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農業試験場構内風景

愛知県農業総合試験場

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窒素施肥量の削減がてん茶の収量・品質に及ぼす影響

木下忠孝・辻 浩孝・樋江井清隆・辻 正樹・金田秋光
摘要:茶の窒素施肥量削減を図る一助とするため、てん茶園における窒素施肥量の削減が茶の収量・品質に及ぼす影響を5年間にわたって、自然仕立て及び弧状仕立てについて調査した。
1 生葉収量は、5年間を平均すると自然仕立てでは窒素施肥量900kg/ha区(以下900kg区)が最も多収となり、窒素施肥量が少ない区ほど低収となった。弧状仕立てでは窒素施肥量600kg/ha区(以下600kg区)区が最も多収となり、次いで窒素施肥量300kg/ha区(以下300kg区)で900kg区の収量は劣った。
2 荒茶中の全窒素含有率は、自然仕立てではいずれの年も窒素施肥量が少ない区ほど低くなった。弧状仕立てでも2002年以外は、窒素施肥量が少ない区ほど低くなった。窒素施肥量の減少に伴う全窒素含有率の低下は、自然仕立てが大きかった。
3 荒茶中の遊離アミノ酸含有率は、自然仕立て及び弧状仕立てとも概して窒素施肥量が少ない区ほど低くなった。タンニン含有率は、自然仕立てでは0kg区が高くなったが、窒素を施肥した3区の間には大きな差はなかった。弧状仕立てでは、窒素施肥量の多い900kg区が少なく、次いで300kg区となった。
4 荒茶の官能審査結果評点は、5年間を平均すると自然仕立てでは、900kg区と600kg区は変わらなかったが、300kg区は低くなった。弧状仕立てでは平均すると、窒素施肥量が少なくなるに伴って評点が減少した。
5 畝間に施肥を行う現行の方法ではてん茶の場合、自然仕立て、弧状仕立てを問わず、窒素施肥量を減じると収量、遊離アミノ酸含有率あるいは官能審査評点のいずれかあるいは複数の項目が低下することが示唆された。

キーワード:てん茶、窒素施肥量、収量、品質、降水量
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