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2023年職員仕事始め式あいさつ(1月4日)

ページID:0439187 掲載日:2023年1月5日更新 印刷ページ表示

職員仕事始め式あいさつ

 あけましておめでとうございます。

 さて、昨年は、愛知県政150周年の節目を迎えることができました。その中で、日本が世界に誇るオリジナルコンテンツ、スタジオジブリの作品を凝縮した「ジブリパーク」が、ついに、11月開園を迎えることができました。

 また、国際芸術祭「あいち2022」、世界ラリー選手権など、ビッグイベントを成功裏に終えることができ、「愛知国際アリーナ」の新築工事着手、「STATION Ai」の工事着手、そして、これまでに積み上げてきた愛知の力を礎に、更なる飛躍に繋がる事業を様々手掛けることができ、愛知県が「躍進」する1年になったと思っております。

 さて、今年は、2023年です。今年は兎年でありまして、毎年、干支にちなんだ書き初めを行っていますが、今年は「白兎紫毫(はくとしごう)」、白い兎に紫の毛、ということでございます。
 「紫毫」というのは、紫色の毛のことで、白い兎も年を経ると紫色の毛が生えるということで、その毛で作った筆は、「紫毫筆」、紫毫の筆と言って最高級の筆とされています。このことから着想を得て、四字熟語を私が造りました。造語ということで、これが「白兎紫毫」です。2023年職員仕事始め式あいさつ
 この「紫毫筆」は、職人が素材を選び抜いて、匠の技で作り上げたものということで、軽くて小さな筆でも大きな価値を生み出すという意味を持っています。また、愛知県では、豊橋市が全国有数の筆の産地ということもあり、ものづくり愛知を象徴する言葉だと考えています。
 ちなみに、「紫毫」の原点がありまして、これは唐代の中国の詩人、白居易(白楽天)の「白氏文集」という全集の中に、この詩がありまして、その一節を申し上げますと、「紫毫の筆、繊きこと錐の如く、利きこと刀の如し。江南の石上に老兔有り、竹を齧り泉を飲みて紫毛を生ず。宣城の筆人、採りて筆を爲り、千萬の毛中より一毫を揀ぶ。一毫、輕しと雖も功は甚だ重し。每歲、宣城より筆を進むる時、兎毛の價は金の如く貴し。」というふうに書いてあります。江南の岩山の上に、年をとった兎が住んでいて、そして、紫色の毛を生やしていると。宣城の人はこの兎の毛をとって筆を作り、千万の毛の中から一本の毛を選び抜いている。兎の毛は軽いが、これを仕立てる匠の技が貴重だと。毎年、宣城では筆を貢納する時、紫毫の価値は同じ重さの金のように高価であると。白楽天の詩の中の一節に、「紫毫」というのが出てきたので、引っ張り出して造ったと。本当は、兎の後ろ足という、いい言葉がありますけれども、兎は後ろ足が大きいので、上り坂を上がっていく、威勢のいい年にしたいということもありますが、なかなか漢字になりませんので、「白兎紫毫」ということにさせていただきました。ちなみに、先ほど申し上げた通り、豊橋が全国有数の筆の産地でありまして、全国2位の生産量で、高級筆のシェアは全国の70%ということでございます。愛知の匠の技を表す言葉ではないかと思います。
 ものづくり愛知を象徴し、職人がこうした「紫毫筆」を作るように、今年も全力で愛知県政に取り組み、愛知県の価値を高めて、大いに発展させていく、そういう1年にしていきたいと思っております。職人が、兎の白い毛の中に1本だけある紫の毛を1本1本抜いて、それを束ねて紫毫の筆にするような匠の技を、ぜひ職員の皆さんには、今年1年、つかさつかさで発揮していただいて、愛知県民、750万県民の幸せのために頑張っていただきたいと、心から願う次第でございます。

 さて、具体的な今年の取組をいくつか申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス感染症です。昨年は、入院病床のさらなる確保、新たな宿泊療養施設の開設、検査体制の拡充など、医療提供体制の一層の強化・充実や、「予約なし接種」の実施など、ワクチン接種の加速に全力で取り組んでまいりました。
 今年も、社会経済活動とのバランスをとりながら、感染状況に応じ、必要な対策を速やかに講じてまいります。

 続いて、ジブリパークであります。
 ジブリパークは、2023年度に「もののけの里」と「魔女の谷」の2エリアが開園します。この2期オープンに向けまして、万全の準備を進め、「ジブリパークのある愛知」の魅力を全国、世界に発信していきたいと思っております。将来の永きにわたって、世界中の皆様に愛される公園施設となるように、引き続き、しっかりと取り組んでまいります。
 1年後には、ジブリパークの規模が2倍ということですので、またしっかりと進めてまいります。

 続いて、リニア大交流圏の形成です。名古屋駅のスーパーターミナル化、県内の鉄道ネットワークの充実・強化、広域道路ネットワークの整備、港湾の機能強化、社会インフラの整備を着実に進め、中部国際空港第二滑走路の2027年度の供用開始に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 「産業首都あいち」の実現に向けては、今年も、海外の有力なスタートアップ支援機関等との連携強化を図りながら、愛知独自のスタートアップ・エコシステムの形成を促進し、愛知発のイノベーションを次々と生み出す「国際イノベーション都市」を目指してまいります。

 その実現に向けて、国内最大のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」の2024年10月のオープンに向けて、新築工事に着手するとともに、民間提案を起点に社会課題の解決や地域の活性化を実現するプロジェクトの創出を目指す「革新事業創造戦略」に基づく取組を着実に進めます。

 農林水産業の振興です。昨年12月に県内で発生した鳥インフルエンザの影響を受けた農家の皆様に寄り添った支援を行うとともに、風評被害の防止にもしっかりと取り組みます。県の職員の皆さんには、大変寒い中、夜通し24時間の作業、過酷な条件の中での作業に、しっかりと取り組んでいただきました。県職員の皆さんには心から感謝を申し上げます。各部局長の皆様には、ぜひ職員の皆さんの労をねぎらっていただき、また、その後のケアもしっかりしていただきますようにお願いを申し上げます。また、協力をいただきました自衛隊の皆さん、豊橋市の皆さん、JA農協の皆さん、それから埋設処分等に協力をいただいた農業土木研究会を始め全ての関係の皆様に、各部局からそれぞれお礼を言っていただきたいと思っております。私どもは、12月議会でも予算措置をしましたが、引き続きですね、農家に寄り添った対応をしっかりとしていきたいと思います。愛知県では2例、全国的には、これまでで一番多く出ているということですので、引き続き、寒さもこれからが本番ですから、気を抜かずにしっかりと注視をし、対応に万全を期していきたいと思います。
 さて、一方で、「あいち農業イノベーションプロジェクト」の推進、ICTを活用したスマート農林水産業の推進など、さらなる競争力の向上に取り組みます。

 こうした取組を進めて、愛知の未来を創り上げる原動力となるのが「人」であります。子ども・若者・女性・高齢者・障害のある方など、全ての人が活躍する社会、全ての人が活躍し、人が輝く愛知をしっかりとつくってまいります。

 そして、県立高校の一層の魅力化・特色化や再編、中高一貫校の開校準備、特別支援教育では、今年4月1日に「千種聾学校ひがしうら校舎」を開校、1年後、2024年4月には、岡崎特別支援学校を本宿から美合へ新築移転、開校、そして、小牧特別支援学校といなざわ特別支援学校に知的の子どもたちのための校舎を新築・増築ということで、進めてまいります。

 また、県民の皆様の健康寿命延伸と生活の質向上に貢献するサービス・ソリューションを創出する「あいちデジタルヘルスプロジェクト」に着手し、誰もが安心して、元気に暮らせる愛知づくりを進めます。

 次に、観光あいち・魅力発信であります。
 ジブリパーク開園の効果を国内外からの誘客につなげるとともに、大河ドラマ「どうする家康」が放送される機会を活かしまして、武将のふるさと愛知をしっかりとPRしてまいります。年末年始、特に年始かな、「どうする家康」の番組宣伝がNHKでばんばかやっておりましたけれども、舞台は東海、愛知、岡崎ということで、大変楽しみであります。1月8日には、主役の松本潤さんと有村架純さん始め皆さんが岡崎にみえるということなので、私も行ってきますが、大変盛り上がるのではないかと大いに期待いたします。2023年も、ジブリパークの2期オープン、それから「どうする家康」ということで、また明るい話題をしっかりと鷲掴みにして、全国に発信をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続いて、文化・スポーツです。2026年のアジア競技大会、パラ大会の開催に向けて、名古屋市、組織委員会としっかり連携して準備を進め、あわせて世界最高クラスのアリーナ「愛知国際アリーナ」の2025年夏オープンに向けて取り組んでまいります。
 「あいちアール・ブリュット展」は、2014年の初開催から今年で10周年ということであります。一層の充実を図り、障害のある方の文化芸術活動を応援いたします。

 「安全・安心なあいち」をつくるため、「愛知県基幹的広域防災拠点」の整備、住宅・建築物の耐震化、河川・海岸堤防の整備などの防災対策を着実に進めます。
 悲惨な交通事故による犠牲者を1人でも減らせるよう、引き続き、関係機関一丸となって、交通事故抑止に全力で取り組んでまいります。昨年は、交通事故で亡くなる方が全国でワースト2位ということでした。4年連続全国ワーストは免れたということでありますが、一昨年よりも増え、20名くらい増えたのかな、大変厳しい状況でありますので、年明けまた引き続き、交通安全、何卒よろしくお願いいたします。

 「環境首都あいち」の実現に向けては、愛知発の脱炭素イノベーションの推進、水素利用のさらなる拡大、「カーボンニュートラルあいち」の実現を目指します。

 東三河の振興については、東三河県庁を軸に、副知事を中心に、引き続き全力で取り組んで、輝く東三河の実現を目指してまいります。

 行財政改革は、「あいち行革プラン2020後半期の取組」に基づいて、引き続き全庁を挙げて取り組んでまいります。

 県行政は、多岐にわたる様々な面から、県民の皆様の生活と福祉の向上を支えています。県庁全体でしっかりと連携を取りながら、「日本一元気な愛知」「すべての人が輝く愛知」「日本一住みやすい愛知」の実現を目指して、職員一丸となって、事業を着実に前に進めていただきたいと思います。

 今年1年が、愛知県にとりまして、そして、愛知県民の皆様にとりまして、素晴らしい年となりますように心から祈念申し上げ、そしてまた、職員の皆様と一緒になって愛知県民の幸せのために、今年1年、邁進して取り組んでいくということを申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。今年1年も何卒よろしくお願いをいたします。

 ありがとうございました。