ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > あいち病害虫情報 > 病害虫図鑑 スイカつる枯病

本文

病害虫図鑑 スイカつる枯病

ページID:0273324 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Didymella bryoniae (Auerswald) Rehm(糸状菌 子のう菌類)

2 被害の様子
 葉、茎、果梗及び果実に発生する。本病による葉枯れは炭そ病と混同されやすい。苗床では子葉が枯れたり、地際が侵されて立ち枯れ症状を起こす。茎では、地際に発生することが多く、被害が最も大きい。はじめ、節の部分が油浸状になり、やがて灰褐色・不整形の病斑になり、ややくぼんでヤニを出す。のち灰白色となって裂け目ができ、ヤニは乾いて赤褐色となる。病斑上には黒色の小粒点(0.1~0.2mm)を多数生じる。このような病斑が茎を一周するようになると、そこから上はしおれて枯れる。茎の途中の節や節間、葉柄、果梗にも同様の病斑ができることが多い。葉では主に葉縁や葉柄、それに続く葉脈が侵されやすく、円形または楕円形の淡褐色~灰褐色で境界のはっきりしない大型の病斑ができる。病斑は不規則で、輪紋ははっきりしないことが多く、乾くと破れやすい。のちに病斑上には、無数の黒色の小粒点が形成される。果実での発生は少ない。はじめ油浸状小斑ができ、暗褐色に変わり、その中央が褐変枯死する。本病による病斑にはいずれも小黒粒が認められることが特徴である。

3 病原菌の生態
 被害茎葉の病斑上に形成された小黒粒(柄子殻(120~180μm)、子のう殻(140~200μm)で越年し、翌年これらから胞子が飛び散って伝染する。
  菌の発育適温は20~24℃。最低5℃。最高30℃。
  伝染源:被害茎葉上の柄子殻、子のう殻の形で越年する。
  寄主:スイカ、キュウリ、メロンなどのウリ科作物

4 発生しやすい条件
・高温多雨、湿潤なときにまん延しやすい(苗床のほか、本ぽでは梅雨明け頃に多発)。
・連作畑は多発生する。
・通風・日当たりの悪い畑や生育が衰えた場合に発生が多い。

5 防除対策
・連作を避ける。
・日当たり、通風、排水のよい畑に栽培する。
・苗床時期は過湿にならないよう特に通気をよくし、薬剤散布を行う。
・無病苗を植え付け、敷きワラをする。
・茎の病斑に対しては地際部から10~20cmの範囲に塗布剤を使用する。
・株元の葉をつみ取り通風をよくする。

つる枯病