本文
デジタル化・地方創生調査特別委員会審査状況(令和7年12月22日)
デジタル化・地方創生調査特別委員会
委員会
日時 令和7年12月22日(月曜日) 午後0時59分~
会場 第8委員会室
出席者
神野博史、佐藤英俊 正副委員長
須崎かん、南部文宏、田中泰彦、杉江繁樹、杉浦正和、高橋正子、
鈴木まさと、福田喜夫、阿部洋祐、木藤俊郎、しまぶくろ朝太郎、
末永けい 各委員
細谷 宏 参考人(株式会社未来会議 代表取締役)
デジタル戦略監、
人事管理監兼人事課長、
労働局長、就業推進監、関係各課長等

委員会審査風景
議題
生成AI時代の人材育成について
会議の概要
- 開会
- 委員長あいさつ
- 参考人からの意見聴取
- 質疑
- モバイル端末の活用(試行)について
- 閉会
参考人の意見陳述
【参考人】
皆さん、こんにちは。今日はお招きいただきましてありがとうございます。株式会社未来会議代表取締役の細谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今日は、生成AI時代の人材育成という内容で1時間のお時間を頂戴しておりますので、お話をさせていただきたいと思います。
本日の内容ですけれども、まず、生成AIとは何かという話、そして、なぜうまく使いこなせないのかという話、その結果、生成AI時代に求められる人材像と、その育成についてお話させていただき、最後、非常に申し訳ないですが、御提案などもさせていただけたらと思っております。
私は、今、56歳でございまして、静岡大学のAIを勉強するところを出まして、その後、東芝の関連会社に就職し、IoTとか、四日市工場という無人の工場を立ち上げるとか、もともとそういったIT畑でお仕事をさせていただきました。その後、思うところがあり、独立しまして、今、中小企業向けの経営支援と人材育成といったところを担当させていただいている中で、大学でも講義等を持たせていただいているという状況です。そういった背景の中で私がお話しできることをお話ししたいと思っております。
まず、生成AIがもたらした、言葉で動くコンピューターの世界というところですけど、皆さん、よく御存じのとおり、生成AIについてはお話しすることがないのかとは思いつつ、ただ、やはり先ほど委員長からもお話がありましたけど、人手不足が進む中で、各企業の業務効率を圧倒的に向上させる社会的インパクトがすごくあるといったところです。
そういう中で、コンピューター活用の民主化というように生成AIは言われております。私も会社員時代には、プログラマーとか、エンジニアとか、そういった普通の人ではできない技術職をお仕事にさせていただきました。それというのは、やはり難しいプログラムを一生懸命書いて、それでコンピューターに命令を出して、その結果としてデータやグラフや文言といったアウトプットを得る。皆さんがお使いの情報システムも、何らかを命令をすれば、答えが返ってくるというようなところに関しては、生成AIも変わらないと思います。
ただ、ここで最も大きなインパクトは、私たちの日本語で生成AIに命令を出すと、私たちの分かりやすい日本語で答えが返ってくるといったところが非常に簡単、専門知識がない人でも簡単な条件を与えるだけで、手軽に活用可能ということで、ここが私としては非常に大きなインパクトではないかと思います。もう難しいコンピュータープログラムを使わなくても、コンピューターに指示、命令を出すことができるということです。
また、この民主化というのは、私が御支援させていただいている中小企業でも本当にインパクトがありまして、今までのITというものは苦手だから、細谷さん、そんな面倒くさいものは入れたくないという段階から、生成AIは、急に我々の言葉で命令を出して答えが返ってくるものですから、これはすごく分かりやすいということで、今まで中小企業のIT導入で大きなハードルになっていたITリテラシーという壁をかなり取り去ってくれるのではないかと思っています。なので、中小企業のIT化も、これをきっかけに加速度的に進むのではないかと思っております。
そういう中で、まだまだ中小企業の生成AIの活用状況というのは非常に少なく、また、世界的なデータは持ってきませんでしたが、世界的にも、やはりインドとか、アメリカとかと比べると、その10分の1ぐらいにとどまるということで、まだまだこれからというようなところがある状況であります。
では、生成AIは、一体、企業ではどんなことに使えるのかということで、いろいろなセミナー資料にこんなことで使えますみたいなものがあるのですが、最近は、日清食品さんが、私たちの会社ではこういうことで活用していますという資料を出していただけるので、私の資料よりこっちのほうが何か実務的なインパクトがあってよいと思います。本当に多種多様にわたる企業活用の方法があるところを見ていただけたらと思います。
基本的には、プロンプトを入力すれば、答えが返ってくるといったところです。私は、基本的に士業のお仕事をさせていただいておりまして、中小企業からのいろいろな相談に乗るのですけど、例えば、ここに今、例として出しました。あなたは社会保険労務士です。私の会社は製造業で従業員が10人です。どうしても会社の命令に従わない従業員がいるのですが、その従業員を解雇したいと考えています。どのような点について注意すべきですかと入力すると、こうやって適正な手続をしてくださいみたいな回答が返ってくる。次に、適正な手続とは具体的にどのようなことでしょうかと質問する、みたいな使い方をします。私、中小企業診断士ですので、経営のことは分かるのですが、なかなか社会保険労務士の分野は分からない。でも、こういうような使い方をすると、簡単な相談はもう社会保険労務士を経ずに対応できるんだというインパクトがありました。
あと、これも私が具体的に御相談いただいた内容で、お電話でいただきました。私の会社は英語教室を経営していますが、コロナ禍で生徒が激減し、売上げが不足しています。そこで、営業担当を雇用しようと考えていますが、できれば成果報酬型の雇用としたいですという内容です。成果報酬型の雇用方法は、具体的にどのような方法がありますか。世間相場なども知りたいですと。相談者は、私が何でも知っているみたいな感じで相談いただくのですが、とてもじゃないですけど、こんなことに急にはお答えできない。電話をつなぎながら、生成AIを使うと、見事に答えを出してくれる。そのままお答えすると、先生はやはりすごいみたいなことを言われますが、いやいや、生成AIの回答ですと伝える。ただ、この内容は、先生から見てどうですかと言われるので、恐らく私の経験から見ても、この世間相場は合っていると思いますとか、そういった、出てきたアウトプットに対する承認の文言をつけるだけで、私の仕事になってしまいます。
あとは、これは、別に私の実務ではないですが、文言だけではなくて、画像生成ができるということです。最初に、ジャンプするイルカ、2番目には大きな雲の上に人が乗っていてとか、下に非常に繊細で美しい少女とか、書いてありますけれども、上から下に向かうに従って、非常に細かく指示がなされている。いろいろな画像を生成しようと思ったときに、細かいプロンプトを出せば出すほど、指示を出せば出すほど、自分たちの希望に沿った答えを出してくれるといったことになります。やはり最初の、ジャンプするイルカ、ピクサースタイルで、かわいらしい3Dイラスト、高解像度、程度の入力では、自分の狙ったものとは随分と違うものが出てくることになります。こうやってやはり詳細にプロンプトを打たないと、ちゃんとした答えがもらえないとなってくると、我々が生成AIを使う上での課題は、いかに高精度なプロンプトを打つことができるか、生成AIを使いこなすかであります。つまり詳しく指示ができることが非常に大事だといったところがあります。
私が中小企業支援の中で特に最近すごく成果があると思ったのが、女性の体に非常にフィットした下着を作ってもらって中国から輸入している会社さんがいらっしゃって、それをECサイトとかで販売しているのですが、ECサイトで販売しようとすると、下着のモデルさんというのがやはりどうしても必要になります。これが非常に高額になるのですが、最近は、生成AIで画像生成することによって、ECサイトが簡単につくれるようになったということで、非常に低コストでそういったことができるようになったといったところは、画像生成という身近なところでは大きな成果かと思っております。
こういったところは、今、ここの図にあります、1のプロンプトのみというもので答えを得られるものです。通常の画面にテキストをコピペしたり、内容を打ち込んだりする使い方、活用レベルは工夫次第で高くできるということで、このプロンプトをどうやって詳細に打ち込むのかというのが非常にポイントになってきます。このプロンプト設計の工夫は、どうやって我々の業務に当てはめていくのかというのが1のプロンプトのみの生成AIの使い方としては、大きなテーマになってくるということです。
ここでお話をしたいのは、プロンプトのみで生成AIを使う方法もあれば、2のカスタムLLMアシスタントというものを使うレベルとか、あと、3のRAGシステム構築レベルで使うとか、こういったところも大企業ではかなり進んでおりますので、こういったところも見逃せないというところです。
2のカスタムLLMアシスタントというものはどういうものかといいますと、社内の資料などをまとめて読み込ませ、背後に自社のナレッジが入っている状態ということです。
3のRAGシステム構築レベルというのは、基幹システムやデータベース、IoTセンサーとつないで自動的に情報を取りに行き、AIが文章で答えてくれる仕組みということです。RAG構成やAPI連携などのシステム開発の世界の話で、なかなか我々の世界からは少し縁遠い世界ではあります。
ただ、大企業にしてみたら、こういったもののIT投資とか、日進月歩にシステム構成も大きく変わってきますので、そことどうやって付き合っていくのか、そして、自社だけでは対応できないので、外部ベンダーとの協働、アジャイル開発と言ったりもしますけれども、そういった協働体制というのも非常に重要なテーマになっているということです。
2と3は、具体的にどんなところで活用されているのかということで、次のページですけれども、社内規程ルール、就業規則などの検索、閲覧、問合せです。大企業は、やはり従業員がもう10万人くらいいますと、総務の電話は鳴りっ放し、総務への問合せはメールがいっぱいみたいな形になってきます。また、相変わらず旅費の申請はどうしたらよいんでしたっけ、年末調整はどうしたらよいんでしたっけなど、それはあそこに書いてあります、というような物事が非常に多いですが、相変わらず電話が鳴って、メールが来る状態です。こういったところに、やはりFAQチャットみたいな、そういったものを使うと、ユーザーの要望に応えられるみたいな、そういったことをかなり大企業さんでは活用されております。もちろん、これ、顧客向けにもすることができまして、商品の問合せみたいなことのシステムをつくっている会社さんも多くございます。
また、3のRAGシステム構築では、見積りシステムと連携し、型番、寸法、数量から見積り金額と条件文を自動生成したり、在庫、受注、原価データと連携して欠品リスクや過剰在庫の候補の洗い出しをしたり、売上げや利益を自動分析して、今月のポイントや会議コメントを自動生成したり、問合せメールやウェブフォームの内容を分類、要約して、システム登録用のデータ成形を自動で行ったり、あと、検査記録やIoTセンサーと連携し、品質異常の兆候が出たときに、原因と考えられる箇所や確認ポイントを文書で通知する、といった活用方法があります。
3は非常に夢のような世界でありますけれども、今のところ、インターネットや私の知り合いで聞いたところ、これがうまくいっているといったところまでは、あまり成功事例としてはなかなか聞かない状況ではあります。ただ、大企業はかなり強く取り組んでいますし、私の関わっている中小企業でも、大分この辺りのシステム開発というのは行っている状況です。
このLLMアシスタントというのは、我々が使っているチャットGPTやジェミニみたいなものの裏側に社内の資料が詰め込まれている状況です。これも昔はシステム開発とかでよくつくっていましたが、最近は、チャットGPTの中にあるGPTsという機能や、グーグルのノートブックLMみたいなものを使えば、すぐできる状態にはなっていますので、システム開発でこういうのをつくるみたいな感じにはなっておりません。ただ、GPTsや、ノートブックLMって、どこまで社内の情報をデータとして登録してよいのか、情報漏えいは本当に起きないのかは、企業の大きなテーマであるといったところです。
次のページの、パナソニックコネクトさんでは、随分早くから社内のRAGみたいなシステムを使って、専門の知見を引き出す検索システムみたいなものを生成AIでつくったという事例もあります。
やはりセキュリティー面ですごく心配だということになれば、自社でRAGシステムみたいなものをつくるという形になっています。昔はローカルのサーバー、社内のサーバー、ネットワークから遮断されたローカルの中に生成AIのシステムを詰め込めば、絶対に情報漏えいは起きませんということで、ローカルRAGというのが2年ぐらい前に少し流行っていましたが、最近は、アマゾンのAWSとか、そういうクラウドのサービスを、セキュリティーをしっかり組むことによって、絶対情報漏えいしない中で、会社の情報を入れながら生成AIを活用することができるというプラットフォームが大分できるようになりました。2年ぐらい前はRAGをつくってくれというと、1,000万円ぐらいかかりましたが、今は、プラットフォームを組み合わせて、100万円ぐらいでできちゃうような、そういった状況に変わっているので、本当に日進月歩だと思います。そういうアマゾンのサービスを使いながら、こういったものができるようになっています。
ここでは、社内の在庫管理システムの在庫DBとチャットGPTみたいなものを連携して、商品ID123の在庫を教えてと問合せをすると、答えが返ってくる、あとは、スケジューラーによって、商品ID456が安全在庫を下回っていますと、勝手に答えを出してくるようなシステムがつくれるようになってきて、本当に会社全体として生成AIを使ったシステム化構築で活用ができるようになってきているというものです。
皆さんも、これ、よく御存じだと思いますが、恐らく、日本で一番有名な企業が、愛知県にございます旭鉄工株式会社です。旭鉄工株式会社さんでは、AI工場長みたいなものがあって、生成AIが稼働状況を監視しており、問題点を自然言語で教えるということです。この旭鉄工、もうどんどん生成AIを活用していて、経済産業省からも何回も呼ばれて、お話をしていて、中小企業の本当にAI活用の代表例となっていると思います。
社長のコピーとして、社長のノウハウをAIに読み込ませたもの、工場長のノウハウをAIに読み込ませたもの、これによって個人のノウハウを形式知化して事業承継を図るみたいな、そういった取組もされています。あと、今、写っているこのAI工場長は、これ、何がよいのかということですけど、僕もIoTブームのときに、工場の中にいっぱいセンサーをつけて、データを収集して、データベースをつくって、そのデータベースの内容を、BIツールを使ってグラフにして、システムの稼働率がこうなっているとか、不良率がこうなっているとか、そういったグラフをいっぱい出していました。ただ、そういった展示会に出展しても、企業が大体おっしゃるのは、見える化というものは、見えるだけであって、改善とかはしてくれないというお話を、よくされます。
私自身は、見える化というのは、トヨタ自動車株式会社もそうですけど、すごく意味があると思いまして、やはり社内のいろいろな情報を従業員にいかに伝えるかによって、今まで狭い範囲で仕事をしていた人たちが、たくさんの会社の情報を知ることによって、自律的に能動的に動けるようになるという大きな効果はあると思います。ただ、それにしても、見える化というのは、改善まではしてくれないという話です。我々も多分、突然いきなりグラフを見せられて、こんなような推移になっていますと言われても、そうかとは思うかもしれないですが、つまり、我々の次のアクションはこういうことをすべきだとはなかなか分かりづらいところがあります。データの見える化をしても、その次のアクションは分かりづらい。でもこういうAI工場長みたいに、自然言語で回答を返してくれると、次に何をすべきか、気づきやすいというのがすごくあります。
だから、画面のインターフェースを、表とか、グラフではなくて、自然言語にすることで、我々はそこにつながる改善の次のアクションみたいなものの気づきを得やすいという、非常に人間的なところがあると思います。インターフェース、文字なので、読まなければいけないので、ぱっと見て分かるグラフのほうがよいという人もいますが、ぱっと見て分かるより、自然言語で返してくれるほうがよかったりするというのは、あるみたいです。
これは本当に、行政の方も中小企業もそうですけど、暗黙知とデータの橋渡しというのは、大きな課題だと思っています。デジタル化が進んでいない企業の実情は、属人業務が非常に多く、また、紙中心、またはエクセル地獄であります。エクセルは電子化されているというイメージですけど、なかなかその記録したエクセルのデータが次に活用されないと、単なる記録をエクセルにしている、紙をエクセルに変えただけという、そういったエクセル地獄というのもいっぱいあるかと思います。これは、どの企業さんでも大きな課題です。ベテランの経験だけに頼ると、人によって差が大きいし、エクセルや紙に少しだけ記録すると、探せない、使い回せない。まず、データ化して、そこに生成AIをかぶせると、問題の発見や対策のヒント提示となります。その結果が現場の生産性向上になるといったところで、私も製造業さんとの関わり合いでは、こういったところをかなり研究しております。
今、ざっと中小企業や大企業は、どのような生成AIの活用をしてきたのかみたいなお話をさせていただきましたが、基本は、この1のプロンプトのみをいかに活用するか、これをいろいろな企業さんが使えるようになるだけで、大きく裾野が広がると思います。
次のお話は、プロンプトはなぜ難しいのかといったところのお話をさせていただきます。
AIは雑な指示では実行しにくいので、細かく指示したいです。でも、何を細かく指示したらよいのか人間のほうが分からないということです。我々、ふだんのコミュニケーションでも、察してほしい、大体こんな感じでよろしく、いい感じに要約して、分かりやすくして、みたいな伝え方をすることがありますが、分かりやすくしてというその言葉がもう分かりやすくないです。コンピューターから見たら。
AIは、基本的には、さっきのプログラムと全く一緒なので、書いてあることしか頼れない。なので、細かく指示しなければならないというのは、何となくAIの勉強をすれば分かりますが、でも何を指定すれば結果が変わるのかというのを我々がよく分かっていないといったところがあります。部下や外注さんにお仕事を頼むとき、目的や形式、前提情報、その粒度など、ふだんは暗黙のうちにやっているので、どれを変えればアウトプットがどう変わるのかというのをふだんから意識していないところが、なかなか生成AIを使いこなせないポイントになるかと思います。
ただ、生成AIの世界では、対話型生成AIと言われることがあります。生成AIではなくて、対話型生成AIです。プロンプトエンジニアリングで、一発で細かく全ての指示を書くというのは、これはなかなか難しいことだと思います。なので、対話をしながらどんどん生成していくのが正しく、何度も対話や質問を繰り返し、追加の情報を与えることで、的確な答えに近づいていきます。取りあえず出してもらって、ここはよい、ここは違うとコメントし、それをプロンプトに反映して再度出すことによる対話のサイクル設計というのが、今のところのプロンプトエンジニアリングの中心かといったところです。
ただ、これは、思いつきで指示をしているといったところがあるので、やはり世の中にあるプロンプトエンジニアリングのマニュアルとか、サイトとかを見れば、最初からかっちりこういう指示を出したほうがよいですよという情報は、もうあります。
対話して生成するとは、具体的にはこんな感じです。あなたはプロのマーケターです。以下の製品にキャッチコピーを考えてください。天然素材のみを使ったフェイシャルクリームで、にきびやアトピーに悩む人も安心してお使いいただける、特に西三河地方で取れる漢方薬を使っている、ほかのアンチエイジングクリームでは物足りなかったという人にお勧め、と入力すると、いろいろなキャッチコピーが出てくるわけです。これに対して、ありがとうございます、もう少しインパクトのある強いワードを盛り込んでください。文字数は30文字以上40文字以内にしてください。薬事法に引っかからない言葉でお願いしますと、思いつきで対話を繰り返すことによって、会話の精度を高めていくみたいな使い方はあるかと思います。
この対話を繰り返し、いろいろなアウトプットを生成してもらうことによって、我々は仕事を効率化しようと思っていますが、生成AIを使う上での大きな課題として、自分の能力以上の使い方はできないという非常に残念な制約がございます。それはなぜかというと、生成AIというのは、時々もっともらしい誤情報を出します。誤った情報、ハルシネーション問題というように言われています。
なので、自分がこの答えは正しいのかなとチェックできない分野や、自分がよく知らないテーマで、AIの答えをそのまま採用することは、大きなリスクです。これを組織で認めてしまうと、組織の大きなリスクになります。重要な判断、対外的な説明、法律や制度に関わる文書などでは、必ず人間の最終確認が必要だということになります。しかし、チェックするのは、その分野の基礎知識と判断力、この二つがなければなりません。生成AIは、自分が理解していて、最終責任を持てる範囲で使う道具であると、厳しめに言うと、こういう定義ができると思います。自分が内容を理解できず、責任も持てないアウトプットには、仕事としての価値は置けないという状況になると思います。
なので、我々の使い方としては、AIを活用して、自分の能力を超えるような使い方をすることは、検証や価値判断ができないので難しいと思います。ある程度のベースを作成し、そこから人による検証や価値判断ということをすることによって、アウトプットの完成ということになるでしょう。生産性が高まりますというのは、人間が作った時間よりも短くできますということ、また、人間が作ったときよりも、自分の能力ぎりぎりまでは、限界までに高い精度のものは出来上がるということです。
ただ、分からないことを調べてくれたりすることもあるので、人間の能力の矢印を少し上にしていますね。生成AIを使うことによって、人が成長するといったところも間違いなく、そういった観点はあるとは思います。なので、自分の能力を伸ばしながら、しかし、能力の以下の中で、いかに検証と価値判断をしながら使うといったところが必要になってくるというところです。
最近、生成AIも、もうすぐAIエージェントができるんだとか、そういう話にもなっております。AIエージェントについてどういう文脈の中で話ができるかですけど、ここでのテーマは、なぜ難しいのかという話で、人間は本当の目的の理解と要素分解が苦手だといったところの文脈がございます。
1の本当の目的について仕事のお願い事は、本当の目的でないことが多くあります。例えば、議事録を作っておいて、アンケートを集計しておいてというのは、これは何かの手段であって、本当の目的ではなかったりします。目的を設定しても、それは本当の目的の手段でしかなく、本当の目的を自分自身で何となくしか分かっていないという問題、これが一点目です。
次に、2要素分解について、本当の目的が分かっていたとしても、その目的を達成するために一体何をしたらよいのかという要素を細かく分解できないことがあります。
プロンプトがうまくいかない多くのケースは、上記の二点が多いと思います。将来的にAIエージェントが身近になれば、この問題の一部は補ってくれるようになりますが、しかし、自分が内容を理解し、最終責任を負える範囲でAIを使うという前提は変わりません。
もう少し具体的に見ていきたいと思いますが、目的にはいつも層がある。先ほど議事録を作ると申しましたけど、議事録を作る目的は、次回の会議の論点を整理したい。なぜ次回の会議の論点を整理したいかというと、組織の意思決定を早くしたいみたいな、どんどんどんどん上位目標は存在します。アンケートの集計の結果も、施策の優先順位を決めたいや、県としての方針を定めたいというものがあります。
なので、議事録を作ってとか、アンケートの結果を集計してと言っても、AIには本来、何のためにそれをやるのかということまで全部しっかり入力すると、我々が作ってほしい本当の議事録やアンケート集計ができますが、これが、ふだんの仕事では、この層をあえて分離せず、混ぜたままで動いていることが多いため、何か頼むときには作業レベルでしか言語化されないことがあります。もちろん背景をしっかりお話しされる方もいっぱいいますけど、おおむねの話です。頭の中では、もう少し上位目的もあるが、言葉にされない。生成AIに指示するときは、混ざったままの目的だと、モデル側が勝手に補完してしまって、ハルシネーション、間違った情報や、何か違うアウトプットが出やすくなるということです。なので、生成AIを使う側の人間としては、AIが難しいというより、人間が本来やるべき目的の整理というものをサボると、ぼろが出るということがあります。
あと、要素分解の部分ですけれども、施策は、おおむね思いついた順の箇条書きであるということです。要素分解が難しい理由は、我々が抽象化と具体化を行き来する訓練をあまり受けておらず、ロジックツリーなどの構造の型をあまり知らず、また、どこまで分解すればいいのかという粒度を見つけられる経験が少ないです。議事録を作るというのは、いろいろなやり方が、いろいろな方策があって、要素分解すると、これらを全てこなすことによって議事録が作れたり、アンケートの結果が集計できたりします。
なので、本当の目的は一体何だろうとか、それを実現するためには、どのような要素分解ができるんだろうといったところが、生成AI時代に身につけるべき能力だと僕は考えました。目的を要素に分解する力、本当の目的を見つける力、これを生成AIに聞いたら、課題構造化力という言葉でよいのではないかと提案いただいたので、課題構造化力とここでは呼びたいと思います。
AIエージェントがやはり必要とされているのは、これを手伝ってくれるというようなことはありますが、結局、これを評価する側にもハルシネーションの問題があるので、人間側が本当にそれでよいかというふうに判断する能力が要るということは、やってくれるのはAIがやってくれるかもしれないけど、判断するのは人間だといったところで、やはりこの判断力は要ると思っています。
別にこれは、今さら言う話ではなくて、管理職や企画職には、課題構造化力というのは昔から必須の能力だったと思います。違うのは、必要とされる層が広がったというところですよね。生成AIによって作業を代わりにやれるようになった結果、一般の職員にも問いや構造を考える側に回る機会が増える。管理職、企画職だけではなくて、もっと広い層に要求されるようになりました。以前は、目的が曖昧でも、現場の調整や経験で何となく仕事は回りましたけれども、生成AIは、それをサボっても何とかなる時代というのを終わらせつつあると思います。
生成AIを使う上での課題は大体、以上になりまして、次は、生成AI時代のデジタル人材や社内IT人材というのはどのように育成していけばよいのかということです。これは、ふだん私が中小企業向けのセミナーなどでお話ししている内容とかも少し交えながらお話をさせていただきたいと思います。
生成AI時代って何だろうと考えてみましたが、今の私の話の文脈で言うと、仕事の中身が変わって、全てのホワイトカラー業務をAIに任せる作業と、人が判断する仕事に分けて考え直されていくんだろうと思います。人のキャリアの形が変わるということです。リスキリングという話もありましたけれども、生涯の中で何度もスキルを組み替えながら働くことが当たり前になります。AIで補えるスキルは短期間で身につき、AIでは代替しにくいスキル、課題構造化力とか、合意形成力とか、現場理解力とか、人間らしいということかもしれませんけど、そういった能力の比重が増えるということです。単純作業の能力は、もうほぼ要らなくなります。
また、組織の競争力の源泉が変わるということです。これは、私の中小企業支援の現場でも本当にそうですけど、どんな仕事をAIに任せて、どんな仕事を人が担うのか、その人材をどう育て、どう組み合わせるか、これの組み合わせ方によって、企業そのものの競争力というのが決まってくるというか、変わってくるんだろうと思います。
次のページは、生成AIの市場規模が広がっていますとか、人材が圧倒的に不足していますとか、日本はすごく遅れていますぐらいの話、これは、皆さんもよく御存じのとおりだと思います。
今回の文脈で言いますと、やはり生成AI人材の必要性としましては、操作できる人ではなく、業務とAIをつなぐ人、単にチャットGPTやコパイロットの操作ができる人という話ではなくて、現場の業務を理解し、どのタスクをAIに任せるか設計し、利用し、AIの出力をチェックし、修正・改善でき、組織や顧客や、皆様ですと、県民に説明できる、こういった能力が必要になってくるだろうということです。
自分自身もここまで紐解いて、経済産業省の資料などを見ていました。最初見たときにはよく分かりませんでしたが、この(3)のところに、生成AI時代のDX推進に必要な人材スキルと、生成AIの業務での活用により知識や技術が補填されるため、DX推進人材は、より創造性の高い役割としてのリーダーシップや批判的思考など、パーソナルスキルやビジネスデザインスキルが重要となる、とありますが、非常に抽象的ですね。また、問いを立てる力、仮説を立て、検証する力、加えて、評価する、選択する力、この辺りは、先ほどの文脈に合っていると思います。下のほうに難しい言葉がいっぱい書いてありますが、この辺りは大企業様向けのお話なのかと思います。
おおむねそういった文脈で間違っていないということがだんだん分かってきている中で、私の個人的なお話で恐縮ですけど、私がそういう立場の中で、ふだんからどんな研修をやっているかを簡単に御紹介します。無駄を発見するための、業務とデータの流れの見える化とか、あと、商工会議所や金融機関の職員さんに対しては、伴走支援、支援は寄り添ってやるというのは、今の流行りでございます。社長のお話を具体的に聞いて、つまりこういうことですと構造化する、社長のおっしゃりたいことと目的はこういうことです、そのための手段は、こういうことですみたいな、ロジカルシンキングみたいな研修、データに基づく改善の話をしています。あとは、IT化支援実践講座、この前も各務原市でやってきましたが、今の業務を業務フローで体系的にまず理解し、その中で課題を洗い出す力、データを誰が見て、どのような判断をしているのかというのを切り分けられる力など、こういったものをふだんからお仕事としてやらせていただいているという意味では、だんだん私の仕事も生成AI時代に必要な課題構造化力というか、もっとべたな言葉で言うと、ロジカルシンキングというか、そういった研修が多くなっていると、自分で振り返って思いました。
また、私のメインのお仕事は、中小企業のIT化を推進するお仕事です。IT化を進めたいのですが、中小企業の中には、もうIT人材が圧倒的に不足しております。過去、IT導入の70パーセントが失敗と言われることがありました。その原因の多くは、業務知識とIT知識の専門性の溝です。僕はもともとITベンダー側でした。このITベンダーは、やはりIT知識は豊富ですが、業務知識が不足しています。社内の人間は、業務知識は非常に豊富だけど、IT知識不足です。なので、社内のIT人材というものを育成することによって、コミュニケーションが円滑になるということです。社内はITのことが分からないので、ITベンダーに丸投げしてしまうことにより、仕事の主導権をITベンダー側に握られてしまうことも原因ですというお話をしていますが、本当にこれが今でも多く発生している状況です。
時間もまだ少しあるので、私事の話をさせていただきますと、私も会社員時代に生産管理システムというのを販売したり、サイボウズのグループウエアを販売したり、そういったお仕事をしていました。サイボウズのグループウエア、よく売れました。あの頃は、ベンチャーでした。みんなが情報共有したいと言ってくれまして、僕もいろいろ売って、売上げを上げました。でも、売ったお客さんから、細谷さんからグループウエアを買って、情報共有ができる基盤はそろったけど、社員が全然、そのグループウエアの中に情報を書き込んでくれない。そういったときに、細谷さん、これ、どうやったらみんな、社員が情報を書き込んでくれるようになるのか、ちょっとその辺りをうちの会社に来て、みんなの前で教育をやってくれないかと言われました。31歳か、32歳ぐらいの頃だったと思いますが、とてもそんなことはできない。僕は、もうグループウエアを売ることが仕事としてはありましたけど、コミュニケーションと情報提供を通じて、組織を活性化するノウハウは、一切ありませんでした。
生産管理システムもそうです。お客さんから言われました。細谷さん、生産管理システムなんて、七面倒くさいITなんて、我々は要らないんだと。しかも細谷さん、3,000万円とか、見積もっちゃって、そんな高いもの、要らないんだと。我々は、生産性が上がると思っているからこのシステムを入れるんだと。細谷さんは、この生産管理システムの導入を通じて、我々の会社がどのように生産性が上がるのかといったところまで、ちゃんと設計して考えて導入してくれないと困ると言われたときに、私は、生産管理システムは得意でしたが、企業の生産性を上げるためのノウハウがないことに気づきました。実は、そこに思うところがあって、会社を辞めて、中小企業診断士の勉強をしました。
とにかく、業務とITの知識の溝というのは非常に大きなものがあって、本当にみんなが全体的なものを成功させるというところがなければ、中小企業のIT化は、どんどん失敗していきますし、そういったものがトラウマになってしまうと、中小企業のIT化も本当に進まないような状況というのはあるため、やはり社内のデジタル人材の育成が重要になってくると思います。
調べてみましたが、主要国におけるICT人材の配置ということですけど、欧米の企業さんは、ユーザー企業の中にもすごくIT人材がいます。でも日本は、圧倒的に社内にIT人材が少ないと情報通信白書に書いてあります。そういう意味では、社内のデジタル人材の育成といったところがやはり欧米に追いつくために必要だと思います。
生成AIの文脈とは離れてしまいますが、少しお話しさせてください。中小企業が社内のデジタル化を進めることができる七つの要件を私が勝手に選定しています。
まず、社内の業務の課題を発見できること、それに対して適切なツールを選べること。そして、ベンダーと建設的な対話、また、主導権を握られず、対等の立場で対話ができる。そして、投資判断ができる、もしくは投資判断を促すための資料が作れる。そして、初期設定、導入設計ができること。そして社内に運用を定着させられる、これが先ほど言った、サイボウズを入れたら、社員が書き込むとか、生産管理システムを入れたら、それによって生産性を上げるとかです。そして、その成果を可視化できるという、こういった人材が絶対に必要だと思っています。
そうなってきたときに、昨今の中小企業は、なかなか人が来てくれないとか、人がすぐ辞めてしまうとか、メンタルを壊して社内で孤立してしまうなど、いろいろ外部から人材を採用すると難しいというのがずっとでてきていますし、私の昔の友人でも、やはりITコンサルタントで独立している人、すごく多いですけど、ころころ転職をして、なかなか定着しません。中小企業は、その人が辞めちゃうと、もうそのシステムが全く使えないみたいな、そういった問題があります。
なので、やはり社内で育成していくのは非常に重要だと思います。成長できる会社、新しいことに取り組む会社、ここにずっといたいという、いわゆる社内のエンゲージメントを高めながら、社内のIT人材を育成していくというのがすごく大事だと、ここ最近、ずっといろいろなところでお話をさせていただいております。
今、森岡仙太顧問の塾でも担当させていただいていますが、そういった話をしてくれというようなことで、森岡さんにも呼んでいただき、そういうお話をさせていただいています。森岡顧問のお話もいただくと、現場理解と改善意欲と巻き込み力があって、主体性のある人間を優先的に社内IT人材として育成していくんだ。経営者の役割とは一体何なのかみたいなお話とかもふだんからさせていただいています。
これは、私の仕事の話ですけど、森岡顧問のお話もそうですが、そういったものをバックアップする愛知県の事業も本当にすばらしく、有効利用させていただいております。私の友人もITコンサルタントで独立した人間は、このデジタル人材育成アドバイザー派遣とか、そういったところに登録して、企業さんの御支援をさせていただくなど、そういうようなことがあります。そういった意味で、愛知県のこの取組というのは、本当にその流れに沿っているすごくよいものだと思っております。
また、経営者と向き合うときに、特に右側のこの愛知経営者人材育成塾というのは、経営者と向き合うものでありますけれども、経営者の役割として、どんな話をさせていただいているのかというと、経済産業省のDX認定という事業の話です。DX認定とは、DXが進んでいる会社を認定するものかと思っていたら、どうやらDXをこれから進めていく準備ができる会社を認定するのがDX認定だということです。つまり、DXレディー状態を認定するものだということを知ったときには、すごいと思った記憶があります。
では、一体、DXができる状況とは、一体どういう状態なのかといったときに、デジタルガバナンス・コード3.0というのが今、最新ですが、これを読むと、これができていると、DXレディー状態にあると経済産業省は定義しているということです。
非常に言葉が難しくて分かりづらいので、簡単に私の理解で書きましたけれども、まず、1番が予算を作ることです。予算がなければ何も始まらない、売上げの1パーセントでよいので設定しましょうと。そして、人という一番大事な資産に投資をしましょうということです。
あと、組織を作ることです。中小企業は、なかなか兼任になってしまいます。しかし、重要なのは、役割と責任であって、たまたまパソコンが強い人がITのことを面倒見ているといったところですけど、そこに役割と責任が発生していないことがあるので、仮でもいいので、DX推進室とか、インフォメーションシステム部、いわゆるIS部とか、そういったものをつくって、役割と責任を明確にしてくださいと話をしています。
あと、人材育成を始めましょうということです。リーダーが指定した課題に対して改善指示を行い、その改善に必要なスキルを順次学ばせる。これは、中小企業は、できれば社内がみんな、従業員が自立して改善ができるという、そういう人材を育てたいという要望がありますが、やはり私、現場にいて肌感覚で分かるのは、これを改善しておいてというと、指示して動ける人材は多いですが、これが課題だという課題設定力のある人材とは、なかなかやはり難しいところがあります。なので、リーダーは、課題を明確に定義して、これに対して改善を行ってほしいという具体的な指示を行う必要があります。でも生成AI時代のという話をするならば、生成AIは、課題の定義よりは、問題解決のほうが得意になってくるので、そういったものを有効活用することによって、企業のデジタル化を通した改善といったところに役に立つかと思っております。
最後、提案とまとめということで、愛知県は、既に生成AIの利用に関するガイドラインを整備し、全庁での活用に踏み出しておられます。その内容を拝見して感じたことを、最後に共有させていただきたいと思っています。
読んでまいりますけれども、愛知県のガイドラインについて、生成AIの利用について、禁止事項や留意点が整理されており、何がいけないか、何に気をつけるかはよく分かります。
一方で、どう使うと仕事が楽になるのか、どの業務で使ってよいのかという、具体的なイメージが伝わりにくい。有効なプロンプト例というのも提示していただいていますが、非常に高度なものが急に出てきて、何かハードルが高いと印象を受けました。
研修とか、共通基盤とか、活用事例集など、職員が実際に使いこなすための仕組みは、ガイドライン本文からは見えにくいと思いました。もともと意識して作っていないのかもしれません。こういうことは駄目だ、こういうことに気をつけなさいとガイドラインであって、もっともっとこうやって使って、生産性を上げていこうという趣旨では多分作っていないのだろうと思っています。
ただ、この県民サービスや、我々の分野である中小企業支援など、このガイドラインをどうつなげていくかについては、私はぜひ考えたいと思っています。
そういうのがないのかと調べたときに、東京都は、ガイドライン本体に加えて、活用事例とプロンプトをまとめた事例集を整備して、ルールもそうですが、活用イメージやプロンプト例というのをセットで提示しているのを見つけました。
また、職員アンケートやアイデアソンによって、業務効率化や満足度を検証しつつ、好事例の横展開、利用環境の改善をやっているというのがあって、まだまだコンテンツは少ないですけど、でも職員で勉強して、こういうふうに有効に活用できたという事例を公にも発表して、いろいろな部署に横展開しているというのは非常に面白いと思いました。
最後に、生成AI時代に求められる人材と愛知県の期待です。生成AIは、誰もが自分の言葉でコンピューターを扱えるようにする新しい社会インフラである。その力を引き出せるかどうかは、課題を言葉にし、目的を分解し、結果を検証できる人材がいるかどうかにかかっている。先ほどの文脈で、愛知県は、これまでの人材育成や中小企業支援の蓄積を土台として、行政と企業双方で生成AI時代のデジタル人材を育てる場と仕組みをつくっていただいていると思っています。この延長線上で、生成AI時代に特化したモデルケースを、愛知県がその人材と場づくりの先頭に立てるようにお願いしたいと思っています。
これを私がなぜ言うかといいますと、実は私、独立したのが2009年で、リーマンショックのときに独立してしまったので、非常に仕事がなかった。名古屋市にお世話になって、いろいろやっているうちに、東日本大震災が起こりまして、名古屋市の人材支援の一つとして、陸前高田市にも行かせていただいて、大きく気づきを得ました。BCPというのが流行ってきた頃に、BCPのコンサルタントが足りないということで、オファーもいただき、BCPのコンサルタントになりました。もうそこからずっとライフワークでやらせてもらっています。まだ名古屋市のBCPのホームページは、私が作ったままのホームページになっています。
このときに、私が参考になって、誇らしいと思ったのが、こちらの画面に映しますけれども、あいちBCPモデルです。中小企業のためのBCP策定ガイドとか、実際にこのフォーマットに記入すれば、BCPが策定できるというものですけど、これ、当時は全くありませんでした。今は、いろいろな自治体がつくっていますけど、当時は、あいちBCPが圧倒的にトップでした。愛知県の担当者の方にもお話を伺って、もちろん東海地震は、実際、予想されているし、明日は我が身だし、愛知県がリードして、そういうのをつくるとは、それは細谷さん、当たり前だろうというお話をされました。それにしても、本当に日本中の人がこのあいちBCPを参考にして、BCPを策定したのではないかと思っています。
私もそういう関わり合いの中で、この後、団地版BCPモデルがありますが、そこには愛知県にアドバイザーとしてお手伝いさせてもらったことがあります。本当に今から日本をリードするBCPモデルの策定とは、私がすごく利用させていただいて感謝したというのもありますし、東海地震が来る中心地としての、自負があってよかったというのがあります。たまたまそういう経験があるものですから、何か生成AIなどでも、中小企業向けに、愛知県をベースとして、そういう愛知県の生成AI活用モデルみたいなものがあって展開できたら、誇らしい気持ちになるということで、ここに書かせていただいたということです。
まとめになりますけれども、ルールから活用の設計、こういうことをしては駄目だというルールから、活用の設計、現行ガイドラインを土台に、安全に使うためのルールだけではなくて、どう使えば業務が変わるかというものがあるとよいと思います。
あとは、人材育成という話でしたけど、課題を構造化できる職員を育てることというのが、我々の地方の中小企業もそうですし、愛知県としても必要だと思います。本当の目的を言葉にする、業務を要素分解する、AIの出力を評価する力です。
また、最後、県内の展開とか、愛知モデルみたいなものができたらよいとお願いする次第ということになります。
私からの話は以上になります。ありがとうございました。
主な質疑
【委員】
私からは、先日のこの委員会でも質問した件であるが、今でも自分はAIを使っており、これからAIがどんどん仕事や生活に入っていく中において、例えば文章を書く力が落ちてきていると実感する。いろいろと仕事をやっていく上で、様々な経験値が積み重なった上で、重要な判断ができる人間になっていくのだと思う。ただし、AIが仕事に入ってくることによって、そこの経験値が失われていく可能性がある。そうした場合に、最終的には、判断ができる人間が居なくなる懸念がある。そこの経験値をどのように補うのか、あるいは、補うことをしなくても、判断できる人間は、このAI時代の中でもつくっていけると考えるのか伺う。
【参考人】
私の考えだが、まず、オートマチック限定免許の話と似ていると考える。オートマ限定免許が世に出てきた際に、オートマ限定免許を取ったら、マニュアル車が運転できなくなるという話があった。しかし、現在ではマニュアル車は少ないので、マニュアル車がしっかり運転できる技能は要らなくなった。そういった側面が似ていると考えられるので、要らなくなる可能性もあるというのがまず一点である。
もう一つは、私も大学で先生をやっていて思うのが、時代の流れがあまりにも早過ぎて、情報がものすごいスピードの中で飛び交っている。学生は、いろいろな知見と経験値を我々が感じる経験よりも速いスピードで経験している印象がある。
例えば、私の支援の現場だと、中小企業の現場であるが、机の上でやらなければいけない、重要な経験とはなりにくい仕事は、早く生成AIに任せて、より現場に出ることで、時間的な密度と経験を積む機会の密度は、深まっていくという見方もできる。そういった意味では、コンピューターは、我々が入手した情報しか分からないので、我々が現場で見たものを考えて、判断して、入力する経験が必要であり、課題構造化力にも絶対につながっていくと勝手ながら思っている。
【委員】
私も同感であって、AIが入って、これから常用されるようになっていった場合、人間の役割、職員の役割は、外へ出て業界の声を聞いたり、現場の声を聞いたりすることである。それこそが多分、インターネット上では取得できない生の情報を得ることによって、AIに対抗できる判断力を養うことができると思う。
これから先の人事の在り方、AIの活用の仕方、そして人間の役割、職員の役割について示唆をもらったので、当局においても、その点を考えてこれからの計画等々をつくってほしい。
【委員】
二点伺う。一点目は、直接の分野ではないであろうが、今後の日本の教育の在り方に対してどのように思うか伺う。
先ほどの委員の質問にも関連するが、私もAIを使わない日はないぐらいである。例えば、昔で言えば読み、書き、そろばんができて、点数を取る能力が高い人は、社会で評価されて、よい会社に入れる流れがあった。昭和の時代には、このような能力の向上により高度経済成長期があり、日本は強くなっていったと思うが、そのような部分が今後、ほぼAIで補完されることになってくると思う。
そうなってくると、人間として何が求められるかは、先ほどの委員の質問で出たとおり、生の声を聞くことが大事になってくる。人間にしか本当にできないところとなると、読み、書き、そろばん能力ももちろん大事なのだが、クリエイティビティや、人としての道徳が求められると感じる。専門外かもしれないが、日本の今後の教育の在り方について、AI時代ではどうあるべきなのか伺う。
二点目は、最後のほうに説明があった、情報の在り方についてである。例えば、先ほど車の免許を事例に出して説明があったが、私も昔、似た事例を議会で取り扱ったことがある。日本で最初にスマートフォンが発売される際、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したときに、日本はマスコミも含めて一斉に批判した。こんなものは、はやらない。絵文字が使えない、大きい、重いなどの批判があった。
ただ、もう結果は出ている。大きく変わってきているのが、情報の入手の仕方や個人が得られる情報についてである。地球の裏側の情報が一瞬で手に入るし、それが個別最適化されていく中で、情報の在り方がどんどん変わっていっていると思う。情報の価値も変わってきていると思うが、参考人の見立てでいうと、今後、情報がどのように変化していくと考えているのか伺う。
情報を取り扱うのは人間であるので、情報が今後どのように変化していくのかに対しての考えがあれば教えてほしい。
【参考人】
まず、1番の今後の日本の教育の在り方について、私が回答するのも非常におこがましいが、説明したように、クリエイティビティ、文化、道徳は、すごく大切だと思っている。私も価値を考えるようになったときに、自分の中で価値基軸を持っていないことは非常に怖いと思った。そのため、指摘のとおりであるが、もう少し先かと思っている。まずは目の前の情報をきちんと蓄え、AIに読み込ませる。その辺りが喫緊の課題として非常に多いので、情報リテラシーを身につけたいと思っていて、大学でもそういう話をしている。
2番目は、情報の在り方、情報の価値の話だが、先ほどの委員の話にもあったとおり、意味や、価値が大事になってくる。生成AIは、僕らの文脈を理解してくれているように感じるが、コンピューターテクノロジーを確実に理解している自分から言ったら、コンピューターは意味や価値を全く理解してない。やはり人間は、そこに価値を見いだすことができるという話になってくる。私たちが働くこともそうであるが、給料をもらえるから働いているのではなく、ここで働くことに意味を見いだしているからである。社内のエンゲージメントもそうだが、意味と価値が必要だと思う。
そうなると、1番目の質問とつながってしまうが、やはり意味や価値の判断基軸を持つことはすごく大事である。そのため、君たちは何のために勉強しているのかと、授業でもうっとうしいほど言っている。毎回意見が変わるので面白いが、なかなか先生からそういう問いかけをされたことがなかったので、学校で彼らは喜んでいる。
【委員】
話の中で、IT人材の不足について話があったが、IT人材、デジタル人材というと、理系のイメージを皆も持っていると思う。生成AIに正しい文章で入力し、やり取りしながら、求めているものを出してもらう中で、言葉の力がすごく大事になってきていると思う。
少し前のニュースで見たのは、今、AIを上手に使いこなせている人に共通するのは、実は、質問をすごく上手にできる人であること。それに共通しているのは、たくさん本を読んでいる人が、生成AIをうまく使いこなせる人だと聞いた。そう聞くと、デジタル人材というと、理系のイメージがあるが、言葉の力を大事にし、出力されたものをプレゼンで聞き手にインパクトを持って聞いてもらえる話をする部分でいうと、文系の人もこのAI時代において、すごく大事な人材かと思ったが、その辺をどう考えているのか伺う。
【参考人】
私は滋賀大学の経済学部で教えており、文系の人たちを中心に、いわゆる情報化と社会というIT人材の話をしているが、指摘のとおりである。難しいコンピュータープログラミングは理系に任せておいて、我々文系がやるべき仕事は別であると話すと、みんなが勇気づく。そういう話をしている。
中小企業におけるIT人材とは、いわゆるデジタル技術に精通するといった話ではない点もある。また、生成AIに入力できる力については、言葉の力も非常に大事だが、先ほど言ったとおり、ロジカルに物事を考える力も大事である。
私もこうやって人前で話をする機会が多いが、説明がなぜ上手なのかと言われると、私はプログラマー時代に、構造的な物事の考え方をかなり鍛えられたことが挙げられる。なので、プログラムを組める必要はないが、言語を構造的に作る力は必要であるし、そのために今は小学校からプログラミング教室に通わせる形があるのだと理解している。
【委員】
生成AIは確実にすごい技術だと思うが、これから減っていくことが想定される仕事と残っていくことが想定される仕事を、私見でいいので、教えてほしい。
【参考人】
事務作業は概ね無くなると思ってよい。私が学生に言っているのは、人が価値的、意味的に事柄を判断して状況が変わるものは人間の仕事として残るかもしれないが、誰が見たって同じ判断、誰が見たって結果が一緒になる仕事は、ロジックに落とせる。ロジックに落とせるものは、全てコンピューターでできると話している。そのため、長期的には、ロジックに落とせるものは、全てコンピューター、ロボット化すると思っている。
あとは、私も既に危機状態にあるが、知識で食える仕事はなくなると思う。60歳を超えて引退した後、コンサルタントで生きていきたいという人がいるが、そういった人々に知識では食えない時代になっていると勉強会で話をしている。
また、増えていく仕事についてである。先ほどの話のとおり、まだまだ脳みその中に構造化されていない、アウトプットされていないアナログ情報があまりにも多過ぎる。私もRAGの構築などに関わっているが、データをスキャンして、読み込んで、検索できるようにするためには、インデックスを貼るなど、仕事がいっぱいある。要は、コンピューターに記憶させるための仕事は、アノテーションと言うが、その仕事は5年ほど前から物すごく増えている。大体、日本は中国にアウトソーシングしている。名刺をスキャンすると、実は裏側で中国の人たちがずっと入力してくれる背景もある。直近では、やはりその仕事が必要である。その先に増えていく仕事は、申し訳ないが分からない。
【委員】
最後になるが、私の友達が、53歳ほどであり、パソコンのソフトを作っている。その息子が大学と大学院を卒業して、今度の4月に就職する予定なのだが、父親みたいにパソコンのソフトを作るのかと聞いてみたら、その仕事は、もうAIに取って代わられるから、設計士をやると言っていた。そのような、パソコンのソフトを作る仕事もなくなっていく可能性は強いか。
【参考人】
最近は、プログラムのプラットフォーム、IDEというが、そういったものにAIが組み込まれていて、バグが出ても、全部グーグルジェミニが答えてくれるなど、面白いぐらいAI化されている。昨今、我々が参加する勉強会だと、言葉でしゃべるとプログラムを組んでくれるバイブコーディングがある。プログラムはコンピューター、AIが書いてくれる時代になっている。
ところが、普通のプログラマーがバイブコーディングをやろうと思うと、何を発したらよいのか分からない。要は、コンピュータ・アーキテクチャーを理解していなければ、どういったOSで、どのようなプラットフォームで、どういうメモリーを使いながら、どういうインターフェースを使ってプログラムを作れという言葉がしゃべれない。
そのため、バイブコーディングの世界では、コンピュータ・アーキテクチャーが理解できなければいけない。そういう意味では、もう少し物事の本質的なものを捉えていなければ、AIにプログラムを任せることができないため、逆に大変だと、みんなが思っている。かつては、コンピューターの深い知識がなくても、ビジュアルベーシックの画面を操作できれば、プログラムを組めた。ところが、今はそれができなくなっている。設計士になりたいとの話だったが、設計士はコンピュータ・アーキテクチャーを理解しなければいけないし、それを有効活用しようと思ったら、人間社会のアーキテクチャーを理解しなければいけないという壮大な話につながるかと思う。
【委員】
少しマイナスな話になるかもしれないが、DXを突き詰めていくと、役所の窓口でも、ほとんどがAIや生成AIで、用件を入力すると、その機械がしゃべり、答えをくれる。では、職員はどこに行くのか、減らせるのではないかと思う。例えば、県庁の業務でもかなりのものがDX化されていくと思う。では、職員は、何人いれば仕事ができるのだという議論に、行政の場合はなりかねない。そこで、雇用を確保するために、デジタル人材が必要だといって、一生懸命教育するが、取捨選択する時代が来るのではないかと思うが、参考人の所見を伺う。
【参考人】
株式会社三菱UFJ銀行で、時折5,000人の解雇というニュースが流れる。5,000人とは、能力のない人間が解雇されているんだろうと思ったら、違う。欧米で支店長クラスを務めた人間が大分解雇されている。どういうことかと思ったら、新陳代謝で、デジタルが分かる人が採用されていて、支店長クラスの仕事ができる人でも解雇されている。そういった現状がある。
そうなってきたときに、行政、県庁や市役所は、手続仕事が多い。手続仕事が多いところは、全てロジカルに落とせるはずなので、そういった意味では、多分要らなくなるといえる。一方で、私の支援先である、人でなければいけない仕事をやっている中小企業では、全くそういった心配はない。それどころか、ようやく人手不足が解消されるといった流れがある。そういった意味で、県庁行政としての価値をどこに作っていくかが大事である。中小企業は楽である。どういった分野に新しく進出し、新しい事業をつくるかをいつも考えている。役所も価値をもっともっと考えて、新しい業務を創出する能力も並行して高めないと、委員の言うことが起こり得ると思う。
【委員】
私も元公務員であり、もともと指令センターで119番を取っていた側であった。ほとんどコンピューターを使って、どうやってそれを手段として生かすかに取り組み、辞める前に、現在の日本の標準的な119番指令センターをつくってきた。それから今度、AI、生成AIが入ってくると、人間だけの判断に加えて、機械の判断を混ぜて、さらに高度な判断ができるようになる。まさに間違いの起きにくい、いわゆるよき友になってくると思う。だから、これからは行政もこういった生成AIを使いながら、よき友として使える人間になっていかないといけないと思っている。だから、行政は最終的には人であるから、そこをどう伸ばすかの部分は、参考人にもいろいろアドバイスをもらうようよろしく願う。
【委員】
AIが、ディープラーニングにより加速度的に進歩し、現状、シンギュラリティーに入っていると思っている。だから、来年はさらにまた変化していくと思っている。一方で、人間はそこまで進化していないというか、むしろ考え方が退化しているところもあると思っている。公務員もそうだし、今日の午前中、学校に調査に行き、先生の役割も再定義しなくてはならないと感じた。職業以前に人間とは何なのかを再定義しなくてはいけないと思う。そういうことに取り組んでいる中小企業や、そのような取組事例はあるか伺う。先ほど、経営者の指示の出し方について、もっと精度を高めなくてはいけないと話があったと思うが、そこはもちろんのこと、従業員も含めて、人間とは何だろうかを問い直す必要があると思う。そういう事例はあるか伺う。
【参考人】
残念ながら、ない。そういった意味では、ここでの議論が一番最先端だと思っている。ただ、そういうことに気が付いている人はいて、旭鉄工株式会社の木村哲也社長は、そういったことに気付いている。技術継承などの文脈で話をしている。一度言ったことは、二度聞かなくても、AIが答えてくれるだろうとか、では、社長は何をするかと言われたときに、今の話になるのだろうと思う。社長の脳みそを、全部AIにアウトプットして、そこについてはAIが判断してくれとできる。では、社長は何をやるかといったときに、やはりそこの意味だと思う。
先ほど話があったが、人間の定義もそうであるし、価値の部分は外せないので、新しい価値定義も要ると思う。生成AIで県庁の仕事を効率化してくれたら、あいちBCPモデルに次ぐあいち生成AIモデルもすぐに作ってもらえるのではないかと思う。一つの価値の提案であるが、そういった定義が要ると思う。あなたたちは何をするんだと常に問いかける状態が必要だと思う。
【委員】
そんな中、例えばアメリカだと、AIにすごい額を投資していると聞いている。AIバブルだとなっている中で、ホワイトカラーよりもブルーカラーのほうが、所得が上回っている状態である。愛知県でも先日、工科高校の先生と話をしていたときに、愛知県内に限った話なのかもしれないが、大卒のサービス業の人よりも、高卒のブルーカラーの人の生涯年収が上回っているデータも見せてくれた。
日本は今、承知のとおり、すごい円安であり、また、失われた30年とも言われており、本来であれば、所得が2倍とか、1.5倍ほどないとおかしいと考えている。だから、ますます海外に出にくくなっている。日本国内に限っていえば、構造的なデフレになってしまっている。そこを打開するためとして、AIを導入する目的を所得向上と置くことは実現可能なのか。生産性向上、ただの効率アップだけではいけない。日本企業は、この30年で、バブルの後遺症なども乗り越えてきたわけだから、かなり強靱になっていると思う。だから、私は国民の、県民の所得を上げたい。そのためには、AIをどういう形で導入していったらよいのか、活路を見いだすとしたら、どういうところにあるのか伺う。
【参考人】
本当に業務効率化では全く追いつかない。日本の平均年収450万円に対して、アメリカの平均は年収1,200万円や、1,500万円である。もちろんアメリカは、貧富の差が激しいから、一部の人間が非常に高年収ということはあると思う。そう考えると、失われた30年の起源を考えれば、2000年ぐらいにアマゾン、グーグル、フェイスブックなど、そういった会社がどんどん創業していき、今まで見たことのない価値を作り出してきたことが、すごい大きな産業になり、年収を引き上げていったと思う。もちろん日本にもプレイステーションや、アニメなど、そういった領域はある。話は一貫してしまうが、やはり価値のつくり方である。
今、ちょうど中小企業庁がいろいろな補助金で100億宣言などを掲げて取り組んでいる。これは、とてもではないが、業務効率化の話、生産性向上の話ではない。100億円というのは、企業が新しい価値をつくり、どうやって提供するのかを考えなければ達成できる数字ではない。今まではものづくり補助金や、IT補助金など、業務効率化の補助金が非常に多かったが、新しい価値づくりに問いかけをする補助金ができているといった点が、経済産業省の偉い人も価値を考えろと言っているのではないかと思う。ただ、それは一体何なのかと言われても、分からない。





