3.新川・境川・日光川・境川流域の浸水想定 主要な内水河川流域での解析を通して、多角的に検討を進めてきました

解析モデルの検討
内水を加味した氾濫解析
技術検討会の役割
流出氾濫解析モデルの基本構造
流域の地形特性への対応
モデルの検証
   
水災シナリオ
水災シナリオの想定
想定した水災シナリオの概念
東海豪雨の時空間分布と最強雨域
   
浸水予測
新川流域の浸水予測
境川流域の浸水予測
日光川流域の浸水予測
   
情報提供
市町村等への情報提供
浸水情報システムによる表示機能一例
情報提供機関
おわりに
 
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おわりに

 愛知県の要請をうけて発足した氾濫シミュレーション技術検討会は、H13年9月からH14年7月迄、5回にわたる検討を行い、このプロジェクトの目標とした「水災現象に即した氾濫シミュレーション手法の開発」を達成することができました。

 解析モデルの開発では、流域全体を対象とした流出氾濫シミュレーションモデルの基本構造を作成するとともに、取りあげた3流域の地形特性に応じた適用法を見出しています。これによって、今後、他の流域のシミュレーションを行う場合にも、柔軟にモデルを構築していくことが可能になりました。

 浸水被害の予測に際しては、流域で発生すると思われる内水氾濫の発生〜排水調整による内水氾濫の拡大〜破堤氾濫などの水災のシナリオを考え、それらに応じた降雨外力を設定しています。これによって、様々な事態に対応するための具体的な情報を得ることができます。

 また、これらの情報も、地理情報技術を活用して、一般的なパソコンで自由に表示できるようにシステム化しています。これによって、市町村防災機関でも、「動く浸水情報マップ」を利用することによって実践的な対策を講じることができます。

 なお、これらの情報は流域や河道の状況変化に応じて、適宜更新されます。

 今後、県から提供されるこれらの浸水情報を生かして、市町村防災機関で、実際の水防活動や避難活動の体制を整え、洪水ハザードマップの作成など、水災に強いまちづくりが進められていくことを願う次第です。

 現在、内水を含む氾濫解析の取組みが全国的に始まっています。この検討会の成果が、それらの取組みに役立てられるとともに、愛知県でも新たな技術を取り入れながら、情報を更新し、河川計画や下水道計画の策定・評価など、新たな分野への拡張が図られていくことを期待します。


平成14年7月22日
愛知県氾濫シミュレーション技術検討会

委員長 名古屋大学大学院教授
辻本哲郎 TetsuroTSUJIMOTO
委 員 中部大学工学部教授
松尾直規 Naoki MATSUO
委 員 名古屋工業大学工学部教授
冨永晃宏 Akihiro TOMINAGA
委 員 名城大学理工学部教授
原田守博 Morihiro HARADA

検討経過
第1回 H13. 9.10 愛知県産業貿易館
第2回 H13.11.12 愛知県産業貿易館
第3回 H14. 2. 5 愛知県三之丸庁舎
第4回 H14. 4. 8 愛知県自治センター
第5回 H14. 7.22 愛知県産業貿易館
 
愛知県建設部河川課