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研究報告第43号-抄録007

ページID:0052013 掲載日:2015年6月3日更新 印刷ページ表示

名古屋種の遅羽性系統における速羽性表現型への復帰突然変異の特徴

Journal of Poultry Science 48(3):155-161

キーワード

ニワトリ、内在性ウイルス遺伝子ev21、羽性、名古屋種、復帰突然変異

摘要

ニワトリの遅羽性系統では速羽性の表現型を示す雌ヒナが稀に出現することが知られている。しかしながら、その復帰突然変異の発生に関する詳細な研究はこれまでにほとんど報告されていない。

本研究は名古屋種の遅羽性系統の3世代(G7-G9)でみられた復帰突然変異した雌個体の出現率を調査し、さらに、速羽性に復帰突然変異した個体のDNA構造の特徴を明らかにするために行われた。

その結果、速羽性に復帰突然変異した雌個体は3世代で合計5羽(G7:376羽中3羽、G8:383羽中1羽、G9:411羽中1羽)が観察され、その出現率はG7で0.80%、G8で0.26%、G9で0.24%であった。

また、2種類のPCRと1種類のRFLP-PCRによるDNA解析の結果、名古屋種では2種類の復帰突然変異体(タイプⅠが3羽、タイプⅡが2羽)が存在することが確認され、速羽性への復帰突然変異はニワトリ白血病ウイルス由来の内在性ウイルス遺伝子ev21の挿入と重複によって生じた相同領域であるORとUR-Kのどちらかの欠失が関わっていることが示された。

さらに、速羽性に復帰突然変異した雌個体の全姉妹および半姉妹の表現型はすべて遅羽性であったため、復帰突然変異した雌の父鶏はZ染色体の一方にあるev21-K複合遺伝子座のORあるいはUR-Kがすでに欠失していたのではなく、精子形成時に欠失が生じていたことが示唆された。

著者

中村明弘:畜産研究部

石川明:名古屋大学大学院生命農学研究科

長尾健二:畜産研究部

渡邉久子:畜産研究部(現畜産総合センター種鶏場)

内田正起:畜産研究部

神作宜男:麻布大学獣医学部

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