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院長あいさつ

愛知県医療療育総合センター中央病院 院長

愛知県医療療育総合センター中央病院
病院長 水野 誠司

 4月より中央病院の病院長を拝命しました水野でございます。この場をお借りして、ご挨拶をさせていただきます。

 私どもの病院は新しい建物に移ってから3年が経ち、県民の皆さんに組織や名称が変わったことが知られるようになってきました。1970年代開設当時からの変遷を振り返ると、言語聴覚療法などが中途から導入されたり県内最大規模であった新生児センターが廃止されたりと、時代の要請に応えて診療内容が変わっています。この数年も児童精神科病棟の増設や臨時の新型コロナ対応病棟、医療的ケア児センターとしての新たな役割などで、社会の要請に対応しています。成人期への移行医療、発達障害に対する社会の認知の増大、こばと棟入所者の医療の高度化や高齢化などの今後の課題を考えると、これからも立ち止まることなく社会の要請を先取りする形で変わっていかなければなりません。

 一方で、時代が移っても変わらないものもあります。私たちが対象とする子どもや患者さんの多くは成長や発達に違いがあり、医療的にも社会的にも支援を必要とする方たちです。そのご家族がこの病院を初めて訪れる時には、重い気持ちで来られる場合もあるでしょう。そんな方々がほっとするような場を提供することは、いつの時代においてもこの組織の変わらない役割であると思います。その努力は、今後も変わらず続けていきたいと思います。

 昨今は多様性という言葉に人々の関心が高まっています。私たちの病院の診療対象も多様性の幅が広い子どもたちですが、多様性を理解することは必ずしも容易ではありません。そのためには職員や関係者が経験を共有し、自ら研鑽を重ねなければなりません。また、同時進行で多様な患者さんの医療を行うことは困難さを伴うことがありますので、常に医療安全に留意しなければなりません。幸い医療療育総合センターには多様性の原因を研究する発達障害研究所や多様性への人々の理解を助け支援する療育支援センターがあり、私たちにも多様な視点を提供してくれます。中央病院は両施設とも連携して、多様性のある方たちに安全で安心できる医療を提供できるよう努力して参りますので、今後とも皆さまのご指導・ご鞭撻を宜しくお願い致します。

令和4年4月吉日