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病害虫図鑑 ナメクジ類(野菜共通)

ページID:0335969 掲載日:2021年4月1日更新 印刷ページ表示

ナメクジ Meghimatium bilineatum (Benson)
チャコウラナメクジ Ambigolimax valentianus (Férussac)
ノハラナメクジ Deroceras laeve (Müller)

1 生態・形態
 ナメクジ類は夜行性で日中は株元や敷きわらの下などに潜み、日没直後から活動を始める。通常、冬季には休眠する。施設栽培では春先から発生が見られる。

ナメクジ
 成体の体長は約8cm、体色は淡褐色~灰色で変化に富む。背面に2~3本の黒い筋がある。背面に黒褐色の小斑があるものもいる。甲羅はない。在来種で、人家の周りから森林まで生息する。3~6月に40~120個の卵が入ったゼラチン質の卵のうを石や落ち葉の下、小枝や雑草に産み付ける。卵は約60日でふ化し、ふ化した幼体は秋までに成体となり越冬する。年に一回の発生である。

チャコウラナメクジ
 成体の体長は約5cm、茶褐色で背面に2、3本の黒い筋がある。体の前部背面が甲羅状になっている。移入種であり、人家の周りや畑、草地などに多く、ふつうに発生する種で、農作物による被害は主に本種による。年1回の発生で、寿命は約1年で、秋に成体になる。卵は11~5月にふ化するが、5~7月に発生が多く梅雨に活動が盛んである。移動力に優れ、木に登る習性があり果樹の害虫としてよく知られている。一晩に10m以上移動することが可能である。比較的乾燥に強く、集団生活を好む傾向にある。

ノハラナメクジ
 成体の体長は約2cmである。体色は灰褐色~茶色がかった濃いネズミ色で、体の前部背面が甲羅状になっている。移入種であり、市街地や畑地の雑草内などに生息する。背面に筋や縦線はない。年2回発生で春と秋に産卵する。

2 被害の様子
・葉、花、果実を食害し、不規則な形をした孔があくのが特徴である。このような被害の周りには移動した痕跡として粘液が付着している。
・基本的には、腐敗し始めた植物残渣や動物の死骸を主食とする雑食性である種が多い。被害を与える農作物として、ナス、キャベツ、ハクサイ、イチゴ、レタス、ミカン、マリーゴールドなどがある。

3 防除対策
・ナメクジ類の発生が多い所では、潜伏場所となる、作物残渣や資材等を置かないようにする。
・ナメクジ類の潜伏場所となる場所を作り、餌を置き、そこに集まった個体を捕殺する。
・発生が多い場合には薬剤で防除する。

チャコウラナメクジ
         チャコウラナメクジ