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活動報告
令和5年度普及・公開事業の紹介
豊明市歴史民俗研究会のみなさんが施設見学に来られました
調査研究課の城ヶ谷です。
9月21日に豊明市歴史民俗研究会の施設見学がありました。
参加されたみなさんは豊明市で歴史や民俗の展示などに関わっておられるボランティアの方々で、研修の一環としてご来館いただきました。
展示中の「やとみ新発見展“2023」「発掘された愛知の城」展を見学していただいた後、遺物の整理作業風景や収蔵庫もご覧になりました。
みなさんはとても熱心で、行く先々で様々な質問や意見が飛び交っていました。
令和5年度高校生のための考古学サマーセミナーを実施しました
調査研究課の城ヶ谷です。
8月10日(木曜日)に高校生のための考古学サマーセミナーを開催しました。
セミナーの内容は以下のとおりです。
講座1「考古学を学ぶ」: 考古学とはどんな学問か、発掘調査の方法、今後の進路等について概説
施設見学: 遺物整理作業の見学、展示室・収蔵庫・科学分析室・保存処理室などの見学
講座2・演習「土器を知る」: 愛知県における土器の発達についての講義と演習
考古学実習「拓本採取」: 弥生土器の拓本採取
講座1では考古学とはどのような学問か、発掘調査はどのようにして行われるのかなどについて概説しました。また、考古学や歴史学を活かした進路のあり方などについてもお話をしました。
「発掘の手順や保存方法など初めて知ることが多く、とても面白かった。」「考古学系の大学に進学すると、その後の就職がどうなるのかが不安だったので、詳しく話を聞くことができて良かった。」といった声が聞かれました。
施設見学では、展示コーナーの他に普段は公開していないバックヤードにもご案内しました。
遺物整理室では現在行われている土器の接合・復原作業を見学しました。また、通年温度と湿度を一定に保って木製品・金属製品などを保管する特別収蔵庫やコンテナ1万箱以上を収蔵する収蔵庫D、科学分析室、保存処理室などを見て回りました。
「石包丁など博物館のガラス越しで見るようなものを実際に触れることができてとても楽しかった。」「博物館の展示イベントの裏側を見ているようで、とても楽しかった。普段できないような貴重な体験ができた。」など好評でした。
講座2は土器の発達過程についての講義で、愛知県が古代以来、各時代を通じて土器生産の中心地であったことを概説しました。後半部分では、実際に縄文時代から江戸時代までの土器を手に取って、時代ごとに並べる演習を行いました。
「日本史が好きですし、美術史なども好きなので、土器を知るという講座は勉強にもなりましたし、とても楽しい授業でした。」「外見的な美しさ、利便性、社会情勢、経済面…いろいろな要素が複雑に絡み合って進化してきた土器の変遷を知るのはとても楽しかったです。たかが器、されど器、私たちが日常で何気なく使っていたお皿にこんな歴史があったなんて!」という感想がありました。
考古学実習では弥生土器の拓本を採ってもらいました。作成した拓本はラミネートして、オリジナルのしおりにしました。みなさんほとんどが初めての経験であったと思いますが、「土器の凹凸が思ったより明確に観察できて面白かった。」「すべてが初めての体験だったので、とても新鮮だった。」と好評でした。
最後に質疑応答ではさまざまな質問が出ました。
全体を通して、「土器から日本の歴史や文化が見えてきて、とても面白かった。また、このようなイベントがあれば参加したいと思った。」「今回の参加者はみんな高校生で交流しやすく、新しいつながりができて良い経験になりました。」といった感想がありました。
参加者のみなさん、長時間お疲れさまでした。今回のセミナーが今後何らかの形でみなさんのお役にたてば幸いです。
県立岡崎高等学校の生徒のみなさんが施設見学に来てくれました
調査研究課の城ヶ谷です。
7月28日に県立岡崎高等学校の先生、生徒のみなさんが進路学習の一環で施設見学に来てくれました。
最初に「考古学と発掘調査」というテーマで“考古学とは何か”“発掘調査はどのようにおこなわれるか”など基本的な事柄について説明しました。
その後、センターの中を案内しました。一般公開している展示室の他に、整理室で実際に行われている土器の接合・復原作業を見学していただきました。
見学の後は、愛知県における土器の発達についての講義と縄文時代から江戸時代までの各時代の土器・陶磁器を時代順に並べるという演習に取り組んでいただきました。
最後に遺跡から出土した弥生土器を使って拓本を採ってもらいました。みなさんほとんど初めての体験ながら、きれいな拓本ができ上がりました。
「いろいろな時代の土器などの出土品が見られたり、破片をあわせる作業の様子などが見られたことはとても貴重な体験になりました。講義や見学中の説明も興味深くて面白かった。」
「愛知県では昔からやきものが盛んと聞いていたが、まさか古代からとは思いもよらなかったので驚いた。また、そのやきものの変遷も興味深かった。」といったような感想が聞かれました。
これからもいろいろなことに興味を持って、自らの「学び」を広げていってほしいと思います。
考古学や土器についてお話ししました 土器の接合・復原作業を見学しました
各時代の土器を当てる演習、難易度:高? 拓本は難しそうだけど、意外に楽しい?!
勝川遺跡出土木製鍬の三次元計測調査がおこわなれました
調査研究課の城ヶ谷です。
7月11日、(公財)元興寺文化財研究所桃井氏、千葉大学久保氏、古生態研究所高橋氏らが勝川(かちがわ)遺跡出土木製鍬(くわ)の三次元計測調査に来られました。
勝川遺跡は春日井市勝川町を中心に所在する弥生時代から江戸時代にかけての遺跡で、弥生時代には環濠集落が営まれ、方形周溝墓もたくさん見つかっています。勝川遺跡からは多量の木製品が出土しており、弥生時代に木製品加工施設があった可能性も指摘されています。
今回の調査の対象となった鍬(写真上)は、身部と柄が鈍角に着柄されており、いわゆる踏み鋤(鋤頭を足で踏んで刃を土に突きさし、柄を押し倒して田畑の土を起こす鋤)的な性格が考えられているものです。
果たしてこの鍬が「踏み鋤」的に使われていたのか、考古学的な使用痕の観察に加え、3D計測による工学的な数値シミュレーション、解析を利用することで木製品の機能・用途を明らかにしていくことが目的であるとのことです。
今、3D計測を利用して、様々な新しい研究が行われています。これから、それらのデータを活かして、どのようなことがわかっていくのか、とても楽しみなことです。 写真上:勝川遺跡出土鍬(愛知県埋蔵文化財センター調査報告書29集『勝川4』より)
写真下:調査風景
第36回埋蔵文化財調査研究会を開催しました
調査研究課の城ヶ谷です。
7月7日(金曜日)に第36回埋蔵文化財調査研究会を開催しました。
この研究会は市町村及び県関係の埋蔵文化財担当者を対象に、前年度に県内で発掘調査された遺跡について調査担当者から発表を聞き、研修を深めるとともに情報交換をおこなう会です。
ここ3年間、新型コロナウイルス感染症の拡大や調査センター大規模改修工事の影響で、紙上発表になったり、愛知県陶磁美術館講堂をお借りしたりして開催してきましたが4年ぶりに当センター研修室での開催となりました。
発表内容については以下の通りです。
1 安城市中狭間遺跡の発掘調査成果 (公財・愛知県埋蔵文化財センター)
2 豊橋市境松遺跡の発掘調査成果 (豊橋市文化財センター)
3 名古屋市断夫山古墳の発掘調査成果 (公財・愛知県埋蔵文化財センター)
4 豊川市三河国分寺跡の発掘調査成果 (豊川市教育委員会)
5 瀬戸市扶桑北窯跡の発掘調査成果 (公財・瀬戸市埋蔵文化財センター)
6 小牧市天王塚遺跡の発掘調査成果 (小牧市教育委員会)
7 名古屋市名城公園遺跡の発掘調査成果 (公財・愛知県埋蔵文化財センター)
8 刈谷市井ヶ谷古窯跡群の分布調査成果 (刈谷市歴史博物館)
発掘調査の概要と注目される遺構・遺物などについて、最新の情報をお話ししていただきました。今年は発掘調査成果の他に、刈谷市で実施された井ヶ谷古窯跡群の分布調査の取り組みについても発表していただきました。
会場風景 発表風景
また、会場の一角では、愛知県埋蔵文化財センターが調査された名城公園遺跡から出土した尾張藩の「御庭焼」に関わる遺物や瀬戸市埋蔵文化財センターが調査された穴山窯跡 出土茶入、扶桑北窯跡出土四耳壺などの展示が行われました。
名城公園遺跡出土「御庭焼」関連遺物 扶桑北窯跡出土灰釉四耳壺
扶桑北窯跡出土の灰釉四耳壺(写真右)は古瀬戸前期様式のもので、灰原最下層からほぼ完全な形で見つかりました。四耳壺には使用痕があり、扶桑北窯跡操業よりも古い時期のものと考えられることから、なぜその場所から出土したのか、窯との関係はどうなのかなど、様々な意見が交わされました。
報告者および研究会に参加していただいた担当者の皆様、お疲れ様でした。
今回の研修会が今後の埋蔵文化財保護行政推進の一助になれば幸いです。
春の特別公開2023を開催しました
調査研究課の城ヶ谷です。
今年も4月10日(月曜日)から4月21日(金曜日)まで、「春の特別公開2023」を開催しました。今回は「収蔵庫に眠る逸品たち3」というテーマで、各時代の逸品を選んで展示しました。同時に(公財)埋蔵文化財センターによる春の埋文展「やとみ新発見展“2023」も開催されました。
来館者アンケートによると「とても見やすい展示でした。」とか「親切に説明をしていただき、新たな発見ができました。」と好評でした。また、「たまたま通りかかって初めて入りました。弥富にこんな歴史を感じられる場所があるなんて…もっとアピールした方が良いです!!!」といったご意見もいただきました。
もっともっとたくさんの方にご来館いただけるよう広報等も工夫していきたいと思っています。
たくさんのご来場ありがとうございました。次は11月頃に「秋の特別公開2023」を開催する予定です。
なお、普段も平日午前9時から午後4時まで出土品の展示を行っています。
入館無料です。気軽にお立ち寄りください。
令和4年度普及・公開事業の紹介
美浜町立奥田小学校に「土器・ど・キット」の貸出を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
3月8日に美浜町立奥田小学校に「土器・ど・キット」と拓本道具の貸出を行いました。
「土器・ど・キット」とは、実際に遺跡から出土した縄文時代から江戸時代までの各時代の土器の破片をセットにしたもので、それぞれの土器を観察し時代順に並べることで、各時代の土器の特徴や発達過程等を学ぶことができる教育コンテンツです。
奥田小学校では、「土器・ど・キット」と拓本道具を活用した5年生と6年生の社会科特別授業が行われました。
授業を担当された榊原教頭先生は、「まだ歴史を学習していない5年生は見た目や手触りなど直感をもとに並べているのに対して、歴史を学習している6年生はこれまで学んできた歴史学習を振り返り、いろいろと分析しながら並び替えていました。それぞれタブレット型端末を活用して調べながら、グループで話し合い、熱心に取り組んでいました。」とおっしゃっていました。また、弥生土器を使った拓本採取にもチャレンジしていただきました。
同じ内容で教職員の現職教育も実施され、先生方にも好評であったとのことです。
ガラス越しに見るのではなく、直に本物の土器に触れる体験は子どもたちに強いインパクトを与えるようです。
今回の体験が児童のみなさんの歴史学習に少しでも役立っていただければ幸いです。
最初に発掘現場の様子が写真で紹介されました タブレット型端末を活用しながら並び替えます
ひととおり並べてみたけれど… 拓本に集中!
県立知立高等学校で出前授業を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
1月26日に県立知立高等学校で出前授業を行いました。
1年生「産業社会と人間」のなかで、「考古学入門~ものから歴史を考える~」というテーマで2時間、講義と演習を行いました。
前半は「考古学とは何?発掘調査はどのように行われるのか?」など、考古学の概要や発掘調査の実際についてお話ししました。また、土偶、石鏃、石斧、石包丁、弥生土器、土師器、須恵器といった教科書や図録等に登場する出土遺物を持参し、実際に手に取って見ていただきました。なかでも弥生土器の円窓付土器(まるまどつきどき)については全国的にも珍しく、今だに用途が解明されていません。生徒のみなさんにもどのように使うのか考えていただきました。
後半は考古学の基本である「土器(やきもの)」の発達過程についてお話ししました。古代・中世において全国的に流通した愛知県産のやきものの果たした役割については、郷土あいちの歴史の大きな特色であり、ぜひ知っておいていただきたいと思っています。
授業の終わりには講義の中で登場した縄文時代から江戸時代までの土器・陶磁器を実際に手に取って観察し、時代順に並び替える演習をおこなっていただきました。いざ実物を前にするとなかなか難しいようで、みなさんは手触りを確かめながら、遺物とにらめっこをしていました。
持参した遺物はほとんどが博物館や写真等で目にすることができるものですが、手触りや重量感などは持ってみないとわかりません。生徒のみなさんにも印象が深かったようでした。
今回の講座が生徒のみなさんに何らかのかたちでお役に立てれば幸いです。
考古学や土器の発達についての講義 さて、手にしている土器は何時代のものでしょうか?
あいち朝日遺跡ミュージアムへ遺物の貸出を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
1月13日にあいち朝日遺跡ミュージアムへ出土品の貸出を行いました。今回貸出したのは名古屋市断夫山古墳(だんぷさんこふん)出土埴輪、設楽町大崎遺跡(おおさきいせき)出土土器・石器です。
断夫山古墳は熱田神宮の北にある全長約150mの東海地域最大級の前方後円古墳です(国指定史跡)。時期は6世紀前半頃と推定されていますが、この時期においては継体天皇陵という説もある大阪府今城塚古墳(いましろづかこふん、全長約190m)に次ぐ全国屈指の規模とされています。被葬者は宮簀媛(みやずひめ、ヤマトタケルの妻)とする伝説がある一方、尾張国造の尾張連草香(おわりのむらじくさか、継体天皇妃目子媛の父)とする説もあります。
これまで発掘調査は行われておらず、詳細はわかっていませんでしたが、2019年から愛知県と名古屋市が共同で墳丘周囲の発掘調査を実施しています。調査では周溝が確認され、埴輪や須恵器などの遺物が出土しました。
搬出時の大崎遺跡出土伊勢型鍋(鎌倉時代) 断夫山古墳出土埴輪(右側は家形埴輪)
今回お貸しした出土品は令和5年3月12日(日曜日)まで、清須市あいち朝日遺跡ミュージアムで開催されている企画展「あいちの発掘調査2022-近年の発掘調査の概要-」で展示されています。
この展覧会では、近年、県内各地で発掘調査された代表的な遺跡の出土品が展示されています。なかでも注目されるのは豊橋市にある6世紀後葉の前方後円墳馬越長火塚古墳(まごしながひづかこふん、国指定史跡)から出土した金銅装馬具(こんどうそうばぐ、重要文化財)です。棘葉形杏葉(きょくようがたぎょうよう)を始めとする馬具一式は当時の最高峰の技術でつくられた優品とされています。
ぜひご覧になってください。
棘葉形杏葉(馬飾り) 十字形辻金具・半球形金銅製品
詳しくはあいち朝日遺跡ミュージアムHPをご覧ください ← ここをクリック
県立海翔高等学校で出前授業を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
1月20日に県立海翔高等学校で出前授業を行いました。
2年生普通科日本史授業のなかで、「やきものから歴史を読み取る~ものつくり大国あいちの源流~」というテーマで講義をしました。
縄文時代から近世に至るやきものの特徴とそのなかで愛知県の果たした役割などを概説しました。愛知県は古代・中世においてやきもの生産の中心地として全国各地に製品を流通させていました。発掘調査の事例や画像を用いて、その状況を具体的にお話ししました。
後半には、授業のなかで取り上げた縄文時代から江戸時代までの土器・陶磁器を実際に手に取って観察し、時代を考えてもらいました。時代を当てるのはなかなか難しかったと思いますが、みなさんは一生懸命取り組んでいました。
「実物を生で見られたのが強く印象に残った」「愛知県にはたくさん窯がある事に驚いた」「時代が経つごとに土器が進化していくことが面白く感じられた」などといった声が聞かれました。
今回の講座が生徒のみなさんに何らかのかたちでお役に立てれば幸いです。
あいちのやきものの歴史についての講義 土器・陶磁器を時代順に並びかえる演習
第35回埋蔵文化財調査研究会を開催しました
調査研究課の城ヶ谷です。
7月1日(金曜日)に愛知県陶磁美術館で第35回埋蔵文化財調査研究会を開催しました。
この研究会は県及び市町村及び県関係の埋蔵文化財担当者を対象に、前年度に県内で発掘調査された遺跡について、調査担当者から発表を聞き、研修を深めるとともに情報交換をおこなう研修会です。
例年、弥富市にある当センター研修室で開催しておりますが、今年度はセンターの大規模改修工事のため、愛知県陶磁美術館講堂をお借りして実施しました。
発表内容については以下の通りです。
(1) 名古屋市大高城跡の発掘調査成果 (名古屋市教育委員会文化財保護室)
(2) 犬山市犬山城跡の発掘調査成果 (犬山市教育委員会歴史まちづくり課)
(3) 安城市本證寺境内の発掘調査成果 (安城市教育委員会文化振興課)
(4) 西尾市国森遺跡の発掘調査成果 (西尾市教育委員会文化財課)
(5) 豊橋市深田古窯址群の発掘調査成果 (豊橋市文化財センター)
(6) 設楽郡設楽町下延坂遺跡の発掘調査成果 (公財・愛知県埋蔵文化財センター)
(7) 設楽郡設楽町大崎遺跡の発掘調査成果 (公財・愛知県埋蔵文化財センター)
調査の概要と注目される遺構・遺物などについて、発掘調査当時の苦労話なども交えながら、最新の情報をお話ししていただきました。
また、会場の一角では、土器を持ち寄っての意見交換も行われました。
報告者および研究会に参加していただいた担当者の皆様、お疲れ様でした。
今回の研修会が今後の埋蔵文化財保護行政推進の一助になれば幸いです。
武豊町立緑丘小学校で出前授業を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
5月17日と26日の2日間、武豊町立緑丘小学校で出前授業を行いました。
6年生社会科「大昔のくらしとくにの統一」の単元の最初、「円窓付土器のなぞに迫れ!-狩猟・採集や農耕の生活-」という小単元の1時間目と6時間目、2回にわたって授業に参加させていただきました。
両日とも円窓付土器を持参し、指導者の氏家拓也先生とともに、円窓付土器が何に使われたのかを6年生のみなさんと一緒に考えました。
1回目は歴史を習う最初の授業の時間ということでした。児童のみなさんは実物の円窓付土器を間近に見て、とても興味深そうでした。また、その使い方について、さまざまな発想で意見を出してくれました。
2回目の授業では、しっかりとした調べ学習や話し合いを踏まえた上で、円窓付土器の使い方について、根拠を持って発表されていました。円窓付土器の使い方を考える背景として、弥生時代の社会や人々の生活に対する理解の深化を感じました。
何かに興味を持って調べ、話し合い、発表し、他者の発表を聞いて自分の考えをまとめる。このような経験を重ねていくことが「生きる力」の醸成につながっていく。そんなことを感じさせる授業でした。
ユニークな意見も飛び出しました 班でまとめた意見を発表していただきました
歴史の学習において、実際の遺物を見るということは、とても有効な手段です。
出前授業のご希望がありましたら、ご連絡ください。
「古代の尾張・美濃をたずねて」のみなさんがご来館されました
調査研究課の城ヶ谷です。
5月12日、うみの道むなかた館長西谷正先生のご案内で「古代の尾張・美濃をたずねて」のみなさんが施設見学に来られました。
展示中の「やとみ新発見展“2022」「発掘された愛知の城」展をご案内しました。ほとんどが県外の方でしたが、みなさんとても熱心で、展示遺物等についてさまざま質問をいただきました。少しでも愛知の歴史への理解を深めていただければ幸いです。
なお、お知らせにも掲載しておりますが、当センターは今年度、大規模改修工事のため、6月1日(水曜日)から見学及び図書の利用を一旦停止します。再開は来年の4月になる予定です。
しばらくはご不自由をおかけしますが、よろしくお願いします。
あいち朝日遺跡ミュージアムへ出土品の貸出を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
4月26日あいち朝日遺跡ミュージアムへ出土品の貸出を行いました。今回貸出したのは稲沢市一色青海(いっしきあおかい)遺跡出土の弥生土器・石器及び木製品約80点です。
一色青海遺跡は、弥生時代中期後葉、紀元前1世紀を中心とする集落遺跡です。発掘調査で、主軸が17.6mもある全国でも最大級の弥生時代の掘立柱(ほったてばしら)建物が見つかるなど、濃尾平野の拠点的な集落の一つと考えられています。
出土品も豊富ですが、注目されるのは赤彩で鹿を描いた土製品(写真右)です。高さ約9cmの筒形容器の側面に「ベンガラ」と呼ばれる酸化鉄が主成分の顔料で、6頭の鹿が縦一列に鮮やかに描かれています。弥生時代の土器・土製品で、鹿を線刻する例はたくさんありますが、顔料で描いたものは福岡県に1例あるのみで、全国的にも極めて珍しいものです。
今回お貸しした出土品は令和4年4月29日から6月26日まで、清須市あいち朝日遺跡ミュージアムで開催される企画展「一色青海遺跡-100年の弥生ムラ-」で展示されています。ぜひご覧になってください。
搬出作業に取り組むあいち朝日ミュージアム学芸員 梱包を待つ台付細頸壺
〔本展覧会は終了しました〕
春の特別公開2022を開催しました
調査研究課の城ヶ谷です。
今年も4月4日(月曜日)から4月15日(金曜日)まで、「春の特別公開2022」を開催しました。
今回は「戦国期の祈りと呪(まじな)い」というテーマで、戦国期を中心とした祈りと呪いに関わる遺物を展示しました。
同時に(公財)埋蔵文化財センターによる春の埋文展「やとみ新発見展“2022」も開催されました。
今回展示した岩倉城遺跡出土「呪符木簡(じゅふもっかん)」には「□鬼急々如律令」などと、陰陽師(おんみょうじ)らが災いや邪気を払う時に使う言葉や記号が記されています(□は判読不明)。
戦国期には度重なる戦乱や自然災害、疫病の蔓延などで、人々は不安に包まれていたと思われます。「□鬼(災い)よ、早々に退散しろ!」という強い願いが込められているものと思います。
文明の進んだ現代においても、新型コロナウイルス感染症の蔓延が収まりません。呪符木簡の如く“「新型コロナウイルス鬼」は律令に従い、急々に立ち去れ“と願って止みません。
展示風景 岩倉城跡出土呪符木簡
熱心にご覧いただきました 岩倉城跡出土木簡等の展示
清洲城下町遺跡出土狛犬の展示 火起こし体験!がんばれ!!
また、4月9日・10日(土・日曜日)には特別開館を行い、火起こし体験をしていただきました。皆さん真剣にまた楽しそうに取り組んでいただけました。
たくさんのご来場ありがとうございました。
令和3年度普及・公開事業の紹介
半田市立乙川東小学校に「土器・ど・キット」の貸出を行いました。
調査研究課の城ヶ谷です。
3月8日に半田市立乙川東小学校に「土器・ど・キット」と拓本道具の貸出を行いました。
「土器・ど・キット」とは、実際に遺跡から出土した縄文時代から江戸時代までの各時代の土器の破片をセットにしたもので、それぞれの土器を観察し、時代順に並べたりすることで、各時代の土器の特徴や発達過程等を学ぶことができる教育コンテンツです。
乙川東小学校では、「土器・ど・キット」と拓本を利用して5年生の特別授業が行われました。授業を担当された教頭先生は、「今回の授業は6年生の歴史学習に向けたもので、各自タブレットを駆使しながら、グループで話し合い、熱心に取り組んでいました。」とおっしゃっていました。
また、本物の弥生土器を使った拓本採取にもチャレンジしていただきました。
今回の体験が6年生での歴史学習に役立っていただければ幸いです。
授業風景
当センターでは「土器・ど・キット」(写真右)の貸出を行っています。現在8セットの「土器・ど・キット」を2組準備しています。最大16グループまで使用可能です。
「土器・ど・キット」の貸出以外にも、土器を持参して行う出前授業も実施しています。本物の土器を用いた授業をお考えの先生は、ご相談ください。
連絡先:調査研究課 TEL:0567-67-4164
「体感!しだみ古墳群ミュージアム」シダミュー講座が実施されました
調査研究課の城ヶ谷です。
2月15日、当センターでシダミュー講座『発掘調査ってなに?-室内整理編-』が実施されました。
今回の講座は名古屋市の体感!しだみ古墳群ミュージアムが企画されたもので、発掘調査が終了した後、出土遺物がどのようにして整理され、保存・活用されるかを学ぶという内容です。
講義では、まず、洗浄から接合、実測、拓本、写真撮影等を経て報告書刊行・遺物収納に至る整理作業の流れについて説明しました。後半では遺物の主体である土器の変遷についてお話ししました。
その後、実際に遺跡から出土した各時代の土器を手に取って、時代順に並び替える演習をおこなっていただきました。
講義の後、館内をご案内しました。館内では展示室の他に(公財)埋文センターが実施している整理作業、保存処理作業を見たり、埋文センター職員から科学分析の方法等についての説明を聞いたりしました。参加者のみなさんは各所でメモをとるなどとても熱心に見学されていました。
発掘調査は現場が終わってからも大変で、報告書作成まで地道な作業が続いていきます。しっかりと記録を残し、後世に伝えていくことが重要だと考えています。
整理作業の方法などについての講義 各時代の土器の並び替えにチャレンジ!
展示品の解説 遺物整理作業の見学
弥富市立栄南小学校のみなさんが施設見学に来てくれました
調査研究課の城ヶ谷です。
12月15日に弥富市立栄南小学校3年生のみなさんが校外学習の一環で施設見学に来てくれました。
最初にスライドを用いて遺跡や遺物について説明をした後、実際に遺跡から出土した土器・石器を手に取って見てもらいました。石器が意外に重いことにびっくりした様子でした。
その後、館内各所を案内しました。
科学分析室では、遺跡の土中から出土した当時の昆虫の羽やその顕微鏡写真を熱心に見ていました。
資料管理閲覧室では「愛知の城」をテーマにした展示を行っていますが、豊田市城山城跡(しろやまじょうあと)で見つかった薬研堀(やげんぼり)の模型の中に入って、堀の中を体験してもらいました。
また、整理室では設楽町の遺跡から出土した縄文土器などの遺物の整理作業を興味深く見ていました。
短い時間でしたが、みなさんは時おりメモを取りながら、熱心にかつ楽しそうに見ていました。
後日、感想文をいただきました。その中で、
「はじめて土きをさわって、ざらざらしているものや ちょっとつるつるするものなど、いろいろあってびっくりしました。」
「土器のかけらをつなげ合わせてもとの形にするのはたいへんそうだと思いました。」
「むかしの人がこの土器を使ってどんな生活をしているのか気になりました。」
「石器についてせつめいを分かりやすく話してくださったので、きょうみがわきました。」など、いろいろなことに興味をもっていただけたようです。
今回、初めて見たり、触ったりしたものが多かったと思いますが、これから歴史を学習した時に、また思い出してほしいと思います。
遺跡や遺物についてお話ししました。 土器や石器に触れてもらいました。
遺跡の土の中から出てきた昆虫の羽に興味津々です。 いろいろな時代の展示品があります。
城山城跡の堀の模型のなかで… 遺物の整理作業を見学しました。
県立知立東高等学校で出前授業を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
12月13日に県立知立東高等学校で出前授業を行いました。
2年生普通科日本史選択者3クラス127名を2クラス2時限に分けて実施しました。
今回は「ものつくり大国あいちの源流~土器から歴史を読み取る~」というテーマで、愛知県の特色である陶磁器生産の変遷を通じて、社会や流通の変化を読み取ることを目的に実施しました。
授業について、「愛知のことだけではなく、全体の歴史と愛知の歴史を対比して聞くことができて楽しかった」とか「出来事じゃなくても、歴史はおもしろいんだなと思いました」などの感想が聞かれました。
授業の最後に、持参した縄文時代から江戸時代までの土器を実際に手にとって、時代順に並べる演習を行いました。短い時間ではありましたが、生徒のみなさんにはとても意欲的に、また楽しそうに取り組んでいただけました。
今回の出前授業で、郷土史の理解や学ぶことの楽しさを知ることについて、少しでも役に立てれば幸いです。
愛知県の窯業生産の動向について概説しました。 愛知県の窯業生産は約1600年前に始まります。
各時代の土器を時代順に並べます。 手触りはどうかな?
葛飾区郷土と天文の博物館へ遺物の貸出を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
11月1日葛飾区郷土と天文の博物館へ遺物の貸出を行いました。貸出遺物は清須市清洲城下町(きよすじょうかまち)遺跡から出土した漆器(しっき)、卒塔婆(そとうば)、箸(はし)、折敷(おしき)です。
清須城は、文明10(1487)年に守護所が移転してきたことで尾張国の中心地となりました。弘治元(1555)年以降は織田信長が那古野城から移って大改修を加えた後、本拠として居城しました。
本能寺の変以降は、織田信雄が入り、天正14(1586)年に大改修を行います。この年を境にして清洲城下町遺跡は前期と後期に分けられています。
清洲城下町遺跡は中央を南北に五条川が流れています。五条川は何度か流路を変えており、発掘調査をすると旧流路跡がよく見つかります。このような流路や堀跡、溝跡などから多量の漆器が出土しており、全国的にも良好な資料として知られています。
今回お貸した漆器の一部は旧流路(NR4001)から、永正5(1508) 清洲城下町遺跡出土漆器椀
年銘のある卒塔婆(写真下中央)を伴って出土したものです。この頃の清須城は尾張下四郡を支配する尾張守護代清須織田氏(大和守系)の居城で、織田信長の祖父織田信定も清須三奉行の一人として守護代を支えていました。漆器のなかでも年代がわかる資料として貴重です。
お貸しした遺物は12月19日まで東京都葛飾区の葛飾区郷土と天文の博物館でご覧になれます。 → 終了しました。
清洲城下町遺跡 旧流路(NR4001)出土漆器・卒塔婆
秋の特別公開2021を開催しました
調査研究課の城ヶ谷です。
今年度も11月4日(木曜日)から11月12日(金曜日)まで9日間「秋の特別公開2021」を開催しました。
今回は「戦国期を彩る逸品」というテーマで、瀬戸市桑下城跡から出土した室町時代の和鏡「菊花(きくか)双鶴(そうかく)鏡(きょう)」を始め、戦国期の城館から出土した金属製品・木製品を展示しました。
同時に(公財)埋蔵文化財センターによる「発掘された愛知の城」展も開催されました。
11月6日・7日(土・日曜日)には特別開館を行い、拓本体験を実施しました。拓本は初めてという方がほとんどでしたが、皆さん楽しそうに取り組んでいただけました。
また、(公財)埋蔵文化財センターによる新作ゲーム「びっくり!まいぶん やとみ城」も行われ、子供たちの歓声が絶えませんでした。
期間の後半には新聞にも取り上げていただき、県内外からたくさんの方に来ていただきました。
ご来場ありがとうございました。
展示:菊花双鶴鏡 裏の文様もきれいです。 お城のパネルやジオラマも作られています。
拓本体験:慎重に墨を打っていきます。 新作ゲーム輪投げ:いくつ城を落とせるかな?!
尾張地区地理歴史・公民科教育研究会地理歴史部会の先生方が施設見学に来られました
調査研究課の城ヶ谷です。
10月12日に尾張地区地理歴史・公民科教育研究会地理歴史部会に所属されている高等学校の先生方が研究会の巡検で施設見学に来られました。
最初に「遺跡の調査について~考古学から歴史をまなぶ~」というテーマで、発掘調査や考古学の方法と土器・陶磁器の発達についてお話をしました。
その後、ランダムに置いてある縄文時代から江戸時代までの各時代の出土土器・陶磁器を時代順に並べるという実習に取り組んでいただきました。普段、図説等で見ている土器を実際に手に取って、重さや手触りなどを確認することができたと、とても好評でした。
施設見学では、整理室で実際に行われている縄文土器や土師器の接合、復元作業等を見ていただきした。また、木製品や金属製品を収蔵する特別収蔵庫、県内各地から出土した遺物コンテナ一万箱以上を収蔵する収蔵庫にもご案内しましたが、収蔵する遺物の量に驚いておられました。
その他、科学分析室で行われている土層に含まれる花粉、微化石や昆虫の分析、鉄器のX線撮影などについて、(公財)埋文センター職員の方から説明していただきました。
先生方はとても熱心にご覧になられ、たくさん質問もいただきました。なかなか、遺物をじっくり見る機会が無いので、いろいろなことを見聞きすることができてとても良かった。学校に帰ったら生徒たちにも話をしたいとおっしゃっておられました。
講義:考古学や土器に関するお話です 演習:土器の時代を当てるのは難しい!?
整理室:とても緻密な作業です 科学分析室:遺跡周囲の環境復元に取り組でいます
大府市歴史民俗資料館へ遺物の貸出をおこないました
調査研究課の城ヶ谷です。
9月30日、大府市歴史民俗資料館へ遺物の貸出をおこないました。貸出遺物は稲沢市一色青海(いっしきあおかい)遺跡はじめ7遺跡から出土した弥生時代から古墳時代初め土器です。
弥生時代後半から古墳時代にかけて、愛知県ではパレススタイル土器やS字甕、円窓付土器(まるまどつきどき)、手焙り形土器(てあぶりがたどき)など特色のある土器が作られます。
右の写真は、一色青海遺跡から出土した弥生時代の円窓付土器(写真)です。円い穴は何のために開けられたのか?
… まだわかっていません!
一色青海遺跡は全国有数の規模を持つ弥生時代の大型掘立柱建物が見つかるなど、集落と墓域で構成された弥生時代の拠点的な遺跡です。
今回お貸しした遺物は令和3年12月12日(日曜日)まで実施されている大府市歴史民俗資料館企画展示「古墳時代初頭の知多半島」で展示されています。
ぜひ愛知県の特色ある土器たちをご覧になってください。
→ 終了しました。
岡崎市美術博物館へ遺物の貸出をおこないました
調査研究課の城ヶ谷です。
9月10日、岡崎市美術博物館へ遺物の貸出をおこないました。貸出遺物は岡崎市西牧野(にしまきの)遺跡から出土した石器(写真)です。
西牧野遺跡は平成21年度・22年度に第二東名高速道路工事に伴い、約38,000平方メートルが発掘調査されました。調査では後期旧石器時代の石器が4000点以上出土しましたが、県内でこれだけ良好な資料がまとまって出土した例はありません。
今回、貸し出した遺物は、約2万5千年前のナイフ形石器(右の写真)と石核(せきかく)です。写真で白っぽく見える石器(上段左3点)の石材は凝灰岩(ぎょうかいがん)、残りの黒っぽく見える石器の石材は黒曜石(こくようせき)です。いずれも側縁はとても鋭利で、まさにナイフです。
黒曜石は県内では産出しないので、県外から搬入されたことになります。産地として近いのは長野県和田峠ですが、直線距離にしても200kmはあります。どのようにしてこの地にもたらされたのでしょうか。
今回貸し出した遺物は10月9日(土曜日)から始まった岡崎市美術博物館特別企画展「至宝-燦めく岡崎の文化財」で展示されています。ぜひご覧になってください。
→ 終了しました。