本文
福祉医療委員会審査状況(令和7年10月3日)
福祉医療委員会
委員会
日時 令和7年10月3日(金曜日) 午後0時59分~
会場 第1委員会室
出席者
杉浦正和、島 孝則 正副委員長
坂田憲治、新海正春、政木りか、平松利英、横田たかし、天野正基、
鈴木まさと、日比たけまさ、加藤貴志、下奥奈歩、阿部武史 各委員
福祉局長、福祉部長、介護推進監、子ども家庭推進監、
保健医療局長、同技監兼医務課長、健康医務部長、感染症対策監、
生活衛生部長兼生活衛生課長、
病院事業庁長、病院事業次長、関係各課長等
委員会審査風景
付託案件等
議案
第132号 令和7年度愛知県一般会計補正予算(第4号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳出
第4款 福祉医療費
第3条(債務負担行為の補正)の内
一時保護所整備工事
第149号 訴えの提起について
第150号 和解について
第151号 損害賠償の額の決定及び和解について(愛知県医療療育総合センター療育支援センター)
結果
賛成多数をもって原案を可決すべきものと決した議案
第132号
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第149号から第151号まで
請願
第 27 号 「おかしくないですか?!日本人、愛知県民、謎の大量死、原因は高齢化でもコロナでも説明できない。ではなにか?!原因追及を求める」 について
第 28 号 「コロナワクチンのロット番号ごとの被害調査を求める」について
第 29 号 「新型コロナワクチン特定ロット『3005785』接種後、死亡事例や、健康被害の愛知県内の調査と被害の周知を求める」について
第 30 号 「孤独死不審死の場合の死亡日を決定する際コロナワクチン接種歴との関係調査を求める」について
第 31 号 「調査せよ。豊川でコロナワクチン接種翌日に13歳男児が自殺。接種後の自殺は各地で起きている。接種後精神に及ぼす影響、被害調査を求める」について
第 32 号 「コロナワクチンのデータ検証を求める」について
第 33 号 「予防接種健康被害救済制度の周知を求める」について
第 34 号 「『新型コロナワクチン接種後の国の健康被害救済申請及び県の副反応等見舞金の申請状況について』のマスコミ向け文書の県民への公表を求める」について
第 35 号 「未成年の新型コロナワクチン接種後体調不良者への調査を求める」について
第 36 号 「新型コロナワクチン接種記録の保存期間延長を求める」について
第 37 号 「コロナワクチン接種に注意が必要な人に関する周知を求める」について
第 38 号 「予防接種健康被害救済制度と副反応疑い報告制度との突合調査、案内を求める」について
第 39 号 「各市町村、愛知県内の病院に正しく新型コロナワクチン副反応疑い報告が行われるよう周知依頼を求める」について
第 40 号 「コロナワクチン接種後家族を亡くした遺族に必要な情報が伝わるよう処遇改善を求める」について
第 41 号 「コロナワクチン接種後、健康被害を受けた被害者の副反応疑い報告が国に反映されるようまた県民に被害が周知されるよう改善を求める」について
第 42 号 「コロナワクチン後遺症や接種後死亡した事例について県として実態調査を行うことを求める」について
第 43 号 「副反応疑い報告が国に報告された事を被害者、遺族に県や市町村から通知する事を求める」について
第 44 号 「予防接種健康被害救済制度申請時、必要な医師の受診証明、カルテの写しを被害者が苦労する事なく取得できるよう病院や医師に通知を出す事を求める」について
第 45 号 「コロナワクチンの接種事業総括の為のワクチンハラスメント調査を求める」について
第 46 号 「新型コロナワクチン副反応疑い報告における国の審議会について県として国に委員の一新を求める」について
第 47 号 「高すぎる国保料(税)の引き下げ等を求める」について
結果
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第27号から第32号まで及び第46号
賛成少数をもって不採択とすべきものと決した請願
第33号から第45号まで及び第47号
閉会中継続調査申出案件
- 社会福祉及び社会保障制度の充実について
- 少子化対策及び超高齢社会への対応について
- 保健衛生の推進について
- 保健所及び県立病院の運営について
- 福祉局、保健医療局及び病院事業庁の行政運営について
会議の概要
- 開会
- 口頭陳情(4件 請願第32号、第38号、第41号及び第47号関係)
- 議案審査(4件)
(1)理事者の説明
(2)質疑
(3)採決 - 請願審査(21件)
- 委員長報告の決定
- 一般質問
- 休憩(午後2時43分)
- 再開(午後2時53分)
- 閉会中継続調査申出案件の決定
- 閉会
主な質疑
議案関係
【委員】
パーキング・パーミット制度と一時保護所について、それぞれ伺う。
今回、パーキング・パーミット制度の実施へ動き出したことについては、予算要望の中で求めてきたことであり歓迎する。障害者や妊娠中の人、子育て中の人など、車を使う際に、行き先の駐車スペース確保は必要であり、適切に専用駐車場を使用できるかがとても大切である。福島県内のパーキング・パーミット制度の対象となっている、おもいやり駐車場の利用実態調査によると、制度導入後、停めやすくなり、不適正利用が一定程度減少したとのアンケート回答があるそうである。
そこで、パーキング・パーミット制度の効果や意義について、どのように認識しているのか伺う。
【理事者】
本制度の実施による効果や意義について、まず、専用駐車場の利用対象者の明確化や、利用する必要のない人による不適正利用が減少することが見込まれる。また、専用の駐車区画を確保することにより、利用者の利便性が確保されることから、障害者等の社会参加や自立支援にもつながると考えている。
【委員】
社会参加にもつながっていくとのことで、大変大事だと思う。
この制度は、平成18年に佐賀県で初めて導入された。令和7年4月現在、44府県において導入されている。未実施なのは北海道、東京都、愛知県という状況だった。東京都では障害者用駐車スペースの不適正利用対策に関する独自の取組を進めている。
これまで導入してこなかった理由は何か。アジアパラ競技大会に向けて、このタイミングになったと聞いたが、1年前ではなく、アジアパラ競技大会をやると決めたときになぜすぐに制度の導入へ動かなかったのか。
【理事者】
本県においては、これまで主に障害者団体や一般県民等を対象に、制度導入における調査を実施してきた。その結果、登録車両台数が全国1位であることや、駐車協力施設の確保などの課題を踏まえ、制度導入について検討を行うとともに、まずは障害のある人が利用できる専用の駐車区画の適正利用についての普及啓発に力を入れてきた。
そうした中、全国44府県で制度が導入され、制度そのものの理解が広がり、団体からも制度開始に向けた要望が多くなってきた。
そこで、制度について、全国調査等により、各県の利用証の交付対象や内容、有効期限などの制度内容や実効性のある制度設計について検討を重ね、昨年度3月の障害者施策審議会での意見を踏まえて、来年6月からの制度開始を決めた。
【委員】
次に、利用証の発行や運用に必要な事務負担の問題をクリアするために、関連事務の民間委託を予定していると聞いた。利用者にとっては、相談も含め、市町村など身近な窓口でも利用証の交付を受けられることが望ましいと思う。
県や市町村が利用者の実態を正確に把握するためにも、福祉行政の一つとして必要な人員を増やして行うべきではないだろうか。既に制度を行っている県では、市町村または県内10か所の保健福祉事務所を窓口にしているところもあるそうである。
民間委託とした理由と、何を委託し、どのような方法で利用証を交付するのか伺う。また、市町村と連携し、身近な場所での相談窓口や申請できる窓口を設けることは検討していないのか伺う。
【理事者】
制度導入に当たり、他県での実施状況も調査したが、直営で実施しているものの、年々申請や問合せが増加し、対応に苦慮しているとの声も聞いた。
また、本県は自動車の登録台数が全国1位であり、来年9月にアジアパラ競技大会の開幕を控えていることから、6月の制度開始に向け、たくさんの人からの利用申請や問合せがあると考えている。
そのため、特に受付開始当初においては、多数の事務を効率的に処理し、利用対象者に速やかに制度を利用してもらえるようにする必要があることから、民間事業者に委託して実施するものである。
委託内容としては、問合せ対応や広報啓発資材の発送、利用証の申請受付や送付などとなっている。利用証の交付については、郵送または電子により申請を受け付け、書類の不備や要件を確認後、障害福祉課において審査を行い、その後に事務局より郵送することを考えている。
本制度は、移動が困難な人を対象としているため、郵送または電子による申請を考えており、市町村等による窓口の設置は考えていない。しかしながら、県民に制度を利用してもらうためには、制度の周知が大変重要となるので、市町村などにおいて、制度のチラシ等を配布してもらうなど、市町村ともしっかり連携していく。
【委員】
市町村との連携でチラシを置いたり配ったりするとのことだが、市町村との連携はしっかり取ってもらいたい。
次に、利用見込みについて、対象者は何人で、どれぐらいの利用を想定しているのか伺う。
【理事者】
本県において、障害のある人、要介護者、難病患者、妊産婦の数を合計した推計対象者数は約65万人である。既に制度導入済みの自治体の状況や本県の自動車の保有状況を踏まえ、本県における制度開始初年度の利用人数として約5万人の利用を想定している。
【委員】
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)では、車椅子使用者駐車場施設は、一定の条件の下で設置が義務づけられている。
駐車場の設計基準として、当該駐車場の全駐車場台数が200台以下の場合は、当該駐車場台数に50分の1を乗じて得た数以上、つまり4台以上、全駐車場台数が200台を超える場合は、当該駐車場台数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上、つまり、例えば400台の駐車場なら4プラス2の6台以上の車椅子使用者駐車場施設を設けることが望ましいとされている。
この指標は、主に車椅子使用者を念頭に置いた指標だと思うが、パーキング・パーミット制度を導入すると、利用対象者の拡大に伴い、少なくとも倍以上の専用駐車スペースが必要となるのではないだろうか。
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が行った思いやり駐車場に関するアンケートで、思いやり駐車場で困ったことはの回答では、設置数が少ないという回答が一番多くなっていた。また、国土交通省の資料でも、利用対象者や利用証発行枚数に対し、対象区画の不足を課題の一つに挙げていた。
公共施設だけでなく、大規模小売店舗など商業施設や観光施設、医療機関など、駐車場でどのくらい専用の駐車スペースを設ければよいのか、制度導入に当たって、愛知県としての目安を持つことが必要ではないかと思う。
パーキング・パーミット制度の導入に伴い、県独自に指針など目標値を設け、対象区画を増やしていくことが必要であると考えるが、どうか。
【理事者】
本制度は、バリアフリー法に基づく駐車区画とは異なり、事業者などの協力による任意制度であることや、必要とされる区画数の把握が困難なため、目標値を設定することは難しい。
そのため、本県としては、できるだけ多くの届出をしてもらうことを目標に普及啓発に取り組み、駐車場を保有している事業者に対して直接訪問して説明するなど、丁寧に協力を呼びかけていく。
【委員】
目標を設けることはなかなか難しいかもしれないが、せっかく導入するので、丁寧に説明しながら、多くのところで理解を広げてもらい、それがしっかりと使えるようにしていくことを願う。
次に、パーキング・パーミット制度の周知について伺う。
JAFの思いやり駐車場に関するアンケートでは、思いやり駐車場の利用ルールについてどのくらい知っているかは、制度をよく知っているが28パーセントだった。また、思いやり駐車場のルール、マナーに関して、世間の認知度はどれくらいだと思うかの問いでは、ほとんど知らないが40パーセントだった。
愛知県で制度を始めるに当たり、利用する人の周知はもちろんだが、広く県民に知らせていく必要があると思う。どのような広報をしていくのか。
【理事者】
今年度中にリーフレットやポスターを作成し、障害者団体等に配布するとともに、県事務所での配布や市町村の窓口にも置いてもらうよう依頼し、広く県民に周知できるよう努めていく。
【委員】
ぜひ周知してもらえるよう願う。また、他県では思いやり駐車場、パーキング・パーミットの駐車場が使えるところを、利用証、協力施設一覧という形でホームページに掲載して知らせている。今後、これから始めていくに当たって、協力してくれる施設が増えていく中で、分かるように可視化していくことで、そのようなことをホームページに載せることも検討してほしい。
制度を利用できる対象者の詳細な範囲についてこれから検討していくと思う。様々な障害者団体など当事者の声も踏まえて進めていく必要があると考えるが、どうか。こうした人々の要望を聞く機会などを検討しているのか。
【理事者】
制度の対象者の範囲等、詳細な部分については、様々な障害者団体などの当事者が構成員となっている障害者施策審議会において意見を聴き、検討していく。
【委員】
ぜひ利用する人の声を聞いて進めてもらいたい。今回のパーキング・パーミット制度にとどまらず、公共施設や歩道、バスや鉄道の駅などバリアフリー化も促進し、車だけではなく、誰もが移動の権利を保障されるように力を尽くしてほしい。
続いて、老朽化が進む一時保護所の移転整備について伺う。今回、保護件数が増加する中で、定員を36人から60人に増員し、受入れ体制を強化するとしている。
そこでまず、一時保護の件数が増えているとのことだが、2019年度と2024年度の件数を示してほしい。
【理事者】
本県の児童相談所が児童虐待や保護者の入院などにより一時保護を行った件数は、2019年度は2,850件、2024年度は3,566件となっている。
【委員】
5年間で1.25倍と増えている。2024年度の実績で、3,566件のうち、一時保護所2か所では対応できなかった子どもたちは民間の一時保護委託も活用されていると聞いた。3,566件のうち、民間への一時保護委託件数は何件だったのか。
【理事者】
児童相談所が、民間の児童養護施設や乳児院、里親等に行う一時保護委託の件数は2,669件となっている。
【委員】
県の一時保護所で受け入れたのは約900件で、圧倒的に、今挙げてもらった数だが、民間頼みになっている状況がある。
愛知県の一時保護所は2か所で、両施設とも入所率は高く、2025年9月1日時点で三河が88.9パーセント、尾張が90パーセントという状態になっている。今回、そのような中で、三河の一時保護所の受入れを増員することになった。
国のガイドラインでは、一時保護施設は児童相談所に付設もしくは児童相談所と密接な連携が保てる範囲内に設置するとされている。しかし、愛知県は10か所の児童相談所に対し、一時保護所は2か所しかない。
平成30年の我が党議員の、一時保護所は2か所でよいのかとの質問に対する答弁で、現在、国において検討が進められている一時保護ガイドラインを踏まえ、今後対応が必要となった場合には一時保護の在り方を検討していきたいと述べている。
そこで伺う。ガイドラインには、付設もしくは児童相談所と密接な連携が保てる範囲内に設置することが盛り込まれた。今回、一時保護所を60人受け入れる施設へ整備が行われるが、大規模なものを1か所にまとめて造るのではなく、児童相談所の近くに併設することが望ましいと思う。
ガイドラインに沿って、一時保護所を児童相談所へ併設や近隣に整備することなどを検討すべきと考えるが、どうか。
【理事者】
国の一時保護ガイドラインにおいては、一時保護施設は児童相談所に付設もしくは児童相談所と密接な連携が保てる範囲内に設置することとされている。
今回の整備は、子どもたちの環境改善と受入れ体制の強化を図るため、建築から53年が経過し、老朽化が進む三河地区の一時保護所について、移転新築を行うものであり、児童相談所への併設ではないが、引き続き児童相談所と密接な連携を図りながら、適切に対応していく。
具体的には、児童相談所職員が定期的に一時保護所を訪問し、面接やカウンセリングを通じて、きめ細かなケアを行うとともに、一時保護所においても、心理療法担当職員が中心となって、日頃の生活や面接等を通じて把握した子どもの状況を児童相談所と共有しながら、支援を行っている。
【委員】
今回、60人規模が固定化されてしまわないか危惧している。
実際に働いたことがある人からは、2か所しかないため、一時保護所へ1時間以上かけて行く必要がある、励ましなどが希薄になってしまうことがあった、本来一時保護所は児童相談所に付設されているべきとの声がある。
今回の愛知県が整備する60人規模と同規模の施設、それを上回る施設は全国にあるのか伺う。
【理事者】
本県が整備する予定である定員60人を上回る施設については、国が公表している資料では、2024年4月1日時点で、札幌市児童相談所の一時保護所の70人がある。また、2025年3月には、大阪市中央こども相談センターが定員60人で開所している。
【委員】
今回の愛知県が整備する60人規模は、日本全国の中でも2番目に大きい施設になる。
今回、老朽化のため整備が必要なことは分かる。しかし、一時保護所を増やすのではなく、大規模なものを造って、従来どおり2か所のままというのは、ガイドラインからも、児童福祉法からも、原則から外れている。児童福祉法第12条の4では、児童相談所には、必要に応じ、児童を一時保護する施設を設けなければならないとある。一時保護所は、多くの子どもたちがケアを必要とし、権利を奪われてきた中で入所する。きめ細かな対応が求められる場所だと思う。
子どもの権利が保障され、安心して過ごし、心のケア、尊厳の回復ができる環境づくりのために、ガイドライン、児童福祉法に沿った対応へ力を尽くすことを要望する。
【委員】
パーキング・パーミット制度の導入について二点質問する。
昨年12月定例議会において、我が党の県議団の議員が、パーキング・パーミット制度の導入について一般質問したところであり、導入を決定したことについてありがたく感じている。
パーキング・パーミット制度の導入により、利用対象者が明確になることで、一般県民の理解が深まり、制度の適正な利用が推進されることや、外見からは判断が難しい障害のある人々にとって必要な駐車区画を安心して利用できる環境が整う。
加えて、他県との相互利用協定を締結することで、県境を越えた移動の際の利便性が向上する。民間施設の協力体制を構築することにより、県全体での包括的な取組を推進することが可能となり、これらの効果により、より公平で利用しやすい駐車環境の実現が期待される。
このように様々な効果が期待される制度だが、導入に当たっては、制度の丁寧な周知と事前準備を行う必要がある。利用証を申請するのは障害のある人などであり、その手続にも配慮が必要であると考える。
そこで伺う。先ほどの委員の質問に対する答弁の中で、啓発のためのリーフレットやポスター等を作成するとあったが、リーフレットはどういったものを作成し、県民に周知していくのか。
【理事者】
啓発のためのリーフレットは、制度の内容を分かりやすく記載したものを、県民向け及び事業者向け、それぞれ作成する。
リーフレットの内容については制度の趣旨などを掲載するが、県民向けにはさらに制度の対象者、申請のための必要書類などを分かりやすく掲載し、事業者向けには専用駐車区画の登録手続や専用駐車区画の明示方法などを掲載する予定である。それぞれ制度を広く活用してもらえるよう、丁寧な説明に努めていく。
【委員】
申請方法は、必要とする県民から事務局へ申請すると聞いているが、デジタルを活用した申請手続の簡素化なども大切だと考える。制度の対象となる人は歩行困難な人であるが、申請手続などで配慮していることがあるのか伺う。
【理事者】
歩行困難な人を対象としているので、対面での受付ではなく、一つは郵送での申請を検討している。その際、利用手数料は徴収しないが、利用証の交付に当たっては、本人に郵送する必要があるため、返信用の郵便切手については負担してもらうことを考えている。さらに、利用者の利便性を図るため、郵送での申請に加えて、県の電子申請システムでの申請を受け付けることを検討している。
【委員】
パーキング・パーミット制度について分かりやすい制度とすることが重要と思われるので、周知に当たっては、制度の意義や利用対象者、利用の手続などを分かりやすく周知するなど、多くの人にこの制度を活用してもらえるよう、しっかり準備することを要望する。
【委員】
予算に関する説明書13ページ、歳出第4款第9項第4目医薬安全費の、あいち健康の森薬草園管理運営事業費の施設整備費について伺う。
薬草園は、薬用植物の活用を通じた心と体の健康づくりに対する意識の向上を目的に、自然との共生や、薬、食を学ぶ場、子どもから高齢者まで誰もが楽しめる憩いの場として、大府市のあいち健康の森公園内に整備し、2015年4月に開園した。
この薬草園には、薬草ゾーン、ハーブ園、薬木の森が配置され、数多くの薬用植物が植栽展示されているとともに、園の中央部には、ボランティア交流センター、研修展示施設があり、園内の収穫物を活用した講座が年間を通じて開催され、多くの人が講座に参加していると聞いているが、人気のある講座ではすぐに定員に達してしまい、参加できない人もいると聞いている。
6月定例議会の一般質問において、我が党の議員より、今年開業10周年を迎えるあいち健康の森薬草園について質問し、大村秀章知事からは、今後も講座の充実を図るとともに、誰でも気軽に参加できるイベントや企画を増やしていくことで、県民に親しみ、愛される薬草園としていくと答弁をもらっている。
そこで、今回の薬草園の施設の充実のため、薬草園へのムービングハウスの整備事業を補正予算の議案として提案しているが、なぜムービングハウスを設置するのか伺う。
【理事者】
今年開園10周年を迎えるあいち健康の森薬草園のさらなる利用促進を図るため、新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金)を活用して、施設運営及び施設利用者の活動に利用できる施設を整備するものである。
整備する施設としては、ムービングハウスと言われる移動式木造建築物を予定している。ムービングハウスでは、子ども向けの講座、例えば自分の好きなハーブを入れた香り袋作り、園内で拾ったドングリを使った工作体験を開催するなど、講座の参加者数及び開催回数の増加を図り、来園者数の増加につなげていく。
【委員】
整備を考えているムービングハウスはどのようなものか伺う。
また、簡易に設置できる建造物としては、ムービングハウスのほか、ユニットハウスもあると思う。今回、ユニットハウスではなくて、ムービングハウスを選定した理由についても伺う。
【理事者】
ムービングハウス及びユニットハウスとも、工場で製造するプレハブ建築である。貨物としてトラックに乗せて輸送できる、高い移動性を有しており、設置場所が自由に選べる。
今回、薬草園に設置するのはムービングハウスで、その大きさは縦6メートル、横2.4メートル、高さ2.9メートルのものとなる。ムービングハウスは一般住宅としての利活用を目的に開発され、木造のため断熱性が高く、夏場でも室温が上がりにくく、冬場でも底冷えしないことから、講座やイベントの開催に適している。
また、薬草園では、特に子ども向けの講座を充実させたいと考えており、主に軽量鉄骨で造られたユニットハウスに比べ、木造のムービングハウスは、木のぬくもりを感じられる内装と自然と調和する外観を備えていることから、薬草園にふさわしいものと判断した。
【委員】
今、大きさを聞いて少し驚いたが、縦6メートル、横2.4メートルの高さ2.9メートル、この中で講座を開催するとして、想定される収容人数が何人か教えてほしい。
【理事者】
先ほど答えたように、大きさがそれほど大きくなく、縦6メートル、横2.4メートルのサイズなので、入ったとしても10人はいかないまで、6人から8人ぐらいまでと考えている。我々としては、今まで予約しないと受けられないような講座等があり、それが定員オーバーして受けられない人もいたので、そういった人や、園内にたくさんいる子どもたち等に声かけし、自由に参加できることを想定して、若干サイズは小さいが、今回の補正を提案した。
【委員】
今回、ムービングハウス1基だけなので、講座に漏れた人がそこで何らかの補足で受けられるという形になると思うが、今後、子どもたちのことを思うと、少しサイズが小さいと思うので、できれば、引き続き継続して考えていくよう要望する。
請願関係
【委員】
請願第47号、「高すぎる国保料(税)の引き下げ等を求める」について、賛成の立場から意見を述べる。
日本共産党が発行しているしんぶん赤旗で、国保料値上げ559自治体と記事が掲載された。愛知県は、4人世帯での計算で見ると、8月時点で42自治体が値上げをしている。値上げ自治体比率77.8パーセントで、47都道府県の中で2番目に多い県となっている。納付金の大幅な引上げなど、国保の都道府県化による値上げが止まらない。
7月10日に、国保料の引き下げを求める愛知の会は、愛知県の財政措置を強化し高すぎる国保料(税)の引き下げを求める署名1万6,431筆を愛知県へ提出した。県民から引下げを求める切実な声が寄せられている。
愛知県の財政で見てみると、国保を1人3万円引き下げるとしたら、約351億円かかる。昨年度の一般会計予算は3兆1,305億3,851万円なので、県予算の1パーセントほどで実現可能である。一般会計から独自の繰入れを行い、国保料(税)を引き下げることを強く求める。
あわせて、子育て支援推進へ、18歳までの子どもの均等割保険料の減免制度の創設も行うべきということも要望し、賛成の意見とする。
一般質問
【委員】
災害時における対応で、二点伺う。
まず、災害時における透析患者への対応について伺う。
全国で慢性透析療法を受けている患者総数は、2023年末の調査で34万3,508人とされている。全人口と比較すると、362人に1人が慢性透析患者となる。
年間の透析導入患者は2020年から年々減少傾向にあり、死亡患者数は年々増加傾向にある。このうち、本県の慢性透析患者数は1万7,871人、本県の全人口と対比すると、418人に1人が慢性透析患者になる。
透析患者は腎臓が働かないため、少なくとも1週間に3回、1回当たり4時間から5時間かけて人工的に血液をろ過して、身体にたまった毒素や余分な水分を取り除く治療により生命活動を維持されている。
自然災害や何らかの事情で透析治療ができない場合、ほかに合併症等のない患者で1週間から10日前後で死に至るとさえ言われている。透析治療は絶対不可欠なものという認識でいる。
透析治療には水道、電気が不可欠であり、大規模自然災害時における透析患者の生命を守るための確実な体制整備が必要だと考えている。緊急時でも持続的な透析治療を確保するため、本県と県内187の透析医療機関との情報の共有と協力体制等の構築、また、透析患者への情報提供が必要だと考えるが、本県の現状について伺う。
【理事者】
県内の透析施設においては、災害発生時には、愛知県透析医会が地区ごとにグループ分けされた透析医療機関の連絡網を活用し、被災状況、稼働状況、患者の受入れ情報を共有、集約する体制が整備されている。
これら愛知県透析医会の情報や厚生労働省が運用する広域災害救急医療情報システム(EMIS)などの情報を基に、愛知県透析医会の推薦により委嘱している透析リエゾンが、愛知県災害対策本部の下に設置する、災害派遣医療チーム(DMAT)をはじめとする保健医療の関係者が一堂に会する保健医療調整本部において、透析医療提供に関する調整を担うことになる。
また、愛知県透析医会からは、透析医療機関から透析患者に対して透析の実施可否や代替医療機関の紹介等の情報提供が災害時に行われることを確認している。
県としては、今後も愛知県透析医会としっかりと連携して、災害時において透析患者が適切な医療を受けられるよう医療提供体制の整備に取り組んでいく。
【委員】
私の周りにも4人ほど透析を受けている人がおり、地域でよく、防災訓練等にも頑張って参加している。そのようなときに、かかりつけの医者には緊急時このような対応をしてほしいとは言うものの、いざ1人で、そのような避難訓練などに参加すると不安が拭い切れないとの話をよく聞くため、県においては、関係機関から丁寧な情報を提供してもらうのと、災害時には、必ずこうしてほしい、ここに行けばこうなるという親切な広報を願う。
次に、災害時の医薬品供給体制について伺う。
大規模災害時の医薬品や医療機器の備蓄、供給は国や自治体、医療関係団体、企業などが連携して体制整備を進めてもらっていると思うが、災害時の医薬品供給体制は、サプライチェーンが寸断されるなど、多くの課題が発生することが過去の災害から明らかになっており、決して心配ないと言い切れる状態ではないと感じている。
特に大規模地震が発生した場合、地域や規模によっては、物流の寸断や医療施設の被災により、ふだんの備蓄、または流通している医薬品や医療機器だけでは物資が不足するリスクがあると考えている。
そこでまず、災害等により医薬品等の不足が生じた場合に備え、県としてどのように取り組んでいるのか伺う。特に透析患者、アレルギー、慢性疾患患者など特別な医薬品を必要とする人への対応が課題となっており、自閉症の支援団体からは、てんかん治療薬や向精神薬が確保されているのか不安に思っている声を聞いた。他の医薬品同様、確保されていると考えてよいのか、併せて伺う。
【理事者】
本県では、発災直後の医療救護活動に必要な医薬品等の備蓄を愛知県医薬品卸協同組合及び中部衛生材料協同組合に委託して実施しており、発災後3日間において必要とされる、けがの治療に用いる医薬品等を中心に備蓄を行っている。
備蓄方法としては、医薬品については10か所、衛生材料については5か所の備蓄倉庫を設け、通常の在庫量に災害時に不足する分を上乗せして在庫する、いわゆるランニング備蓄方式により実施している。
また、東日本大震災においては、慢性疾患用の治療薬等が不足したことを踏まえ、本県では、医薬品等の販売業者から成る関係5団体と医薬品等の優先供給に関する協定を締結している。この協定に基づき、災害時には県の要請に応じて、てんかん治療薬や向精神薬をはじめとする幅広い医薬品等を優先的に供給される体制を確保している。
【委員】
今の答弁で関係団体と締結している協定等により、災害時に滞りなく医薬品が提供されるように備えているとの答えをもらったが、災害時における実際の医薬品等の供給方法がどうなっているのか伺う。
【理事者】
本県では、災害時に滞りなく医薬品の供給が行われるよう、医薬品等の供給方法や連絡方法を記載したマニュアルを作成し、公益社団法人愛知県医師会や愛知県医薬品卸協同組合などの関係団体に配布するとともに県のホームページに掲載している。
災害発生時に医療救護所を設置する市町村等からの要請を受けて、まずは医療圏ごとに保健所に設置する保健医療調整会議において、不足する医薬品等の把握及び供給調整を行う。
なお、医療圏で対応が困難な場合には、愛知県災害対策本部の下に設置する愛知県保健医療調整本部で調整の上、協定を締結している団体に対して供給指示をすることにより、必要とする施設へ供給を行う体制を整えている。
また、県内の備蓄医薬品等が不足する場合には、保健医療調整本部から国に要請を行う。
【委員】
協定やマニュアルは実際に災害が発生した場合に機能しなければ意味がないと考えている。こうした災害時を想定したマニュアルが、実際に災害が発生した場合に機能するかどうか、平時からの取組として、どのような取組をしているのか伺う。
【理事者】
協定を締結している関係団体には、毎年度実施している県の総合防災訓練に参加してもらい、医薬品等の搬送訓練を行っている。
また、これらの関係団体には、毎年度実施している南海トラフ地震時医療活動訓練に合わせて行う情報伝達訓練にも参加してもらい、備蓄医薬品等の被害状況の確認や保健医療調整本部からの備蓄医薬品等の搬送指示に対する対応等の訓練を行っている。
こうした訓練に加え、医療圏ごとに保健所に設置する保健医療調整会議において、不足する医薬品等の把握や供給調整ができるよう、保健所の職員を対象とした研修会を毎年度開催している。
今後ともこうした取組を通じて、災害時に必要となる医薬品等を安定供給できる体制をしっかりと構築していく。
【委員】
もしもがあってはならないが、もしものときにしっかりと対応できるような関係構築をさらに深めてもらい、災害時に備えてもらいたいと要望する。
【委員】
最近、病院が危ないといろいろな報道がよくある中で、公立病院全体の赤字が、2023年度は2,099億円、昨年度は3,952億円と2倍近くになっていると、9月30日に総務省が発表した。また、公立病院全体の83パーセントが赤字、愛知県内でも、個々の病院の状況がほぼ軒並み経常赤字になるようなニュースが出ている。
ただ、こういった大病院だけではなくて、いわゆる個人病院のような医科診療所やクリニックでは、また特有のいろいろな厳しい状況があるので、その辺りについて確認したい。
近年、医療を取り巻く環境は大変厳しい状況にある。長期的な医療費抑制政策の下、診療報酬の伸びが物価や人件費の上昇に追いつかず、経営の基盤が揺らいでいる。その結果、施設の改築や医療機器の導入も困難となり、経営者にとって大きな負担となっている。さらに経営者の高齢化が進む中で、後継者の不在により閉院を余儀なくされる医科診療所が増加しつつある。
こうした動きは、地域住民の医療アクセスの低下を招き、ひいては地域医療そのものの崩壊につながりかねない重大な問題であり、県では医師確保計画に基づき、二次医療圏単位で医師少数区域を指定し、医師偏在対策を行っているものと認識している。
そこで、県内の医科診療所の件数をどのように把握しているのか伺う。
【理事者】
本県では、県内の医療機関から保健所に提出される届出を基に、毎年10月1日現在の医療機関数を集計し、把握している。2024年10月1日現在の県内の医科診療所数は5,790施設であり、10年前と比べ、477施設増加している。
【委員】
次に、国では中小企業に対する事業承継支援が進められているが、医療機関は医療法上、特有の制約が多く、一般的な事業承継支援では十分に対応できないとの指摘もある。
県として、どのような事業承継に資する取組を行っているのか伺う。
【理事者】
医療機関は、安心・安全な医療を提供するため、医療法上、管理者が医師でなければならないなど、一般企業の事業承継とは違い、様々な制約がある。
そうした中、医療法では、医療機関の運営基盤の強化を目的に、医療法人制度が設けられている。医療法人では、診療所の土地建物や医療機器等の資産を法人所有とすることが可能であり、相続や贈与が発生しないことから、事業承継にも資するものと考えている。
医療法人の設立には、都道府県知事の認可が必要となるので、愛知県では、医療法人を設立するに当たって、医療法人設立事務に関する説明会を年2回開催するなど、医療法人設立の支援を行っている。
【委員】
次に、医師偏在対策についてどのような取組を行っているのか、また、診療所の事業承継を含め、今後は医師少数区域に対して、さらなる支援が必要と考えるが、県としてどのように考えているのか伺う。
【理事者】
医師偏在の状況を全国ベースで統一的に算出した医師偏在指標では、県全体では医師少数でも多数でもない都道府県とされている。
一方、県内11の二次医療圏ごとの医師偏在指標を見ると、名古屋・尾張中部医療圏、尾張東部医療圏が医師多数区域、東三河北部医療圏が医師少数区域、残り8の医療圏が医師少数でも多数でもない区域とされている。
本県では、医師偏在対策として、医師免許取得後一定期間、知事が指定する病院で医療に従事することが求められている地域枠医師を、医師多数区域以外で安定的な医師確保が難しい公的病院に派遣している。さらに、自治医科大学の卒業医師を市町村などが設置するへき地診療所に派遣するとともに、へき地診療所の設備整備に対する補助などの支援を行っている。
なお、厚生労働省では、医師少数区域に対する診療所の事業承継などの支援対策について検討が進められている。今後も国の動向を注視していきながら、医師偏在対策にしっかりと取り組んでいく。
【委員】
愛知県医師連盟から、地域医療を維持させるため、経営、法務、税務、人材確保のワンストップで相談できる医業承継支援窓口を愛知県に設置し、承継や再編を支援してほしいとの要望が、自由民主党愛知県支部連合会に寄せられている。こうした窓口の整備について、県として、ぜひ前向きに検討してほしい。
続いて、保育人材の確保について伺う。
私は、昨年の9月定例議会本会議の一般質問において、保育人材の不足が地域の子育て支援に深刻な影響を与えていることを取り上げた。待機児童数は減少傾向にあるものの、保育所や認定こども園の新設、拡充に際し、肝腎の保育士が集まらず、開園が延期となる、あるいは定員割れが発生するという問題が各地で起こっている。
現場の声を聞くと、求人を出しても応募がない、ハローワークに登録しても人材が来ないとの訴えが数多く寄せられている。
一方で、全国的に、保育士資格を持ちながら現場で働いていない、いわゆる潜在保育士は、有資格者全体の半数近くに及ぶとも言われており、この掘り起こしが最大の課題である。
そこで、本県における保育士の充足状況や潜在保育士の数について、どのように把握しているのか伺う。
【理事者】
本県の保育士の充足状況について、保育所等から毎年4月1日時点の現況報告を提出してもらい、保育士等の従事者数を取りまとめている。
あいちはぐみんプラン2020-2024では、保育士、保育教諭の2024年度の目標人数は、常勤換算で3万人となっていたが、2024年4月1日時点の保育士等の従事者数は、常勤換算で3万571人と、計画を上回っている。
また、潜在保育士数は、今年4月末時点の60歳未満の保育士登録者数が約9万2,000人、4月1日時点で保育所等で働いているパート等を含めた保育士の実人数が約4万人なので、ここから推計した潜在保育士は約5万2,000人となっている。
【委員】
保育士の離職の理由については、給与や処遇の低さ、勤務時間の長さや不規則性、精神的負担の重さなどが指摘されている。
そこで、本県として、保育士が継続して働ける環境づくりに向けて、どのような課題を認識しているのか伺う。
【理事者】
保育士が継続して働くことができる環境づくりにおける課題について、昨年6月に県の保育士登録者のうち、1万5,000人を無作為抽出してアンケートを実施した。保育士として働く中で改善してほしい点の1位が給与の改善、2位が職員の増員、3位が事務、雑務の軽減であり、保育士の処遇改善、特に給与面の改善と負担軽減が課題であると認識している。
このため、保育所等で処遇改善等加算の取得が進み、保育士の給与の改善が図られるよう、保育所等から加算制度の相談を受ける市町村職員向けに説明会を開催している。
また、職員の増員に向けては、今年度新たに保育士配置改善事業を実施し、保育士の配置を基準よりも充実する市町村に対し必要な人件費を助成している。
さらに保育士の事務、雑務が軽減され、保育士が本来の保育業務に専念できるよう、保育体制強化事業費補助金により、保育士に代わって遊具の消毒や清掃等の雑務、園外活動やプール活動時の子どもの見守り等を行う保育支援者の人件費等を助成している。
こうした取組により、引き続き保育士が働きやすい環境づくりを進めていく。
【委員】
次に、既存の人材確保施策について伺う。
処遇改善加算や研修制度、復職支援セミナーといった取組が一定の成果を上げているものの、依然として制度を知っていても応募につながらない、登録が煩雑で利用しづらいという声が残っている。
そこで、これまでの施策によって潜在保育士の掘り起こしにどの程度つながっていると評価しているのか伺う。
【理事者】
潜在保育士の再就職を支援するため、県では、愛知県保育士・保育所支援センターを設置し、昨年度は120人が再就職をした。また、潜在保育士向けの就職準備金貸付けを利用した人は39人、潜在保育士向け研修に参加した人は、6回で延べ122人となっている。
また、保育士と共に子どもの世話等を行う保育補助者の人件費等を助成する保育補助者雇上強化事業費補助金について、従来は保育士資格のない人で一定の研修を修了した人が対象だったが、昨年度からブランクの長い保育士の円滑な復帰を支援するため、潜在保育士の雇用にも1年に限って活用できることとなり、昨年度はこの補助金を活用して、18人の潜在保育士が保育現場に戻った。
しかしながら、先ほど答えたとおり、いまだ多くの潜在保育士がいることを踏まえると、さらに再就職支援を進めていく必要があるので、こうした再就職支援制度や研修会等の情報について、より多くの人に届け、潜在保育士の再就職支援、再就職の後押しを進めていく必要がある。
【委員】
ここで、なぜ新たな保育士確保のための仕組みが必要なのか、その背景を整理する。
第一に、ハローワークは、制度上、在職中の転職希望者も利用可能であるが、一般には失業者向けの色合いが強く、実際に働きながら転職を考えている保育士にとっては心理的なハードルが高く、気軽に利用しづらいという課題がある。
第二に、福祉人材センターの福祉のお仕事という就職・転職サイトも存在するが、登録手続が煩雑であり、保育士に特化していないため、使い勝手が悪く、加えて認知度も十分とはいえないものである。
第三に、幼稚園分野では、全日本私立幼稚園連合会等が幼稚園・こども園ジョブナビ、通称幼こジョブナビという全国規模の公式就職支援サービスを提供し、求人情報やスカウト機能、合同就職説明会の運営などを行っている。一方で、保育園については、このような公的性格を持つ専用アプリやサービスが存在せず、保育士は就職・転職活動の際に手軽に利用するツールを持たない状況にある。
第四に、もし県が主体となってアプリを作成し、保育士資格を取得した学生が卒業時に登録する仕組み等を整えれば、それがそのまま就職や転職、さらには再就職の際にも活用でき、潜在保育士の掘り起こしに大きく寄与することが期待される。
以上の理由から、私は、新しいアプローチとして、県が主体となって、保育士専用の転職・復職支援アプリを構築し、運営してほしいと、強く要望するものである。スマートフォンで簡単に登録でき、希望条件を入力するだけで求人とマッチングし、条件が合えば、施設から直接オファーを受け取れる仕組みとすれば、登録への心理的ハードルは大きく下がる。
また、短時間勤務やお試し勤務といった柔軟な働き方を支援する機能を盛り込めば、子育てや介護と両立したい保育士にとって大きな後押しになると確信している。ぜひ前向きに検討するよう要望する。
【委員】
在宅重度障害者手当について伺う。
近年、物価高騰により生活に関わる様々なものが値上がりし、障害のある人々ももちろん生活が苦しくなっている。これは確実なことだと思う。
今回は、全盲の視覚障害者1級の人からもらった要望をきっかけに質問する。
愛知県在宅重度障害者手当の趣旨は、在宅の重度障害者の福祉の増進を図るために支給するものとされている。その対象者は、第1種が身体障害1級あるいは2級かつIQ35以下の知的障害者、第2種が1級、2級あるいはIQ35以下の知的障害者、または身体障害者3級かつIQ50以下の知的障害者である。とりわけ2種に関しては、2008年4月1日以降、65歳以上で新たに手帳を受けた人は対象外となっている。
国の障害者手当は特別児童扶養手当、特別障害者手当、障害者福祉手当や経過的福祉手当などがある。国の手当は物価に応じて手当単価をスライドし、近年、金額が上がってきている一方、本県の独自手当である在宅重度障害者手当については、物価スライド制を導入しておらず、手当単価が変わらないままであるため、物価に合わせた手当単価の改定が必要と考える。
そこで、在宅重度障害者手当について、これまでの手当単価の推移と、2013年に単価を改定以降、改定してこなかった理由を教えてほしい。
【理事者】
在宅重度障害者手当は、在宅で生活している障害のある人の生活費等に係る負担の軽減等を目的に制度化している。
単価については、2000年以降で、第1種については、1万6,100円で推移してきたが、2013年にはそれまでの物価下落分を反映し、1万5,500円に減額した。それ以降については改定していない。
理由としては、本手当は県の単独手当であるため、本県の厳しい財政状況により改定してこなかったことや、物価に大きな変動がなかったため、単価を改定しなかったものである。
【委員】
物価の変動が著しい場合は改正し、緩やかな場合は改正しないのだと思うが、近年の物価上昇は間違いなく物価の変動が著しいといえる。
そこで、在宅重度障害者手当について、物価上昇が著しいため単価を引き上げるべきと考えるが、県としてどのように考えるのか伺う。
【理事者】
消費者物価指数について、ここ3年は2パーセントを超える上昇となっており、委員の指摘のとおり、著しい物価上昇となっていることから、在宅の重度障害者の負担も大きくなっていると推察されるため、単価改定については、今後示される2026年度当初予算編成方針を踏まえつつ、今後しっかりと検討していきたい。
【委員】
来年度の予算編成に関しては、今から年末あるいは年始にかけて固めていくというような形になると思うが、先ほど言ったように物価上昇がここ数年ずっと続いているので、それに見合うような形での改定をしてもらうことを要望する。
【委員】
三つのテーマについて、それぞれ伺う。
まず、一点目は、生活保護に関してである。
参議院選挙で外国人を敵視する排外主義の流れが起こった。その特徴は、他者の存在、他者の尊厳と人権を認めないことにある。外国人は生活保護を受けやすい、外国人の犯罪が増え、治安が悪化している、中国人などに土地が買い占められているなど、根拠のないデマやうそが振りまかれ、生活の苦しさは外国人のせいだという誤った認識を広げている。
その中の一つ、外国人の生活保護が増えている、外国人だったら生活保護を受けやすいといったことについてである。
生活保護法は、対象を国民と定めているが、政府は行政措置で同法に準じて外国人にも保護を行うとしている。国の調査によると、世帯主が外国籍を有する被保護世帯の人数は減っている。2013年度は7万5,248人に対し、2023年度は6万5,683人である。
そこで伺う。愛知県内の世帯主が外国籍を有する被保護世帯の人数について、2013年度と2023年度でそれぞれ示してほしい。また、生活保護の受給者全体のうち、世帯主が外国籍を有する被保護世帯の人数の割合を示してほしい。そして、生活保護が受けられる外国人はどういった人が対象になるのか伺う。
【理事者】
厚生労働省が実施している被保護者調査によれば、県内における世帯主が外国籍を有する被保護世帯の人数は、2013年度は5,668人、2023年度は5,386人である。
生活保護受給者全体に占める同世帯の割合については、県内の生活保護受給者数は、2013年度は7万9,778人、2023年度は7万7,350人であることから、2013年度は7.1パーセント、2023年度は6.96パーセントである。
生活保護の対象となる外国人については、国の通知等により、適法に日本に滞在し、活動に制限を受けない永住者、定住者等の在留資格を有する外国人とされている。
【委員】
今、答弁があったように、生活保護の外国人は少ない状況である。外国人技能実習生や留学生は対象にはなっていない。対象を絞っているのが事実だと思う。
この間、日本国内で増えてきた外国人の約8割が、就労など生活保護の対象外の在留資格の人々である。現在、在留外国人の半数以上が対象外である。非正規滞在者は言うまでもない。
この間振りまかれている、外国人は生活保護を受けやすい、優遇されているとの主張に対して、愛知県としてどのように受け止めているのか。優遇されていないことを、事実をもってしっかり示す必要があると思うが、答弁を求める。
【理事者】
法務省の在留外国人統計によると、県内に在留する永住者、定住者等の在留資格を有する外国人の数は、2023年末は18万4,327人であり、2013年末の14万8,553人と比較して、3万5,774人増加している。一方で、県内の世帯主が外国籍を有する被保護世帯の人数は、2023年度は5,386人、2013年度は5,668人であり、287人減少している(後刻訂正)。
また、外国人に対する生活保護については、国の通知等により、行政上の措置として、一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱いに準じて必要と認める保護を行うこととされている。
保護の内容等については、日本人と取扱上の差などをつけるべきではないとするほか、外国人に対しても、収入や資産の状況を含め、当然、一般国民に対する場合と同じく、保護決定に必要な種々の調査をしなければならないとされており、各福祉事務所は、同通知等に沿って、外国人に対しても、日本人と同様に保護の決定及び実施を行っているところであり、外国人が優遇されていることはない。
【委員】
外国人が優遇されていないと、しっかり答弁をもらった。
日本人も本来受ける権利がある人が受けられていないという実態もある。
日本では、人口の1.6パーセントしか生活保護を利用していない状況で、先進諸外国よりもかなり低い利用率である。生活保護を利用する資格のある人のうち、現に利用している人の割合、捕捉率は2割程度となっている。ドイツは利用率9.7パーセント、捕捉率64.6パーセント、フランスは利用率5.7パーセント、捕捉率91.6パーセントと高くなっている。
生活保護を受けづらくしている背景には、バッシングや人権侵害が生活保護へのハードルを高くしている。また、国が生活保護を引き下げ、最高裁の判決に耳を貸そうとしないことや、生活保護の申請時に財布の中身を確認する実態があることなど、憲法第25条で定められた国民の生存権を守る権利としての生活保護の受給が抑えられてきたことがあるのではないかと思う。
三重県鈴鹿市は、生活保護の申請者に、窓口で財布の中身を箱に出させていたことが明らかになった。25円しかなかった男性は、不安の中で箱にお金を入れること自体が惨めな気持ちだったとしんぶん赤旗の取材に答えていた。鈴鹿市は、市長が謝罪し、自己申告制に改めることになった。
こうした人権侵害を行っているのは鈴鹿市だけではない。中日新聞の9月12日の報道によると、愛知県内でも九つの市で、財布の中身を確認するとの声があったことが分かった。
県の福祉事務所の管轄内では、こうした財布の中身を確認するという鈴鹿市のようなことが行われていたのか伺う。また、県福祉事務所へ、生活保護申請時の所持金の確認方法について、という通知を出したそうだが、その通知を出した日付とその内容を示してほしい。
【理事者】
先ほど答弁した数値に誤りがあったので、訂正する。県内の世帯主が外国籍を有する被保護世帯の人数の減少人数だが、287人と答えたが、282人の誤りである。
引き続き答弁する。生活保護業務において、県は町村を所管しており、地域ごとに5か所の県福祉事務所を設置し、申請の受付や保護費の支給等の事務を行っている。
一連の報道を受けて、県福祉事務所に確認したところ、一部の県福祉事務所において、申請者の了承を得た上で、財布の中の現金を確認した事例があった。
このため、今後は申請者の心情に配慮し、所持金の確認は、原則として申請者からの自己申告のみによることのほか、改めてになるが、面接時において、申請者に対し、所持金を含む現金の正確な申告の必要性について十分に説明を行うこと、面接は周囲から見えない、会話等が聞こえない環境で実施することを徹底するなど、申請者のプライバシーに十分配慮することを内容とする通知を県福祉事務所に発出した。
通知の日付については、2025年9月18日である。
【委員】
一部でも財布の中身を確認したことがあったとのことで、通知を出したという話だった。
生活保護は憲法第25条を具体化したものであり、権利である。申請の際にそうした財布を確認する行為は人権侵害であり、許されないことだと思う。この点について県の認識を伺う。
また、財布の中身を確認していたと報道されている愛知県内の九つの市に対して、県がこのような通知を出したことなどを含めて助言すべきではないだろうか。
【理事者】
申請時の所持金は保護の要否判定に関わるため、正確に把握することは前提としつつ、県としては、申請者の心情に配慮する必要があるとの認識から、県福祉事務所における所持金の確認方法については、原則自己申告のみによるとした。
また、市への助言、指導については、所持金の具体的な確認方法について、厚生労働省に見解を確認したところ、福祉事務所が個別に判断することであり、国として統一的な取扱いを示す予定はないとのことであった。
このため、県としては、市福祉事務所に対し、統一的な指導はしないが、市福祉事務所から県に相談があった場合には、県福祉事務所における取扱いを参考として伝えるなどの助言を行っていきたい。
【委員】
人権侵害とまでは言及しなかったが、通知を出したとのことだった。
また、市に対しては、指導まではできないというのは、それはそうだと思うが、今回出した通知の内容について相談があった場合は、その取扱いについて伝えていくとのことだったので、それはぜひやってもらいたい。こうした財布を確認する行為が人権侵害であり、許されないという認識の下に立ってもらいたい。
生活保護の申請は国民の権利だということを広く広げていくこと、生活保護法に違反した行為や無法な指導をやめさせ、必要な人がきちんと保護を受けられるようにすることが求められている。
生活保護引下げという深刻な問題もある。2013年から2015年に政府が行った生活保護基準引下げについて、最高裁の統一判断は、厚生労働省が用いた指標や手続に過誤、欠落があったとし、保護費削減を違法と認定した。
この判決は、国の生活保護行政が、個人の尊厳、憲法第13条、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利、憲法第25条第1項、生活保護法第3条を侵害し続けたことを厳しく断罪した画期的判決である。
この認定までの間に、裁判を起こしてから、全国で原告の少なくとも232人が亡くなっている。最高裁判決後にも猛暑なのにエアコンを設置できない神奈川県の原告が亡くなった。愛知県でも3人が亡くなった。
顔も名前も出して裁判を闘ってきた愛知県の原告は、保護基準の引下げで1日1食の生活になった。風呂は夏でもシャワーで週1回になった。最終的な判断が出て、これで終わる、やっと報われる、そう思っていた。いつまでこの生き地獄を続ければいいか。速やかに最高裁判決に従った謝罪と遡及支給、そして検証、再発防止を求める。これは、厚生労働省が設置した専門委員会の会合で、弁護団、原告が行った意見表明で述べられた内容である。生存権を脅かす事態が続いている。命に関わる被害の回復は急務である。
そこで、生活保護基準引下げ訴訟、いのちのとりで裁判最高裁判決を踏まえ、被害の回復へ生活保護利用者に謝罪し、引下げ前基準と差額補償費の遡及支給、検証を行うことを国に求めるべきと考えるが、どうか。
【理事者】
生活保護の基準については、生活保護法に基づき厚生労働大臣が定めることとされている。また、今回の判決を受けて、国は、最高裁判決への対応に関する専門委員会を設置し、判決の趣旨及び内容を踏まえた今後の対応の在り方について、学識経験者による検討を進めている。県としては、こうした国の動向を注視し、国から今後の方針が示された際には、速やかに対応していく。
【委員】
注視だけではなく、先ほども話したように、愛知県でも亡くなっている人がいる。このような状況で、本当に命がかかった問題なので、これはぜひ権利の回復として、国が早急に対応すべきと県からも求めていく必要がある問題だと思う。
健康で文化的な最低限度の生活を営む権利、生存権が保障される生活保護にしていくことを求める。
続いて、加齢性難聴者への支援、補聴器購入助成について伺う。
高齢化が進むとともに、耳が聞こえづらくなる加齢性難聴がある。国立研究開発法人国立長寿医療研究センターは、難聴有病率、軽度難聴以上の難聴がある人の割合は65歳以上で急増し、70歳代前半では男性の約5割、女性の約4割、70歳代後半では、男女とも約7割、80歳代では男性の約8割、女性の約7割に軽度難聴以上の難聴が見られると解説されている。
また、国立研究開発法人国立長寿医療研究センターを中心としたグループの研究では、海外の研究から、難聴は認知症の危険因子であることが分かった。地域在住高齢者では、難聴があると認知機能低下の合併が1.6倍多いことが分かったと明らかにされていた。
さらに、国の認知症施策推進大綱でも、認知症の予防、診断、治療、ケア等のための研究について述べている項目で、認知症の危険因子の一つに難聴があることが示されている。
まず、認知症と加齢性難聴との関連について、県の認識を伺う。
【理事者】
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター等の研究によって、難聴と認知機能低下の関連性は指摘されている一方、難聴になった結果として認知症になるのかといった因果関係については、現時点で明確になっていないとも聞いている。
今後も、認知症発症のリスクとなる問題として、関連する研究等を注視していく。
【委員】
国の大綱でも示されている、このようなこともあるので、この問題はよく見てもらいたい。
加齢性難聴は認知症にとどまらず、コミュニケーションの低下、うつ病、社会的孤立など、身体的、社会的な問題にもつながっていく可能性がある。
年金者組合が現在行っているアンケートで回答した全員が、聞こえが悪くて困ったり問題を起こしたりすることがあると答えていた。会話が正確に聞こえないため、誤解することが度々ある、大きな声で話してといってしまうことがある、映画を見ていて、せりふが半分ぐらい聞こえなくてショックだったなどの声が寄せられている。
また、聴力の低下により、会議中のほかの人の声は聞こえない。面倒くさい話を聞こえないほうがよいと思い、そのままにしていた。そうすると、困ったことに不自由が出てきて、何度も聞くと怒られるようになった。大きい声で話してくると怒られてばかりのようで、気分が落ち込んでしまう。耳の不自由さが生活全般に悪い影響を及ぼすようだという経験談が、年金者組合のニュースで紹介されていた。
そこで、生きていく中で大きなリスクが高まる加齢性難聴、聞こえの支援の重要性について、県の認識を伺う。
【理事者】
聴力は、生活の質を維持していく上で大変大切であり、聞こえづらさを感じたときには、早めに医師等に相談してもらい、状況に応じて、生活上のアドバイスや医療的な支援を受けてもらうことが望ましい。
【委員】
早めの診断とも答弁したが、現時点で加齢性難聴に対して、聴力そのものを改善する治療はない。できるだけ早くから補聴器を使って聞こえを改善し、言葉を聞き分ける能力を衰えさせないことが重要だと思う。
東京女子医科大学附属足立医療センターの耳鼻咽喉科の水足邦雄准教授は、使わない筋肉が痩せていくのと同じで、言葉を理解するのを諦めると、理解できる言葉を聞いても、脳が即答しなくなる、人との会話がおっくうになり、社会活動が低下していくリスクをこのように例えている。そのリスクは補聴器を使うことで予防可能だと説明している。
ところが、一般社団法人日本補聴器工業会がまとめた世界16か国の補聴器普及率の調査報告では、イギリス53パーセント、フランス46パーセント、ドイツ41パーセント、韓国37パーセントなどと続き、最下位の中国10パーセントに次いで低いのが日本の15パーセントとなっている。普及率が低い要因は幾つかあるが、その中で、購入時の費用助成が低いこともある。
補聴器は小型で精密な機械のため、それなりに値段が高くなる。年金者組合のアンケートの中でも、両耳での購入費は30万円から40万円との回答があった。一番低いほうでも10万円だった。片耳でも20万円から30万円という回答だった。
高額の費用負担から使用をちゅうちょする人を減らそうと購入助成を行う自治体が増えていった。愛知県内で補聴器購入助成を行っているのは30市町村、56パーセントで過半数を超えた。しかし、所得制限の有無など、市町村によって様々である。都道府県では、東京都に続いて、山梨県が市町村補助を開始したそうである。
補聴器は一度購入したら終わりではなく、電池の購入費や、5年後にも買換えが必要である。また、補聴器は自分に合うように購入する、そのような調整も必要である。憲法第25条、健康で文化的な最低限度の生活を保障するために公的な支援が必要である。
そこで伺う。補聴器は社会参加の必需品であるにもかかわらず、年金などで暮らす低収入の高齢者には、手が届かないほど高額である。加齢性難聴者へ聞こえの支援として補聴器購入助成を県として行うべきと考えるが、どうか。
【理事者】
高齢者を含め、身体障害者手帳の交付対象となる聴覚障害がある人に対しては、補聴器の購入等に要した費用について支給制度がある。
身体障害者手帳の交付に至らない加齢性難聴者への助成制度の導入については、高齢になると、聴力に限らず、様々な身体機能が低下するところであり、これらについて、どこまで公費による助成を行うことが適切かどうかも含め、慎重に対応する必要がある。
【委員】
慎重に対応とのことだが、これは本当に社会参加ができなくなる、家から外に出るのも耳が聞こえづらいことで社会参加が難しくなっていくことがあるので、積極的に公費をしっかり検討していく必要があると思う。
しんぶん赤旗の記事によると、東京都港区では、補聴器相談医が補聴器の装用を必要と認めた60歳以上の住民に13万7,000円まで助成する。住民税課税者には2分の1、制度を始めた2022年度の利用は523人と、当初の見込みの220人を大きく上回ったそうである。住民からは、制度があったから購入できた、聞こえるようになり、集まりにも行けるようになったなどの声が寄せられたとのことである。
聞こえの支援を市町村は既にやっているが、県として、聞こえの支援や補聴器利用の促進を図り、生活のリスクを軽減し、高齢になっても自分らしく生きていけるように、補聴器購入助成の検討をぜひ願う。
先ほど、早期発見との発言もあったが、早期発見のための検診や相談支援、適切に補聴器の調整が行われるための仕組みづくりも必要である。世界保健機関(WHO)は、平均41デシベル以上しか聞き取れない人に補聴器の使用を推奨している。難聴を悪化させないためにも早めに手を打つことが必要である。
しかし、一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会によると、日本は難聴を感じた際の受診率が低いと、補聴器普及率の低さの理由の中で述べられている。
そこで、県は早期発見、早期対応が重要という認識を持っているか伺う。また、早期発見のための検査の必要性とその費用への財政支援、相談支援など、当事者や専門家の意見も聞き取り、検討してほしいが、どうか。
【理事者】
聴力に限らず、心身の機能の低下や不調を感じた際は早めに医師や専門職に相談してもらうことが重要と認識している。
加齢性難聴の早期発見・早期対応については、厚生労働省が令和5年度及び令和6年度に、難聴高齢者の早期発見・早期対応に関する調査研究事業を実施しており、事業の中で作成された難聴高齢者の早期発見・早期介入等に向けた手引きとその活用について、厚生労働省から市町村等へ周知している。
財政支援や相談支援等については、先ほどの答弁とも重なるが、県としては、高齢になると聴力のみならず、様々な身体機能が低下するところ、これらについて、どこまで県として公費による支援を行うことが適切かどうかも含め、慎重な対応を要するものと考えている。
【委員】
この点について大変消極的だと思う。
2025年3月7日、一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会含め8団体が、共生社会の実現と健康寿命の延伸を目指した加齢性難聴対策に関する共同宣言を出した。
その中で、加齢性難聴はコミュニケーションの低下だけではなく、認知症やうつ病、社会的孤立といった様々な身体的、社会的な問題につながる可能性がある。それら心身への悪影響を防ぐため、中年期以降、老年期になるまで医師による適切な健康管理を受ける必要がある。健康寿命の延伸には、聴覚を最大限に活用したコミュニケーションの早期支援の導入が大切である。そのため、全ての世代に難聴スクリーニング制度の整備、医師による医学的管理を認知症や軽度認知障害の人も含む全ての高齢者に対し行うことが重要だと述べられている。
宣言では、宣言1、難聴者が自信を持って生活できる共生社会づくり、宣言2、難聴の進行の軽減と新知見の獲得、宣言3、聴こえ8030運動という、80歳で30デシベルの聴力または補聴器をした状態で30デシベルの聴力を保つ国民啓発活動を支援し、健康寿命延伸に貢献する、宣言4、欧米と比べ、難聴者の補聴器や人工内耳の装用率が低い現状打破を目指し、難聴を感じた際の受診率、医師から補聴器を提案される率、補聴器の満足度、補聴器購入を助成する自治体の比率の4項目について80パーセント以上という数値目標を設定し、段階的に達成を目指す、このようなことが書かれている。
ぜひ、この宣言を受け止めて、県として、加齢性難聴への支援を積極的に取り組んでいくことを強く求める。
続いて、福祉医療委員会で視察した愛知県がんセンターについて質問する。
昨年4月に新愛知県がんセンター基本構想、今年3月には整備基本計画が発表された。愛知県立病院の柱である愛知県がんセンターの現状と今後について伺う。
現在、愛知県には、国が指定するがん診療連携拠点病院が19か所、県が指定するがん診療拠点病院が10か所ある。二次医療圏ごとに見ると、愛知県がんセンターがある名古屋・尾張中部医療圏には合計12病院あるが、東三河北部医療圏には一つもない。
国は今、がん医療について、医療機関の競合ではなく、連携と機能分担を進めるとしている。あわせて、がん医療の均てん化として、どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるように、医療技術等の格差是正を図るとしている。
まず、現在のがんセンターについて、どのような役割があるのか伺う。
【理事者】
2023年3月に策定した病院事業中期計画(2023)において、がんセンターの目指す方向を、病院と研究所が一体となって、高度な医療安全のもとで明日の医療を開発する総合がんセンターとして強みを発揮し、愛知県から日本をリードする、独創的ながん医療・研究を推進するとしている。
がんセンターは県全体のがん診療体制の中核を担う都道府県がん診療連携拠点病院に指定されており、愛知県がん診療連携協議会を運営するなど、本県のがん医療の中心的施設として、ほかの拠点病院等と連携し、県内のがん医療水準の向上に努めている。
【委員】
研究の機能と、ほかの病院では対応できないがんの治療なども担う、また、予防から治療、リハビリ、緩和ケアなど、総合的な機能の充実など、県立センターならではの積極的な役割を担っていると思う。
また、県立のがんセンターは、単に名古屋・尾張中部医療圏の拠点病院の一つにとどまらない全県的な役割を果たしている。
ところが、整備基本計画では、センター病床数を現在の500床から410床へ、90床も削減する計画である。あまりにも大きな削減計画である。
そこで伺う。基本計画策定時点では、がんセンターがある名古屋・尾張中部医療圏は、愛知県地域保健医療計画ではオーバーベッド地域として、病床削減の対象エリアとなっていた。がんセンターの病床削減は、二次医療圏の病床削減の一環なのか。臨床と密接につながった研究機能の強化にも、病床数の維持は不可欠ではないか。愛知県全体のセンター機能を果たすには現在の病床数を維持すべきではないか。
【理事者】
整備基本計画で示した新愛知県がんセンターの病床規模410床は、がんの治療が入院から外来にシフトしていることや、平均在院日数が短縮しているなど、最新のがん医療を取り巻く状況を踏まえて設定したものである。
なお、この410床は、二次医療圏ごとに定めた基準病床数を踏まえて設定したものではなく、新しいがんセンターに必要となる機能を実現するために適切な規模として設定しているものである。
【委員】
命を守るためにも、病床削減は見直すべきだと思う。
病床を削減する一方で、整備計画では病棟の個室化を推進するとある。プライバシーや感染対策としての個室化は必要だが、気になるのは患者の負担である。最先端のがん治療にはただでさえ保険適用外の高額な費用の発生ケースが少なくない。部屋代、いわゆる差額ベッドも大きな負担だが、これは病院の裁量で料金を設定できる。患者負担を抑えるために努力ができる分野である。
現在は、500床のうち、特別室は4ランクあるが、全部で93床、病床数の18パーセント、1日8,800円から最高額は3万7,400円である。1泊すると2倍になる。現在特別室のランクごとの病床稼働率はどうなっているのか示してほしい。
個室を増やすことが整備計画に示されている。料金を値上げせず、有料個室の割合は現状維持し、患者負担を抑えるべきと考えるが、どのような視点で個室を検討していくのか。
【理事者】
がんセンターには現在、広さや設備などの違いにより、A室からD室まで4種類の有料個室があり、昨年度の決算ベースの利用率は、最も広いA室が91.1パーセント、以下、B室が93.2パーセント、C室が95.9パーセント、D室が98.7パーセントとなっており、有料個室全体で95.5パーセントと非常に高い水準である。
新しいがんセンターの有料個室については、現在の個室の利用状況のほか、他県のがんセンターや近隣医療機関等の状況も参考にしながら、今後適切な設定となるよう検討していきたい。
【委員】
これから考えていくとのことだが、ぜひ負担を増やすことがないようにしていくことが必要ということを重ねて、この点は指摘をしておきたい。
計画の中では相談支援の充実・強化も位置づけられている。視察に行った際に、がんセンターのメディカルソーシャルワーカーから、人手不足の深刻な現状を聞いた。
センターに来る患者の多くが身体的につらいだけでなく、精神的にも経済的にも社会的にも苦しみ、家族や仕事の関係でも様々な負担を抱えており、ソーシャルワーカーの役割は他の病院にも増して重要である。加えて、県外からも相談がある。たくさんかかってくる電話を取り切れないときもあることも聞いた。来院前後の人からも頼りにされている。
患者や家族がいつでも安心して相談できる体制を整えることは急務である。センターの建て替えを待つことなく、メディカルソーシャルワーカーの体制を直ちに改善すべきと考えるが、どうか。
【理事者】
がんセンターの相談支援体制については、都道府県がん診療連携拠点病院の役割を果たすとともに、患者や家族のニーズに応えるため、メディカルソーシャルワーカーの定数を増員し、2023年度から2人体制として、療養に関する相談や社会復帰に向けた相談支援体制の強化を図っている。
しかしながら、メディカルソーシャルワーカーの充足状況については、社会福祉職へのニーズの高まりによる人材不足の影響から、2025年10月1日現在、定数2人に対し1人の欠員となっている。
社会福祉職の充足に向けては、通常の職員採用試験に加えて、受験資格の年齢要件を30歳から61歳までに設定した特別募集も実施するなど、県全体で人材確保に努めているところであり、今後とも相談支援体制の充実に努めていく。
【委員】
ぜひ相談体制の充実を願う。
整備手法についても伺う。整備計画では建て替えにはPFI手法を導入し、発注を効率化する、病院部門の運営にもPPP手法の導入を検討する、その事業範囲は今後検討するとしている。
病院へのPFI手法の導入について、幾つかの課題が指摘されている。
第一に、変化への対応に追われることである。長期間の業務委託まで一括発注できるのがPFIのメリットとされているが、医療技術の進歩、変化のスピードが速く、医薬品や検査など医療費用の増大も予想を超え、設定した範囲の予算と人では業務をこなせず、契約の変更が頻繁に必要になっている。
第二に、チーム医療に支障が出て、非効率になりかねないことである。医療本体と関連サービス部門が別々の管理となり、病院内の指揮系統が複雑になる。
第三に、競争性が確保されなくなっている。1者だけの応募が増えている。競争原理が働かず、逆に企業に言われるまま費用が増加することになりがちである。
加えて、愛知県では研究所と病院が一体となったセンターである。その特性を発揮するのに、PFI、PPP手法が最適なのかよく考えてみる必要がある。なぜPFI、PPPの導入を計画したのか、病院におけるメリット、デメリットについてどのような検討がされてきたのか。
【理事者】
PFI、PPP手法の導入により、民間事業者のノウハウを活用し、設計、建設、維持管理、運営までを一体的に行うことで、事業コストの削減と質の高いサービスの提供が期待されるというメリットがある。このため新がんセンター整備においては、このメリットを生かせるよう、PFI、PPP手法を導入することとした。
なお、委員から指摘のあった、変化への対応に追われ、契約の変更が頻繁に必要になることについては、基本構想において、将来的な医療の変化に柔軟に対応することとしており、PFI導入によるデメリットとは考えていない。
また、チーム医療に支障が出ることについては、病院が行う医療分野はPFI事業の対象外となるので、そうした問題はないものと考えている。
さらに、競争性が確保されないとの指摘については、複数の企業が入札に参加し、競争性が確保できるよう、参入可能性のある企業に対し、サウンディングを行い、企業側からの意見や提案など幅広く聴取していく。
【委員】
幾つか答弁してもらったが、ある病院では、医療技術や診療改定など、変化が早く、困難があると、PFI方式を断念したケースもあるそうである。これは慎重に検討する必要があると思う。
愛知県がんセンターの将来構想を検討する新愛知県がんセンター整備有識者会議は4回開かれているが、県の政策調整監と政策顧問がオブザーバーとして参加している。
端的に伺う。政策顧問は、建設コンサル会社の社長であり、医療とは畑違いの人だと思う。保健医療局で招いたのか。それとも顧問から参加したいとの希望があったのか。
【理事者】
政策顧問については、社会基盤整備について豊富な知見を持っており、基本構想策定に当たり助言、意見を参考にするため、オブザーバーとしてこちらから参加をお願いした。
なお、医療については、国立がん研究センター名誉総長や名古屋大学医学部附属病院病院長などの専門家に委員として参加してもらっている。
【委員】
今、包括外部監査の報告で、政策顧問の役割について、とりわけPFI手法との関係で幾つか問題が指摘されている。そうした現状がある下で、私は政策顧問の関与は遠慮してもらうべきと考える。
意見を聴かなければいけないのは、PFI推進の政策顧問ではなく、がん患者とその家族、支援者だと思う。専門的な検討事項も多いと思うが、がん患者やその家族など当事者の参加が、がんセンターの整備計画には欠かせないと思う。
基本構想の策定に当たっては、患者の声や意見を聴いたのか。当事者の声、患者の声を聞く場を設ける、そういった考えがあるのか。
【理事者】
基本構想の策定に当たり、新愛知県がんセンター整備有識者会議の委員として、認定NPO法人マギーズ東京共同代表理事で、マギーズ東京センター長の秋山正子氏に就任してもらった。マギーズ東京では、心理的・社会的支援を必要とするがん患者やその家族が、看護師や心理士に気軽に相談ができる施設を運営している。
有識者会議においては、秋山正子センター長から患者目線での意見をもらった。今後もマギーズ東京の秋山正子センター長には必要に応じて意見をもらっていく。
【委員】
そうした声をぜひ聞いて、また今後これから進んでいく中でも幅広く聞いていくことも検討してほしい。
今回の整備に当たって、効率化やコストカットではなく、県民の医療、命を守る重要な役割を果たす病院の体制を維持していくことを要望する。

愛知県がんセンター
【委員】
看護師の人材確保に向けたプラチナナース及びスポットナース事業の取組について伺う。
少子・高齢化の進行により、医療人材の確保は喫緊の課題となっている。
愛知県が実施した2024年度医療機関等看護職員需要調査によれば、病院の約4割、介護老人保健施設の約3割以上で、看護職員の欠員があるなど、医療、介護現場では人材不足が続いている。また、60歳以上の看護職員の新規採用も、介護老人福祉施設で約6割、病院も約4割実施しており、今後は、定年退職前後の経験豊富な看護職の人がさらに活躍することが予測される。
こうした状況を踏まえ、愛知県が公益社団法人愛知県看護協会に委託している愛知県ナースセンターにおいては、看護職員の多様な働き方を支援するための事業を幾つか実施していると承知している。
この事業の中で、プラチナナース事業があり、これは、定年退職前後の経験豊富な看護職の人が自己のセカンドキャリアを考え、自分自身のライフステージに合った環境で看護職として活躍し続けることができるように支援する事業であり、55歳以上の看護職を対象に登録制度を設け、地域の中小病院等の看護職を対象とした研修や相談支援を行っていると聴いている。
プラチナナースが豊富な知識や技術を生かす仕組みとして、この事業は非常に重要である。特に慢性的な人材不足に悩む医療福祉現場において、プラチナナースは即戦力として期待される存在であり、若手職員への指導的役割も大いに果たしてもらえると考える。
また、今年度7月から隙間バイトの仕組みを取り入れたスポットナース事業を開始したと聞いている。この事業は、育児や介護の中、短時間や単発勤務で働きたいと思う人などが、時間帯や日数に応じて就業ができる仕組みで、急な求人があった際に、ナースセンターがマッチングして、施設にスポットナースを紹介するというものだが、様々な事情で潜在看護師になった人の再就業を促すきっかけとなる有効な手段であると考える。また、医療機関側にとっても、繁忙期や急な人員不足への対応策としても有効な取組だと考える。
そこで伺う。プラチナナース事業について、現在の登録状況と取組実績について伺う。また、スポットナース事業についても、まだ始まったばかりとは聞いているが、現在の登録状況と取組実績について、そして今後はどのように取り組んでいくのか、考えを伺う。
【理事者】
愛知県では、昨年4月から、本県が公益社団法人愛知県看護協会に設置している愛知県ナースセンターにプラチナナースサポートセンターを開設し、プラチナナースの登録を開始した。本年9月末現在で1,182人が登録している。
このプラチナナースサポートセンターでは、登録者への就労支援を行うほか、200床未満の中小規模の病院などにプラチナナースを派遣し、新人教育や看護管理などの支援を実施している。
また、プラチナナースの登録者数をさらに増やしていくため、第一線で活躍しているプラチナナースを講師に招き、定年を控えた看護管理者を対象に、定年後の継続就業をテーマとした研修を開催している。昨年度は研修を3回開催し、計265人が受講した。
今後も経験豊かなプラチナナースが活躍できるよう、こうした取組をしっかりと進めていく。
次に、スポットナースの登録状況だが、現在試験的に登録施設を名古屋市内の診療所に絞って事業を実施しており、9月末現在で登録者数は326人、求人施設の登録数は29施設となっている。
取組実績としては、18施設から出された175人の求人に対し、58人の応募があり、39人の採用に至っている。
今後の取組は、実践件数を踏まえながら、実施地域や対象医療機関の拡大について、事業の委託先である愛知県看護協会と調整していく。
【委員】
現在、委託事業として、この支援事業をしているわけだが、短期間で成功に導くためにはどのようなことが必要と考えているのか。
【理事者】
早期の実用に向けてとのことであるが、まだスポットナースについては、周知が足りていないと考えているので、周知に向けての取組をしていきたい。
【委員】
今年度は名古屋市内でのモデル実施とのことだが、労働力不足が加速する中、県内の施設や診療所、病院にも対象を拡大していくことが求められていると思う。
今後継続していくためには、求人を必要とする施設等の事前登録の支援や、急な求人への迅速な対応、研修をする専従の人員配置などが必要になってくると思う。県としても、そういった人員を確保できるよう、財政的支援を考えるよう要望する。
次に、令和3年9月に施行された医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律に基づき、各自治体において医療的ケア児受入れ体制の一層の整備が進められているので、その件について伺う。
全ての医療的ケア児が安全・安心に保育や学校教育などが受けられる機会を保障するためには、在籍する医療的ケア児に対応できる医療的ケア看護職員の配置が不可欠である。
そこで、現在、愛知県内の医療的ケア児は何人いるのか。また、通園・通学先に看護師が配置されていないため、保護者が付き添っている割合はどれぐらいなのか伺う。
【理事者】
本県が2019年度に実施した医療的ケア児者実態調査では、名古屋市を含め、 0から17歳の医療的ケア児が1,391人となっている。また、本年4月に市町村に実施した調査では、名古屋市を含め、医療的ケア児が1,493人となっている。
次に、通園・通学先に看護師が配置されていないため、保護者が付き添っている割合だが、名古屋市を除くデータになるが、2019年度に実施した医療的ケア児者実態調査によると、看護師が配置されていないため、保護者が付き添っているが3.4パーセント、看護師は配置されているが、常駐していないため、保護者も連携して対応しているが3.4パーセント、看護師は常駐しているが、学校等の希望により保護者が対応しているが17.2パーセントとなっている。
なお、本県では、今年度、医療的ケア児者実態調査を実施しており、年度内に取りまとめる予定である。この調査により、県内の医療的ケア児の対象者数、生活状況、支援ニーズ等を把握し、県及び市町村が実施する施策の基礎資料としていきたい。
【委員】
全ての医療的ケア児が安全・安心に保育や学校教育が受けられる機会を保障するためには、在籍する医療的ケア児に対応できる医療的ケア看護職員の配置が不可欠である。
しかし、医療的ケア看護業務は、病院等の看護業務とは異なって、他の医療職が現場にいない等の環境で、様々な特性のある医療的ケア児の看護業務となるため、不安感や孤立感が高いといった実態がある。そのため、法律施行後も、募集していても看護職員が集まらないなど、医療的ケア看護職員の確保には課題を抱える自治体の割合が高いことが報告されている。
医療的ケア児や家族の安全・安心のためにも、医療的ケア児を継続的に支援してきた病院看護師や訪問看護師が引き続き、保育園や学校等において看護業務ができるよう、財政的な支援を含めた体制の構築が必要と考えるが、県としてはどのように考えているのか。
【理事者】
保育園、学校現場における看護師の確保として、保育園の看護師の確保に関しては、医療的ケア児保育支援事業費補助金があり、私立幼稚園については、愛知県私立幼稚園医療的ケア看護職員配置事業費補助金がある。
こういった制度をもって各保育、学校の現場において、看護師が配置されることへの補助を行っている。
【委員】
補助が行われているのは分かるが、募集をしても看護職員が集まらないことが公益社団法人愛知県看護協会から来ている内容である。我が党に愛知県看護連盟から要望されたのは、財政的な支援はもちろんだが、そういった募集をしても看護職員が集まらないといったところで、愛知県としても、ぜひそういったことの周知に対する支援なども行ってもらいたいので、よろしく願う。
次に、9月2日にIGアリーナで行われた愛知県社会福祉大会について伺う。
愛知県社会福祉大会に出席し、今回は、昨年までと違ってIGアリーナでの開催だった。県体育館で開催していた昨年までの社会福祉大会と、今年、IGアリーナで開催された社会福祉大会と、会場の広さも違い、来場していた人もかなり多かった印象だったので、この大会に参加している障害者への合理的配慮について伺う。
この社会福祉大会は、愛知県知事、名古屋市長、社会福祉法人愛知県社会福祉協議会、社会福祉法人愛知県共同募金会の4者の連名で案内があり、昨年までは県体育館での開催で、今回はIGアリーナでの初開催だったので、かなり状況も違うのではないかと思い、期待して行った。
この愛知県社会福祉大会の障害者への配慮については、誰が考えて運営しているのか。
【理事者】
愛知県社会福祉大会については、愛知県、名古屋市、県社会福祉協議会、県共同募金会の4者が共催となっているので、4者で協議の上、必要な配慮を判断し、大会を運営している。
【委員】
その4者のうちのどこが、要配慮者への対応を考えたのかが分からないが、私たちは舞台上に上がっており、舞台上から見ると、会場内に案内表示などがすごく少なかったように感じた。
舞台上で私たちが着席していた場所は手話通訳者が見えるか見えないかの角度だったが、その横に手話通訳の内容が表示されるスクリーンが置いてあり、表示されている内容は文字数が少なく、どんどん次に行って消えてしまい、なかなか読み切れなかった印象もあったので、実際に会場内にいた聴覚障害者が肉眼で見えたのか心配になった。
今回の会場は広く、国会議員が来賓に来ていたこともあるからか、舞台から客席までの距離がすごく離れていた。これは警備の関係なのかもしれないが、かなり客席が遠かった気がするので、その席に座っている人たちが、手話をしている手元や文字などが本当に読めたのかどうか心配になった。
実際にそういった配慮が必要な人は来ていなかったのか、また、そのような意見はなかったのか伺う。
【理事者】
愛知県社会福祉大会においては、ステージ上の手話通訳者や会場前方の要約筆記を映し出すスクリーンが見えやすい位置の観客席に、聴覚障害のある人が座る専用スペースを確保している。また、会場入り口や受付の分かりやすい場所に、会場の大きなレイアウト図を掲示し、手話通訳や要約筆記、マイクからの音声を補聴器や受信機に無線で伝え、クリアな音声にする設備である磁気ループの設置場所を表示し、参加者に案内している。
配慮が必要な人がいたかどうかについては、参加者の受付時に聴覚障害の有無について確認をしていないので、把握していないが、聴覚障害のある人の専用スペースに数人が座っていたことは確認している。
なお、参加者から、手話通訳者や要約筆記を映し出すスクリーンが見えにくいなどの意見は特段なかった。
【委員】
今回、IGアリーナの2階席も結構な人数で埋まっており、舞台上から見ても、IGアリーナでは初開催だったというのもあり、興味深く参加してもらえたのかと思う。
今後もIGアリーナで開催されるのであれば、IGアリーナはもともとスマートアリーナとうたって造られていることもあり、デジタル技術がたくさん埋め込まれているので、そういったものを最大限に活用してもらい、例えば大きなスクリーンに手話通訳者の内容を映し出すなど、表現の仕方はたくさんあると思うので、合理的配慮を十分に考えてもらい、今後実施してほしい。
要配慮者がどこにいるかも、受付でチェックしているわけではないとのことなので分からないと思う。広く皆に見てもらえる、せっかく手話通訳しているなら、その内容がしっかり必要な人に伝わるような配慮をしてほしいことを要望する。
【委員】
子どもが輝く未来基金について伺う。
10月に入り、ようやく暑さも一段落の気配が漂い始めている。それにしても、今年は本当に暑い夏だった。そんな暑さの中、何を飲みたくなるか。私は、冷たく爽やかな刺激を求め、レモネードが欲しくなる。
さて、レモネードスタンドという活動を知っているか。レモネードの販売を通じて子どもたちを助ける寄附金を集める活動である。
2000年、アメリカに住む4歳の少女が自宅の庭先でレモネードスタンドを始めた。小児がんを患い、治療中であった彼女は、がんにかかった子どもたちの治療薬の研究が進むようにと、レモネードを売って、そのお金を病院に寄附したいと、自らスタンドを開いた。すると、近所の人たちが少女の夢を応援しようと、レモネードを買い求め、初日から大盛況となる。そして、少女の起こした奇跡はメディアでも取り上げられ、その活動は各地へと広がっていった。
この活動は今、日本にも広がっている。この夏、某コンビニエンスストアで販売されたレモネードキャンペーンでは、売上げの一部が小児がん患者の支援に活用された。また、今週日曜日に愛知県医療療育総合センターで開催されたふれあいフェスティバルの中にも、レモネードスタンドのブースがあった。多くの人の気持ちから福祉の輪が広がることは大変すばらしいことであると思う。
本県では、県民の皆様からの寄附の受け皿として、子どもが輝く未来基金を設立しているが、まさに県民と共に福祉の輪を広げていくための有効な取組の一つであると考える。
そこで、子どもが輝く未来基金について数点質問する。
初めに、子どもが輝く未来基金がどのような経緯で設置され、どのような取組に活用されているのか伺う。
【理事者】
子どもが輝く未来基金は、県民から、児童養護施設で生活している子どもたちの大学進学に役立ててほしいという意向で受けた寄附をきっかけに、こうした善意の輪を広げ、地域や民間団体の人々と力を合わせて、社会全体で子どもの支援に取り組むことが重要であると考え、県民からの寄附の受け皿として、2019年3月に設置した。
この基金は、子どもたちが生まれ育った環境、特に経済環境に左右されることなく、夢と希望を持って未来にチャレンジできる社会を実現することを目指すものであり、設置のきっかけとなった寄附者の意向を踏まえ、大学等へ進学する際の入学準備金をはじめとする、児童養護施設入所児童等の自立支援のほか、子どもの貧困対策の一環として、食事の提供や地域の人々との交流を通じ、子どもたちが安心して過ごすことができる居場所となる子ども食堂への支援に活用している。
【委員】
この基金の設置以降、これまでにどれくらいの寄附が寄せられているのか。また、基金を活用した実績についても伺う。
【理事者】
子どもが輝く未来基金には、多くの県民や民間企業、団体など、様々な人からの寄附があり、基金設置後から2024年度末までのおよそ6年間で616件、1億6,500万円を超える寄附を受けている。
次に、基金の活用実績としては、基金事業を開始した2019年度から2024年度末までに、児童養護施設入所児童等の自立支援に335件、約2,700万円、子ども食堂への支援に634件、約3,600万円を活用している。
【委員】
この基金の事業については、今年度から新たに支援項目を追加したと認識している。どのような理由で、どのような取組を追加したのか。
【理事者】
児童養護施設入所児童等の自立支援では、就職に直接役立つ資格の取得を支援するため、新たに運転免許取得費用の一部を支給するとともに、退所後の継続的な支援につなげるため、入所していた施設の職員が対面で面談を実施し、自立に向けた相談支援を行った上で給付金を支給する取組を開始した。
また、子ども食堂への支援では、子ども食堂が地域で定着できるよう、5年以上活動を継続する子ども食堂を対象に、古くなった物品等の更新費用に対する助成を新たに創設するとともに、子どもたちに様々な体験機会を提供するため、これまでの学習支援事業の助成対象を拡大し、新たにスポーツや文化、季節行事などの体験活動の実施に必要な経費についても対象に加えることとした。
なお、この新たな支援メニューについては、児童養護施設等を対象とした支援ニーズの調査のほか、子ども食堂の関係者や学識経験者、支援団体等が集まる会議で出された意見等を踏まえ、事業化を図っている。
【委員】
この子どもが輝く未来基金の存在をより多くの人に知ってもらい、寄附を募ることが望ましいと思う。
そこで、この基金について、どのような広報啓発を行っているのか伺う。
【理事者】
子どもが輝く未来基金の広報については、県のウェブページへの掲載をはじめ、県や市町村の窓口等に案内チラシを配置しているほか、多くの福祉関係者が参加する県の社会福祉大会においてもチラシを配布するなど、広く県民の目に届くよう努めている。
また、企業等との協働による普及啓発活動を推進するために、企業等が、子どもが輝く未来基金の名称を使用できる制度を設けており、例えば、金融機関が預金総額の一定割合を寄附する取組や、小売店がレシート金額の一部を寄附するキャンペーン、さらに飲料メーカーによる寄附型の自動販売機の設置など、寄附の裾野を広げ、県民が手軽に子どもの福祉のための寄附に参加できる取組を実施している。
【委員】
県民から多くの寄附が寄せられた際には、この基金の名前にもなっている、子どもが輝く未来に資する取組をさらに広げていってもらいたい。
今後の方向性について、県の見解を伺う。
【理事者】
現在、子どもが輝く未来基金を活用している児童養護施設入所児童等の自立支援や子ども食堂への支援については、2025年度から2029年度を計画期間とする新たなはぐみんプランの策定に合わせて、有識者や関係者からの意見を踏まえ、今年度から新たに四つの支援メニューを開始した。
今後については、こうした新たな支援メニューの活用状況や基金の安定的な運営を考慮しつつ、また、他制度による支援の充実なども注視しながら、基金設置の目的である、子どもの貧困対策の充実のため、時期を捉えて検討していきたい。
【委員】
要望する。この基金の今後の方向性について、今の質問で県の考えを確認できた。また、この基金の活用については、条例に子どもの貧困対策の推進のための財源と明記されていることも承知している。
その一方で、全体の質問を通じて、子どもが輝く未来基金は、県民の尊い志の下で成り立つ事業であることを改めて確認した。この子どもが輝く未来の実現に向け、貧困対策に加えて、様々な施策を展開する財源として、県民の善意に呼びかけることは、例えばだが、子どもの難病に対する支援などは、こういった多くの県民の共感を得られるのではないかと思う。
いずれにしても、今後この基金がさらに多くの子ども、子育て世代に活用されることを要望する。
続いて、先ほど委員からも保育士の確保について質問があったが、私も保育現場の支援の観点で質問する。
令和5年4月全ての子どもや若者が将来にわたって幸せに暮らせる社会の実現を目指し、こども基本法が施行され、また、あわせて、子ども施策の立案、実施を担う司令塔として、こども家庭庁も創設された。そして、こども家庭庁は令和6年12月、持続可能で質の高い保育を通じたこどもまんなか社会の実現に向け、保育政策の新たな方向性を示した。
こうした流れも含め、近年、保育現場を取り巻く環境については改善されつつあると感じている。しかしながら、現場で働く人々の声を聞くと、まだまだ道半ばである。
あいち民主県議団では、令和7年度当初予算の前に、保育士の人材確保に向けた取組強化を強く要望した。そして、当初予算では保育士の養成と処遇改善について、様々な新規事業や拡充事業が盛り込まれ、この点については大いに評価をしている。
そこで、その進捗状況を中心に伺う。
まず、保育士の養成の観点から、学生に対する保育士修学資金貸付事業について伺う。これは保育士資格の取得を目指して大学や専門学校に進学する学生に対し、学費として毎月5万円、入学時や就職時にそれぞれ20万円を上乗せして貸し付ける制度だが、この貸付枠が今年度から120人から200人に80人拡充するとされている。この貸付けの今年度の申込みと決定状況について伺う。
【理事者】
今年度から貸付枠を200人に拡大した、指定保育士養成施設の学生に学費等を貸し付ける、保育士修学資金貸付けについては、173人から応募があり、全員に貸付決定を行った。残りの貸付枠については、申請受付窓口である養成施設への提出期限を先月末として再募集を行った。
また、この貸付けに加えて、今年度より新たに、今まで学費等の貸付けを受けていなかった学生に対し、最終学年時に就職準備金として20万円を貸し付ける事業を始めることとしており、今月中に募集を開始する予定である。
【委員】
次に、保育士の処遇改善、特に保育士の負担軽減の観点から伺う。
今年度新たに保育士の配置を基準よりも充実する市町村に対して、必要な保育士の人件費を助成する保育士配置改善事業が実施されることとなっている。保育士を基準よりも手厚く配置することにより、保護者が安心して子どもを預けられるとともに、保育士一人一人の負担軽減にもつながる大変重要な施策であり、活用を進めていく必要があると感じている。
そこで、新規事業である、この事業の進捗状況について伺う。
【理事者】
保育士配置改善事業は、保育士の配置改善に係る国の加算措置を全て取得した上で、施設の実情に合わせて、さらに保育士の配置を充実させる場合に、その人件費を補助するものである。
このため、国の加算制度の内容等を反映する必要があり、8月下旬に発出された加算要件等に関する国の通知を踏まえ、9月上旬に本事業の補助要綱を制定したところであり、現在、実施主体である市町村において事業化の検討がされている。
本補助制度を積極的に活用してもらえるよう、昨年度末にも市町村説明会を実施したところだが、引き続き市町村への働きかけに努めていく。
【委員】
次に、保育士の負担軽減として、従前より実施している事業について伺う。
保育に関して一定の知識、経験があり、保育士のサポートを行う保育補助者の雇い上げに必要な経費を助成する保育補助者雇上強化事業費補助金と、清掃業務等、保育には直接関わらないものの、その周辺業務等を行う保育支援者の雇い上げに必要な経費を助成する保育体制強化事業費補助金、この二つの事業があるが、過去3年間の市町村の活用状況の推移について伺う。
【理事者】
保育士と共に子どもの世話等を行う保育補助者雇上強化事業費補助金の過去3年間の推移だが、2022年度が19市町、108施設、255人、2023年度が24市町、129施設、325人、2024年度は27市町、157施設、383人となっている。
また、清掃や園外活動時の見守り等、保育の周辺業務を行う保育支援者の人件費等を助成する保育体制強化事業費補助金は、2022年度が26市町、454施設、821人、2023年度が29市町、623施設、924人、2024年度は33市町、696施設、1,030人となっている。いずれの補助事業も活用市町村数が年々増加しており、保育士の負担軽減に向けた取組が進んでいると考えている。
【委員】
最後に、保育人材確保の観点とは異なるが、本県が進める保育関連事業の新たな取組として、多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、第二子以降の3歳未満児の保育料無料化、または軽減する市町村に対し、経費を補助する第二子保育料無料化等事業費補助金が今月から始まる。
そこで、市町村の取組状況はどのようになっているのか伺う。
【理事者】
10月からの本県の第二子保育料無料化等事業費補助金を活用するため、既に予算措置済みの市町村は、9月1日時点で31市町である。9月定例議会で予算議案を提出している市町村もあるので、さらに増加する可能性があるが、県内全域で実施できるよう、昨年10月に市町村説明会を実施し、今年も7月から8月にかけて地区別で開催した市町村担当者会議において、積極的に活用してもらうよう働きかけを行った。未実施の市町村に本補助制度の趣旨を理解してもらえるよう、引き続き市町村会議等の機会を活用しながら働きかけていく。
【委員】
最後に要望する。
私が保育現場の人々との意見交換を通じて、いつも感じることは、保育士が勤務時間内に子どもと接しない時間、いわゆるノンコンタクトタイムをいかに確保するかが重要である。勤務時間内に子どもたちと離れて、事務作業などの業務を行う時間を確保することで、保育士の持ち帰りや残業が減り、労働環境の整備、改善につながる。
今回質問した保育士修学資金貸付事業、保育士配置改善事業、保育補助者雇上強化事業費補助金、保育体制強化事業費補助金は、このノンコンタクトタイムの確保に大変効果的な施策である。今後もより一層の拡充を願う。
あわせて、現場からのニーズが高い2職種の配置についても要望する。
一つは、子どもの安全を守るための看護師である。乳児保育、感染症対策、医療的ケア児、先ほど医療的ケア児については補助があるとの答弁もあったが、病後の休養、けがや通院を必要とする子どもへの対応が、どの園でも実施できるように支援を望んでいる。
もう一つは調理員である。現在の運営に要する費用の算定では、利用定員40人以下に対して1人、41人以上150人以下に対して2人、151人以上に対し3人となっているが、アレルギー食や宗教食、多様な形態の離乳食への対応が求められる中、あまりにも心もとないというのが現場の切実な声である。
冒頭でこども家庭庁が公表した保育政策の新たな方向性の中には、保育提供体制の強化、保育の質の確保、向上、安全性の確保、多様なニーズに対応した保育の充実といった項目も記載されている。ぜひこうした観点からの国への働きかけと県独自の拡充を願う。





