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病害虫図鑑 モモハモグリガ

ページID:0271905 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Lyonetia clerkella (Linnaeus)

1 形態
成虫:体長約3mm。開帳約8mm。前翅は夏型で銀白色、冬型は暗褐色で先端近くに黒い紋がある。
卵:径0.2mmくらいで乳白色円形。
幼虫:老熟幼虫は体長約6mm、扁平で両端が細い。全体は淡緑色で胸脚は黒色で短い。
蛹 :被害葉の裏側等に四方から糸を張り、その中央に約5mmの細長い白色の薄いまゆを作り蛹化している。蛹の色は淡緑色。

2 被害の様子
 初期はふ化幼虫が葉の内部に渦巻き状の坑道をつくり、その部分が褐色に変色して脱落する。その様子はせん孔細菌病に似ている。その後幼虫は葉の周辺を波状に食害する。多発時は落葉を引き起こし、ひいては果実の肥大を抑制する。収穫後の秋期に発生することが多い。

3 生態
 年に7世代発生する。越冬は成虫の形で、建物の壁、樹幹の粗皮間隙や落葉付近の雑草で行う。越冬成虫は4月上旬~中旬頃から現れ、葉の展開とともに葉に産卵する。ふ化幼虫は葉組織内を食害しながら発育する。老熟幼虫は表皮を破って外にでて糸をはいて移転し葉裏、枝幹、落葉などでまゆを作る。

4 発生しやすい条件
・越冬を完了した成虫の飛来盛期は1月16日を起点として、200日度(発育低温限界4.5℃、発育適温下限22℃)経過したところである。
・1世代を経過するのに必要な有効積算温度は、330日度(発育低温限界8.5℃、発育適温下限28℃、発育高温限界32℃)である。

5 防除対策
 第1世代はよほど多発しないと発生に気付きにくいが、第1世代幼虫に対する防除の善し悪しがその後の世代の発生量を大きく左右する。収穫期に近づくと防除しにくいので、春先から発生した場合は早い世代の内に対処する。フェロモントラップを設置することは、発生の有無を調べるのに有効である。
 収穫の20日前ごろから収穫期にかけて7~10日間隔で3~4回の予防散布を行う。

モモハモグリガ被害葉

モモハモグリガ被害葉

モモハモグリガの蛹

モモハモグリガの蛹