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水田有機農業省力化推進事業について
不耕起V溝直播栽培における農薬を使わない除草・抑草技術の開発
1 事業の目的
持続可能な農業の実現に向けて、化学肥料や農薬の使用による環境負荷の軽減に配慮した技術が求められています。国は「みどりの食料システム戦略」において2050 年までに耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%に拡大する目標を掲げ、本県も「愛知県有機農業推進計画」で2030 年に900ha とする目標を掲げた取組を進めています。
有機農業の取組面積を拡大するためには、本県耕作面積の50%以上を占める水田における取組推進が効果的です。一方、水稲栽培で有機農業に取り組むには、通常栽培に比べ除草作業に多くの労力・コストがかかることが課題となっています。特に、本県水稲栽培では、省力的な不耕起V溝直播栽培(以下、「V直栽培」という。)が広く行われており、V直栽培における無農薬・大規模・省力除草技術が開発・確立できれば、省力で大規模に有機農業に取り組むことが可能となり、大きな波及効果が期待できます。
有機農業の取組面積を拡大するためには、本県耕作面積の50%以上を占める水田における取組推進が効果的です。一方、水稲栽培で有機農業に取り組むには、通常栽培に比べ除草作業に多くの労力・コストがかかることが課題となっています。特に、本県水稲栽培では、省力的な不耕起V溝直播栽培(以下、「V直栽培」という。)が広く行われており、V直栽培における無農薬・大規模・省力除草技術が開発・確立できれば、省力で大規模に有機農業に取り組むことが可能となり、大きな波及効果が期待できます。
2 技術開発の概要
愛知県農業総合試験場では、水稲の有機栽培の開発に向け、収量性、品質調査を行うとともに、有機質資材等を活用し化学合成農薬を使わない栽培方法について研究しています。
また、公募により選定した企業と共同で、以下のとおり、V直栽培における農薬を使用しない大規模・省力的な雑草防除技術の開発を行っています。
(1)鋤柄農機株式会社(岡崎市)
- 課題名
V直用乾田除草ロータ - 内容
乾田期間の除草技術 - 技術開発の概要
乾田期に稲が生育している状態で条間に小型のロータを通過させ、表土に近い部分を浅く耕起し除草する技術を開発
(2)株式会社東海近畿クボタ(兵庫県尼崎市)
- 課題名
直進キープ自動操舵による湛水除草 - 内容
湛水期間の除草技術 - 技術開発の概要
自動操舵型田植機にアタッチメントを取り付け、V直栽培の条件(条間、刃、撹拌力、重量)に適応した機械除草技術を開発
(3)株式会社テムザック(京都府京都市)
- 課題名
広範に適応可能な自律機構を含む雑草防除技術 - 内容
乾田・湛水の両期間に適用 - 技術開発の概要
自律走行する台車と、クローラ部前面及び本体下部に設置する除草機構で構成される機体による、乾田期・湛水期の両方で適応可能な除草技術の開発(初年度はリモコン)
3 トピックス
2024年12月18日
株式会社テムザックが、本事業で取り組む除草ロボットの開発についてプレスリリースを行いました。
リリース|愛知県の研究開発事業に採択され 乾田・湛水の両方で使える除草ロボットの開発を開始 | テムザック – tmsuk
【参考】水稲不耕起V溝直播栽培(V直栽培)の概要
水稲不耕起V溝直播栽培は、愛知県農業総合試験場が、1994年に開発した技術です。乾田ほ場に専用の播種機でV字型の溝を切り、種もみと肥料を同時に播くことで、育苗と田植え作業を省略でき、中干しも不要な省力稲作技術です。
移植栽培に比べ労働時間の30%削減や、作業期間の分散ができることから、栽培面積の規模拡大が可能であり、本県では栽培面積約4,000haに普及しています(2023年度、県調べ)。また、多くの道府県にも導入されています。
栽培マニュアル
V直栽培の動画
- 水稲不耕起V溝直播栽培(Shortバージョン)(Youtubeリンク)
- 水稲不耕起V溝直播栽培(Longバージョン)(Youtubeリンク)