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病害虫図鑑 トマト萎凋病

ページID:0272997 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
 学名 Fusarium oxysporum Schlechtendahl:Fries f.sp.
 lycopersici (Saccardo) Snyder & Hansen
 糸状菌の一種で、不完全菌に属し、現在3つのレース(宿主植物の品種に対する病原性が異なる菌系、レース1、 レース2、レース3)に分類されている。
      
2 被害の様子
・下葉が黄化し萎凋する。症状は上葉や生長点まで進み、ついには枯死する。
・発病株の茎を切断すると導管部が侵され褐変している。
・どのレースによっても症状はほぼ同様である。

3 病原菌の生態
・種子伝染性、土壌伝染性の病害である。
・トマトにのみ病原性を示す。
・被害植物の茎葉、根とともに分生胞子や菌糸が厚膜胞子となって土壌中で生存する。
・トマトが定植されると厚膜胞子が発芽して、根の先端から侵入し組織中で増殖する。
・病原菌は空気中を飛散し、育苗土や本圃土壌の表面に落下し発生源となることもある。  

4 発生しやすい条件
・根が傷むと発病が助長される。
・病原菌は25~28℃の高温を好むので、高温時に発生が助長される。

5 防除対策  
・乾熱殺菌又は薬剤による種子消毒を行う。
・土壌伝染性の病害であるので、育苗には無病土壌を用い、前作に発病を認めたほ場では土壌消毒を行う。
・根が傷まないよう土壌水分の急激な変化、土壌の過湿、過乾燥が無いように適切なほ場 管理を行う。
・根を傷めるセンチュウ等の防除対策を行う。
・発病株は見つけ次第、ほ場外に持ち出し処分する。
・抵抗性品種(レースごとに異なる)を栽培する。
・抵抗性台木(レースごとに異なる)を用いた接木栽培を行う。

発病株(下葉の黄化症状)
発病株(下葉の黄化症状)

導管の褐変症状

導管の褐変症状