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病害虫図鑑 トマト半身萎凋病

ページID:0273160 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
  学名 Verticillium dahliae Klebahn(糸状菌 不完全菌類)

2 被害の様子 
 初め下葉の小葉が部分的に萎れ、葉縁が上側に巻く。この萎れは数日で止まるが、これらの小葉には、主に葉縁から支脈を中心として黄白色のくさび形の病斑を生じる。その後、小葉全体が黄変し、最初に発病した部分から徐々に褐変枯死する。病勢が進むにつれて上位の葉が侵され、果実の着生や肥大が不良となる。葉柄や茎を切断すると、不鮮明ではあるが、導管が黄褐色に変色している。

3 病原菌の生態
 被害残さとともに微小菌核の形で土壌中に長期間残る。トマトが定植されると発芽して、根の先端部や傷口から侵入する。侵入した病原菌は、主に導管内で繁殖する。生育適温は22~25℃で、発病適温は25℃前後である。
本菌は多犯性で、トマトのほかナス、イチゴ、ピーマン、フキ、ウド、オクラ、キクなどを犯す(ただし、寄生性の分化あり)。
 愛知県では、中山間地での発生が確認されているのみである。

4 発生しやすい条件
・やや冷涼な(22~25℃)気候で、湿潤な土地での被害が多い。
・連作すると、発病の危険性が高まる。
・根が傷むと発病が助長される。

5 防除対策
・土壌伝染性の病害であるので、育苗には無病土壌を用いる。前作に発病を認めたほ場では、太陽熱処理や土壌くん蒸剤等による土壌消毒を行う。
・根を傷めないようにするため、土壌水分の急激な変化、土壌の過湿や過乾燥がないよう適切なほ場管理を行う。
・根を傷めるセンチュウ等の防除対策を行う。
・排水を良好にする。
・耐病性品種を栽培する。
・抵抗性台木に接木する(接木する場合は、穂木品種(Tm-1型、Tm-2a型)との親和性に注意する)。
・発病株を早期に発見し、ほ場外に持ち出して適切に処分する。

発病株(片側の葉が黄化)

 発病株(片側の葉が黄化)

導管の褐変

導管の褐変