は開翅長約18mmの黄褐色の小型の蛾で、前翅に2本、後翅に1本の黒褐色の縦条がある。雄成虫の前翅前縁に暗褐色の毛塊があり、これが名前の由来である。 卵は楕円形で扁平、淡黄色で長径は約1mmで1~数個単位で産み付けられる。幼虫の頭部は黄褐色で体色は黄緑色、老熟するとオレンジ色で、胸部の背中側に6個の黒点がある。老齢幼虫は体長約18mmである。 

2 被害の様子
 出穂期頃に止め葉が食害され、多発するとほ場一面真っ白となるような被害がみられる。幼虫は葉を1枚ずつ縦にたたんで糸で綴り筒状にするか、まれに2~3枚を合わせてつと状にし、その中で表皮を残して食害する。次々と摂食する葉を替える。第一世代や第二世代での被害は少ないが、世代を繰り返すごとに急激に生息密度が高まるため、軽視すると大きな被害をもたらすことがある。しかし、幼虫の食害はイネの葉のみであるため、登熟が悪くなることはあっても、壊滅的な被害となることはない。

3 生態
 愛知県では年3~4回の発生が普通であり、国内では越冬できない。梅雨期に東シナ海を中国大陸から移動してくることがわかっている。飛来する時期が早く、飛来数が多いほどその後の発生量が多くなる。
 幼虫はイネを好むがイネ以外のメヒシバ等の雑草も食害する。高温期では1ヶ月以内に1世代を経過するため、防除時期を逸すると思わぬ被害となることがある。若齢幼虫は巻かれた葉に数頭いるが、老齢幼虫は1葉に1頭のみ寄生している。
 近縁種にイネタテハマキがあるが、本種のように多発することはない。

4 防除対策
・飛来後の本田防除しか防除方法はない。
・イネの上部に寄生するため、液剤や粉剤などの散布剤を用いる。
・主に幼虫発生期に合わせて防除するとよい。
・近接ほ場からの成虫の移動があるので、できれば地域一斉の防除が望ましい。

コブノメイガ成虫 コブノメイガ幼虫

         コブノメイガ成虫                 コブノメイガ幼虫

コブノメイガ被害葉 コブノメイガ被害状況

     コブノメイガ被害葉                コブノメイガ被害状況