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病害虫図鑑 トマト根腐萎凋病

ページID:0273154 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

1 病原菌
  学名 Fusarium oxysporum Schlechtendahl : Fries f.sp. radicis-lycopersici Jarvis et Shoemaker(糸状菌 不完全菌類)

2 被害の様子
 慢性的な萎凋から全身が黄化し、褐変枯死に至る。細根が褐変腐敗して太い根の表面には暗褐色の斑点を生じ、のちには根全体が腐敗、崩壊する。茎の地際部に褐色から暗褐色の不整形病斑を形成することもある。根の維管束は全面が暗褐変し、茎の維管束も徐々に暗褐変が進むが、地上10~20 cm程度で止まる。

3 病原菌の生態
・種子伝染性、土壌伝染性の病害である。
・被害植物の茎葉、根とともに分生子や菌糸が残存し、厚膜胞子となって土壌中で長期間生存する。
・トマトが定植されると厚膜胞子が発芽して、根の先端から侵入し組織中で増殖する。
・地際の病斑に形成された分生子によっても伝播する。
・本菌の発育適温は28℃であるが、発病適温は10~20℃と低い。
・トマトにのみ病原性を示す。

4 発生しやすい条件 
・主に施設栽培で晩秋から春にかけて発生する。
・根が傷むと発病が助長される。

5 防除対策
・種子の乾熱殺菌又は薬剤による種子消毒を行う。
・土壌伝染性の病害のため、育苗には無病土壌を用い、前作に発病を認めたほ場では土壌消毒を行う。
・根を傷めないようにするため、土壌水分の急激な変化、土壌の過湿や過乾燥がないよう、適切なほ場管理を行う。
・根を傷めるセンチュウ等の防除対策を行う。
・排水を良好にする。
・耐病性品種を栽培する。
・抵抗性台木に接木する(接木する場合は、穂木品種(Tm-1型、Tm-2a型)との親和性に注意する)。
・発病株を早期に発見し、ほ場外に持ち出して適切に処分する。 

緩やかに枯死する発病株(畝奥側)

緩やかに枯死する発病株(畝奥側)

激しい根腐れ症状

激しい根腐れ症状