委員会情報
委員会審査状況
警察委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和5年6月29日(木) 午後0時58分~
会 場 第3委員会室
出 席 者
ますだ裕二、林 文夫 正副委員長
久保田浩文、寺西むつみ、南部文宏、成田 修、横田たかし、鈴木まさと、
日比たけまさ、しまぶくろ朝太郎、筒井タカヤ 各委員
柘植公安委員長、警察本部長、総務部長、警務部長、生活安全部長、
地域部長、刑事部長、交通部長、財務統括官、組織犯罪対策局長、警備部長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第 81 号 令和5年度愛知県一般会計補正予算(第2号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 出
第8款 警察費
第 90 号 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づ
く交通安全特定事業により設置される信号機等に関する基準
を定める条例の一部改正について
第 96 号 損害賠償の額の決定及び和解について(守山警察署)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第81号、第90号及び第96号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 交通指導取締り及び交通安全施設の整備について
2 防犯対策の推進について
3 警察の組織及び運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 委員長報告の決定
4 一般質問
5 岡崎警察署の留置施設で被留置者が死亡した案件についての説明
6 閉会中継続調査申出案件の決定
7 閉会中の委員会活動について
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
第90号議案の高齢者、障害者等の移動等の円滑化の推進に関する法律に基づく交通安全特定事業により設置される信号機等に関する基準を定める条例の一部改正について伺う。
この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の推進に関する法律、いわゆるバリアフリー法に関連する条例だと理解しているが、交通安全特定事業により設置される信号機とは、具体的にどのような信号機であるのか。
【理事者】
本条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法に基づき市町村で作成されたバリアフリー基本構想において実施される交通安全特定事業で設置する信号機の基準を定める条例である。該当する信号機は4種類あり、一つ目は、いわゆる、ピヨピヨ、カッコウと音を発する視覚障害者用の音響信号機であり、これには高度化PICSと言われる信号機からスマートフォン等に歩行者用信号機の表示色等を送信する信号機も含んでいる。二つ目として、信号交差点の横断歩道にセンサー等を設置し、横断歩行者を感知した場合に歩行者用信号の青時間を延長する歩行者感応式信号と呼ばれている信号機、三つ目として、歩行者用信号の青時間の残り時間を表示する歩行者信号待ち時間等表示装置が付加された信号機、四つ目として、歩車分離式信号機である。
【委員】
今回の法改正に関わる条例は、バリアフリー法に基づき市町村が基本構想を策定した場合に行う交通安全特定事業に係る信号機の基準を定める条例だが、県内では、現在進行中の基本構想等はあるのか。また、あるならば交通安全特定事業として、どのような事業が計画されているのか。
【理事者】
これまでに、県内では16の重点整備地区について市町村の基本構想が策定され、それぞれに交通安全特定事業の計画が策定されている。このうち、現在進行中のものは名古屋市瑞穂区内の瑞穂公園陸上競技場地区の基本構想の一つである。
具体的な事業としては、同地区の重点整備地区に設置されている信号交差点3か所の横断歩道に、視覚障害のある方を点字ブロックで誘導するエスコートゾーンの設置や補修を行う予定としている。
なお、エスコートゾーンの設置対象となっている信号交差点は、3か所全てに視覚障害者用の音響信号機が整備されている。
《一般質問》
【委員】
昨年の愛知県の交通死亡事故死者数は、大阪府に次ぎ全国ワースト2位と、ワースト1位こそ阻止したが、前年と比較して20人増加の137人と、依然として多くの貴い命が失われている。特に、その事故死者数の4割が歩行者で、当事者別では最も多くなっており、その対策が喫緊の課題となっていると認識している。
歩行者の交通事故防止策の一環としては、歩道橋を整備して利用してもらうことが歩行者と自動車が交錯することなく最も安全性の高い対策だと思うが、一方で、高齢者や身体に障害のある人にとっては上り下りが大変であり、仕方なく道路を横断するしかない人もいると予想する。
他方で、警察においては、横断歩道における交通指導、取締りや広報啓発活動等を通じてドライバーに対する歩行者保護意識の向上を図っており、年々横断歩道における自動車の停車率が向上し、横断歩道における歩行者の安全性が高まっていると認識している。私事ながら、3人の小学生の子供を持つ親の一人として、心から感謝している県民の一人である。
そこで、歩道橋を利用することができない高齢者や身体の障害のある人が安全に交差点等を横断するために、歩道橋の下に横断歩道を設置することについて、どのような考えであるのか。
【理事者】
歩道橋は、歩行者と車両が物理的に分離されることから横断歩道よりも高い安全性を有する横断施設であり、交差点における交通の円滑化にもつながるものと考えている。
歩道橋が設置されている交差点については、一般に車線が複数で交通量の多い道路であること、通常、ドライバーは横断歩道が設置されていないと考えて減速をせず、横断歩行者に注意が向きにくいこと、歩道橋の橋脚や階段により右左折する車両と横断歩行者の相互の見通しが確保しにくいことなどから、横断歩行者の安全確保を図るため、原則として横断歩道の併設は行わないこととしている。
その一方で、高齢者をはじめとする交通弱者の中には歩道橋の階段を上がることが身体的に困難な人もいることは承知しており、歩道橋の下への横断歩道併設の要望については、安全性の観点から、道路管理者に対して横断歩道橋にエレベーター等の設備を設置してバリアフリー化を図るように働きかけている。
【委員】
県内には、歩道橋の下に横断歩道を整備している交差点が何か所か見受けられるが、整備することができる条件などはあるのか。
【理事者】
歩道橋の下への横断歩道の併設は原則として行わないこととしており、道路管理者に対して歩道橋のバリアフリー化を働きかけているが、エレベーター等の設備の設置が困難な場合については、高齢者をはじめとする交通弱者の横断需要を踏まえつつ、信号機の歩車分離化や右左折車両と横断歩行者の見通しの確保等の安全対策により、歩行者が安全に横断できる環境が整った場合に限って横断歩道の併設を行っている。
今後も、バリアフリー化されていない歩道橋が設置されている交差点については、原則を踏まえつつ、道路管理者と連携し、歩行者保護に必要な安全対策の実施等に応じて横断歩道併設の可否を検討し対応していく。
【委員】
5月8日にコロナに関する規制が緩和され、3年ぶりにコロナ禍からやっと一息ついて、歓楽街に人が戻りつつあるが、栄地区では交差点ごとに客引きがたむろし、通行人に声をかけ、歩きづらい状況が散見される。
また、本年春頃からは、客引きが案内する店において、いわゆるぼったくり被害に遭ったという相談が増加しており、ぼったくり対策は喫緊の課題だと考えている。
そこで、栄地区におけるぼったくりの手口や相談件数、検挙件数及び行政処分等についてどのような状況になっているのか。
【理事者】
低廉な料金を告げるなどの方法により人を勧誘し、入店した客に対して、社会通念上妥当ではない高額な料金を請求の上、威迫する等の方法により料金を取り立てる、いわゆるぼったくりについて、栄地区における最近の主な手口としては、客引きが案内する店舗において、女性従業員が何杯もドリンクを注文した上で、その代金を含め高額な料金を請求するものが多くなっている。また、ぼったくりに関する相談件数は、本年春以降急増しており、5月末現在61件と、昨年1年間の相談件数22件の約3倍となっている。
次に、本年中の検挙件数及び行政処分件数については、5月末現在、いわゆるぼったくり防止条例を適用し、違法な客引きを受けた者を立ち入らせることの禁止違反で3件、3人を検挙しているほか、料金トラブルに起因して客に傷害を負わせたことなどで営業停止処分を1件、料金等の表示義務違反で指示処分を1件行っている。
【委員】
栄地区にある風俗案内所の軒数と、愛知県風俗案内所規制条例の制定の目的について伺う。
【理事者】
愛知県風俗案内所規制条例は、平成24年に制定された。
当時は、風俗案内所において違法な風俗店が案内されていたほか、青少年が就労することや案内所を利用することが規制されていなかったため、清浄な風俗環境を保持するとともに、青少年の健全な育成に障害を及ぼす行為及び風俗案内の事業者による不当な行為を防止し、暴力団を排除するなどして、県民が安心して暮らすことができる健全な生活環境を確保する目的で制定された。
同条例では、風俗案内所を営むに際し公安委員会への事前の届出を必要としており、本年5月末現在、県内で17軒、うち栄地区は11軒となっている。
【委員】
県警察が、春から顕在化しているぼったくりに対して、どのような対策をしているのか伺う。
【理事者】
県警察では、暴力行為を伴う不当な取立てに対し強要罪を適用して複数の行為者を検挙しているほか、ぼったくり防止条例、風営適正化法をはじめとした関係法令を適用して、ぼったくり行為を行う違法店舗の摘発や行政処分を行っている。さらには、これらを助長する客引き行為者の取締りも推進している。
なお、ぼったくりに関する相談の増加を受けて以降、違法店舗の取締りや立入検査を一層強化しているほか、先週6月23日には中警察署が中心となり、歓楽街の集中対策として、制服警察官による徒歩警ら、駐車違反の取締り、風俗営業店の立入検査等を実施した。
今後も、これら対策と併せて、地域住民、関係機関、団体等との連携を図るなどにより、ぼったくりの根絶に向けて取り組んでいく。
【委員】
私の地元の昭和警察署では、白バイが配置され、運転資格を持つ隊員が積極的に運用していたが、今回の人事異動によって出動回数が減少していると感じた。4人が運転していたが、今は1人になったためになかなか出動できないという話を聞いている。
白バイについては、機動力が高く稼働率を向上することが求められる。警察署には交通事故抑止のためにこれらの白バイが配置されているが、まず、県内45署に何台白バイが配置され、それに対して何人が乗務可能か伺う。
【理事者】
県警察では、機動力を生かして地域の交通実態に応じた街頭活動を実施することにより交通事故の防止を図ることを目的として、交通取締用自動二輪車、いわゆる白バイを警察署に配備している。令和5年4月現在、40警察署に白バイ44台を配備し、114人の交通課員を乗務員として指定している。
【委員】
警察署に配備されている白バイの乗務員には、どのような条件があるのか。
【理事者】
警察署に配備されている白バイの乗務員となる条件は、交通機動隊において白バイ乗務員として業務に従事した経験を有することのほか、年齢等の一定の条件を設けているが、こうした条件の充足性だけではなく、実際に白バイを使用した訓練等を通じて個別に適性を見極めた上で乗務させている。
【委員】
現在、各40署に配備されている白バイの活動内容と稼働状況について伺う。
【理事者】
警察署に配備されている白バイの活動内容としては、事故多発路線等における交通指導取締りや警戒活動のほか、通学路における見守り活動などを行っている。
稼働状況としては、令和4年中で延べ2,858回活動している。
【委員】
まず、ぼったくりについて要望する。
繁華街の防犯対策は、観光戦略において非常に重要な位置づけを持っていると私は理解している。愛知県に宿泊してくれた人の多くは、皆知ってのとおりビジネス客である。ビジネスホテルに宿泊し、夜のまちに繰り出して食事をして、少し羽を伸ばそうと思って二次会などの場所を探すというのが王道のパターンである。店舗を探すにはSNS等の情報があるが、飲食店の情報はあふれているものの、いわゆるキャバクラ、スナック、ラウンジ、クラブなどの店舗情報は限られており、旅行者は無料案内所などの情報を頼りにする傾向にあると私は思っている。
錦に繰り出した観光客が客引きの甘言に惑わされてついていってしまい、結果として、ぼったくり被害に遭っている。143杯飲んで78万円を請求されたというものや、ゲームと称して124万円請求されて100万円払ったという、現実に被害を受けた人の話も聞いている。
このようなぼったくりやゲームにかこつけた被害が存在するというのは、旅行者にとって、もう二度と愛知県に来たくないという経験になりかねないと私は強く思っている。
今回の6月23日の錦での集中取締りは本当に有り難い。私も見に行ったが、70人にわたる警察官が一生懸命やっているのを見て感動した。ぼったくり被害撲滅のためにも、これを継続して実施してほしい。また、いわゆるぼったくりの客引きは車に乗ってくるので、併せて駐禁の取締りもすると、客引きそのものを排除することができダブルの効果が期待できると思う。引き続き違法駐車対策も併せてやってほしい。
続いて、白バイについて要望する。
私は、地元の自主防犯団体の防犯パトロールに毎週帯同している。その際に、住宅対象侵入盗対策や、貴金属店、時計買取り専門店に対する強盗などの凶悪犯に対する効果的な対策を、どうしたらいいかと聞かれる。私は、警察から教えてもらった防犯カメラや人感センサー付のライトの設置、2階に上れないように足場の撤去、砂利を敷くなど、いろいろと回答しているが、私の地元では既にこれらを住宅に設置済みの人が多い。残念ながら現在、愛知県では住宅対象侵入盗被害ワースト2であるため、住民からは警察に対する巡回強化の要望が多数来ている。この際、今までに増して巡回するために、今回質問した白バイを、交通違反取締りやいろいろなキャンペーンでの運用のみならず、道路の狭い住宅街の端々まで走れる機動力を生かして定期的な巡回活動にも活用できるような運用を、署に働きかけるよう強く要望する。
【理事者】
先ほど稼働状況について2,858回と説明したが、令和4年中と言ったのは、正しくは令和4年度中であるので訂正する。
【委員】
本日6月29日、読売新聞の1面に、闇バイト強盗、指示役初の逮捕へという見出しの記事が掲載された。これは、昨年の5月2日、京都市の腕時計買取り店で高級腕時計41点が奪われた事件の記事である。既に実行犯は逮捕されているが、この指示役とされる男が今回逮捕されるであろうという内容の記事だった。
この指示役とされる男は、当時、フィリピンの入国管理局の収容施設に収容されており、外国で身柄が拘束されている中、SNSを使って犯行の指示をしたのではないかという容疑で、大変恐ろしい事件であったため全国に大きな衝撃を与えた。
最近、このようにSNSで連絡を取り合って強盗を行うという事件が多発している。
今月13日の夜、名古屋市中区の高級時計買取り販売店で、自称18歳と自称22歳の男が押し入って金品を奪おうとする事件が発生した。逮捕された2人は互いに面識がなく、SNSで応募したと供述しており、現在、捜査中と聞いている。
また、今月11日には、川崎市で2人組の男が時計店に押し入る事件が発生し、1人は逮捕、もう一人は逃走中である。逮捕された男は、SNSの募集に応募したと供述しているようだ。
また、5月8日、東京銀座の高級時計店に16歳から19歳の男4人が覆面をして白昼堂々店に押し入ってショーケースをたたき割り、商品を奪うという事件が起こった。この押し入り強盗の模様は、近くに居合わせた人が撮影した動画がテレビなどでも放送され、あまりの大胆さに目を疑うほどであった。この犯人4人も、SNSで連絡を取り合い実行に及んだとされている。
これら一連の事件の共通点と特徴は、実行犯はSNSに応募したこと、また、犯人らに面識がないとされていることである。
最初の質問だが、いわゆる闇バイト強盗とは、どのような事件なのか。SNSで実行犯をどのように集めるのか。面識のない複数の人間に指示し犯行を実行させることが、なぜできるのか。当局が把握している手口や仕組みについて伺う。
【理事者】
いわゆる闇バイト強盗とは、SNS上で実行犯を募集する手口等を特徴とする強盗等事件である。
闇バイト強盗の手口や仕組みだが、SNS上において闇バイト、あるいは、裏バイトなどと表記したり、仕事の内容を明らかにせず著しく高額な報酬の支払いを示唆したりするなど、犯行の実行者を募集する投稿が発信されている。また、闇バイト強盗に応募した者は、リクルーターや指示役から秘匿性の高い通信アプリケーションを用いるように誘導され、当該アプリケーション上で指示を受けたり、連絡を取り合ったりするといった実態が見られる。
こうした手口や仕組みに関する実態は、強盗だけでなく特殊詐欺にも見られる。
【委員】
それでは、県警察は、闇バイトに対してどのような対策を取っていくのか。
【理事者】
県警察においては、政府の犯罪対策閣僚会議で策定された、SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プランに基づき対策を推進している。緊急対策プランは、4本柱で構成され、そのうちの実行犯を生まないための対策の一つとして闇バイト対策があり、県警察においては、闇バイト情報の収集、削除等に取り組んでいる。
具体的には、強盗の実行犯や特殊詐欺の受取役など、SNS上で闇バイトと称して募集する投稿に対して、県警察のアカウントで警告、注意喚起を実施している。警告、注意喚起を実施した投稿の多くは、投稿者が削除するなどして閲覧できない状態になるが、引き続き閲覧できる投稿についてはSNSの運営会社に対して削除要請を実施しており、当該運営会社におけるアカウントの利用停止等の措置により、9割以上を閲覧できない状態にしている。
【委員】
最後に、県警察において実施している、若者に対して闇バイトを通じて犯罪に加担させないための取組について伺う。
【理事者】
県警察としては、主に教育委員会、学校と連携し、生徒に対してSNS上の闇バイト等へ応募する行為が重大な犯罪に関与し取り返しのつかない結果を招くことを注意喚起し、自ら踏みとどまることができるよう、心に響く広報、啓発に努めている。
さらに、特殊詐欺の闇バイトで逮捕された少年の実体験を基に再現した啓発用動画を作成し、注意喚起を図っている。
この動画は、犯行グループの指示役らがSNSで接触を図り、言葉巧みに身分証の写真などを送らせるなど、途中で犯行を思いとどまることのできない状況に追い込む手口を再現しており、県警察で行っている非行防止教室等で活用しているほか、県警察ホームページや公式ユーチューブ、スマートフォンアプリ「アイチポリス」などで広く周知を図っている。
今後は、少年院等の関係機関とも連携し、入所少年が出所後、安易に闇バイトを通じて犯罪に加担しないための活動にも努めていく。
【委員】
闇バイト対策について、当局がSNS上で警告したり注意喚起したりして取り組んでいることは、よく理解した。若者がSNS上で闇バイトに応募して犯罪に加担することがないよう、SNS上における闇バイトに関する情報収集や、警告、注意喚起を自動化するなどの効率化を検討し、引き続きこうした取組を進めることを要望する。
【委員】
2020年10月、社会人として働き始めたばかりの1人の女性が自らの命を絶った。彼女の身に何が起こったのか。報道記事によると、事件は1か月前のささいなやり取りから始まった。
この年の8月末、彼女は、大学の同級生からインスタグラムを通じて投資の勧誘を受けた。その後、彼女は、LINEでやり取りを行う中、マルチ商法なのではないかと疑いを持ち悩むものの、しつこい勧誘に押し切られ、消費者金融3社から150万円を借りて渡してしまった。しかし、配当金を受けることはなく、その後、返金を求めるものの、笑ってはねのけられてしまう。自分がだまされたこと、友達に裏切られたこと、自分以外にもたくさんの被害者がいること、また、400万円近い奨学金の保証人になってもらっていた親にさらに迷惑をかけたことなどを1人で抱え込む中、精神の不調を来し冒頭の結果に至ったそうだ。この女性が被害に遭ったジュビリーエース投資詐欺事件は、被害者10万人、被害総額は650億円と言われている。
先日、警視庁生活経済課は、投資詐欺やマルチ商法に注意してもらおうと駒澤大学で学生を対象にしたイベントを開き、マルチ商法事件の捜査に携わった捜査員が学生に被害の実態や勧誘方法について説明をしたそうである。
全国の警察に寄せられた投資詐欺に関する相談は、令和4年に2,548件あり、そのうち、20代、30代からの相談は約3割の790件、若者からの相談は、5年で約4倍に増加しているそうである。
悪質商法自体は昔からあり、私が小学生の頃だと、現物を渡すことなく金やプラチナを預かり証券という形で販売し、多くの被害を出した豊田商事事件は衝撃的な結末を迎えた。また、私自身も学生時代、幸い被害に遭わなかったものの、怪しいと思う商品の勧誘をしばしば受けることもあった。悪質商法との闘いは、過去から常にいたちごっこのように展開されている。
そこで、悪質商法の現状はどのようになっているのか。あわせて、最近の手口について伺う。
【理事者】
悪質商法は、出資、投資などで高配当が得られるとうたってお金を集める利殖勧誘事犯と、訪問販売や電話勧誘販売などでクーリングオフができることを伝えないものや、契約書を交付しないなどの特定商取引等事犯などである。
最近の手口については、まず、SNS等のコミュニケーションツールやマッチングアプリで知り合った若者に暗号資産などの商材の購入を勧め、さらに、その知人等に他の顧客を勧誘させて利益配当を与える、いわゆるマルチ商法の手口が多く見られており、被害が潜在化しやすく、若者が多額の借金を負うケースが増えてきている。
また、ホテルの会議室などでセミナーを開催して高配当をうたって架空の投資の勧誘をするなどといった旧来の手口も、依然として発生している。
【委員】
悪質商法に関する県警察の検挙状況はどのようになっているのか。
【理事者】
利殖勧誘事犯及び特定商取引等事犯の検挙状況については、令和4年は12件、28人を検挙しており、本年は5月末現在で4件、8人を検挙している。
具体的には、昨年、成年年齢の引下げに伴い、この世代を標的とした悪質商法の増加が懸念された中、19歳の女性をアルバイトの面接と称して事務所に誘引し、言葉巧みに映画出演の話をほのめかして高額な演技レッスン契約を締結した悪質な芸能プロダクションを、昨年10月、特定商取引法違反の事実で検挙した。
また、本年4月には、歓楽街の飲食店で知り合った若い女性に対して実態のない投資グループへの投資話を持ちかけ借金を負わせるなどして現金をだまし取った被疑者4人を、詐欺と出資法違反の事実で検挙している。
【委員】
こうした犯罪がなくならない以上、犯罪に巻き込まれないような広報啓発活動が重要であり、広く県民に関心を持ってもらうためにも、多くの機会をとらえて行うことが大切である。
そこで、他の行政機関との連携はどのように行っているのか。
【理事者】
行政機関との連携については、県民からの相談を受け付けている消費生活センターをつかさどる中部経済産業局、愛知県、名古屋市等と、日頃から窓口で受理した相談内容や悪質業者に関する情報交換を行っているほか、中部経済産業局や県が主催する定期的な会議において、被害の傾向や対策などについて情報共有を図っている。
また、事件検挙後も、捜査の過程において判明した悪質業者の犯行手口について、行政機関のみならず、関係団体に対して情報を提供し、警鐘を鳴らしている。
【委員】
冒頭に述べた事例を含めて、SNS等を通じて若い人たちが巻き込まれるケースをよく耳にする。先ほど答弁の中にもあった成年年齢引下げもこうした要因の一つと考えられるが、県警察として、どのような対策を行っているのか。
【理事者】
県警察としては、悪質商法に関する相談を受理し事案を認知した際は、必要に応じ捜索差押えを実施するなど迅速な事件化に向けて捜査を推進し、検挙に至った場合には、報道発表することにより広く県民に警鐘を鳴らして被害の未然防止を図っている。
事件検挙後には、県警察ホームページ、ツイッター、スマートフォンアプリ「アイチポリス」など、若者が目にしやすい広報媒体を活用し、悪質商法の手口を紹介して注意喚起を図っている。
【委員】
県警察のホームページをはじめ、各県警察では、このホームページを中心に様々な情報発信をしている。しかし、若者がこうしたホームページをどれだけ見ているのか。やはり、動画などを上手に活用すると、広がりも見せると考える。
また、こうした問題に向き合う人気ユーチューバーも存在する。視聴した人もいると思うが、かなり生々しい内容である。こういった警察とのコラボレーションになると難しいのかもしれないが、若者への波及効果には絶大な効果があると思う。
冒頭の事件については、女性の母親は、自分の娘に起きたことは、今後、絶対に起きてほしくない、この悪質な詐欺を1人でも多くの人に理解してほしいと実名を出して事件の経緯を詳細に語っている。若者の未来を奪う悪質な犯罪を未然に防ぐよう、広報啓発活動の展開をはじめ、より対策に力を入れるよう要望する。
【委員】
県警察から沖縄県への機動隊派遣に伴う住民訴訟について伺う。
愛知県の住民が、沖縄県国頭郡東村高江で行われた米軍のヘリコプター発着場工事に伴う警備のために、専決にて機動隊派遣を決定した当時の警察本部長に対して、当該派遣の決定が違法であるとして、愛知県に対し当時の警察本部長へ損害賠償を請求することを求める訴えがされ、令和5年3月22日に最高裁判所において約110万円の賠償を命令しなければならないとの判断が示された。
この裁判では、公安委員会の裁決を受けないで警察本部長が専決して沖縄派遣を決定したという点が争点の一つとなっていたと聞いている。この結果を受けて、今後、県警察として、専決の在り方についてどう対処するのか伺う。
【理事者】
県警察としては、今回の判決の内容を重く受け止めている。今回の最高裁判所の決定以降は、その結果を踏まえて、警察法第60条による援助の要求、派遣については、災害対応など緊急に派遣が必要なケースを除き、公安委員会の承認を受ける運用を行っている。
また、公安委員会の専決事項を定めている愛知県公安委員会事務専決規程については、公安委員会との調整を図りつつ、改正も含めて検討を行っている。
【委員】
令和2年から始まった新型コロナウイルス感染が、あっという間に日本でも感染拡大して医療崩壊の寸前となった。病院では病床も満床となり、治療する医療従事者である医師、看護師を含む人々にも感染者が続出して、消防署の救急車が患者を搬送するために二、三時間もその場で待機して病院と協議している光景がマスコミで幾度も報道された。各地で医療従事者に対する国民の感謝の声が数多く寄せられ、また、各地でエールを送る姿に私も感動を覚えた。
翻って、警察に関する新型コロナウイルス感染に取り組むマスコミの報道は、一切なかった。
日本の警察も県警察も、この新型コロナウイルス感染下において治安を守るために、数多くの困難の中で国民、県民のために取り組んでいたことを詳細に知る者は、警察関係者を除き全くいない。
そこで、私は、国民、県民からエールを送られることがなかった警察当局が、いかに治安維持のために尽力されたのかを質問する。
まず、令和2年から県警察職員の新型コロナウイルス感染状況について伺う。
【理事者】
県警察における新型コロナウイルス感染者数については、年度ごとに、令和2年度137人、令和3年度841人、令和4年度5,396人、令和5年度は5月7日時点で60人、延べ6,434人が確認されている。
【委員】
次に、令和2年からの私の地元である名東警察署の新型コロナウイルス感染状況について伺う。
【理事者】
名東警察署における新型コロナウイルス感染者数については、年度ごとに、令和2年度は0人、令和3年度が12人、令和4年度は70人、令和5年度は5月7日時点で0人、延べ82人が確認されている。
【委員】
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、業務を継続させるために講じた取組を伺う。
【理事者】
県警察としては、誰が、いつ、自宅待機となっても、業務に間隙や支障を生じることのないよう、日頃から複数の職員に業務を担当させるなど、業務の継続性に配慮した業務管理を徹底した。
また、職員の感染、自宅待機等により一時的に多数の職員の欠員が生じたときには、110番通報への出動など、県民の安全を守る業務を最優先業務として対応するとともに、そのための臨時的な職員配置を行っている。
さらに、警察本部から必要な人員の応援派遣や本部執行隊の優先的配置をすることで、警察署の業務を継続するための措置も講じてきた。
結果として、外出自粛要請を伴う緊急事態措置が取られた令和2年4月から一定期間、国の更新期間延長措置に併せて運転免許関連業務を一時的に休止したことを除き、警察の窓口も閉鎖などはなく、業務継続性が強く求められる警察としての責務を果たしたものと考えている。
県警察としては、今後も業務継続性に配意した対応に努めていきたい。
【委員】
いろいろな情報等から私も他の都道府県で警察署の窓口が閉鎖したところを知っているが、そういったところはあったのか。
【理事者】
その質問については、他の都道府県警察のことであり答える立場にない。
【委員】
私が言いたいのは、他の都道府県では閉鎖したようなところもある中で県警察は、そういったこともなくやってきたことは誇れることであり、きちんと広報するべきだということである。これは当たり前ではなく、一生懸命に職員が取り組んだ結果であると私は評価している。
次に、現場活動における感染防止対策について伺う。
どのような苦労があって、どのような陣営で、どのような対策が行われたのか。
【理事者】
警察業務については、不特定または多数の人と接する機会が多いことに加え、犯罪の取締り、酔っ払いや迷い人への対応など、人との接触や人との距離を確保することが困難な場面も多数ある。このため、マスクの常時着用、手指消毒の徹底といった基本的感染防止対策に加え、110番及び警察署への通報を受理した際に通報者の心情に十分配意した上で、可能な限り関係者の体調を確認し、感染リスクが高いと判断した場合には感染防護衣を着用して現場に出動するといった感染リスクに応じた対応を行った。
また、飲酒運転の取締り時に当たっては、運転者の酒臭を直接嗅ぎ取るのではなく、アルコール検知器を使用するなどの対策を講じた。
【委員】
次に、感染防護をする衣類の着脱や施設及び車両の消毒等は、どのように行われたのか。
【理事者】
感染防護衣の着脱については、通報内容から感染のおそれがあると判断した場合には出動前に着用したが、現場で感染のおそれがあると判明した場合には、その場で着用したケースもあった。
また、脱衣に当たっては、感染リスクが十分に下がったと認められた時点で行っており、脱いだ防護衣からの感染を防止するため、必要なマニュアルの配布や着脱訓練も繰り返し行った。
なお、使用後の防護衣は、感染性廃棄物として適正に処分している。
次に、施設及び車両の消毒についてだが、感染した職員等が出入りした施設、乗車した車両が判明した都度、感染防護衣を着用した職員などが、アルコールや家庭用の塩素系漂白剤を水で薄めた消毒液を用いて消毒作業を徹底するなどの措置を行った。
【委員】
今の話を聞いてみても、一生懸命対応したのだと思うが、こういったことが一切マスコミに報道されていなかったと理解している。今後のことを考えると、本来であれば、新聞、テレビも含めて、現場に向かう姿などを広報する必要があったと思う。医療関係者ばかりがエールを送られたり感謝されたりしたが、それとは別に、財産、生命を守る警察官がこうして必死に取り組む姿は、やはり県民にも理解してもらう必要があると私は思う。今後の反省点として、そういったことを検討するよう求める。
次に、新型コロナウイルス感染拡大の中、育児休業取得の権利がある職員に対して不利益がないように、どのような配慮をしたのか伺う。
【理事者】
県警察の女性職員の育児休業取得率については、令和2年度、3年度及び4年度ともに100パーセントであった。
また、男性職員の育児休業取得率については、令和2年度は1.2パーセントであったが、その後、取得促進の取組を進めた結果、令和3年度は8.2パーセント、令和4年度は53.9パーセントと大幅に向上した。
こうしたことから、新型コロナウイルス感染拡大を理由として対象職員に不利益が生じたことはないと考えている。
【委員】
こうした数字を見ると、警察にとっては令和4年度が相当な危機だった。その中でも一生懸命頑張って、ここまで驚異的なくらい男性の育児休業が維持できたことは誇るべきだと思う。こうして取り組んでいるという姿勢を、この場で話すだけではなく、もう少し広報しないといけない。特に、本会議でも議論があったように、警察職員の試験を受けて合格はするが、いざ採用となると辞退が出ていることは、やはり旧態の考え方のイメージが警察にはまだ残っていると若者が忌避していると私は感じた。民主的な県警察は、こうして子育ても育児も協力、応援していることをもっと広報してほしい。
次に、前年度と比較して大幅に取得率が向上した令和4年度の男性職員の育児休業取得の促進について、多くの考えがあって行ったと思うが、もう少し詳細に説明してほしい。
【理事者】
県警察では、令和4年1月に、男性職員の育児休業について対象者の30パーセント以上が取得することを目標として掲げ、育児休業を取得することができる職員に対し幹部職員が直接意向確認を行い、取得促進に努める面談制度の新設や、電話相談窓口の設置を行った。
また、警部階級及び同相当職に当たる幹部職員約900人を対象とした教養や警察署長会議などの各種会議において、両立支援施策への取組の重要性や男性職員の育児休業への取得促進などについて指示を行い、幹部職員をはじめとした職員の意識改革を図るなど、男性職員の育児休業取得促進を行ってきた。
【委員】
次に、男性職員の育児休業取得率が向上していることについて、警察職員に対してどのように広報しているのか。自分の所属する組織がこれだけ変わったことを、皆がどれだけ理解しているかを含めて伺う。
【理事者】
職員に対しては、各所属宛ての通知文や全職員に向けた部内資料の発出に加え、各種会議において男性職員の育児休業の取得状況や、さらなる取得率の向上の必要性などについて、周知徹底している。
また、県警察のホームページにおいて、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等に基づく公表と題した資料を掲載して、職員のみならず、一般にも男性職員の育児休業の取得状況等を公表している。
【委員】
警察には労働組合がない。だから私は、労働環境や安全といったもの全て考えて向上させるには、上司の強い判断力と配慮が必要だと話をさせてもらう。忙しいから、こういう人材が少ないからといって黙っていること自身が、静かなるパワハラだとよく話してきた。そういったことも含めて、一生懸命頑張っていることを自分たちだけではなく県民に理解してもらい、警察職員の応募について辞退者が少なくなるよう、誤解のないように今後とも推進してもらいたい。
次に、信号交差点の交通事故防止の一環として、信号灯器のLED化は、非常に有効だと思っている。LED信号灯器は、いつから整備されたのか。
【理事者】
LED式の信号灯器については、平成6年7月に本県が全国初のLED式信号灯器として矢印信号灯器を整備し、同年10月からは、3灯式の信号灯器も整備を開始した。
【委員】
愛知県内には信号機がどれぐらい設置され、灯器は何灯整備されており、LED化率はどの程度進んでいるのか。
【理事者】
令和4年度末現在、県内には信号機が1万3,087基設置されている。信号機の灯器は、14万4,848灯整備されているが、LED式信号灯器は10万2,572灯整備されており、LED化率は70.8パーセントとなっている。
【委員】
愛知県のLED化率は、同規模県と比較して進んでいるのか、また、全国と比較した進捗はどの程度なのか。
【理事者】
令和3年度末の数字であるが、愛知県のLED化率は66.8パーセントである。同規模県では、神奈川県が58.8パーセント、千葉県が54.6パーセント、大阪府が78.6パーセントとなっている。
また、全国平均では66.6パーセントとなっており、愛知県のLED化率は、全国平均を若干上回っている状況である。
【委員】
東京都は東京オリンピックのために100パーセント実施した。大阪府も78.6パーセントということは、大阪万博に向けて取り組んでいるとはっきり分かる。
ところで、愛知県はというと、全国平均を少し上回る程度では、例えばアジア競技大会のような目標があっても、これでは目標も何もないことに等しいと思う。私たちはこうしたことも含めて認識し、働きかけをしていかなければいけないと感じている。
次に、電球式の信号灯器とLED式の灯器とでは、電気料金がどのくらい違い、電気料金を含めてコストがどの程度違い、どれくらいでメリットが発生するのか伺う。
【理事者】
まず、電気料金等の違いについてだが、令和2年度にLED化した交差点において40か所を抽出し、年間の維持管理費を前年同期と比較したところ、1交差点当たり、電気料金として約4万1,000円が減額となったほか、電球交換費用として約1万8,000円が不要となったことにより、合計で約5万9,000円が削減された。
次に、1交差点当たりの整備コストについてだが、電球式信号灯器については、現在整備を行っていないため平成14年当時の費用だが、整備費用は約150万円であった。また、LED式信号灯器の整備費用は約228万円である。したがって、電球式信号灯器に比べてLED式信号灯器のほうが約78万円高額である。
これを踏まえると、信号灯器のLED化により、計算上は14年経過した時点で整備コストの差額分を回収できることになり、以降は、電球式信号灯器と比べると、電気料金や電球交換費用について低額となるというメリットがある。
【委員】
今年度のLED化の予算額と整備予定数が、昨年度と比較して増えているのか伺う。
【理事者】
今年度のLED化の当初予算額については約11億円で、整備予定数は6,318灯である。昨年度の実績と比較すると約2億円の増額であり、整備予定数は1,007灯の増加となっている。
【委員】
電球式の信号灯器の製造が令和10年までに終了するという新聞記事を見た。LED化率が100パーセントとなるには、後どれくらいかかるのか。
【理事者】
今後の予算の状況が不確定であるため明確には分からないが、今後、令和5年度の更新事業量が継続すると想定すると、令和4年度末時点で残っている電球式信号灯器4万2,276灯がLED化されるためには、約7年を要する。
【委員】
単純に計算すると、愛知県はLED化に7年かかるのに電球は5年で終わるのは、2年間ブランクが出る。
これを踏まえて尋ねるが、製造終了までにLED化が終了しなかった場合どうするのか。
【理事者】
電球式信号灯器の白熱電球の製造終了に係る問題は、愛知県だけではなく、全国的な問題である。製造終了後、供給がいつまで行われるかなど、不明確な点もある。
いずれにしても、製造販売メーカーの動向を注視しつつ、警察庁とも連携し、全ての信号灯器のLED化の早期実現に努めていく。
【委員】
次に、LED灯器も永久に使用ができるわけではなく更新していく必要があると思うが、LED灯器は、何年で更新する予定になっているのか。また、初期にLED化した灯器は、何年で更新したのか。
【理事者】
LED式信号灯器の更新基準年数については、警察庁において信号制御機の更新基準年数を製造後おおむね19年としていることを踏まえ、電子部品の寿命やハンダづけ部分の劣化による影響も考慮して、信号制御機と同等の19年と設定している。
しかし、LED式信号灯器の発光部分については更新基準年数を設定しておらず、視認性の悪化等の不具合が生じた場合に、必要に応じて更新している。
初期にLED化した信号灯器については、整備した場所の環境にも左右されるが、一部は20年で更新した。
【委員】
LED化は、交通量が多くて交通事故の危険性が高い路線から整備を開始したと認識している。初期に整備したLED灯器も更新が必要であると思うが、どう更新していくのか。
【理事者】
一部更新が行われていない初期に整備したLED式信号灯器については、視認性が低下するなど更新の必要性が認められるものを更新したい。
【委員】
初期のLED化信号機を見たときには、電球式と比べてはっとするほど明るくて、視認性もよく、これは安全なものだと感じた。それからしばらくたち、最近のLEDの信号機はもっと明るくなった。これは製品の性能がすごく向上したと理解している。そうしたことも含めて比較すると、これからLED化する信号灯器はそれでいいが、一番初めに必要だと思って換えたところのほうが暗いと感じる。耐用年数があると思うが、大通りは安全性に配慮して、いわゆる重点施策として取り換えることも必要ではないかと思うので、検討してほしい。
東京都もオリンピックやパラリンピックという目標に向けて100パーセント達成した。これは、当時の石原慎太郎都知事が賢明なる策で取り組んだからだと記憶している。LED化の整備が加速している今日、メーカーによる材料確保や、施工業者の処理能力などいろいろなバランスもあると思うが、1日も早くLED化率100パーセントが達成されるよう、整備のペースを上げていくべきだと思う。これは愛知県がやっていくことであるが、警察当局からももっと強く財政当局に働きかけてほしい。
また、歩行者用灯器も、場所によっては高い位置に設置してあり、児童、学童からすると信号の位置が高過ぎて見にくいこともある。光が真っすぐ行くLEDの信号灯器は、学校付近では子供に向けて少し斜めの角度で歩行者用の信号を整備してほしい。