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病害虫図鑑 ハダニ類(ナシ)

ページID:0271887 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

ナシを加害するハダニ類にはナミハダニ、ミカンハダニ、カンザワハダニ、オウトウハダニ、リンゴハダニ、ニセクローバービラハダニ、クワオオハダニ、スミスアケハダニと種類が多いが、ここでは広く寄生が確認されるナミハダニ、クワオオハダニ、カンザワハダニ、オウトウハダニについて述べる。園における優占種は、地域や園ごとに異なるが、2,3種類が混じって発生していることが多いようだ。

1 加害する種と形態
ナミハダニ
学名 Tetranychus urticae Koch
雌成虫の体長0.39~0.56mm。夏型雌は淡黄~黄緑色、背面に大きい黒紋を持つ。越冬雌はオレンジ色で黒紋がない。

クワオオハダニ
学名 Panonychus mori Yokoyama
雌成虫の体長約0.45mm。赤色。

カンザワハダニ
学名 Tetranychus kanzawai Kishida
雌成虫の体長0.5mm前後。夏型雌は赤~赤褐色。

オウトウハダニ
学名 Amphitetranychus viennensis (Zacher)
雌成虫の体長約0.5mm、体幅0.36mm前後。

2 被害の様子
 どの種類でも同じ様な被害を引き起こす。はじめ葉の表面が主脈に沿って緑色が淡緑色に退色する。拡大すると不規則、線状に葉緑素が抜けている。被害がすすむと葉全体が緑色を失い褐色みを帯びてしおれ、落葉に至る。

3 生態
 ハダニ類は25~28℃くらいの温度で乾燥した状態であると、卵期間2~3日、幼虫~若虫期間6~7日で成虫になる。卵から孵化した個体が幼虫、脱皮をして第1若虫、第2若虫を経て成虫となる。各ステージの間には静止期があり、この期間は活動を休止する。1年間の発生回数は少ない種で8回、多い種では12回余りと多く、ステージはナミハダニは野菜類にも広く寄生し、ほ場における優先種となっている場合が多いため薬剤に対して抵抗性の発現がみられ、そのレベルも他のハダニ類よりも高い。卵で越冬するのがクワオオハダニ。2~3年生枝の結果枝の根元やしわ部に産み付けられる。雌成虫で越冬するのはそれ以外のもの。

4 発生しやすい条件
・下草を処理していないと発生しやすい。
・寡雨条件で発生しやすい。

5 防除対策
・下草の処理を行う。
・冬期に防除を行い、越冬量を減らす。
・カスリ様症状がはっきり現れる前に、早く薬剤防除を行う。

ナミハダニ雌成虫

ナミハダニ雌成虫

ナミハダニ卵
ナミハダニ卵