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病害虫図鑑 スイカ疫病

ページID:0273329 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Phytophthora cryptogea Pethybridge et Lafferty(糸状菌 鞭毛菌類)

2 被害の様子
 苗床では立ち枯れを起こす。
 露地では茎、葉、果実に発生する。茎では油浸状の暗緑色の病斑ができ腐敗して、そこから上方は枯れる。葉では不正形油浸状の暗褐色または緑灰色の病斑ができ、多湿時には熱湯をかけたように軟腐し、乾燥時には乾枯して病斑が破れやすくなる。果実では幼果、熟果ともに発生する。はじめ丸いくぼんだ油浸状暗褐色の病斑ができ、速やかに拡大して暗緑色または暗褐色になって腐敗し、ついには暗褐色不正形の病斑になり、その表面に白色綿毛状のかびが生え、悪臭を発し軟腐する。

3 病原菌の生態
 本菌は分生胞子、卵胞子をつくり、主に卵胞子の形で土中で越年するが、菌糸によっても越年し、翌年の第1次伝染源になる。発病後は病斑上に生じた分生胞子が、雨などの水滴によって飛散しまん延する。

  伝染源:土壌中の被害植物残さの菌糸及び卵胞子(土壌伝染)

  寄主:スイカ、ユウガオ、トマト、キンセンカ、ガーベラ、ストック、トルコギキョウなど(菌株により病原性の差異が大きいことから系統の存在も示唆される)

4 発生しやすい条件
・病原菌の発育適温は28~30℃だが、24℃前後で多湿のときに発生が多い(とくに梅雨期など)。
・湿地や排水不良の畑で発生しやすく、大雨で浸水したような場合にも発生しやすい。
・酸性土壌に多く発生する。
・果実が直接地面に触れると発生しやすい。

5 防除対策
・連作を避ける(4年以上)。
・排水をよくする。
・麦稈による敷きワラや、マルチをして土から病原菌が跳ね上がるのを防ぐ。
・床土、本ぽを消毒する。前年発病畑で使用した栽培資材も消毒する。
・酸性土壌に多発するので、消石灰を10aあたり100kg前後使用する。
・ウリバエ、コオロギなどの食害痕から発病することが多いので、害虫も防除する。
・梅雨期に入ったら、7日おきに発病前からの予防散布を心がける。