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研究報告第43号-抄録003

ページID:0052007 掲載日:2015年6月3日更新 印刷ページ表示

水稲の白未熟粒発生を抑制する深水無落水栽培について;生育と玄米外観品質に与える影響

Plant Production Science 14:282-290(2011)

キーワード

白未熟粒、深水かんがい、玄米外観品質、高温、水稲、不耕起V溝直播栽培

摘要

近年、水稲において登熟期の高温に起因する玄米外観品質(以下、外観品質)低下が問題となっている。

そこで、2009~2011年の3年間に水稲品種「コシヒカリ」を用い、省力的でかつ作業能率の高い直播栽培方法である「不耕起V溝直播栽培」と、20cm程度の湛水深を維持する「深水かんがい」を組み合わせた「深水無落水栽培」が、生育や玄米外観品質に与える影響を検討した。

慣行のかんがい水深の不耕起V溝直播栽培(以下、慣行区と略する)と比較すると深水かんがい区(以下、深水区と略する)の草丈は長く、穂数は少なかった。しかし、一穂籾数が増加したので㎡あたり収量は慣行区と同等であった。

外観品質は、深水区で慣行区に比較して基部未熟粒の発生が5%抑制され、整粒歩合が10%向上した。

これらの傾向は、試験を行った3年間、かつ異なる試験系で同様だった。

以上より、収量を低下させることなく外観品質を向上させること、かつ省力的であることから、深水無落水栽培は有効な玄米外観品質向上技術であると考えられた。

なお、深水区の葉色は、生育期間をとおし濃かったことから、光合成活性が高い可能性が示された。

著者

林元樹:作物研究部

杉浦和彦:作物研究部

久野智香子:作物研究部(現環境基盤部)

遠藤征馬:作物研究部

田中雄一:作物研究部(現園芸農産課)

山内 章:名古屋大学農学部

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