本文
学名:Acrolepiopsis sapporensis (Matsumura)
1 形態
卵:短楕円形で扁平、乳白色、長径0.7mm。
幼虫:前後に細まる紡錘形で胴部に細い毛が疎生する。淡緑色に褐色の縞がある。5齢を経て十分に育つと体長7~8mmになる。
成虫:体長4.5mm、翅の開張9mm、全体が灰黒色で前翅の後縁中央に白色斑があり、静止すると背面中央に鮮やかに目立つ。
各形態ともコナガによく似ており、特に繭は酷似する。
2 被害の様子
葉の内側から表皮を残して食害する。食害は小白点や、やや蛇行した線状の白斑として始まり、食害が進むと不規則な白斑や透明斑となる。食害がひどくなると葉が白化、枯死する。発生が多いのは6月頃~10月頃である。葉の表に繭を作って蛹化する。
幼虫のいる葉を煮ると異臭がでる。
3 生態
ネギ属植物だけ食害し、葉に点々と産卵する。休眠はない。1世代は30~40日で年間10回前後発生する。終齢幼虫は葉に円い穴を開けて表にでて、荒い繭を作って蛹化する。
4 発生しやすい条件
・冬期の気温が高めに経過すると発生時期が早くなる。
・梅雨明け後の高温乾燥により、急激に繁殖する。
・7~8月の被害葉率に5月の気象条件が関係する。5月の気温が高いほど多く、降水量が多いほど少なくなる。
5 防除対策
・葉の内部に寄生するため、葉内への潜入防止に重点を置く。
・定植時及び生育期の粒剤あるいは生育期の散布剤が有効である。
・粒剤は効果が現れ始めるのに10~15日かかり、残効は30~45日である。
・散布剤はフェロモントラップによる予察をもとに行うとより有効である。
ネギコガ蛹