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病害虫図鑑 ウメシロカイガラムシ、クワシロカイガラムシ (果樹共通)

ページID:0271825 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名 ウメシロカイガラムシ Psudaulacaspis prunicola (Maskell)
    クワシロカイガラムシ Psudaulacaspis pentagona (Targioni) 

1 形態
 卵は楕円形、1齢幼虫は雌雄とも長楕円形、淡黄色である。雌は2齢になると楕円形で淡黄色の介殻を形成し始める。雌成虫の介殻は直径2.0~2.5 mm、白色、ほぼ円形、偏平からやや隆起し、介殻中央のやや前方寄りに黄褐色の2齢幼虫脱皮殻がついている。雌成虫は黄色から橙黄色、ほぼ円形で、各腹節はやや側方に張り出す。雄成虫の介殻は小型で細く、背面は白色、平らで3本の弱い隆起線がある。雄成虫は有翅で、体長は1mm程度である。
ウメシロカイガラムシとクワシロカイガラムシの形態は酷似しており、見分けるためには雌成虫の殻を外し、光学顕微鏡で観察する必要がある。

2 被害の様子
 幼虫と雌成虫が枝や幹に寄生し吸汁する。多発すると枝や幹が介殻で白く覆いつくされる。生育が阻害され、激しいときは枯死に至る。広食性で、ウメシロカイガラムシはモモ、オウトウ、ウメなど、クワシロカイガラムシはナシ、モモ、カキなどを加害する。

3 生態
 本県では年3回発生し、受精した雌成虫が枝や幹に寄生して越冬する。4月下旬頃に介殻の下で産卵を始め、第1世代幼虫が5月上旬から中旬頃にふ化する。ふ化幼虫は介殻から脱出後、短時間のうちに寄主に定着し、雌は2齢幼虫を経て成虫となる。雄幼虫は、蛹を経て有翅の成虫となる。第2世代ふ化幼虫は6月下旬から7月下旬頃、第3世代ふ化幼虫は8月中旬から10月上旬頃に発生する。

4 発生しやすい条件
・高温・乾燥条件で増殖しやすい。
・他害虫の防除で合成ピレスロイド剤やネオニコチノイド剤を多用した場合、天敵が減少して発生が多くなる。

5 防除対策
・冬期にマシン油乳剤を散布する。越冬成虫の発生が多い場合、重なり合って寄生しているため、効果が不十分になる。そのため、ワイヤーブラシなどで削り落としてから散布する。
・薬剤防除を行う際には、卵や雌成虫は殻に覆われていて薬液が付着しにくいため、幼虫発生期に行う。防除適期は、ふ化幼虫の発生時期が比較的そろう第1世代のふ化幼虫発生期(本県では5月上旬から中旬のことが多い)である。
・本種には有力な天敵も知られているため、薬剤防除を行う際は天敵への影響が少ない薬剤を選択する。

クワシロカイガラムシの寄生状況

 クワシロカイガラムシの寄生状況