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愛知県と公益財団法人科学技術交流財団(豊田市)では、産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクト(※1)IV期」を2022年度から実施しています。
この度、「プロジェクトSDGs(※2)」の「地域CN(カーボンニュートラル)に貢献する植物生体情報活用型セミクローズド温室の開発(※3)」に関して、豊橋技術科学大学の髙山弘太郎(たかやま こうたろう)教授、シンフォニアテクノロジー株式会社(本社:東京都港区、県内工場:豊橋市)の武藤昌三(ぶとう しょうぞう)代表取締役会長及びPLANT DATA(プラントデータ)株式会社(愛媛県松山市)の北川寛人(きたがわ ひろと)代表取締役CEOらが、研究成果の報告のため知事を訪問しますので、お知らせします。
1 日時
2025年3月21日(金曜日)午前11時15分から午前11時30分まで
2 場所
愛知県公館
3 訪問者(敬称略)
団体名等 | 役 職 | 氏名 |
国立大学法人豊橋技術科学大学 | 教授 | 髙山 弘太郎(たかやま こうたろう) |
シンフォニアテクノロジー株式会社 | 代表取締役会長 | 武藤 昌三(ぶとう しょうぞう) |
シンフォニアテクノロジー株式会社 |
電機システム本部 |
爪 光男(つめ みつお) |
PLANT DATA株式会社 | 代表取締役CEO | 北川 寛人(きたがわ ひろと) |
公益財団法人科学技術交流財団 | 専務理事 | 加藤 淳二(かとう じゅんじ) |
4 次第
(1)研究成果報告
開発品であるセミクローズド温室の模型、光合成チャンバを確認しながら、CO2濃度等の温室内環境制御によるトマト栽培の収穫量増加について報告します。
(2)知事からの感想
(3)意見交換
(4)記念撮影
5 研究成果
本県は全国有数の農業県であり、暮らしを支える生鮮野菜や花きの通年安定供給は愛知県の施設園芸の重要な役割です。施設園芸の更なる発展のために、生産性向上に向けたスマート農業技術の実装や、カーボンニュートラル・SDGsといった社会的ニーズへの対応が求められています。そのため、省エネルギー・省資源でありながらも高品質な農作物を持続的に生産するスマート農業への転換が急務となっています。
本プロジェクトでは、植物の光合成状態といった生体情報を取得可能な光合成チャンバ(※4)(図1)及びCO2濃度等の温室内環境を制御可能なセミクローズド温室(図2)を開発しました。植物の成長のためには、高CO2濃度だけではなく、水分の確保、土壌中の肥料の吸収、湿度調節と蒸散の促進が重要であり、本装置により、生体情報を基に温室環境を最適に制御することで、生体情報を用いずに環境制御を行う温室に比べてトマト生産量の50%増加の見通しを得ました。本装置の導入により、生産性向上、カーボンニュートラル、新しい農業の担い手となる人材の育成等への貢献が期待できます。
図1 光合成チャンバ
図2 セミクローズド温室の外観
6 用語説明等
※1 知の拠点あいち重点研究プロジェクト
付加価値の高いモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に大学等の研究シーズを活用したオープンイノベーションにより、県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新たなサービスの提供を目指す産学行政の共同研究開発プロジェクト。2011年度から2015年度まで「重点研究プロジェクトI期」、2016年度から2018年度まで「重点研究プロジェクトII期」、2019年度から2021年度まで「重点研究プロジェクトIII期」を実施し、2022年8月から「重点研究プロジェクトIV期」を実施。
「重点研究プロジェクトIV期」の概要
実施期間 |
2022年度から2024年度まで |
参画機関 |
16大学 7研究開発機関等 88社(うち中小企業59社)(2025 年2月時点) |
プロジェクト名 |
・プロジェクトCore Industry |
※2 プロジェクトSDGs
概要 | SDGs達成に向けた脱炭素社会・安心安全社会の実現と社会的課題の解決に資する技術開発に取組みます。 |
研究テーマ |
【分野】カーボンニュートラル S1 地域の資源循環を支える次世代の小規模普及型メタン発酵システム S2 インフォマティクスによる革新的炭素循環システムの開発 【分野】感染症対策・ライフサイエンス S3 健康と食の安全・安心を守る多項目遺伝子自動検査装置の開発 S4 多感覚ICTを用いたフレイル予防・回復支援システムの研究開発 S5 管法則に基づく血管のしなやかさの測定システムの開発 S6 安心長寿社会に資する認知情動を見守り支える住まいシステム開発 【分野】災害対策・自然利用・複合分野 S7 地域CNに貢献する植物生体情報活用型セミクローズド温室の開発 S8 全固体フッ化物電池の開発とその評価技術の標準化 S9 血中循環腫瘍細胞からがんオルガノイド樹立が可能な1細胞分取装置の開発 |
参画機関 |
8大学 5研究開発機関等 26社(うち中小企業19社)(2025年2月時点) |
※3 地域CNに貢献する植物生体情報活用型セミクローズド温室の開発
研究リーダー |
豊橋技術科学大学 教授 髙山 弘太郎 氏 |
事業化リーダー |
シンフォニアテクノロジー株式会社 爪 光男 氏 |
内容
|
植物生育状態のリアルタイムモニタリング(光合成計測チャンバ&植物画像計測ロボット)に基づいて、換気の最小化と室内空気循環の最適化を可能にするセミクローズド(半閉鎖型)温室を開発し、この温室において高CO2濃度かつ最適温湿度の栽培条件を長時間維持することで、高収量・高品質・高効率、かつ、カーボンニュートラルの施設生産を実現する。 |
参加機関 |
〔企業〕 〔大学〕 〔公的研究機関〕 |
○印は今回訪問する企業等
※4 光合成チャンバ
トマトの苗全体を透明な袋で覆い、消費されるCO2濃度の変化を測定し、作物の光合成速度等をモニタリングすることで、収穫時期予測、コストダウン、高収益化に貢献する。
愛知県経済産業局産業部産業科学技術課
科学技術グループ
担当:近藤、加藤、山本、松崎
電話:052-954-6351
メール:san-kagi@pref.aichi.lg.jp