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農業試験場構内風景

愛知県農業総合試験場

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イセナデシコとハマナデシコとの間の種間雑種に見出された
自然染色体倍加による複二倍体の形成

二村幹雄・加藤淳太郎・三位正洋・加藤俊博

Journal of Horticultural Science & Biotechnology 81(1): 72-77 (2006)
摘要:イセナデシコ2系統とハマナデシコ1系統の間で種間交雑を行った。イセナデシコを母本としたとき、発芽種子はイセナデシコの1系統を母本としたときのみから得られ、実生46個体すべてがRAPD分析およびフローサイトメトリーから雑種と判定された。雑種の形態は、葉幅や花の大きさが両親の中間的で、花色は均一な紫桃となり、開花がよくそろった。当初、得られた雑種46個体のいずれも不稔であるのが確認されたが、雑種のうち2個体では大型で稔性花粉を産する花が遅れて開花した。フローサイトメトリーの解析結果から、花粉稔性を回復した花は自然倍加で生じた倍数性キメラ個体上の四倍性の分枝に由来することが明らかとなった。稔性回復した花は自殖させ、得られた種子から完全な複二倍体個体を獲得した。今回得た複二倍体は、イセナデシコの早生性、およびハマナデシコの持つ夏季での旺盛な生育、剛直な茎、幅広な葉など有利な形質を持っているので、日本の気象条件に適するカーネーション育種への利用が期待される。

キーワード:イセナデシコ、自然倍加、倍数性キメラ、ハマナデシコ、複二倍体
PDFファイル未掲載


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