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病害虫図鑑 コナガ(野菜共通)

ページID:0272985 掲載日:2020年4月1日更新 印刷ページ表示

学名:Plutella xylostella (Linnaeus)

1 形態
 成虫は体長約10mmで、活発に活動する細長い灰褐色の小さな蛾。静止したときに背面にたたんだ前翅に目立つひし形の模様がある。卵は淡黄色。
 幼虫は体の両端がとがり気味の小さな青虫で、葉裏の葉脈に沿って1頭ずつ生息しする。成熟した幼虫は約10mmで、指先で触れると葉上でピンピンと跳ねるような動作をする。葉裏のくぼみで体が透けて見える網目状の薄いまゆの中で蛹化する。蛹は淡緑色~淡褐色。

2 被害の様子
 葉裏から円形または不規則な形に葉肉だけを食害し、葉表の表皮を残すため透けて見える。特に隣接した株の葉が、裏どうし密着した場合は、葉と葉の隙間に好んで入り食害する。大発生の場合、ハクサイ、ダイコン、キャベツ、カブの葉の葉芯、葉脈のみを残して加害し、葉苗の場合はそのために枯死することもある。ハクサイなどで収穫時に結球した内部に幼虫が入ったものは、商品価値が落ちる。

3 生態
・関東以西では、主に春から初夏、秋の発生が多いが、冬期にも緩やかながら成育を続けている。
・20、25℃飼育下では、卵から羽化まで(1世代)、それぞれ25、15日前後で経過する。関東以西では、年間10~12世代の発生を繰り返す。

4 発生しやすい条件
・幼虫の発生消長は、成虫の発生消長と密接な関係があり、成虫の発生ピークの15~30日後に幼虫発生のピークが出現する。
・成虫の発生消長は多くの要因により変動するが、特に降水量及び気温の影響が大きい。

  春期においては、前年秋期の降水量及び4月の気温などが発生量に影 響する。暖地では、幼虫の発生盛期の発生量と関連のある5月下旬~6月の成虫発生量は、5月上旬の降水量と負の相関が認められている。

  秋期においては、6~7月の降水量、夏期(7月中旬~8月下旬)の成虫発生量などとの関係も深いが、特に8月下旬~9月上旬の幼虫及び9月上旬~中旬の成虫発生量と、その後の発生量との間に正の相関が認められている。

5 防除対策
・早期防除を心がける。とくに幼苗は予防的に薬剤を散布する。関東以西では冬でも加害するので、冬期防除が必要である。
・毎年多発生する地域では、播種・定植時に粒剤を施用する。
・きわめて薬剤抵抗性の発達がはやい虫なので、同一系統の薬剤の使用を避け、作用機構の異なる薬剤のローテーション散布を心がける。
・発育がはやく、繁殖力が旺盛なので、盛期には7~10日ごとに薬剤散布する。
・栽培面積が広い場合(3~5ha以上)には、性フェロモン剤(交信かく乱剤)の利用も有効である。なお、発生初期に処理することが大切である。
 

コナガ成虫 
コナガ成虫

コナガ幼虫

コナガ幼虫

コナガ蛹

コナガ蛹

コナガ被害

コナガ被害