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愛知県は、全国に先駆けて2016年度から自動運転の実証実験を積み重ね、自動運転技術の向上とともに、ビジネスモデルの構築や社会受容性の醸成を図ってきました。
2025年度は、本格的な社会実装に向けた取組として、名古屋市中心部、中部国際空港へアクセスする高速道路、愛・地球博記念公園の県内3か所で、長期間にわたる運行や実証を行います。
このうち名古屋市内では、「ロボットタクシー」を念頭に、複雑な交通環境の車速に沿った自動運転走行の県内での社会実装に向けた取組を進めます。今年度は、車両の台数を2台に増やすとともに、乗降地を昨年度のSTATION Ai-名古屋駅間に栄エリア(愛知芸術文化センター)を追加した3地点をつなぐ周回ルートへ拡大して約6ヶ月間走行し、技術面の検証や社会受容性の調査を行います。
また、一般利用の予約受付を9月24日(水曜日)から開始します。
2025年10月14日(火曜日)から2026年3月19日(木曜日)まで
(注)土・日・祝及び年末年始(12月26日(金曜日)から1月7日(水曜日)まで)は除きます。
(注)天候や点検のため、期間中においても運休する場合があります。
名古屋市内の3か所の乗降地から、以下のダイヤに合わせて運行します。
(約10周/日)
(注)道路状況等により、時間が遅れる場合があります。
STATION Aiと名古屋駅(スパイラルタワーズ)、栄(愛知芸術文化センター)をつなぐ周回ルート(公道)
○乗降場所
(1) |
交通量の多い名古屋市中心部で、先端自動運転モビリティによる定期運行の実施 |
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自動運転システムは、これまで運転手が行っていた認知・判断・制御を自動運転車両が代替するものです。 幹線道路(制限速度最高60km/h)において実際の交通流の速度に沿った走行をするためには、高度な認知・判断・制御機能を備えた自動運転システムが必要となります。 本事業では、交通量が多い幹線道路で約6か月の長期にわたり、周囲の状況に合わせた走行を行う自動運転システムの安全性及び実用性を検証します。具体的には、交通量が多い環境での長期運行という特徴を生かしながら、特に手動介入が多かった路上駐停車対応等のシナリオを重点的に抽出し、その対応策を検証します。また、途中で車線が合流し1車線になる複雑な道路構造への対応など、日本におけるレベル4自動運転サービスの実現に向けた検証を行います。 |
(2) |
ロボットタクシーの実用化に向けた課題の抽出及び対応策の検証 |
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将来的な民間事業者によるロボットタクシー事業実装を見据え、各社が事業を展開する際に共通して課題となる事項が県の運行を通じて明らかになり、課題解決につなげられるよう、実際のロボットタクシーの走行に近い形での長期運行を実施します。 今年度の事業では、昨年度の2地点間のシャトル運行から発着地点と台数を増やし、多数の方に乗車いただくことで社会受容性の向上を図るとともに、複数台運行におけるオペレーションの検証、将来の車内無人を見据えた旅客サービスへの需要や受容性の調査(車内タブレットの活用による乗客体験の向上、運賃収受デモ、緊急・トラブル時の対応等)を行います。 |
無料
STATION Ai又は愛知芸術文化センターを利用する中学生以上の方、又は保護者が同伴する小学生で、利用規約に同意いただける方。
なお、車内無人を想定したオペレーションの検証を実施するため、セーフティドライバーへの声掛けはお控えいただくようお願いします。
1台貸切方式で運行を行います。1台5名まで乗車可能です。
STATION Ai→スパイラルタワーズ、スパイラルタワーズ→愛知芸術文化センター、
愛知芸術文化センター→STATION Ai、の各ルートについて、以下Webページより、乗車日の30日前から予約できます。
なお、9月24日(水曜日)から10月14日(火曜日)までの期間は、11月13日(木曜日)乗車分までの予約が可能です。
2025年9月24日(水曜日)から予約受付を開始します。
https://aichi-autonomous-loop2025.com/
株式会社NTTドコモを幹事会社とする企業等グループ(8者)で事業実施
参加企業名等 |
主な役割 |
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株式会社NTTドコモ(幹事) |
事業統括、車両調達等 |
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May Mobility Japan合同会社 May Mobility, Inc. |
自動運転車両の提供、自動運転システムの提供、遠隔管制システムの提供 |
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NTTドコモビジネス株式会社 | オペレーション及び現地支援 | |
名鉄バス株式会社 |
交通事業者としての実証支援等 |
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東京海上ホールディングス株式会社 |
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東京海上日動火災保険株式会社 |
自動運転向け損害保険の提供、レベル4自動運転にむけた事故対応の検証 |
東京海上ディーアール株式会社 |
オペレーションのリスクアセスメント |
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学校法人日本教育財団 |
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HAL名古屋 |
地域事業者としての実証支援、車両デザイン |
名古屋国際工科専門職大学 |
地域事業者としての実証支援、車両デザイン |
(注)本事業における運行は自動運転レベル2です。車両走行時は、運転席にセーフティドライバーが乗車し、安全確認を行います。
車両名称 |
ミニバン「シエナ(トヨタ自動車)」をベースとした車両(2台) |
仕 様 |
基本情報:ハイブリッド自動車。May Mobility社製自動運転ソフトウェア搭載。 最高速度:48km/h(実勢速度に合わせて設定) 車体寸法:全長:5,300mm、全幅:2,240mm、全高:1,980mm 周辺認識:自動運転用地図、LiDAR※1(5個)、カメラ(8個)、レーダー(5個)による周辺認識、GNSS※2、IMU※3 乗車定員:5名(セーフティドライバーを含まない) |
外 観 |
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【車両デザイン】 名古屋駅側の発着地点であるスパイラルタワーズを校舎とする専門学校「HAL名古屋」、名古屋国際工科専門職大学の学生によるデザインをそれぞれ1台ずつに施工。学内コンペティションを経て制作。 (HAL名古屋:写真右側) コンセプト: 人と街の未来をつなぐクルマ デザイン趣旨: カラフルな色彩で人の個性を、“ふわふわ”とした柔らかな質感で人の思いを表現し、人の思いが道となって全体のデザインとしてつながり、人と道がつながっていく未来像を表現。 デザイン者:カーデザイン学科3年 大石歩輝 (名古屋国際工科専門職大学:写真左側) コンセプト: つながりと未来への希望 デザイン趣旨:親から子への未来へのバトンタッチを中心部分で表現し、背景には現代から未来へ移り変わる街並みと、インターネットによる多様なつながりを表現。 デザイン者:デジタルエンタテインメント学科CGアニメーションコース2年 河村采佳・立松千明・坂 奈月 |
※1 LiDAR:Light Detection And Ranging(ライトディテクションアンドレンジング)の略。光を用いたリモートセンシング技術の一つで、パルス状に発光するレーザー照射に対する散乱光を測定し、遠距離にある対象までの距離やその対象の性質を分析するもの。
※2 GNSS: Global Navigation Satellite System(グローバルナビゲーションサテライトシステム)の略。人工衛星から発射される信号を用いて自己位置などの測位を行う技術。
※3 IMU: Inertial Measurement Unit(イナーシャルメジャメントユニット)の略。ジャイロセンサーと加速度センサーを用いて自車位置や姿勢の推定を行う技術。
愛知県経済産業局次世代モビリティ産業課
自動車産業グループ
電話:052-954-6136
メール:jisedai@pref.aichi.lg.jp