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病害虫図鑑 キュウリ黄化えそ病

ページID:0273312 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

 

1 病原ウイルス
 学名 Melon yellow spot virus(MYSV)

2 被害の様子
  最初に葉の葉脈透過症状が現れ、その後、葉が激しく黄化し、えそ斑を生じる。感染株は生育が抑制され、減収する。また、症状が激しい場合は枯死することがある。果実にはほとんど症状を示さないが、まれにキュウリの一部の品種でモザイク症状を生じることもある。また、メロンではネット形成が異常になる場合がある。

3 病原ウイルスの生態
 MYSVはトスポウイルス属の一種で、ミナミキイロアザミウマにより媒介される。本虫はMYSV感染植物体上で育った幼虫時に保毒し、この幼虫が成虫となって、健全な植物を吸汁することで感染させる。
 経卵伝染、種子伝染、土壌伝染はしない。また、汁液伝染での感染力は弱く、作業管理で伝染する可能性は低い。
 キュウリの他にメロン、スイカ、ニガウリに自然感染する。またトウガン、ユウガオ、ヘチマ、ペチュニア、タバコ、雑草(コハコベ、ノゲシ、カタバミ等)等も感染する。

4 発生しやすい条件
 虫媒伝染性のウイルス病であるため、媒介昆虫であるミナミキイロアザミウマの多発生する季節や年で発病が多い。

5 防除対策
(1)侵入防止対策
・ハウス開口部へ防虫ネット(目合い0.5mm以下)を展張する。
・近紫外線除去フィルム、光反射資材を利用する。
(2)栽培ほ場での対策
・苗による持ち込みを防止する。
・ハウス内に侵入したミナミキイロアザミウマの発生を抑制するため、定植時に粒剤を処理する。
・粘着トラップを設置し、早期発見に努める。
・薬剤抵抗性の発達を防ぐため、ローテーション防除を行う。
・ハウス内の発病株は見つけ次第抜き取り、埋めるかビニル袋に入れて熱殺処分する。
(3)分散防止
・作期終了時には、作物が枯死するまでハウスを密閉し、ハウス内のミナミキイロアザミウマの野外への分散を防止する。

MYSVによる病徴

MYSVによる病徴

ミナミキイロアザミウマ成虫

ミナミキイロアザミウマ成虫