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農業試験場構内風景

愛知県農業総合試験場

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インド型イネ品種「Modan」に由来する
安定した穂いもち抵抗性の遺伝解析

藤井 潔・早野由里子

Japanese Journal of Plant Science 1:69-76(2007)
摘要:いもち病はMagnaporthe griseaを病原菌とするイネの最重要病害である。中でも穂いもちは収量減と品質低下に直結する。筆者らは、インド型イネ品種「Modan」からイネ縞葉枯病(RSV)抵抗性遺伝子Stvb-iを導入した日本型イネ品種「月の光」と「朝の光」が、葉いもちに対しては弱く、穂いもちに対しては強く発現する特異ないもち病抵抗性を有することを見いだした。両品種と両品種に由来する抵抗性品種は、普及後20年以上経過した現在まで穂いもちに対して「抵抗性崩壊」を示していない。遺伝子分析の結果、RSV抵抗性品種の保有する新規の抵抗性主働遺伝子Pb1が「穂いもち圃場抵抗性」を発現していた。DNAマーカーを用いた連鎖解析により、Pb1座は第11染色体長腕中央部の「Modan」に由来する染色体領域に特定された。また、Pb1とStvb-iは組換価5.2±1.5%で連鎖していた。グラフ遺伝子型解析により、これら2つの抵抗性遺伝子は共に「Modan」から日本型イネ品種に導入されたことが証明された。連鎖解析とグラフ遺伝子型解析により、供試されたRFLPマーカーのうちでS723が組換価1.2%でPb1に最も近接するマーカーであることを特定した。このPb1遺伝子は過敏感反応を伴う真性抵抗性を発現しないものの、日本国内ではいもち病激発地域を除いて、穂いもちに対する発病抑制効果は高い。このようにPb1がいもち病に対して安定した「成体抵抗性」を発現する特異な主働遺伝子であることから、いもち病抵抗性育種に有効であると共に、植物保護学上からも重要な遺伝子である。

キーワード:成体抵抗性、病害抵抗性、DNAマーカー、安定性、いもち病菌(Magnaporthe grisea)、主働遺伝子、マーカー選抜(MAS)、イネ(Oryza sativa)、圃場抵抗性、Pb1、発病抑制効果、RFLP
PDFファイル未掲載


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