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更新日:2014年2月3日

被害者の現状

被害者の抱える様々な問題

犯罪の被害者(遺族を含む。以下同じ。)は、命を奪われる(家族を失う)、けがをする、物を盗まれるなどの生命、身体、財産上の直接的な被害だけでなく、

  • 事件に遭ったことによる精神的ショックや身体の不調
  • 医療費の負担や失職、転職等による経済的困窮
  • 捜査や裁判の過程における精神的、時間的負担
  • 周囲の人々の無責任なうわさ話やマスコミの取材、報道によるストレス、不快感

など、被害後生じる様々な問題に苦しめられます。このような問題は総じて「二次的被害」といわれています。
被害者の抱える問題の中でも、精神的被害は深刻です。
先の地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災の被害者(被災者)が様々なトラウマやPTSDの症状を訴えたことにより、被害者が受ける精神的被害の深刻さが広く認識されるようになりました。
犯罪被害実態調査研究会*1が行った調査によると、事件直後の精神状態について、被害者遺族及び性犯罪被害者の9割以上が「不安だった」と回答するなど、多数の被害者が深刻な精神的被害を受けていることが明らかとなっています。また、事件から数年が経過した後でも、事件のときの場面がいきなり頭に浮かんできたり、事件のことを思い出させるものには近づけないほど、長期にわたって精神的に苦しめられています。

*1刑法学、被害者学及び精神医学の学者等から成る研究会で、平成10年から12年の間に被害に遭われた方の実態調査等を行いました。(平成14年度実施)

トラウマとPTSD

トラウマ(Trauma:心的外傷)とは、一般に、犯罪や事故による被害、自然災害、戦争被害、家族や友人の死等の個人では対処できない衝撃の大きな出来事に遭遇したときに受ける精神的な傷をいいます。トラウマの症状は遭遇した出来事によって様々であり、例えば、子どもを失った親が、その後社会から離れて自宅に引きこもることもあれば、逆にとり憑かれたように仕事にのめり込んだりすることもあります。
PTSD(Post-traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)とは、一般に事件等の出来事によりトラウマを受けた人が、その出来事の数週間から数ヵ月後に

  • 事件等を思い出したり、その夢を見たりするなどその時の苦痛をたびたび再体験する
  • 事件等の現場に近づけないなど、事件等を思い出させる行為や状況を回避する
  • 常に緊張して眠れなかったり、びくびくしたりする状態が長期間にわたって続く

などの持続的な精神的、身体的症状を呈することをいいます。
トラウマの症状が人により様々であるのに対し、PTSDの症状は、個人の性格や生活史にかかわらず、かなり共通したものであることが明らかとなっています。

被害者の心理

犯罪の被害を受けた後は、一種のショック状態が続き、身体にも心にも変調をきたすことが多いのですが、これは異常なことではなく、突然大きなショックを受けた後では誰にでも起こり得ることなのです。
周りの人たちは、被害者の心理等を理解して接し、被害者を責めたり、無理に励ましたりすることなどを避けてください。被害者の心の傷の回復には、周囲の人々の理解と共感と支持がとても大切です。

心理的反応

  • 恐怖感
  • 自責感
  • 不安感
  • 無気力・絶望感
  • 孤独感・疎外感
  • 怒り・復讐心

身体的反応

  • 緊張・動機・下痢・吐き気
  • 不眠・悪夢
  • 食欲不振

感情的反応

  • 感覚・感情がマヒする
  • 現実だという感覚がない
  • 自分が自分でないと感じる
  • 記憶力・判断力の低下