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2014年職員仕事始め式あいさつ(1月6日)

ページID:0385993 掲載日:2022年3月24日更新 印刷ページ表示

職員仕事始め式あいさつ

  新年あけましておめでとうございます。
  県民の皆様、県庁の職員の皆さんが、輝かしい新春をお迎えになられたことと心からお喜びを申し上げます。
  2014年、平成26年のスタート、仕事始め式にあたりまして、所信を含めまして私から御挨拶を申し上げたいと存じます。

   昨年、平成25年は、円高の是正、デフレ脱却に向けて明るい兆しが見えてきた、そういった1年だったと思っております。
  私自身、昨年の漢字には「飛翔(ひしょう)」の「翔(しょう)」、飛ぶ、翔(か)けるという字を使わせていただきました。日本一の産業県・愛知が日本の産業経済を牽引していく、そういう勢いの出てきた1年だったと思っております。
  具体的には、航空宇宙産業を中心として大いに前進したこと、また、自動車産業を始めとして本県のモノづくり産業が大きく大きく飛翔(ひしょう)した、飛んで翔(か)けていくような、そういう勢いが出てきた1年であったと思っております。また、あいちトリエンナーレやB-1グランプリ、新城ラリーなどの大きなイベントもたくさんあり、成功いたしました。
  今年は、こうした昨年の飛ぶ翔(か)けるような勢いを、更に持続していきたいと思っております。
  また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2027年のリニア中央新幹線の開業により、今後6年、7年、さらに10年スパンで愛知・名古屋の構造や位置づけが大きく変わってまいります。今年はそうしたものを受け止め取り入れて、しっかりと前進させていくための礎をつくる大変重要な1年になろうかと思っております。
  皆様とともに、愛知の活力を更に高みに向けていくように、全力で取り組んでいきたいと思っております。

   さて、2014年は午年でございます。職員仕事始め式あいさつ甲の午で、60の干支でいきますと、真ん中の31番目でございます。後半戦がスタートするということでございますので、ここをうまく折り返して、次なる30年の飛躍に向けて、皆様とともに頑張っていきたいと思います。
  毎年御披露いたしておりますが、今年の意を込めまして、今年の書き初めは天馬が空を行く、「天馬行空」です。「てんば」というか「てんま」というか、これは好き好きだと思いますが、私は「てんま」というのが好きですが、天馬空を行くということでございます。中国の明時代の詩集から出た言葉でございますが、「天馬が自由に、自在に天空を駆けめぐる」という意でございます。私ども愛知が、そして愛知の産業・経済、また愛知の県民の皆様が自由な発想で勢いよく行動し、経済・産業を発展させ、世界中からヒト・モノ・カネを集め、「世界と闘える愛知」「日本一元気な愛知」をつくっていきたいという意を込めて、「天馬行空」ということでございます。そういう勢いのある1年にしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。

   そのためには、まずは、産業競争力の革新的強化でございます。付加価値の高い産業を更に愛知に呼び込むとともに、県内企業の高付加価値化により、愛知の産業力の革新的な強化を図り、日本の成長をリードする最強の産業県を目指していきたいと思っております。
  一昨年、平成24年度に創設をいたしました「産業空洞化対策減税基金」によるこの立地補助につきましては、これまで91件を採択し、投資規模は1,941億円、21,000人の雇用創出効果などをあげてきたわけでございます。引き続き、こうした日本一の企業立地、振興制度によりまして、県外企業の新規立地、県内企業の再投資、また、研究開発・実証実験を更に進めていきたいと思っております。
  航空宇宙産業につきましては、愛知・岐阜でスタートいたしました国際戦略特区のエリアを、昨年は三重県・岐阜県全域にも広げました。そして、特区のメリットを中堅・中小企業にも享受できるようにしました。“フルセット”のクラスターの形成に向けまして、更に進めていきたいと思います。今年は、長野県・静岡県まで広げていきたいと思っております。また、この航空宇宙産業特区の中核プロジェクトであります、日本初の国産ジェット旅客機MRJのプロジェクトにつきましても、年内に試験機ができることを期待いたしております。なお、県営名古屋空港の隣接地に民間航空機の生産拠点を誘致する事業を進めておりまして、それも大きく前進をいたしました。これらのプロジェクトを着実に推進いたしまして、アメリカのシアトル、フランスのトゥールーズに並ぶ航空宇宙産業の世界三大拠点を目指していきたいと考えております。
  愛知、日本の基幹産業であります自動車産業につきましては、引き続き豊田・岡崎地区におきまして、トヨタ自動車の研究者4,000人が働く日本一の研究団地をつくってまいりたいと考えております。あわせて、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車の本格的な普及拡大に向けてのインフラ整備などにつきましても、引き続き推進してまいります。
  また、東南アジアの重要拠点であります、タイ・バンコクに「海外産業情報センター」を設置いたしまして、中小企業の海外活動を支援するとともに、対日投資や日本への観光客の誘致を図っていきたいと思っております。
  こうした取組に加えまして、民間の力を引き出す規制改革を更に抜本的に進め、産業競争力を高める国家戦略特区の指定につきまして、強く働きかけをしていきたいと思っております。

   続きまして、愛知を支える人づくりでございます。
  日本一の産業県・愛知を支えているのは、何と言ってもマンパワーであります。次代を担う子どもたちの教育や、愛知の産業を支えるモノづくり人材の育成、世界を舞台に活躍をするグローバル人材の育成など、元気な愛知の基盤となる人づくりにも、しっかりと取り組んでまいります。
  今年11月には、技能五輪全国大会と障害者の技能全国競技会・アビリンピックがございます。合わせて1,000名を超える選手が参加をし、県内外からやってきていただける方々は18万人を超えると想定いたしております。昨年、千葉県などで行われた大会でも、愛知県選手団は優勝いたしました。これで全国制覇9連覇でございまして、今年は地元での10連覇を目指して、大きく飛躍をしていきたい、いただきたいと思っておりますし、大いに盛り上げていただきたいと思いますので、ぜひおもてなしの心でよろしくお願いを申し上げます。

   続きまして、農林水産業の振興でございます。
  愛知県は、日本有数の農業県でございまして、全国3番手グループ、全国順位は6位、中部地区最大の農業県でございます。
  特に花きは、昭和37年から50年連続の日本一ということで「花の王国」と言っても過言ではありません。そうした愛知の花を更に高みにもっていくために、「あいち花フェスタ」などのイベントと、「花いっぱい県民運動」も展開をいたしております。「あいち花フェスタ」につきましては、来年の中部空港開港10周年に向けて、今年はセントレアを中心に行いたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
  引き続き、愛知の農林水産物の販路拡大やPR、6次産業化、農商工連携など、全国に先駆けた取組をしっかりと進めていきたいと思っております。

   続きまして、環境首都あいちの実現に向けてでございます。
  日本一の産業県である愛知は、環境施策でもトップランナーでなければならないと思っております。
  このため、住宅用太陽光発電や小水力発電といった再生可能エネルギーの活用や、次世代自動車の導入に向けた取組を積極的に進めていきたいと思っております。
  また、COP10で採択をされました「愛知目標」の達成に向けて、生態系ネットワークの形成など、人と自然との共生を目指した取組を進めてまいります。この一環として、伊良湖休暇村公園施設に、全国初の再生した砂丘とオアシスの「花咲く砂丘の園デューンガーデン」を今年秋に一部オープンいたします。多くの皆様に砂丘に生育する植物を楽しんでいただきたいと思います。
  さらに、今年11月前半には、持続可能な開発のための教育の世界会議「ESDに関するユネスコ世界会議」を開催いたします。日本が提唱して始まった「国連ESD」の10年を締めくくる大変重要な会議でありまして、今年のユネスコでの最大の国際会議でございます。世界中から正式な参加者は1,000名以上、国内外から関係者5,000名が参加をされると見込んでおります。1月13日の「キックオフイベント」を皮切りに、今年1年を「ESDイヤー」と位置づけまして、持続可能な発展のための人づくり、かけがえのない地球を未来につなげていくために、愛知から大いに発信をしていきたいと思っております。2005年の愛知万博、2010年のCOP10、そして2014年のESDと、ホップ・ステップ・ジャンプで、世界に向けて環境面も含めた施策を大いにアピールしていきたいと思っております。

   続きまして、女性の活躍促進、子育て支援でございます。
  「世界と闘える愛知」を実現する上では、女性の活躍が不可欠であります。30歳代で労働力率が谷となる、いわゆる「M字カーブ」の解消を愛知から目指していきたいと思っております。「あいち女性の活躍促進プロジェクトチーム」におきまして、ワーク・ライフ・バランスの推進、子育て支援、女性自身のエンパワーメントなど、あらゆる角度から検討し、企業や県民の皆様に御理解いただきながら、女性の活躍促進に向けた取組の裾野を広げていきたいと思っております。
  子育て支援につきましては、少子化の流れを変えていく社会を目指して、保育所・放課後児童クラブの整備、保育を支える人材の確保など、保育サービスの充実にも取り組んでまいります。また、4月からの消費税の引き上げに対する対策といたしまして、子育て家庭に対して、子育て支援減税手当を給付し、国の施策と合わせまして、重点的に後押しをしていきたいと思っております。

   医療福祉の充実も大変重要な喫緊の課題でございます。
  障害者福祉につきましては、重症心身障害児者の方が、身近な地域で医療と療育が受けられる体制づくりを進めてまいります。第二青い鳥学園につきましても、27年度中の開所を目指し、建設を進めてまいります。また、愛知県で初めての民間法人による施設も一宮市で整備をしてまいります。これを後押しするために、「障害者福祉減税基金」を設けて後押しをしていきたいと思っております。心身障害者コロニーにつきましても、障害者医療の全県的な拠点「療育医療総合センター(仮称)」として再編整備をする建設工事も進めてまいります。
  特別支援教育につきましても、今年4月に、県立いなざわ特別支援学校を開校いたしますとともに、北設三町村内には、田口高校の中に豊橋養護学校の分教室となる山嶺教室も開設いたします。また、特別支援教育に係る課題を総合的に捉え、中長期的な視点に立った推進計画も今年度に策定をしてまいります。
  医療・介護・予防・住まい・住生活・生活支援サービスを切れ目なく一体的に提供する「地域包括ケアシステム」につきましても、全国に先駆けてモデル事業を進めてまいります。
  医療につきましては、愛知県がんセンター愛知病院に緩和デイケアセンターをオープンするとともに、城山病院につきましても、県全体の精神科医療の中核病院としての整備を進めてまいります。また、あいち小児保健医療総合センターに救急棟の建設を進めるなど、この3次救急の体制も整備をしていきたいと考えております。

   続きまして、県民の安全・安心の確保でございます。
  安全・安心で住みやすい地域づくりを進める上で、交通死亡事故の全国ワースト1位の返上は喫緊の課題でございます。県民総ぐるみの交通安全運動や、高齢者ドライバーの交通事故防止対策を実施するとともに、産学行政の連携のもと、自動車安全技術に係る研究開発・実証実験を推進するなど、日本一の自動車産業集積地の英知を結集し、安全技術の側面からも交通安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。
  防災面につきましても、南海トラフの巨大地震の発生が懸念される地域でありますので、地震防災対策の強化も大きな課題でございます。被害予測調査と地震防災対策の抜本的見直しを進めるとともに、市町村との合同による住民参加型の防災訓練、地震を想定して自らを守るシェイクアウト訓練など、県民総ぐるみの防災訓練を進めてまいります。また、県域を越えた関係機関との連携強化、緊急輸送道路や港湾設備など防災機能の強化に向けた社会基盤の整備、農業用排水機場やため池の耐震対策、県立学校の耐震化など、地震防災対策の強化に引き続き取り組んでまいります。

   続きまして、観光・スポーツなどの魅力発信でございます。
  観光面では、愛知県にあります、戦国武将ゆかりの城や名所、モノづくりの技や伝統、「名古屋めし」を始めとした「あいちグルメ」など、魅力的な観光資源を更にPRしてまいります。クールジャパンとしても注目されているアニメ、ポップカルチャーのイベントや世界コスプレサミットなども、大いにPRをしていきたいと思っております。また、観光プロモーションや、「あいち戦国姫隊」によるPR活動につきましても、先頭に立って取り組んでいきたいと思っております。
  スポーツでは、3回目となる「マラソンフェスティバル ナゴヤ・愛知2014」が今年の3月に控えております。昨年は、世界23の国と地域、国内の全都道府県から、約3万人の方が参加をされました。今年は更に多くの皆さんのお越しをお待ちいたしております。そして今回は新たに、車いすマラソンを併催させていただきます。パラリンピックのメダリストなど、国内のトップアスリート9名が参加をし、盛り上げていただけると思っております。こうした大会や新城ラリー、さらには、世界に打ち出せるスポーツ大会の育成を、引き続き目指していきたいと思っております。

   そして、「あいちビジョン2020」についてでございます。
  「世界と闘える愛知」「日本一元気な愛知」の実現に向けては、超高齢社会・人口減少の進行やリニア中央新幹線の開業などの社会経済環境の変化を踏まえた愛知の将来像をお示しすることが大変重要であります。このため、昨年末に素案を発表いたしました「あいちビジョン2020」につきまして、パブリックコメントにかけるとともに、県議会の皆様の意見をお聴きし、3月末までに策定をしていきたいと考えております。
  とりわけ、リニア中央新幹線の開業によりまして、首都圏から中部圏に及ぶ5,000万人規模の大交流圏が形成され、愛知がその日本の西側の拠点となる条件が整ってまいります。国内外からヒト・モノ・カネ・情報が集まり、活発な活動が展開される「中京大都市圏」の実現を目指して、このビジョンをしっかりと策定し、進めていきたいと考えております。

   以上、今年度の主な方向、施策の方向などにつきまして、お話をさせていただきました。これらの施策や取組を通じまして、私どもは「日本一元気な愛知」をつくるとともに、その日本一の元気を、生活の豊かさを実感できるような、そうした県民生活の実現につなげていきたいと考えているわけでございます。
  県民の皆様には、今年1年、何とぞよろしくお願い申し上げ、何と言っても、1年を健康で平和で安全に過ごすことが大事でございます。今年1年の県民の皆様の御健勝、御多幸、そして県民の皆様が元気さと豊さを実感できる県政を実現するために、職員の皆様には引き続き、それぞれの司、司で職務に御精励をいただきますように、心からお願いを申し上げる次第であります。
  今年1年、天馬が空を行くように、勢いにのって駆け巡る、そういう1年にしていきたいと思います。
  そして、再度申し上げますが、皆さんのご家族も、地域の皆様も、そして職員の皆さんにとっても、健康で笑顔で、今年1年が良い1年になるように、ともに頑張っていくことを、年頭にお誓いをさせていただいて、私からの年頭所感、そして年頭の挨拶とさせていただきます。
  今年1年、何とぞよろしくお願いいたします。