生活習慣病などに関心を持ち、油脂類や塩分の取りすぎに注意し、魚や野菜を多く取るように心がけるなど栄養バランスに気を付けた食事をとるようにしましょう。
「日本型食生活」とは、ごはんを中心に魚、肉、牛乳・乳製品、野菜、海藻、豆類、果物、茶といった多様な副食等を組み合わせて食べる、栄養バランスに優れた食生活をいいます。
食の欧米化の進行から、お米や野菜の消費が減り、肉類や脂質の摂取量が増え、栄養バランスが崩れてしまいました。それに伴い、肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加してきたため、こうした偏りのない食事の良さが改めて見直されています。
日本の気候風土に適した多様性のある食として、地域や日本各地で生産される豊かな食材を用いた日本型食生活には、旬の食材を利用して季節感を取り入れることや、地域の気候風土に あった郷土料理を活用すること、ごはんを中心に洋風や中華風など多彩な主菜を組み合わせることにより、幅広く食事を楽しむ要素があり、かつ、栄養バランスに優れているといったメリットがあります。
また、「日本型食生活」を実践することは、野菜摂取を促す上でも効果的であり、食料自給率の向上や各地で古くから育まれてきた貴重な食文化の継承にもつながっています。
近年、ライフスタイルが多様化しており、家庭での調理のみを前提とせずに、ごはんと組み合わせる主菜、副菜等に、中食、冷凍食品、レトルト食品、合わせ調味料などを活用すること
で、日本型食生活を実践することが可能となってきています。
日本型食生活の例(農林水産省「平成30年版食育白書」より)
健康で豊かな生活を送るために、食生活において大切な10項目を示したものが、「食生活指針」です。
栄養バランスについてだけでなく、食文化や環境に配慮した取組についても挙げられています。
生涯にわたって健全な食生活を送り、健康で豊かに暮らすためには、切れ目のない食育を実践していくことが大切です。それぞれのライフステージに応じた食育に取り組みましょう。
乳幼児期(0~5歳頃)
体の発育が盛んで、五感が発達し、周りのものへの好奇心が旺盛。また、食習慣の基本を身に付け、食欲や食への関心をもつための基礎の時期です。
少年・青年期(6~22歳頃)
心身ともに成長し、自分でできることの範囲が広がります。家庭や学校、地域で食に関する知識や技術を学びます。青年期は、自立した食生活を始める時期です。
壮年・中年期(23~64歳頃)
心職場・地域、家庭の中心となる世代で、多忙でもあり生活習慣が乱れやすい傾向があります。徐々に体の機能が低下し、生活習慣病の症状が見え始める時期です。
高齢期(65歳頃~)
食が細くなったり、料理の品数や量が減ったりしがちです。中年期と同じように肉類や脂肪を控えた食事を続けていると、低栄養(必要な量の栄養素やエネルギーがとれていない状態)に陥ってしまいます。低栄養は、体力や免疫力の低下など老化を早めます。