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病害虫図鑑 トマト褐色根腐病

ページID:0273159 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
  学名 Pyrenochaeta lycopersici Schneider et Gerlach(糸状菌 不完全菌類)

2 被害の様子 
 下葉から黄化して次第に枯れ上がり、日中には上葉まで萎凋する。病勢が進むと、萎凋は回復しなくなり、株全体が枯死する。地下部は、細根や支根が腐敗して、太い支根や直根のみとなる。発病根の褐変部には多数の亀裂を生じ、表皮がコルク化する(コルキールート)。症状が進むと、茎の地際部も侵されて黒褐色に変色し、病斑部がくびれる。
 地上部の病徴は根腐萎凋病と非常によく似ている。根の症状は、本病による褐変の範囲が広いのに対し、根腐萎凋病は虫食い状に褐変する点が異なる。

3 病原菌の生態
 被害根の残さなどとともに土壌中で生存し、根や地際の茎の傷などから侵入する。
 菌の生育適温は、22~24℃である。

4 発生しやすい条件
・発病適温は地温15~18℃前後であり、施設栽培で比較的低温の時期に発生する。
・トマトを連作すると、年々菌の密度が高まり、被害が増大する。

5 防除対策
・土壌伝染性の病害であるので、育苗には無病土壌を用い、前作に発病を認めたほ場では土壌消毒を行う。
・残根をできるだけ除去する。
・根を傷めないようにするため、土壌水分の急激な変化、土壌の過湿や過乾燥がないよう適切なほ場管理を行う。
・根を傷めるセンチュウ等の防除対策を行う。
・窒素質肥料の過用を避ける。
・抵抗性台木に接木する(接木する場合は、穂木品種(Tm-1型、Tm-2a型)との親和性に注意する)。
・発病株は見つけ次第、ほ場外に持ち出し、適切に処分する。

 発病根(亀裂を生じた症状)
 発病根(亀裂を生じた症状)