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愛知県では、2021年3月に策定した「あいち科学技術・知的財産アクションプラン2025」に基づき、県の公設試験研究機関が保有する技術・成果の移転による県内企業の製品開発に向けた取組を支援しています。
この度、以下の特許を活用して製品化等を行う企業を新たに募集します。関心のある企業は、是非御応募ください。
| 県試験研究機関 | あいち産業科学技術総合センター(豊田市八草町秋合1267-1) |
|---|---|
| 発明の名称 | 高剛性鉄基合金の製造方法(特開2025‐187238) |
| 概要 | 鉄基合金-無機複合体を積層造形法によって製造する方法において、レーザー走査速度を制御することで無機粒子の凝集を抑制できることを見出した。 |
| 詳細 | https://www.pref.aichi.jp/soshiki/san-kagi/tokkyo08012001.html |
(2)
| 県試験研究機関 | 愛知県がんセンター(名古屋市千種区鹿子殿1-1) |
|---|---|
| 発明の名称 | 頭頸部放射線治療用固定具の遠隔取り外しシステムの開発(特願2023-110632) |
| 概要 | 頭頸部強度変調放射線治療中における緊急時に、固定具を迅速に外すことが可能な固定具解放システムである。 |
| 詳細 | https://www.pref.aichi.jp/soshiki/san-kagi/tokkyo08012002.html |
(3)
| 県試験研究機関 | 愛知県がんセンター(名古屋市千種区鹿子殿1-1) |
|---|---|
| 発明の名称 | 抗原分子(※1)の単離方法(特願2024‐549352) |
| 概要 | 生体試料中の抗原抗体複合体から抗原分子を効率よく単離し、検出する方法である。 |
| 詳細 | https://www.pref.aichi.jp/soshiki/san-kagi/tokkyo08012003.html |
※各特許の詳細は、特許のリンク先のWebページに掲載しています。
(1)実施を希望される場合は、実施許諾申込書、実施計画書等を提出してください。提出書類を基に県で審査します。審査の結果、実施を許可する場合には、実施契約を締結した上で、通常実施権を付与します。
(2)本募集は先着順ではなく、複数の企業の方に応募し、実施していただくことが可能です。
(3)実施契約は、原則として3年ごとに見直します。
(4)特許を実施した場合は、県及び特許権共有者に対し、実施料をお支払いいただきます。
(5)その他実施契約の詳細な条件については、試験研究機関と協議していただきます。
「6 問合せ先」までお電話にてお申出ください。応募方法について御説明します。
2026年4月20日(月曜日)
(1)応募の状況によっては、募集期限経過後も引き続き企業を募集することがあります。
(2)本募集の特許以外にも、県産業科学技術課Webページに常時企業を募集している特許を掲載しています。是非参考にしてください。
(1)県有特許の実施者募集に関すること
愛知県知的所有権センター(あいち産業科学技術総合センター内)
担当 田中、井上
電話 0561-76-8318(ダイヤルイン)
(午前9時から午後5時まで(休館日:土曜、日曜、祝祭日、年末年始))
(2)技術内容に関すること
・高剛性鉄基合金の製造方法
あいち産業科学技術総合センター 企画連携部 企画室
担当 竹中、長谷川
電話 0561-76-8306(ダイヤルイン)
・頭頸部放射線治療用固定具の遠隔取り外しシステムの開発
愛知県がんセンター 運用部経営戦略課企画・経営グループ
担当 嶋本、虫鹿
電話 052-762-6111(内線2511)
・抗原分子の単離方法
愛知県がんセンター 運用部経営戦略課企画・経営グループ
担当 嶋本、虫鹿
電話 052-762-6111(内線2511)
(1)高剛性鉄基合金の製造方法
(特開2025-187238、出願人:トヨタ自動車株式会社、愛知県)
構造用金属材料としては、現在、鉄をベースとした合金(鉄基合金)が最も広く利用されています。実部品の設計においては構造信頼性を確保するため、鉄基合金の剛性向上が重要な課題となっています。
鉄基合金の剛性向上を目指して高ヤング率(※2)の無機化合物粒子を分散させた鉄基合金-無機粒子複合材料(※3)の研究開発が行われていますが、従来技術では鉄マトリックス(※4)中の微細無機粒子の凝集や粗大化が起きることで被削性が低下することが課題でした。本発明では鉄基合金-無機複合体を積層造形法によって製造する際、レーザー走査速度を制御することで無機粒子(ホウ化チタン)の凝集を抑制できることを見出しました。
従来、形状や厚みで剛性を補ってきた部品において、本開発技術を適用することで設計自由度向上および軽量化につながることが期待できます。

積層造形により作製した鉄基合金‐ホウ化チタン複合体の元素マッピング像 (左)Fe、(右)Ti
(2)頭頸部放射線治療用固定具の遠隔取り外しシステムの開発
(特願2023-110632、出願人:МUラボ合同会社、愛知県)
従来の放射線治療用の固定具は患者自身で取り外すことができず、治療時の災害や急変時に迅速な対応が困難でしたが、クイックファスナー機構を採用し、後方から押し出すことで治療室の遠隔操作による取り外しを可能にした。これにより、治療中の安全性が向上し、緊急時にも即座に対応できる。試作品により実現可能性を確認済みで、現在は商用化に向けた改良品を製作中であり、放射線治療用機器への応用が期待されている

※患者さんは治療台の上で専用固定具により固定されており、自身で移動ができない。
当該技術により、治療室の外(操作室)から固定具を取り外すことが可能となる。
(3)抗原分子の単離方法
(特願2024-549352、出願人:愛知県)
本発明は、自己抗体に結合した抗原を高感度で網羅的に解析する技術です。従来法では、がん特異的翻訳後修飾(※5)タンパク質や未知抗原の検出が困難でしたが、本技術ではpH勾配液体クロマトグラフィー(※6)を用いて、免疫グロブリン(※7)の混入を防ぎつつ抗原を選択的に分離可能です。これにより、例えば大腸がん・膵がん患者由来血しょうから約1,500種の抗原を同定しています。がん診断用バイオマーカーや免疫治療の開発に加え、アレルギー・感染症・自己免疫疾患などの診断・治療にも応用が期待されます。

抗原分子の単離イメージ 単離したことを示す実験結果
※1 抗原分子
免疫系の重要な構成要素であり、感染症や病気の予防に重要な役割を果たす。
※2 ヤング率
引張や圧縮の力を受けたときの変形しにくさを表す物理量。
※3 鉄基合金-無機粒子複合材料
鉄をベースとした合金に無機化合物粒子が分散した材料。金属と無機化合物それぞれの特長を併せ持つことが期待できる。
※4 鉄マトリックス
複合材料におけるマトリックスとは母材となる材料のこと。今回の場合、無機化合物粒子を包む鉄基合金部分がマトリックスとなる。
※5 翻訳後修飾
タンパク質が合成された後に生じる化学修飾のことである。
※6 pH勾配液体クロマトグラフィー
弱酸、弱アルカリのpKa(酸や塩基の強さ)を測定するのに有効な方法であり、迅速で経済的な手法である。この手法は、親油性や解離定数の同時測定にも有用である。
※7 免疫グロブリン
血液中に存在する抗体で、細菌やウイルスなどの感染症に対する抵抗力を高める役割がある。
愛知県経済産業局産業部産業科学技術課
研究開発支援グループ
電話:052-954-6370
メール:san-kagi@pref.aichi.lg.jp