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病害虫図鑑 モモ縮葉病

ページID:0271917 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
  学名 Taphrina deformans (Berkeley) Tulasne (糸状菌 子のう菌類)

2 被害の様子
 春に葉に縮れて赤くなった火ぶくれ状の病斑ができる。病気が進行すると凹凸を生じ、全体または部分的に厚くなることもある。色も赤色、桃色、黄緑色、黄色などを呈するようになる。葉の形を大きく変えることから「葉脹れ(はぶくれ)」とも言われる。まれに新梢や花、幼果にも感染し、同様の異常に肥大した病斑を形成する。学名の種小名であるdeformansもdeform(変形する)に由来する。変形した病斑部は、後に表面に白粉に覆われるようになり、枯死する。 

3 病原菌の生態
 枝や芽の表面に付着した分生子が第一次伝染源である。病原菌は、早春に発芽とともに展葉初期の若葉に侵入する。侵入後、菌糸は細胞間隙を進んで広がるが、このとき組織内に植物ホルモンを生成し、その影響で縮れや凹凸が生じる。やがて、罹病葉の表面に白粉状の子のうを形成する。1子のうには、無色、単胞、球状の子のう胞子が通常8個作られており、この子のう胞子からやがて芽出法によって分生子が生じる。罹病葉に形成された子のう胞子や分生子は、雨とともに飛散し、二次伝染源となる。分生子が枝や芽の表面で酵母様のコロニーを作り、越冬する。
 本病原菌の侵入適温は13~17℃で、菌糸の生育適温は20℃である。

4 発生しやすい条件
・春先~5月までの気温が低く、雨の多い年に発生が多くなる。
・若木は成木に比べ、被害が激しくなる。

5  防除対策
・本病原菌は枝や芽の内部には入らず、表面に付着して越冬しているため、発芽前の休眠期に防除を行う。
・罹病葉を確認したら摘み取り、適切に処分する。

モモ縮葉病の病徴

モモ縮葉病の病徴