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病害虫図鑑 キュウリ斑点細菌病

ページID:0334575 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Pseudomonas syringae pv. lachrymans (Smith et Bryan) Carsner (桿状細菌)

2 被害の様子
 葉、茎及び果実に発生する。種子伝染したときは、子葉の縁に沿って初めやや水浸状の斑点ができ、のちに淡褐色で多少くぼんだ円形の病斑となる。本葉では、水浸状で暗褐色の小斑点を生じる。この点は次第に広がって径3mmほどの葉脈に囲まれた多角形の病斑となる。べと病の病斑と類似しているが、多湿条件下でも葉の裏に暗灰色のすす状のかびができないので、区別できる。病斑部は次第に色が抜けて白っぽくなり、薄く穴があきやすくなる。果実では先端に近い部分に発生が多く、はじめ油浸状の小斑点を生じ、のちに病斑部分を中心に亀裂を生じて白色のヤニを分泌する。葉柄、茎に発生すると暗緑色水浸状の病斑を生じ、のちに白色に変わってヤニを出す。病斑部から先の茎葉が萎ちょう・枯死することもある。

3 病原菌の生態
 病原菌は細菌で、発育適温は25~27℃、最低2~3℃、最高36℃。低温でも繁殖する。第1次伝染源は保菌種子や罹病植物の遺体である。病原菌は種子に付着して1年以上生存している。キュウリ体内へは、気孔、水孔、傷口などから侵入する。農作業時に病原菌が農機具や管理者の衣服に付着して2次伝染する。温度は25℃付近で最も発病しやすいが、ハウス栽培ではそれより幾分低温で密閉した湿度の高いハウスに多発生する例が多い。天井の水滴が葉上に落下して病原細菌を飛散させることもある。
  伝染源:保菌種子や被害残さ、病原菌が付着した資材。
  寄主:キュウリのほか、メロン、スイカなど。

4 発生しやすい条件
・気温25℃前後、多湿条件で多発する(とくに1月後半~2月)。
・密植、過繁茂による通風不良、窒素過多による軟弱徒長などは発生を助長する。

5 防除対策
・種子消毒する。または無病種子を使用する。
・発病苗は本ぽに定植しない。
・古い支柱、ハウス資材は作付け前に十分水洗あるいは消毒する。
・被害葉等はほ場外に持ち出して処分する。
・窒素質肥料を過用しない。
・防除は、予防を主体とする。→治療効果の高い薬剤はほとんどない。

斑点細菌病病斑

斑点細菌病病斑

キュウリ斑点細菌病