ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

活動報告

令和2年度普及・公開事業の紹介

県立大府東高等学校で出前授業を行いました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 7月15日に県立大府東高等学校出前授業を行いました。
 3年生普通科の総合的な探究の時間「考古学入門~実物の土器に触れ、歴史を読み取る~」で「ものつくり大国あいちの源流~土器から歴史を読み取る~」というテーマで授業を行いました。授業の後半では実際に遺物を手に取って年代を考える実習をしていただきました。
 この「総合」の時間では、付近の神社や遺跡等を調べたり、踏査したりして郷土の歴史を考古学の視点から探求されているということです。授業ではとても熱心に取り組んでいただけました。今回の出前授業が、今後の皆さんの探究活動に少しでも役に立てれば幸いです。
 業後、遺物を台車に載せて帰ろうとした時、廊下で生徒の皆さんがたくさん集まってきてくれて、土器をお見せしました。なかなか実物を見て触ることは無いと思われますので、ちょうどいい機会でした。

授業風景実習
  各時代の土器について概説しました。           手に取ってじっくり観察していただきました。

幸田町郷土資料館へ遺物の貸出をおこないました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 7月9日、幸田町郷土資料館へ遺物の貸出をおこないました。貸出遺物は名古屋市名古屋城三の丸(なごやじょうさんのまる)遺跡・東海市烏帽子(えぼし)遺跡を始め5遺跡から出土したガラスに関わる遺物です。勾玉

 国内でガラス製品が出土するのは弥生時代からです。この頃は大陸からもたらされた製品を加工していたものと思われます。飛鳥時代になると国産ガラスの製造が始まり、寺院や仏像の装飾に大量のガラス製品が使われるようになりました。しかし、平安時代には徐々に衰退し、室町時代末には国産ガラスの製造が見られなくなりました。
 その後、しばらく製造が途絶えていましたが、16世紀、南蛮人の渡来とともに西洋の文物が流入し、江戸時代初期には長崎再び国産ガラスの製造がおこなわれるようになりました。やがて大阪、京都、江戸などにも生産が広がっていきます。江戸時代のガラスは“ぎやまん”“ビードロ”と呼ばれ、装飾品や容器などが生産されました。
 名古屋城三の丸遺跡からも(かんざし)や(こうがい)などのガラス製装飾品が出土しており、今回の展覧会でも一部が展示されます。

 ガラスは原料を溶解する際に一緒に加える成分により、様々な色に発色します。その色の変化や                                         
透明な輝きは当時の人々を魅了したものと思われます。                                                   
                                                                   ガラス製勾玉(烏帽子遺跡:古墳時代)                                                                                                                                          
                                                        チラシ                                 染付                                                                                                                              また、割れた陶磁器を補修するのにガラスを使っています(写真右:中央から右下へ補修の痕跡が見えます)。大切な鉢だったのかもしれませんね。

 今回貸し出した遺物は7月18日(土曜日)から始まる幸田町郷土資料館夏季企画展示 「ガラス・Glass・がらす」で展示されます。この展覧会では弥生時代から近世にいたる各時代のガラスに関わる遺物が展示されます。
 涼しげなガラスを見ていると、しばし暑さも忘れられるのではないでしょうか!
                                      
染付鉢(名古屋城三の丸遺跡:近世)
幸田町郷土資料館←ここをクリック                                                               
                                                   

月縄手遺跡出土遺物の三次元計測調査がおこわなれました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 5月26日、南山大学人文学部中尾准教授と中川研究員が月縄手遺跡出土の弥生時代前期の甕形土器(かめがたどき)などの三次元計測に来られました。
 月縄手遺跡は名古屋市西区比良に所在する弥生時代から古墳時代を主体とする遺跡で、弥生時代前期遠賀川式土器(おんががわしきどき=弥生時代前期の水田稲作伝播の指標とされる土器)を主体とする土器群が見つかり、注目された遺跡です。

 今回の調査は、文部科学省科学研究費助成事業新学術領域研究「出ユーラシアの統合的人類史学:文明創出メカニズムの解明」の一環で、各地の考古遺物を三次元レーザースキャナーで計測し、そのデータをもとにデータベースを作成されるということです。
 そして、そのデータベースをもとにして文明創出メカニズムのモデルを構築するとともに、データベースを一般公開することで、さまざまな研究を促進することに寄与するということです。

 以前は土器の厚みを測るのに、測点を取ったり、キャリパーという道具を使ったりしながら、苦労して測っていましたが、三次元レーザースキャナーを使うと短時間で正確に測定することができるということです。
 これらのデータを活かして、様々な研究が進展することを期待したいと思います。

弥生土器三次元計測

 写真 月縄手遺跡出土甕形土器(左) 

三次元レーザースキャナーで遺物を計測しているところ(右)

 

 

 

 

 

 

 

 

平成31年度・令和元年度普及・公開事業の紹介

「体感!しだみ古墳群ミュージアム」講座の皆さんが見学に来られました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 2月28日、名古屋市「体感!しだみ古墳群ミュージアム」講座『発掘調査ってなに?-室内整理編』受講生の皆さんが見学に来られました。

 今回の講座は発掘調査が終了した後、出土遺物がどのようにして整理され、保存・活用されるかを学ぶという内容で、(公財)愛知県埋蔵文化財センター職員の方から、発掘調査や整理作業の工程などについて、講義と説明を受けました。
 館内で整理作業、保存処理を行っている様子や収蔵庫などを見学した後、整理作業体験として、拓本実習を行っていただきいただきました。
 発掘調査は現場が終わってからも、報告書作成まで地道な作業が続いていきます。
講義風景説明

   整理作業の方法などについての講義          発掘調査による石器出土状況の説明

見学実習
  木製品の保存処理室で、保存状況を見学        拓本実習 きれいに採れました!

県立長久手高等学校で出前講座を行いました

総務調査課の城ヶ谷です。

 2月5日に県立長久手高等学校図書館文化講座出前講座を行いました。

 講座では「あいちのやきもの~考古学からみたやきものの発達史~」というテーマで約70分講義と演習を行い、1・2年生の生徒、先生方約30名の皆さんに参加をしていただきました。

 生徒の皆さんは今日の講座のテーマにあわせて、事前学習に取り組み、市内の窯跡や遺跡などについて調べ、何枚もポスターを作成されていました。また、関連する図書が工夫して展示されており、生徒の皆さんの熱心な取り組みに大変驚きました。

 今回は愛知県の焼き物生産の流れを概説するとともに、地元で出土した興味深い須恵器についてお話をしました。それは、長久手市市ヶ洞1号窯・丁子田窯から出土した7世紀後半代の須恵器で、「五十戸(ほとぎのさと)=瓫(ほとぎ)とは器を表す言葉、また、当時は「五十戸」と書いて「さと」と読んだようです)」という文字がヘラで書かれています。実は同じ文字を刻んだ須恵器が奈良県明日香村にある石神遺跡からも出土しています。石神遺跡は飛鳥時代の迎賓館のような役割を果たしていた遺跡と考えられており、7世紀後半にはこの地域から飛鳥中枢部に須恵器が運ばれていたことがわかります(『愛知県史』資料編4飛鳥~平安より)。しかし、このこともすでに調べられていて、ポスターに書かれていたので、感心しました。

 いろいろなことに興味を持って調べることは、とても大切なことだと思います。今回の講座が生徒の皆さんに何らかのかたちでお役に立てれば幸いです。

講座見学
 愛知県の焼き物生産の流れについて説明しました。  各時代の焼き物を手に取って見てもらいました。

県立海翔高等学校で出前授業を行いました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 1月29日に県立海翔高等学校出前授業を行いました。

 2年生普通科普通コースの生徒約60名の皆さんに「愛知県やきもの発達史~ものつくり大国あいちの源流~」というテーマで授業を実施しました。

 愛知県は古代以来、現代にいたるまで常に焼き物生産の中心地でした。授業では、考古学の視点から愛知県における各時代のやきものの発達過程について説明しました。遣唐使の派遣、平清盛の日宋貿易、千利休の佗茶、豊臣秀吉の朝鮮出兵など歴史上の様々な出来事が、愛知県のやきもの生産にも大きな影響を与えています。そんなお話もしました。

 授業の後半には、愛知県内から出土した縄文時代から江戸時代までの土器・陶磁器を実際に手に取って観察し、時代を考えてもらいました。時代を当てるのはなかなか難しかったと思いますが、皆さん熱心に取り組んでいただきました

 今回の出前授業が、少しでも皆さんの役に立っていただければ幸いです。

授業風景説明
  各時代のやきものについて概説しました。       県内には各時代たくさんの窯がありました。

中京大学で出前講義を行いました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 11月19日に中京大学八事キャンパス出前講義を行いました。

 内容は「あいちやきもの発達史~ものつくり大国あいちの源流~」というテーマで、遺跡調査の方法と実際について紹介した後、考古学の視点から愛知県のやきもの発達史について講義を行いました。

 講義の終盤には全員に、持参した縄文時代から江戸時代までの土器・陶磁器を実際に手に取って観察し、時代順に並び替えるというアクティビティーを行ってもらいました。

 講義後のアンケートでは「愛知県が常にやきもの生産の中心地であったとは知らなかった。」「身近な遺跡の話なので興味が持てた。」などの意見が多く見られ、興味を持って聞いていただけたようです。
 また、アクティビティーは少し難しかったようですが、「本物の土器に触ることができ、いい経験になった。」「土器を並び替えるという方法が面白かった。」などの声が聞かれ、概ね好評でした。

 今回の出前講義が、少しでも皆さんの役に立っていただければ幸いです。

講義風景1講義風景2
 
左:最初は発掘調査の実際やエピソードについてお話ししました。     

右:古代から近世までのやきものの発達についての講義を行いました。

秋の特別公開2109を開催しました

 総務調査課の城ヶ谷です。

  今年度も11月5日(火曜日)から11月10日(日曜日)まで「秋の特別公開2019」を開催しました。

  今回は国指定重要文化財朝日遺跡出土品の中でも、最も優美とされる赤彩壺や勾玉・管玉の首飾りなどを展示しました。
 新聞にも取り上げていただき、県内外からたくさんの方に来ていただきました。

  ご来場ありがとうございました。
会場風景会場風景2         
        赤彩壺等を展示しました                              会場風景
資料管理閲覧室拓本体験       
  資料管理閲覧室では「石の道具の歴史」展示中          拓本体験~親子で楽しんでいただけました!

東海・北陸ブロック会議を開催しました

 総務調査課の岡⽥です。

 10⽉31⽇(⽊曜⽇)に「全国公立埋蔵⽂化財センター連絡協議会」の「東海・北陸ブロック会議」を開催しました。各加盟機関が協議事項、聴取事項を持ちより活発に意見交換しました。会議の最後に当センターの収蔵庫も見てもらいました。

会議の様子と収蔵庫の見学の様子です

左:会議の様子

右:当センターの収蔵庫視察

 翌⽇、11月1⽇(⾦曜⽇)は視察で「体感!しだみ古墳群ミュージアム」と「しだみ古墳群」(名古屋市守山区)を見学しました。名古屋市の学芸員さんに「展示の工夫」「運営の仕方」「古墳の管理の仕方」などを解説していただき、参加者の皆さんはメモをこまめに取られていました。

ミュージアムを見学している様子と屋外の古墳を見学している様子です

 2⽇間でしたが⼤変有意義な会であったと思っています。

県立高蔵寺高等学校の生徒のみなさんが施設見学に来てくれました

  総務調査課の城ヶ谷です。

  10月24日に愛知県立高蔵寺高等学校の先生、生徒のみなさんが社会見学の一環として、施設見学に来てくれました。

  最初に「遺跡の発掘調査について」というテーマで、遺跡の発掘調査の方法と遺跡の年代決定の基になる土器・陶磁器の発達史についてお話をしました。また、後で、土器・陶磁器を手にとって時代順に並べる実習もして頂きました。施設見学では実際に遺物の整理をしている一次整理室や科学分析室、収蔵庫などを見てもらいました。

  愛知県は古代から現代に至るまで、いつの時代も陶磁器生産の中心地であり続けました。このような歴史を持っている県は他には無く、大きな特色といえます。

 愛知県産の須恵器は品質が高く、高蔵寺高校の東600mほどの場所にかつて所在した白鳳から奈良時代の窯である高蔵寺2号窯、3号窯で焼成された須恵器が、藤原宮など飛鳥中枢部に運ばれていたことが文字陶片などから確認されています(『愛知県史』別編窯業1)。

 そんな事例を紹介しながらお話をしましたが、最後に書いていただいたアンケートでは「初めて知ることが多く、興味が持てた。」「実際に遺物に触れることができ、楽しかった」など嬉しいコメントをたくさんいただきました。短い時間でしたが、みなさん興味を持って取り組んでいただけたようです。今後、何かの形でみなさんの参考になれば幸いです。

挨拶風景講義風景
 
  ようこそ埋蔵文化財調査センターへ              講義:遺跡の調査と愛知県の陶磁史について 
施設見学の様子実習風景
 施設見学:土器や石器の整理作業を実見しました。    実習:土器・陶磁器を時代順に並べてみるが…

尾張部の市町村の教育長の皆さんが見学に来られました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 10月10日、隣の弥富市総合社会教育センターでおこなわれた尾張都市教育長会議に参加されていた各市町村の教育長の皆さんが当センターの見学に来られました。

 当センター伊奈所長による概要説明の後、2階の展示室や木製品等を収蔵している特別収蔵庫を見ていただきました。見学のなかでは各所で様々な質問が飛びだすなど、熱心にご覧いただきました。

概要説明

展示解説

  発掘調査の方法や実際について説明しました。       最新の出土遺物などをご覧いただきました。

 当センターでは出土文化財の活用として、出前授業や施設見学など普及啓発活動にも力を入れています。是非ご活用ください。 

 連絡先は総務調査課(電話:0567-67-4164 mail:maizobunkazai@pref.aichi.lg.jp

テレビ愛知が番組撮影に来ました

 総務調査課の岡田です。

 9月26日に愛知学院大学文学部の白石先生と一緒にテレビ愛知が番組撮影に来ました。番組撮影は、当センターで展示している旧石器時代から縄文時代草創期の石器を示しながら遺跡や石器の用途について白石先生が解説をする内容で行われました。

 今回の撮影映像は「データで解析!サンデージャーナル」(テレビ愛知 2019年10月20日 日曜日 15時から16時)で放送される予定です。ぜひご覧ください。

展示室で撮影をしています

左:撮影準備                   右:撮影開始  

撮影された石器(一部)

撮影された石器です

左:敲石(たたきいし) 西牧野遺跡(岡崎市)出土    

右:ナイフ形石器 西牧野遺跡(岡崎市)出土

敲石:硬い木の実を割ったり、石器をつくるため石材をたたいて割るための石器。

令和元年度高校生のための考古学サマーセミナーを実施しました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 8月8日(木曜日)に高校生のための考古学サマーセミナーを開催しました。
セミナーの内容は以下のとおりです。

 講座1 講義:考古学・歴史学をめざすには ~遺跡の発掘について、歴史学・考古学へのアプローチを考える~
 講座2 施設見学: ~発掘調査のその後を考える~
 講座3 講義:出土遺物を知る ~出土した土器から歴史を考える~
 講座4 実習:出土遺物に触れる ~拓本:土器の文様をうつす~
 
 講座1ではまず発掘調査の流れについて概説し、次に歴史を学ぶことの意味や文献史学と考古学の違い、また歴史を活かした進路のあり方などについて説明しました。
 参加者からは「発掘の仕組みがよく分かった」「進路についてよくわかった、これからに活かしていきたい」という声が聞かれ、進路について考えるよい機会になった様子がうかがえました。
 講座2は館内の施設見学をおこないました。
 展示施設の他に、土器の接合作業をおこなっている整理室や木製品・金属製品などを保管している特別収蔵庫、科学分析室など普段は公開していないバックヤードも見学しました。
 参加者は初めて見る作業や展示物に興味を持ち、職員の説明を熱心に聞いたり、質問をしたりしていました。
 講座3では愛知県における土器・陶磁器の発達過程について講義を行い、実際の遺物を手に取って時代ごとに並べる作業をしてもらいました。
 参加者からは「土器・陶磁器を見たり、触れたりするだけでどの時代に使われていたかを当てるのは、普段の学校生活では体験できないことなので、とても勉強になった。」といった声が聞かれました。
 講座4は朝日遺跡から出土した弥生土器の文様を拓本で写し取る実習です。
 拓本の出来栄えは優れたものが多く、参加者は楽しそうに取り組んでいました。作成した拓本は記念にラミネートして、オリジナルのしおりにしました。

  セミナー全体の取り組みを通じ、生徒の皆さんが歴史や考古学に対して改めて強い興味・関心を持つとともに、ものごとを深く学ぶことの楽しさを知っていただければ幸いです

講義1施設見学1
左:講座1 考古学についての理解を深めるとともに、その先の進路についても考えていただきました。
右:施設見学 整理室で設楽町から出土した縄文土器の接合作業を見学しました。とても緻密な作業でした。施設見学2施設見学3
左:施設見学 展示室で最新の調査成果を見ました。
右:施設見学 科学分析室で、珪藻(けいそう)分析や蛍光X線分析など自然科学分析や保存処理について担当者から話を聞きました。講座3
講座3並び替え
左:講座3 土器・陶磁器についての講義。愛知県は古代から土器・陶磁器生産の中心地で、ものつくり大国でした。
右:土器・陶磁器を時代順に並べてみるけど…なかなか難しい?
実習しおり
左:拓本に挑戦しています。初めての経験ですが、快調なペースです。
右:拓本をラミネートしてオリジナルのしおりが完成!! いい記念品になりました。

県立岡崎高等学校の生徒のみなさんが施設見学に来てくれました

 総務調査課の城ヶ谷です。

  7月25日に愛知県立岡崎高等学校の先生、生徒のみなさんが進路学習の一環で、施設見学に来てくれました。

  最初に「遺跡の発掘調査について」というテーマで、遺跡の発掘調査がどのように実施されるのか、また、遺跡の年代決定の基になる愛知県の土器・陶磁器がどのように発達してきたかなどについてお話しをしました。そのなかで、「説明なし」に形や技術、手触りなどをもとに、実際の土器、陶磁器を手に取って時代ごとに並べるという活動をしてもらいました。生徒のみなさんはじっくり観察しながら、並び替えてくれました。ほぼ、合っていましたが意外?!なものもあったようです。

  次の施設見学では、展示室の他に一次整理室で実際に縄文土器の接合等の作業をしているところや1万点以上の遺物を収納する2層式の収蔵庫など、普段公開していないところも見てもらいました。

 最後に、拓本実習では、それぞれ選んだ清須市朝日遺跡出土の弥生土器の拓本を取り、自分だけのオリジナルの栞(しおり)をつくっていただきました。ほとんど初めての体験だったようですが、なかなかの出来映え!でした。

 短い時間でしたが、みなさん真剣に、かつ楽しそうに取り組んでいただけました。今後のキャリア形成に少しでも役に立っていただければ幸いです

 なお、当センターでは学校や一般の団体の方の施設見学を受け入れています。ご希望の方はご連絡ください。

講義風景並び替え       

講座:遺跡の発掘調査とは?                土器の並び替え:意外に難しい?                        

施設見学の様子拓本実習
施設見学:巨大な収蔵庫のなかで             拓本実習:初めてでも上手にできました!

朝日遺跡出土土器の残存脂質分析にかかる調査がおこなわれました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 7月16日、国立文化財機構奈良文化財研究所庄田慎矢氏とCAMBRIDGE(ケンブリッジ)大学Dr.Crema氏が朝日遺跡(あさひいせき)出土土器の残存脂質の調査に来られました。
 土器の内面にはよく“おこげ”や水垢がついていることがあります。水に溶けない脂質は、糖質やタンパク質などに比べて構造的に安定しており、長い時間が経過しても分解がある程度に留まっているといわれています。脂質を分析することで、その土器がどのような食物を調理・加工するのに用いられたのかを明らかにすることも可能であるということです。
 愛知県をはじめ伊勢湾岸地域は北部九州で始まった稲作技術を伴う弥生文化の急速な東への伝播が一時期ストップした地域であると考えられています。
 弥生時代の始まりの頃、朝日遺跡からは弥生文化東進の象徴とされる遠賀川(おんががわ)系土器縄文文化の影響の元に作られた条痕文(じょうこんもん)系土器が一緒に出土し、二つの文化が共存?していたのではと言われています。

この頃、朝日遺跡に住んでいた人たちは二系統の土器をどのように使っていたのでしょうか。もし分析がおこなわれれば、面白いことがわかるかもしれません。

調査風景資料の検討

           資料調査風景                            慎重に調べていきます

県立豊田東高等学校で出前授業を行いました

 所長の伊奈です。

 当センターのWebページをご覧いただきありがとうございます。センターの様々な活動を紹介しておりますので、是非ご覧ください。

 7月4日(水曜日)に豊田東高校で催された「プランの日」という行事の中で出前授業を行いました。豊田東高校は総合学科の高校で、2年生からは科目選択プランから自分の興味・関心・進路希望に合ったプランを選んで学習するそうです。今回の企画は、2・3年生合同で授業を受け、学年を超えた交流を図りつつ専門意識や学習意欲を高めるという趣旨だと伺いました。余談になりますが、私は10年程前までこの学校に勤務していましたので、とても懐かしく感慨深いものがありました。

 授業は20人を対象に行いました。初めにスライドを使って遺跡の発掘調査について説明をしました。その後、担当の先生から年代測定についての説明があり、私からは「土器編年」の説明をしました。道具には形や文様の変遷があり(地域差も)、その点に注目することによって製作された年代を推測するわけです。今回はその方法の入門編として、時代の異なる土器の欠片(かけら)を時代順に並べるという実習をしてもらいました。2・3年生入り混じった4人1グループが、これまでに習った知識を出し合って縄文時代から江戸時代までの土器や陶磁器を並べました。作業の後にはそれぞれの完形品や朝日遺跡出土の弥生土器清洲城下町遺跡出土の下駄や碗の木製品、地元豊田市下山の遺跡から出土した石鏃(せきぞく)などの石器を見たり、触れたりしてもらいました。
 休憩をはさみ、調査記録の方法の一つである「拓本」にも挑戦してもらいました。朝日遺跡出土の弥生土器の欠片(かけら)を使って拓本を取り、それをラミネート加工して栞(しおり)にするという作業です。

講義風景土器並べ

遺跡の発掘についての説明                 土器並べの様子
写真は朝日遺跡出土赤彩土器

遺物の説明拓本の様子

土器や石器、木製品などの出土遺物の説明       拓本の様子 生徒さんと担当の先生

拓本拓本のラミネート

拓本                                拓本をラミネートしてリボンをつけ、栞にしました!

 あっという間に2時間が過ぎ、少々過密な内容でしたが、少しでも考古学や遺跡の調査に関心を持ってもらえたのではないかと思います。
 感想の一つを紹介します。
 「第一希望の講座ではありませんでしたが、新しい発見があり、良い経験になりました。この講座でよかったと思います。考古学は聞いたことはありますが、実際にはどんなものかわかっていませんでした。ただ昔のことを研究するのではなく、研究したことを現代に生かしているのだとわかりました。今を生きる上でとても大切な学問だと思いました。」
 色々な感想を頂き、こちらも励みになりました。生徒の皆さんや先生方に感謝します。また機会があれば是非伺いたいと思います。

用語解説
朝日遺跡
清須市から名古屋市にかけて広がる弥生時代の集落遺跡で東海地方最大規模を誇る。朝日遺跡から出土した遺物の中で、特に歴史的、美術的に価値がある2,028点が平成24年に国指定の重要文化財に指定されている。
清洲城下町遺跡
清洲城下町遺跡は清須城とその城下町全域を範囲とする広大な遺跡であり、名称が示す通り戦国時代の清須城を中心とする遺跡だが、その広い範囲の中には古墳時代から江戸時代までのさまざまな集落遺跡を含む複合遺跡である。

当センターでは、保管している土器や石器などを使った授業を提案したり、「出前授業」を実施しています。ご希望があれば下記までご連絡ください。

 愛知県埋蔵文化財調査センター
  所在地  〒498-0017 愛知県弥富市前ヶ須町野方802-24
  電  話  0567-67-416  FAX 0567-65-1841

第32回埋蔵文化財調査研究会を開催しました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 7月5日(金曜日)に本センターで第32回埋蔵文化財調査研究会を開催しました。

 この研究会は、県関係者及び市町村の埋蔵文化財担当者に集まっていただき、前年度などに県内で実施された発掘調査のなかで注目されるものについて、調査担当者から発表していただく会です。毎年、7月初旬に開催していることから、通称、七夕会として、関係者には親しまれています。

今年度は60名以上の参加をえて、以下の内容について発表していただきました。

・一宮市福塚前遺跡の発掘調査成果      一宮市博物館   瀧 はる香氏会場風景

・豊田市寺部遺跡の発掘調査成果       豊田市教育委員会 市澤 泰峰氏

・刈谷市宮東第1号貝塚の発掘調査成果    刈谷市歴史博物館 河野 あすか氏

・豊橋市吉田城址の発掘調査成果        豊橋市教育委員会 中川 永氏

・岡崎市岩津新城跡の発掘調査成果      岡崎市教育委員会 中根 綾香氏

・小牧市小牧山城跡の発掘調査成果      小牧市教育委員会 小野 友記子氏

・設楽町滝瀬遺跡の発掘調査成果        県埋蔵文化財センター 早野 浩二氏

・史跡貝殻山貝塚とあいち朝日遺跡ミュージアムの整備  県教育委員会 原田 幹氏

発表風景 調査の概要と注目される遺構・遺物などについて、発掘調査当時の苦労話なども交えながら、最新の情報をお話ししていただきました。

 報告者および研究会に参加していただいた担当者の皆様、お疲れ様でした。今後の埋蔵文化財保護行政推進の参考にしていだければと思います。

県立瑞陵高等学校で出前授業を行いました

 総務調査課の城ヶ谷です。

 7月3日に県立瑞陵高等学校出前授業を行いました。2年生普通科2クラス、3年生食物科1クラス、約120名の生徒の皆さんに参加をしていただきました。

 普通科は、2クラス合同で2時限分の時間を使って、1時限目は「ものつくり王国愛知の源流」というテーマで、古代から近世にかけて愛知県のやきもの発達史の学習をしました。2時限目は「考古学への招待」ということで遺跡の調査や考古学の方法についてお話をし、持参した古墳時代から近世までのやきものを見てもらいながら、質問を受けました。

食物科は、「うつわの歴史」というテーマで、うつわとしての愛知県のやきものの発達過程を文化や食生活様式の変遷とからめてお話するとともに、やきものを見てもらいながら、質問等を受けました。

どのクラスも、生徒のみなさんの真剣な表情意欲的に取り組んでいただける態度が印象的でした。今回の出前授業が少しでも皆さんの役に立っていただければと思っています。

講義風景遺物を見ながら

 授業の様子:須恵器はどこからきた?             遺物観察:実際に手に取ってみると…

関連コンテンツ