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農業試験場構内風景

愛知県農業総合試験場

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日本ナシ新品種「陽水」

上林義幸・高瀬輔久・岡田詔男

Acta.Horticulture 587:281-284 (2002)
摘要:「陽水」は愛知県農業総合試験場で育成された、晩生の赤ナシ品種である。1990年に「新高」と「幸水」を交配して得た実生から選抜された品種で、種苗法に基づき2001年3月13日付けで品種登録された。樹勢は強く、枝の発生は密で、樹姿は「新高」に似ている。腋花芽の着生は「幸水」並に少ないが、短果枝の維持は容易であるため、「新高」並に豊産性と考えられる。開花期は「豊水」と同時期で「新高」より3〜4日遅い。「幸水」・「豊水」・「新高」と交配親和性があり、花粉を多く持つ。成熟期は本県において、「豊水」と「新高」の間にあたる9月下旬から10月上旬である。果形は扁円形で、成熟期の果皮色は黄褐色である。果実重は「新高」並みに非常に大きく、約900gである。果肉は白色で、「新高」より柔らかく多汁である。糖度は平年でBlix値が14〜15%で、「新高」より約0.5〜1%高い。pHは5.2〜5.3で、「新高」より酸味が少ない。日持ち性は室温(約15℃)で約15日で、「新高」「新星」など他の晩生品種より劣る。黒斑病には抵抗性で、えそ斑点病は非発現性である。その他の病害虫についても、通常の栽培条件で問題になることはない。現在のところ、裂果、芯腐れ、みつ症等の生理障害は見られない。

キーワード:晩生、赤ナシ、新品種、交雑育種
PDFファイル未掲載


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