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病害虫図鑑 モモせん孔細菌病

ページID:0271897 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Pseudomona syringae pv. syringae van Hall
     Erwinia nigrifluens Wilson, Starr & Berger
      Xanthomonas campestris pv. pruni (Smith) Dye(細菌)

2 被害の様子
 葉、枝、果実に被害が出る。葉では初めカスリ状に白っぽくなり、その後水浸状になり、さらに褐色に変化し、穴があく。ひどくなると落葉する。
 果実では幼果期から発病し、幼果の頃にひどく感染すると黄色くしおれる。大きくなってから感染した果実には、はじめ褐色の微小な病斑ができ果実の生長に伴い深い亀裂のある病斑になる。病斑は黒いススをつけない、丸くない、深い亀裂を伴う等の点で黒星病と区別する。
 枝では、春にできるスプリングキャンカーとそれ以後にできるサマーキャンカーがある。前者は越冬した病原菌が春になると急に増殖してできるもので、表皮が油浸状の紫黒色に変わり広がり、ひどいときは数cmにもなる。のちにただれたようにへこみ、ひび割れができて時には黄白色の汁が出る。後者ははじめ紫赤色のやや盛り上がった病斑となり、後に広がるとともに紫黒色になり、へこむ。サマーキャンカーにより細い枝は枯れることもある。  

3 生態
生態

4 発生しやすい条件モモせん孔細菌病果
・前年の9~10月に新梢に感染し、潜伏状態のまま越冬するので、この時期に多発すると翌春多くなる。
・落果10日後の春型病斑数及び集団発病カ所数が多いと多発する。
・春期の高温と6~8月の低温・多雨は発病を助長する。
・連続降雨・風を伴う降雨の多少(台風の影響)により秋期の発生は左右される。

5 防除対策
・風当たりの強い園では、防風垣や防風ネットを設けて風当たりを弱くする。
・スプリングキャンカーを見つけたら、落花期までに切り取って処分する。
・発芽前と開花直前、生育初期から生育中期(10~14日間隔)、秋期(9~10月)に薬剤散布する。

モモせん孔細菌病葉
 

モモせん孔細菌病