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病害虫図鑑 ナスすす斑病

ページID:0334571 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Pseudocercospora fuligena (Roldan) Deighton (糸状菌 不完全菌類)

2 被害の様子 
 葉に発病する。初め黄色、円形の小斑点を生じ、のち周縁部は黄色、内部は淡褐色~褐色の円形病斑を形成する。病斑の裏面には灰褐色、すす状のかびを密生する。1葉当たり数個の病斑を生じるが、多発すると10個以上に及び、被害葉は落葉しやすくなる。
 病徴はすすかび病に酷似するが、葉裏のかびは、すすかび病が灰褐色、ビロード状に分生子を密生するのに比べ、すす斑病の方がまばらである。また、進行した病斑では、すす斑病の方が葉表の黄色味が強い。なお、発病初期及び薬剤散布などにより病勢が収まった状態では、両病害の肉眼での区別は困難である。同一ほ場でのすすかび病との混発や、両病害による病斑が同一ナス葉上で形成された事例も確認している。

3 病原菌の生態
 病葉上または組織内で越年し、好適条件になると分生子を生じて飛散、伝染する。
 分生子の発芽適温は24~28℃。
 ナスのほか、台木用ヒラナスが罹病する。
 トマトすすかび病と同じ病原菌で、トマト、ナス相互に病原性を有することが確認されている。

4 発生しやすい条件
・高温、多湿条件。
・施設栽培における換気不足、灌水過多、うね間かん水などで発生が助長される。

5  防除対策 
・畝をプラスチックフィルムでマルチし、通路もマルチや敷わらを行う。
・かん水チューブはマルチ下に設置し、必要最小限のかん水をこまめに行う。
・下葉は定期的に摘除し、株間の通風採光と湿度低下を図る。
・施設内の換気に努める。
・発病葉や被害残さは施設外に持ち出し、適切に処分する。

発病葉(表)

発病葉(表)

葉裏の病斑

葉裏の病斑

ナスすす斑病分生子

ナスすす斑病分生子