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病害虫図鑑 ナシチビガ

ページID:0271894 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 Bucculatrix pyrivorella Kuroko

1 形態
成虫:体長2mm、開張12mm前後。灰白色で前翅に褐色の条紋がある。
卵:白色半透明。楕円丘状。
繭:白色で数本の縦隆条線がある。紡錘形。長さ1cm弱。

2 被害の様子
 葉裏の葉脈の間の葉肉を、表皮を残して浅く食害する。食害を受けたあとは褐変する。

3 生態
・年4回発生する。
・繭に入った蛹で越冬する。越冬する繭の作られる場所は枝幹部表面の少し窪んだ所。
・4月下旬~5月上旬に成虫が羽化する。卵は葉表の葉脈近くに1粒ずつ産まれ、ふ化幼虫は卵直下から葉肉内に食入する。葉の中で2齢末期近くまで生活し、葉の表面に出る。この後は葉の外の生活となるが、脱皮するときには円形の仮繭を作り、そこで脱皮する。
・第1~3世代の老熟幼虫は主に葉裏に繭を作り蛹になる。
・成虫発生時期は第1回が4月下旬~5月上旬、第2回が6月下旬~7月上旬、第3回成虫は7月下旬~8月上旬、第4回が8月下旬から9月上旬であるが、第2世代以降は乱れる。

4 発生しやすい条件
・冬期の越冬蛹繭が1樹当たり十数個以上見られた場合や、5月上旬ごろ果そう葉の寄生葉率が2~3%以上ある場合は注意が必要である。
・6月下旬~7月上旬(第2世代)の寄生葉率が10%以上の場合は、第3世代以降の密度が急増する。

5 防除対策
・越冬繭は見つけたらつぶすか取り除く。
・生育ステージがそろっている第1,2世代の間に防除する。
・繭の時期には薬剤の効果が及ばないので、ほ場での本種の生育をよく観察して2齢幼虫が葉の外へ脱出する時期をねらって防除する。