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病害虫図鑑 スイカ炭疽病

ページID:0273327 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Colletotrichum orbiculare (Berkeley et Montagne) Arx (糸状菌 不完全菌類)

2 被害の様子
 葉、茎、果実に発生する。葉には油浸状、暗色の小点を生じ、のち暗褐色円形の斑紋を生じる。病斑部は古くなると中央部がくぼんで灰褐色に変わり、同心輪紋を生じ、乾くと裂けやすくなる。茎には、暗褐色のくぼんだ円形または長楕円形の小さな病斑を生じ、中心部は灰褐色となって乾枯する。湿潤な天候のときは病斑に鮭肉色の粘質物を生じる。果実でははじめ油浸状の小斑点を生じ、次第に拡大して病斑は暗褐色となり輪紋を生じてくぼむ。多湿のときには病斑に鮭肉色の粘質物を生じ、乾燥すると病斑部が裂けることがある。露地では一般に6月頃から発生し、多発すると葉がほとんど枯死し果実が大きくならず減収する。盛夏には一時少なくなる。収穫後の果実にも発病する。

3 病原菌の生態
 病斑上に形成された分生胞子は、雨など水滴によって飛散し、他のスイカの葉などに付着する。湿気があると24時間以内に発芽して、48時間以内にその発芽管の先端に付着器をつくり、72時間以内には表皮を貫通して侵入する。さらに菌糸は組織内部にはびこり、そこが病斑となる。病斑上に分生胞子を形成し、伝染を繰り返し他のスイカに蔓延する。菌の発育適温は、22~28℃。
 伝染源:被害茎葉(主として菌糸の形で(まれに分生胞子で)生存)。
       支柱などの栽培資材に付着して越年することもある。
 寄主:スイカ、キュウリ、メロンなどのウリ科作物
スイカ炭素病菌生態

4 発生しやすい条件
・ハウス、トンネル、露地いずれでも発生するが、露地では一般的に6月頃から発病し始め、とくに降雨が多く、比較的低温な年に多発する。
・連作畑や排水不良の畑。
・日当たりが悪くて、通風不良なところに多く発生する。
・窒素質肥料が多すぎると発生しやすくなる。

5 防除対策
・連作を避ける。
・排水不良畑では、排水をよくする。
・支柱などの栽培資材は薬剤等で消毒する。
・被害果実、被害茎葉は除去して焼却するか、土中深く埋め、伝染源を少なくする。
・苗床ではとくに通風をよくし、薬剤散布を行う(台木用ユウガオも)。
・敷きワラをして、土から病原菌が跳ね上がるのを防ぐ。
・本ぽでは、発病前からの予防散布を心がける。