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愛知県農業総合試験場

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新規培養法を用いたキク無病苗育成における順化前後の低温が
生育開花に及ぼす影響と変異の検定

堀田真紀子・長谷川徹・大石一史・加藤俊博・細川宗孝
摘要:葉原基を含まない茎頂分裂組織をキャベツ根へ移植する新規培養法を用いた一輪ギク「神馬」及び「岩の白扇」の無病苗育成において、順化前後の低温遭遇が生育及び開花に及ぼす影響を検討し、変異の検定を行った。
1 新規培養法により育成した株は、低温に遭遇しないと開花が遅れ、茎長が短くなった。順化後に4℃4週間の低温に遭遇させると、開花促進、茎の伸長促進効果が認められたが、その効果は冬期の自然低温より小さかった。自然低温に遭遇させた場合には、非培養株と同程度の生育・開花が認められた。
2 「神馬」では、新規培養法により作出された15系統の開花期、茎長、節数、切花重、花径及び小花数等について系統間でばらつきがみられたが、非培養株と有意差がみられず、変異は確認されなかった。
3 「岩の白扇」では、新規培養法により作出された12系統のうち8系統で変異が確認された。うち2系統では、茎の伸長遅延、管状花の消失といった大きな変異であった。他の系統では、開花期等で栽培上問題とならない変異が確認された。
 したがって、新規培養法を用いたキク無病苗の育成法では、順化後に十分な低温に遭遇させて生育及び開花の変異検定を行うことで、優良苗が育成できると考えられる。

キーワード:キク、超微小未分化分裂組織、変異、培養、低温
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