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ホーム > しごと・産業 > 商工業・中小企業 > 工業 > 第4章 愛知県内地場産業異業種展開実態調査結果

第4章 愛知県内地場産業異業種展開実態調査結果

1.実態調査の調査結果概要

(1)調査の趣旨

 愛知県の地場産業に該当する中小企業が、異業種展開を行っているか、どのような意識でいるか等を把握するため、アンケート調査を実施したもの。

(2)調査結果の概要

異業種に現在進出している企業は2.6%、進出予定、撤退を含めても4.3%

 愛知県内の地場産業が本業以外の異業種に現在進出している企業は2.6%にとどまる。進出予定企業、一度は進出したものの既に撤退している企業を含めても僅か4.3%である。
 本業の業種別の比率では、「窯業・土石製品製造業」が6.9%と最も高く、以下「家具・装備品製造業」3.7%、「繊維工業」3.6%、「食料品製造業」2.3%(全業種計で4.3%)となり、業種による多少の違いはあるものの、いずれも低いという結果となった。

異業種に進出する際に従来の業種の技術を活用した企業は55.6%

 異業種に進出する際に従来の業種の技術を活用した企業は55.6%、一方で活用していない企業は44.4%である。「窯業・土石製品製造業」は73.3%が従来の業種の技術を活用したと回答しているのに対して、「繊維工業」では46.2%にとどまる。業種間で技術の活用に違いがみられた。

異業種進出のきっかけ・動機は「経営者自身が判断した」が62.9%で最多

 異業種進出のきっかけ・動機は、「経営者自身が判断した」が62.9%と他の項目に比べて突出している。「自社技術や人材など経営資源の有効活用」は2番目に多かったものの、その比率は28.6%にとどまる。
 「本業の受注減などによる危機感」が25.7%と3番目に多かったが、「繊維工業」では15.4%が、「窯業・土石製品製造業」では40.0%がこれに該当すると回答しており、業種間で危機感の違いがみられた。

異業種進出の課題は「仕入先や外注先、販売先の確保」が52.9%で最多

 異業種進出の課題は、「仕入先や外注先、販売先の確保」が52.9%と最も多く挙げられている。次いで、「製品・商品の企画・立案・開発」が47.1%、「人員確保、人材育成、社員教育」が32.4%と続いている。
 ただ、業種別で見ると、「繊維工業」では、「製品・商品の企画・立案・開発」46.2%、「仕入先や外注先、販売先の確保」38.5%、「人員確保、人材育成、社員教育」30.8%の順に、「窯業・土石製品製造業」では、「仕入先や外注先、販売先の確保」73.3%、「製品・商品の企画・立案・開発」「事業計画の策定」「資金調達」がいずれも40.0%という順になり、業種により課題に違いが見られた。

異業種進出事業の売上についての社内評価は、成功、目標を下回るが半々

 異業種進出した事業の売上についての社内評価は、「大いに成功している」「成功している」が40.6%、「やや目標を下回る」「大きく目標を下回る」も40.6%と評価が半々に分かれた。なお、業種別に見ても、同じ傾向である。

撤退した理由は「計画通りに売上があがらなかったため」が61.5%で最多

 撤退した理由では「計画通りに売上があがらなかったため」が61.5%を占めている。異業種進出の課題に挙がっているように、成功するためには仕入先や外注先、販売先の確保が重要となる。

一度も進出したことはない企業の進出しない理由は「異業種(新分野・新市場)に進出するノウハウがない」が47.7%で最多

 一度も進出したことはない企業の進出しない理由は、「異業種(新分野・新市場)に進出するノウハウがない」が47.7%、「異業種(新分野・新市場)に進出するための人材がいない」が33.8%など“ノウハウ”と“人材”の不足が多く挙げられている。
 一方で、「異業種(新分野・新市場)に進出する必要性を感じない」が44.4%あった。
 業種別に見ても、多少の増減はあるものの、ほぼ同じ傾向である。

今後の異業種進出の意向がある企業は22.1%

 今後の異業種進出の意向がある企業は22.1%を占めている。現在進出中の企業2.6%と比べると、潜在的なニーズは高いと言える。
 業種別では、「食料品製造業」「飲料・たばこ・飼料製造業」で異業種進出の意向がある企業は10%前後と低く、「繊維工業」「窯業・土石製品製造業」「家具・装備品製造業」は20%台前半となり、業種により差が出た。
 一方、進出したい業種と事業内容の回答を分析すると、製造業以外への展開(卸・小売、不動産、建設業など)を記載した回答が半数以上あり、本調査の対象とする別の製造業へ展開を考えている企業は、さらに少ないと考えられる。

2.実態調査の調査結果

(1)回答企業の主業種(本業)

 回答企業の業種は、「繊維工業」が最も多く45.7%(386社)を占めている。
 次いで「窯業・土石製品製造業」が25.7%(217社)、「食料品製造業」が10.3%(87社)で続いている。

図2-1

(2)異業種進出の実施状況

 本業以外の異業種(製造業限定)への進出状況は、「現在進出している」は2.6%(22社)、「これから進出予定」は0.2%(2社)となっている。
 一方、「一度も進出したことはない」は95.6%(805社)となっている。

図2-2

(3)従来の技術の活用状況

 異業種に進出する際に従来の業種の技術を「活用した(する)」は55.6%(20社)、一方で「活用していない」は44.4%(16社)となっている。

図2-3

※「現在進出している」「これから進出予定」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

(4)進出している(していた、する予定)事業概要

進出業種

 進出している業種とその事業内容について具体的な回答があるものをみると、製造業への進出が多いことが分かる。
図2-4-1

※「現在進出している」「これから進出予定」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

進出時期と撤退時期

 進出時期については、最も古いところで1958年とする企業があるが、2000年以降に進出している企業が多くを占めている。
 既に撤退している企業をみると、進出から撤退までの期間が最も短いところでは3年、一方で最も長いところでは11年の企業がみられる。

活用した技術と進出業種、時期の関連表

<現在進出している>

主業種名

活用した(する)技術の概要

進出業種

進出時期

撤退時期

繊維工業

縫製。

食料品製造業

2000年

従来の技術がなければ異業種に進出できない。進出と言うよりは変化する方が良いと思う。

繊維工業

2010年

LEDを組み込んだ光る繊維ロープを開発し、現在販売しています。繊維ロープ製造の技術を活用。

サービス業

2010年

家具・装備品製造業

技術を生かして。

その他の製造業

2000年

溶接、塗装など。

その他の製造業

2006年

窯業・土石製品製造業

湿式粉砕及び磨砕方法を乾式に変更。研磨微粉製造の方法等を用いた受託粉体加工。

窯業・土石製品製造業

1985年

窯業の技術を生かした製造法を利用して植物性樹脂を配合した粘土素材製品。

プラスチック製品製造業

2005年

食品素材で出来ている増粘剤 。特許からも使用。

窯業・土石製品製造業

2008年

屋根施工と瓦製造技術。

小売業

2008年

加工技術の応用。

サービス業

2009年

セラミックス部品の加工技術。

電気機械器具製造業

2010年

墓地の開拓など。

建設業

2010年

<これから進出予定>

主業種名

活用した(する)技術の概要

進出業種

進出時期

撤退時期

家具・装備品製造業

麦ワラから、家具及び建材の材料を製造する技術。

家具・装備品製造業

2012年

窯業・土石製品製造業

磁性かんらん岩を製造する為の砕石技術応用。

卸売業

 

<以前は進出していたが、現在は撤退している>

主業種名

活用した(する)技術の概要

進出業種

進出時期

撤退時期

繊維工業

ろ過分離技術。

窯業・土石製品製造業

2000年

2004

織物への薬剤処理による印字性アップ。

印刷・同関連業

2003年

2007

窯業・土石製品製造業

コンクリート二次製品の製造技術。

建設業

2003年

2010

(5)進出するまでの準備期間

 異業種に進出するまでの準備期間は、「1年間」が34.4%(11社)で最も多く、これに「半年間」15.6%(5社)を含めると準備期間が1年以内とする企業が50.0%を占めている。
 一方、2年以上の準備期間を要した企業は34.4%となっている。

図2-5

※「現在進出している」「これから進出予定」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

(6)異業種進出のきっかけとなった動機

 異業種進出のきっかけとなった動機は、「経営者自身が判断した」が62.9%(22社)で最も多く、次いで「自社技術や人材など経営資源の有効活用」28.6%(10社)、「本業の受注減などによる危機感」25.7%(9社)と続いている。
図2-6

※「現在進出している」「これから進出予定」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

(7)異業種進出に当たっての課題

 異業種進出に当たっての課題は、「仕入先や外注先、販売先の確保」が52.9%(18社)で最も多く、次いで「製品・商品の企画・立案・開発」47.1%(16社)、「人員確保、人材育成、社員教育」32.4%(11社)と続いている。
図2-7

※「現在進出している」「これから進出予定」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

(8)異業種進出した事業の売上の社内評価

 異業種進出した事業の売上の社内評価は、「大いに成功している」3.1%(1社)と「成功している」37.5%(12社)を合わせた40.6%(13社)の企業が成功していると回答している。
 一方、「大きく目標を下回る」28.1%(9社)と「やや目標を下回る」12.5%(4社)を合わせると40.6%(13社)になり、成功している企業と同数の企業が目標を下回っている。

図2-8

※「現在進出している」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

(9)異業種から撤退した理由

 異業種に進出したものの撤退した理由は、「計画通りに売上があがらなかったため」が61.5%(8社)で最も多く、次いで「赤字発生による本業の財務体質悪化のため」が30.8%(4社)で続いている。

図2-9

※「これから進出予定」「以前は進出していたが、現在は撤退している」企業のみ対象。

(10)異業種に進出しない理由

 異業種に進出しない理由は、「異業種(新分野・新市場)に進出するノウハウがない」47.7%(350社)と「異業種(新分野・新市場)に進出する必要性を感じない」44.4%(326社)の2つに回答が集中している。これら以外では「異業種(新分野・新市場)に進出するための人材がいない」33.8%(248社)で続いている。
図2-10

※「一度も進出したことはない」企業のみ対象。

(11)今後異業種に進出する意向

今後異業種に進出する意向

 今後異業種に進出する意向は、「進出したい意向はある」が22.1%(182社)に対して、「進出する意向はない」が77.9%(640社)を占めている。
図2-11-1

進出したい業種と事業内容

 進出したい業種とその事業内容について具体的な回答があるものをみると、「製造業」が3割、「製造業以外」が7割を占めている。
 製造業以外に進出したい業種としては、農業、飲食店、販売業、リフォーム業、建築・建設業関連の業種が多くみられる。

図2-11-2
現在の業種と進出したい業種

主業種名

進出業種

件数

繊維工業 25件

食料品製造業

3件

繊維工業

1件

窯業・土石製品製造業

1件

輸送用機械器具製造業

3件

その他の製造業

1件

農業

3件

建設業

1件

情報通信業

1件

卸売業

1件

小売業

6件

不動産業

4件

窯業・土石製品製造業 14件

食料品製造業

1件

印刷・同関連業

1件

窯業・土石製品製造業

1件

その他の製造業

1件

農業

2件

建設業

4件

運輸業

1件

卸売業

2件

サービス業

1件

食料品製造業 4件

食料品製造業

3件

飲食サービス業

1件

家具・装備品製造業 4件

建設業

2件

卸売業

1件

小売業

1件

その他 5件

建設業

1件

卸売業

1件

小売業

1件

飲食サービス業

2件

参考 調査概要及び集計結果

(1)調査目的

 愛知県内の地場産業の企業を対象に、異業種への展開の実態・意識調査を実施し、その集計・分析結果を公開する事により、県内地場産業が異業種展開を検討する際の参考とすることを目的にアンケート調査を実施しました。

(2)調査対象

 株式会社東京商工リサーチが保有する企業情報データベースから、以下の1~3の条件で2,434社抽出。

抽出条件:1本社所在地、2規模、3業種

項目

内容

1本社所在地

愛知県

2規模

資本金3億円以下または従業員300人以下の企業
※中小企業基本法の定義

3業種

0932 野菜漬物製造業
0941 味そ製造業
0942 しょう油・食用アミノ酸製造業
0972 生菓子製造業
0974 米菓製造業

0992 めん類製造業
1023 清酒製造業
11 繊維工業
13 家具・装備品製造業
21 窒業・土石製品製造業

(3)調査内容

調査内容

調査項目

設問

主業種

・主業種(本業)の内容

異業種進出の状況と概要

・異業種進出の実施状況
・従来の技術の活用状況
・進出業種
・事業内容
・進出・撤退時期
・準備期間

異業種進出の動機・課題

・異業種進出のきっかけとなった動機
・異業種進出に当たっての課題
・異業種進出した事業の売上の社内評価

異業種からの撤退理由・異業種に進出しない理由

・異業種から撤退した理由
・異業種に進出しない理由

異業種進出の意向

・今後異業種に進出する意向

(4)調査期間

平成23年10月21日~11月18日

(5)調査方法

郵送配布-郵送回収によるアンケート調査
※郵送後、協力依頼電話を実施

(6)有効回答数・回答率

有効回答数・回答率

標本数

(A)

2,434社

総回収数

(B)

848社

有効回収数

(C)

845社

無効回収数

3社

回収率

(B/A)

34.8%

有効回収率

(C/A)

34.7%

(7)注意事項

  • 図表中の「n」(Number of caseの略)は、設問に対する回答者の総数を示しており、回答者の構成比(%)を算出するための基数である。
  • 図表中の構成比は、小数点第2位以下を四捨五入している。
  • 複数回答の設問は、回答が2つ以上ありうるので、合計は100%を超えることもある。
  • 各設問の集計は、無回答を除いて集計している。

(8)集計結果

問1.貴社の主業種(本業)についてお答えください。

表3-1

問2.貴社は本業(主業種)以外に異業種※へ進出し事業化していますか。

表3-2

問3.異業種に進出する際に、従来の業種(主業種)の技術を活用しました(する予定です)か。

表3-3

問4.進出している(していた、する予定の)業種、事業内容についてお答えください。

<進出業種>

異業種進出の実施状況

主業種名

進出業種

現在進出している

繊維工業

食料品製造業

繊維工業

繊維工業

繊維工業

繊維工業

繊維工業

サービス業

窯業・土石製品製造業

繊維工業

窯業・土石製品製造業

プラスチック製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

電気機械器具製造業

窯業・土石製品製造業

その他の製造業

窯業・土石製品製造業

小売業

窯業・土石製品製造業

サービス業

窯業・土石製品製造業

サービス業

窯業・土石製品製造業

建設業

食料品製造業

食料品製造業

家具・装備品製造業

その他の製造業

家具・装備品製造業

その他の製造業

その他

電子部品・デバイス・電子回路製造業

その他

飲料・たばこ・飼料製造業

その他

卸売業

これから進出予定

窯業・土石製品製造業

卸売業

家具・装備品製造業

家具・装備品製造業

以前は進出していたが、現在は撤退している

繊維工業

金属製品製造業

繊維工業

プラスチック製品製造業

繊維工業

窯業・土石製品製造業

繊維工業

業務用機械器具製造業

繊維工業

印刷・同関連業

繊維工業

繊維工業

繊維工業

その他の製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

窯業・土石製品製造業

建設業

食料品製造業

金属製品製造業

<進出時期、撤退時期>

異業種進出の実施状況

主業種名

進出時期

撤退時期

現在進出している

繊維工業

2000年

2000年

2010年

2010年

窯業・土石製品製造業

1958年

1985年

2002年

2004年

2005年

2005年

2008年

2008年

2009年

2010年

2010年

家具・装備品製造業

2000年

2006年

その他

2003年

これから進出予定

家具・装備品製造業

2012年

以前は進出していたが、現在は撤退している

繊維工業

1985年

1993年

1983年

1994年

1990年

2000年

2000年

2003年

2000年

2004年

2003年

2007年

2008年

窯業・土石製品製造業

1990年

2000年

2003年

2010年

食料品製造業

1970年

1975年

問5.異業種進出を決断し、具体的な準備を始めてから実際に事業化するまでどのくらいの期間がかかりましたか。(進出予定の場合は、どのくらいの期間を予定していますか。)

表3-5

問6.異業種進出のきっかけとなった動機は何ですか。【複数回答可】

表3-6

問7.異業種進出に当たっての課題は何ですか。【複数回答可】

表3-7

問8.異業種進出した事業の売上についての社内評価をお答えください。

表3-8

問9.撤退した理由は何ですか。【複数回答可】

表3-9

問10.進出したことはない理由は何ですか。【複数回答可】

表3-10

問11.今後、異業種に進出する意向はありますか。

表3-11

問合せ

愛知県 産業労働部 産業振興課
繊維・窯業・生活産業グループ
電話052-954-6341
E-mail: sangyoshinko@pref.aichi.lg.jp