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福祉医療委員会審査状況(令和7年12月9日)

ページID:0630882 掲載日:2026年3月11日更新 印刷ページ表示

福祉医療委員会

委員会

日時 令和7年12月9日(火曜日) 午後0時59分~
会場 第1委員会室
出席者
 杉浦正和、島 孝則 正副委員長
 坂田憲治、新海正春、政木りか、平松利英、横田たかし、天野正基、
 日比たけまさ、加藤貴志、下奥奈歩、阿部武史  各委員
 福祉局長、福祉部長、介護推進監、子ども家庭推進監、
 保健医療局長、同技監兼医務課長、健康医務部長、感染症対策監、
 生活衛生部長兼生活衛生課長、
 病院事業庁長、病院事業次長、関係各課長等 

福祉医療委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

議案

第157号 令和7年度愛知県一般会計補正予算(第5号)
 第1条(歳入歳出予算の補正)の内
 歳出
 第4款 福祉医療費
第158号 令和7年度愛知県国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)
第162号 令和7年度愛知県県立病院事業会計補正予算(第1号)
第199号 海南こどもの国の指定管理者の指定について
第200号 愛知県三河青い鳥医療療育センターの指定管理者の指定について
第201号 明生会館の指定管理者の指定について
第202号 愛知県児童総合センターの指定管理者の指定について
第203号 あいち健康の森健康科学総合センター(診療所及び関連区域)の指定管理者の指定について
第204号 あいち健康の森健康科学総合センター(診療所及び関連区域以外の区域)の指定管理者の指定について

結果

全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
 第157号、第158号、第162号及び第199号から第204号まで

請願

第 51 号 「おかしくないですか?!日本人、愛知県民、謎の大量死、原因は高齢化でもコロナでも説明できない。ではなにか?!原因追求を求める」について
第 52 号 「未成年の新型コロナワクチン接種後体調不良者への調査を求める」について
第 53 号 「コロナワクチンのロット番号ごとの被害調査を求める」について
第 54 号 「新型コロナワクチン特定ロット『3005785』接種後、死亡事例や、健康被害の愛知県内の調査と被害の周知を求める」について
第 55 号 「孤独死不審死の場合の死亡日を決定する際コロナワクチン接種歴との関係調査を求める」について
第 56 号 「調査せよ。豊川でコロナワクチン接種翌日に13歳男児が自殺。接種後の自殺は各地で起きている。接種後精神に及ぼす影響、被害調査を求める」について
第 57 号 「新型コロナワクチン副反応疑い報告における国の審議会について県として国に委員の一新を求める」について
第 58 号 「コロナワクチン接種後、心筋炎、心膜炎発症事例に報告義務がある事の医師や医療機関への周知と実態調査を求める」について
第 65 号 「予防接種健康被害救済制度の周知を求める」について
第 66 号 「『新型コロナワクチン接種後の国の健康被害救済申請及び県の副反応等見舞金の申請状況について』のマスコミ向け文書の県民への公表を求める」について
第 67 号 「コロナワクチン接種に注意が必要な人に関する周知を求める」について
第 68 号 「予防接種健康被害救済制度と副反応疑い報告制度との突合調査、案内を求める」について
第 69 号 「各市町村、愛知県内の病院に正しく新型コロナワクチン副反応疑い報告が行われるよう周知依頼を求める」について
第 70 号 「コロナワクチン接種後家族を亡くした遺族に必要な情報が伝わるよう処遇改善を求める」について
第 71 号 「コロナワクチン接種後、健康被害を受けた被害者の副反応疑い報告が国に反映されるようまた県民に被害が周知されるよう改善を求める」について
第 72 号 「コロナワクチン後遺症や接種後死亡した事例について県として実態調査を行うことを求める」について
第 73 号 「副反応疑い報告が国に報告された事を被害者、遺族に県や市町村から通知する事を求める」について
第 74 号 「予防接種健康被害救済制度申請時、必要な医師の受診証明、カルテの写しを被害者が苦労する事なく取得できるよう病院や医師に通知を出す事を求める」について
第 75 号 「コロナワクチンの接種事業総括の為のワクチンハラスメント調査を求める」について
第 76 号 「保育・学童保育施策の拡充と、さらなる保育士配置基準の改善を求める」について

結果

賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
 第51号から第58号まで
賛成少数をもって不採択とすべきものと決した請願
 第65号から第76号まで

閉会中継続調査申出案件
  1. 社会福祉及び社会保障制度の充実について
  2. 少子化対策及び超高齢社会への対応について
  3. 保健衛生の推進について
  4. 保健所及び県立病院の運営について
  5. 福祉局、保健医療局及び病院事業庁の行政運営について

会議の概要

  1. 開会
  2. 口頭陳情(3件 請願第55号、第67号及び第76号関係)
  3. 議案審査(9件)
    (1)理事者の説明
    (2)質疑
    (3)採決
  4. 請願審査(20件)
  5. 委員長報告の決定
  6. 一般質問
  7. 休憩(午後2時35分)
  8. 再開(午後2時44分)
  9. 閉会中継続調査申出案件の決定
  10. 閉会
主な質疑
議案関係

なし

請願関係

【委員】
 私から2件の請願について、賛成の意見を述べたい。
 まず、請願第65号予防接種健康被害救済制度の周知を求める請願について、賛成の立場から意見を述べる。
 新型コロナワクチン接種に伴う健康被害については、2025年6月19日時点で1万3,812件の申請が受理されており、9,196件が健康被害の認定を受けていると厚生労働省のホームページに掲載されている。相当な数である。健康被害に遭った人々に心からお見舞いを述べる。県民の健康を守るために必要な予防接種だが、残念なことに重篤な副反応による健康被害がまれながらも不可避的に発生している。
 国は公費で予防接種を推奨する責任の一環として、予防接種健康被害救済制度を設けている。この制度は接種に係る過失の有無を問わず、予防接種と健康被害の因果関係が認定された人を迅速に救済することを目的としている。認定は厚生労働大臣が行うが、申請と給付は市町村が窓口である。都道府県は市町村からの請求申請を国に伝え、また、国からの認定結果を市町村に通知することになっている。県は国と市町村をつなぐ大事な位置で仕事をしている。認定に当たっては、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とするという方針で審査していることになっている。迅速な救済のためには大切な視点である。
 しかし、実際にはどうだろうか。被害者の家族から話を聞いたが、申請するのは簡単ではない。予防接種前後のカルテなど医療機関の理解と協力なしには申請のための書類をそろえることはできない。それ以外にも膨大な書類を整えることが、健康被害を受けて苦しんでいる本人や家族に求められている。被害者に大変な労力を強いているのが現実である。被害を受けた県民を誰一人取り残さず救済するためには、国や市町村任せにせず、県として役割を果たすことが必要である。とりわけ医療機関と医師へ必要な周知を行うことは県に期待される大事な役割である。制度を有効に機能させるために、健康被害者からの声に真摯に耳を傾け、愛知県としてこれまで以上に積極的に制度の周知に努めてもらうことを私からも強く求め、請願への賛成意見とする。
 次に、請願第76号保育・学童保育施策の拡充と、さらなる保育士配置基準の改善を求める請願に賛成の立場から意見を述べたい。
 子どもたちにもう一人保育士をと粘り強い運動が続けられている。請願趣旨にもあるように、2024年に3歳児、4歳児、5歳児の保育士配置基準が改善された。しかし、当面の間は従前の基準で運営することも妨げないと、期間の定めのない経過措置となっており、全ての施設がその対象となっていない1歳児の基準改正5対1は先延ばしなど、不十分な点を残している。さらなる改善が必要である。
 子どもの権利や発達に関わることについて格差を広げるべきではない。保育士配置基準を改善し、質の高い適切な保育の環境をつくることは子どもの権利を守るための大前提であり、子どもの尊厳のために不可欠である。また、保育士が専門性を生かし、一人一人と向き合い、大切にする保育の実践のためにも、もう一人保育士が必要である。
 さらに、調理員や看護師の配置基準についても、現場から強い要望がある。学童保育については、あいちの学童保育情報ハンドブックで、学童保育指導員不足により、場所はあっても学童保育は増やせない、学童保育指導員が居着かず保育が落ち着かない、資格者がいないため閉所せざるを得ない等の深刻な現状があることについて述べられている。
 そのハンドブックの実態調査によると、学童保育指導員は、安定的に働ける、期間に定めのない雇用の割合が低く、2024年度では、公営有期雇用が2,893人、期間の定めのない雇用が75人、民営有期雇用2,364人、期間の定めのない雇用が514人となっている。また、勤務時間も週20時間未満で働く人数が週20時間以上で働く人数の約2倍となっている。給与も時給日給者が月給者の約5倍、学童保育指導員の雇用の不安定さが示されている。
 学童保育指導員が安心して働き続けられるように、指導員の仕事で生活していけるように改善へ力を尽くすことが必要である。子どもの最善の利益を考慮し、学童保育の人員配置の改善も必要である。学童保育指導員にとっても、子どもや保護者にとっても安心して過ごせる居場所にすることが重要な課題だと思う。請願の各項目について、保護者、保育士の声を受け止めて、子どもの権利保障と保育・学童保育の施策拡充に力を尽くしてもらうことを求め、賛成の意見とする。

一般質問

【委員】
 それでは、私からは一点一般質問する。
 障害者の就労系サービスについて伺う。
 一般企業などで働くことが困難な、障害のある人を対象として、事業所内で生産活動など働く機会の提供を行っている就労系障害福祉サービスにはA型とB型の2種類がある。二つの大きな違いとして、A型では事業所と利用者が労働契約を結びながら利用し、B型では労働契約は結ばずに利用するという点がある。どちらも障害のある人への支援を定めた障害者総合支援法という法律の中の障害福祉サービスの一つという位置づけと理解している。
 厚生労働省が行った令和5年社会福祉施設等調査によると、全国の就労継続支援は、令和5年度時点で、A型、B型合わせて約2万1,400事業所あり、合計約57万人の人が利用していると報じられている。内訳で見ると、就労継続支援A型は4,676事業所があり、10万8,488人が利用していると言われている。対して、就労継続支援B型では1万6,713事業所があり、46万1,003人が利用している。A型では雇用契約を結ぶため、利用者は原則として最低賃金が保障され、事業所には生産活動の収支が黒字となるよう経営努力が求められる。一方、B型では雇用契約は結ばないが、利用者には生産活動の収入から必要経費を控除した額が工賃として支払われ、事業者には工賃の水準を高めることが求められている。特に雇用契約を結ばないB型の事業所は、利用者数ともに増加傾向にあり、サービスの質の確保について懸念する声を聞いている。
 そこで、まず、本県所管のB型事業所の事業所数の推移を伺う。
【理事者】
 政令市、中核市及び2021年度から指定権限を移譲した大府市に所在する事業所を除いた愛知県所管のB型事業所の数は、各年度4月1日現在となるが、2021年度は311か所、2022年度は332か所、2023年度は365か所、2024年度は399か所、2025年度は450か所と毎年増加しており、2021年度と2025年度を比較すると約1.45倍となっている。
【委員】
 コロナ禍も含めて増え続けているという実情を伺った。
 そこで、もう一つ伺う。第7期愛知県障害福祉計画のサービス見込量に対して、現況の充足状況はどのような状態であるか。
【理事者】
 第7期愛知県障害福祉計画は、2024年度から2026年度までの3か年の計画であり、計画初年度である2024年度の就労継続支援B型のサービス見込量は、愛知県全体で一月当たりの利用日数を30万593日と見込んでいたところ、これに対する実績は33万7,694日、充足率は112.3パーセントとなっており、サービス量は充足している。
【委員】
 全国的に増加傾向がある中、今後はサービスの質の確保がより重要になってくる。事業所の中には、例えば利用者にプリペイドカードを提供する、昼食を無料にするなど、就労系サービスの本質とは異なる内容で利用者を集めている事例があると聞いている。サービスの質を確保するため、事業所にどのような指導を行っているか伺う。
【理事者】
 委員指摘の事例は、利用者の意思決定の誘導や利益供与となる可能性があることから、こうした事例について情報提供があった場合には、個別に事業所へ確認し、指導している。これまでは国の通知などにおいて、こうした事例に関して具体的な考え方を示したものがなかったが、先月11月28日付けで指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインが国から示され、その中で、金品や物品の提供、交通費や昼食費の一律的な提供をうたった募集は不適切であり、事業所指定の際には指定基準違反である可能性を踏まえて確認する旨が明記された。このため、今後はこのガイドラインに基づいて、指定審査の中でしっかりと確認、指導していきたい。
 また、本年10月からは新たなサービスである就労選択支援が開始された。このサービスは、利用者の就労ニーズや能力、適性の評価、就労開始後の配慮事項等の整理などを行い、一般就労やA型、B型などの就労系サービスにつなげていくもので、B型事業所の利用を希望する場合は、原則、このサービスを利用することになっている。この就労選択支援事業所には、適切な支援の提供に向けて、地域の事業者や関係機関との連携が求められていることから、このサービスが適切に機能することで、不適切な利用者募集の抑制にもつながるものと考えている。
 12月1日現在で、県所管では21事業所を指定しているが、今後もこのサービスの意義を就労系サービス事業所に対して周知啓発し、サービスの質の確保を図っていく。
【委員】
 私の子どもも、長男が自閉症を抱えており、彼も32歳になる中で、この就労系サービスには大変苦労している。周りの子どもたちを見ても、置いてくれるところを選んで、そこに通うという人が大変多く感じている中で、大変力強い答弁をもらい、感謝している。
 就労系サービスでは、障害のある人が地域で自立した生活を営んでいく上で重要なサービスであり、団体要望の場などでは、利用者やその家族からサービスの質の確保を求める声が多く寄せられている。利用者募集において障害のある人の意思決定を弱めるような誘導がなされないよう、ぜひ県において事業所全体に対して、様々な機会を捉えて注意喚起を行うなど、積極的に指導してもらうことを要望して質問を閉じる。
【委員】
 私からは大きく二点、訪問歯科診療と訪問理美容について質問する。
 まず、訪問歯科診療について伺う。
 さきの9月定例議会における、自民党の議員の一般質問で、訪問介護の危機的な状況が示され、これらの問題に対する一つの処方箋として、訪問介護のDX化の推進についての答弁がなされた。訪問介護現場のぎりぎりの状況は様々なメディアでも伝えられている。限界に来ている個人の献身、頑張りに依存する体制から、多くの壁はあれ、少しずつでも現場の要介護者をはじめ、その生活や命を守る介護従事者など、様々な職種を支える組織的な体制を構築していくことが求められている。
 それは歯科の分野でも同様である。日本歯科大学教授、口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の菊谷武先生も、今、歯科は極めて高齢者や要介護者に対して冷たい状況であり、しっかりと関わってあげられていない状況にあると指摘している。例えば、高齢者の死因の上位を占める誤嚥性肺炎などは、適切な口腔ケアとリハビリテーションによって発症のリスクを低下させることができる。
 この点を踏まえ、まず、訪問歯科診療の供給体制の現状について伺う。令和6年度の診療報酬、介護報酬の同時改定により、介護施設における協力歯科医院、医療機関との連携が強化され、歯科医師により、より積極的に訪問歯科診療に取り組んでもらっている。しかし、公益社団法人日本歯科医師会、日本歯科総合研究機構が発行する在宅療養支援歯科診療所における在宅歯科医療に関する調査によると、歯科訪問診療1か所にかかるおおよその往復の移動時間については、30分から60分が約20パーセント、15分から30分が約45パーセントと、移動時間が多くかかっていることが伺える。こうした現状を踏まえると、例えば訪問介護の現状などと同様に、都市部では人口密度が高いため移動距離も短く、効率的に回ることができるものの、地方の移動困難な地域などでは距離が障壁となり、訪問しようにも遠過ぎて回れないことがあるとも考えられる。
 そこで、まず、県内の全歯科診療所のうち、訪問歯科診療を行っている歯科診療所はどの程度あるか。また、訪問歯科診療の普及、推進に向けた県の取組について教えてほしい。
【理事者】
 訪問歯科診療を実施する歯科診療所は、直近の2023年時点で1,505施設あり、県内の歯科診療所3,696施設に占める割合は約40.7パーセントとなっている。訪問歯科診療の普及推進に向けた取組については、2009年度から訪問歯科診療に必要な医療機器等の整備に対し補助を行っている。また、2022年度から歯科医師等を対象に、訪問歯科診療を導入するために必要な知識を習得するための研修会を一般社団法人愛知県歯科医師会に委託して実施している。
【委員】
 先週、議長主催講演会が開催された。今回は、認知症介護研究・研修大府センター、国立長寿医療研究センターの鷲見幸彦先生に登壇してもらい、所見、見解を聴く機会をもらった。今後独居の認知症の高齢者が急増し、発見の遅れや支援の困難さが深刻化する見通しの中で、鷲見幸彦先生からは、認知症を治すことから認知症患者の人々と共生していくことが必要だと教えてもらった。そして、地域で支える共生社会の構築の中で、鷲見幸彦先生からも、医療と介護の連携が重要であり、中でも多職種での対応が有効であることから、縦割りをなくしていくことの重要性を学ばせてもらった。
 一方で、多職種連携には壁も存在する。鷲見幸彦先生に対し、多職種連携の有効性について、私からも質問させてもらったが、例えば病院内での入院患者に対する診察のように、介護従事者をはじめ、医師、看護師、栄養士など、様々な専門家が集まり、チームで対応できることは確かに効果的ではあるものの、そもそも物理的な制約がある訪問においては、それぞれの地域でどのような地域包括ケアシステムを構築していくのかとも密接に結びついている。連携システムの地域間格差である。名古屋市では、行政と医師会が主催するはち丸ネットワークという公的なICT基盤が整備され、多職種連携が進められているが、それ以外の地域では、そうした基盤の活用など、実際の連携に向けた取組は地域ごとに差があるのが現状である。物理的に歯科医師や医師が移動することだけを解決策にしていては、なかなか地域間格差は埋まらない。
 共生社会への転換には、介護のみならず、医療、歯科医療なども視野に入れたネットワークの構築が重要だと考える。県内のそれぞれの地域で多職種連携を促し、より確かな地域包括ケアシステムの構築を支援していくためにも、県はどのように取り組んでいくのか、当局の所見を伺う。
【理事者】
 地域包括ケアシステムの推進において、介護専門職だけでなく、医師や歯科医師をはじめとした様々な職種の人々が連携する多職種連携に取り組むためには、構成員の役割の明確化等の体制整備と情報共有やコミュニケーションを図るICTの活用が非常に重要である。本県ではこれまでに多職種連携のモデル事業を実施し、その成果を各市町村に発信することで体制整備の促進を図るとともに、市町村に対してICTシステムの整備に助成し、情報共有等の基盤整備を進めてきた。現在は県が主催する研修において、現場でのICTによる情報共有の活用事例や、連携の有効性などについて取り上げ、市町村職員等の理解促進に努めている。
 本県としては、引き続き地域包括ケアシステムの主体である市町村に対し、研修などの機会を捉え、多職種連携の促進を図っていく。
【委員】
 続いて、訪問理美容について伺う。
 国は訪問理美容を在宅高齢者サービスとし、在宅の高齢者に対する理容サービスの積極的な活用について通知を出し、自治体や理美容業界にも周知を依頼している。訪問理美容は外出困難な要介護者の心身の健康、家族など介護者の負担軽減からも、今後一層必要性が高くなると考えられる。また、こうした需要の高まりから、愛知県内では、在宅高齢者で外出困難な人への訪問理美容助成制度を設ける市町村が多く存在している。
 ただ、介護保険、障害福祉の給付からは対象外である。つまり、医療や介護には公的な制度があるものの、理美容については受益者の全額自己負担となる。そうしたことから、訪問理美容は移動や準備、衛生対策に大きな負担があるにもかかわらず、福祉だからできるだけ安く、ボランティアでという受益者の期待が強く、訪問理美容を担う理美容師、事業者の労働条件の悪化を招いてしまっていると考えられる。この点は、現場の理容師、美容師からも意見をもらっている。
 いずれにしても、訪問理美容については、高齢者、要介護者の増加とともにそのニーズは急増している。単なる身だしなみを超え、笑顔と生きがいを生み出し、高齢化社会における福祉サービスの重要な柱とするためにも、法整備や支援体制の強化が求められているところである。
 訪問理美容の取組が今後さらに発展していくためには、出張料相当の助成を行っている自治体があるように、適切な助成水準を設定することで、質の高い事業者の参入を促すことが効果的であると考えるが、訪問理美容の必要性の高まりとともに、県として市町村支援にどのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 外出が困難な在宅の高齢者が受ける訪問理美容サービスは、単に整髪するだけにとどまらず、高齢者の心身のリフレッシュを促すなど、生活の質の改善に資する取組であると考えている。本県では毎年度、市町村が実施している高齢者への生活支援の取組全般について調査を行っている。その中で、訪問理美容サービスへの助成は現在32市町において実施されており、その助成額や対象となる年齢、要介護区分等の情報を全市町村にフィードバックすることで、実施していない市町村の取組に向けた参考としてもらうとともに、実施している市町村においてもさらなるサービスの充実に役立ててもらっている。
 引き続き、事前に必要な調査項目を丁寧に聞き取った上で調査を実施するなど、市町村に対し、きめ細やかな情報提供等の支援を行っていく。
【委員】
 在宅サービスの普及に向け、積極的に取り組んでいることを確認した。しかし、支え手となる現役世代が激減し、85歳以上の高齢者が急増する、いわゆる2040年問題を迎える頃には、より深刻な段階に入ることが予想される。先週の金曜日、10年物の国債の金利が1.9パーセント台に突入した。将来的には社会保障における財源が様々な財政問題もあり、今以上に困難な状況になることが予想される。いかに少ない人数と投資で最大限のケアを提供できるかが重要である。そのためにも、在宅サービスの充実に向けて、個々の職域や事業所の壁を取り払い、地域全体での効率的なネットワークの構築に向けた、さらなる取組支援を要望して私からの質問を終わる。
【委員】
 歯科医療提供体制のうち、補てつ、とりわけ義歯、いわゆる入れ歯などの製作を通じて、県民の口腔保健を支える歯科技工士の確保について伺う。
 歯科は単に治すだけではない。かむ、飲み込む、話す、こうした生活機能を守り、低栄養や口腔機能の低下を防ぐ上でとても大切である。在宅医療や介護の現場でも、歯科は重要な役割を担っている。その土台を支えているのが歯科技工士であり、歯科技工所は県民の医療提供体制を下支えするインフラだと考えている。
 ところが現場からは、特に義歯や歯の修復物などを製作できる歯科技工士が急速に減っている。このままでは県民が必要な補てつを必要なときに受けられなくなるのではないか。こうした切実な声が届いている。全国的に見ても、厚生労働省の衛生行政報告例では、歯科技工士数は平成12年の3万7,244人をピークに減少が続いている。令和6年には50歳以上が56パーセントを占め、国家試験の合格者も約30年間で3分の1以下に減るなど、人材不足と高齢化が進んでいる状況である。
 そこで、まず、愛知県内の歯科技工士の就業状況の推移について、年齢構成も踏まえて答えてほしい。
【理事者】
 愛知県内に就業している歯科技工士は、2000年の1,744人に対し、2022年は1,752人、2024年は1,880人となっている。年齢構成については、50歳以上の人の割合は、2000年に20.9パーセントであったものが、2022年では59.1パーセント、2024年では60.9パーセントとなっている。
【委員】
 歯科技工士は若い人材が入り、技能が受け継がれて初めて供給が維持できる。しかし、現場では養成の段階での定員割れ、卒後の定着の難しさ、長時間労働などが重なり、技能継承が危機にあるとも聞く。新卒5年後の離職率が、なんと7割もあるという話もあるし、私の親しくしている歯科技工士も、もう80歳くらいになるが、辞められない状況である。後継者がおらず、歯医者からも、その技工士の先生に作ってもらわなければ困ると、おだてなのか技術なのか、本当にたくみの技だとは思うが、辞められないといって困っている。やはり若手を育てていかなければならないと思うが、県として、若い世代に職業としての魅力を伝える導線づくり、卒後研修による技能向上、定着につながる支援など、現在取り組んでいることがあれば答えてほしい。
【理事者】
 一般社団法人愛知県歯科技工士会では、現在国が取組を進めている歯科技工士の人材確保に関する事業として、県民向けのイベントのほか、卒後研修や定着支援の事業を実施している。
 昨年9月に名古屋駅前で開催された県民向けのイベントに関しては、歯科技工の体験コーナーなどを通じて、幅広い世代に対して、歯科技工士の仕事の魅力が啓発されており、本県では、市町村や保健所へポスターとチラシを配布することでイベントの周知に協力した。
【委員】
 安心・安全な歯科医療を確保するためには、義歯などの技工物の品質だけでなく、歯科技工所が法令に基づき適正に運営されることが欠かせない。現場からは、国からの通知が頻繁に出る中で、県からも同様の周知を徹底してほしい、また、歯科技工所の管理者に対する講習会の案内が県内全体に行き渡る仕組みが必要だという声がある。
 そこで、県として管理者講習会の案内や重要情報が県内の歯科技工所全てに確実に届くよう、どのような取組をしているか。
【理事者】
 本県では、一般社団法人愛知県歯科技工士会が毎年実施している、歯科技工所の管理者を対象とした講習会について、会員以外の歯科技工所への周知を実施している。また、国の法令や通知など関係する内容については、県の公式ウェブサイトに掲載し、周知啓発に努めている。
【委員】
 最後に四点、要望する。
 第一に、歯科技工士、とりわけ義歯などを製作する担い手確保の実態を関係団体と連携して定期的に把握、分析する枠組みを整えてほしい。単に統計を集めるだけではなく、将来の需要見通しも含めて分析し、県として医療提供体制を維持する責任を果たしてほしい。
 第二に、若い世代の職業理解の促進、卒後研修、技能継承の支援、定着支援について協議の場を設けて具体化してほしい。地域医療介護総合確保基金の活用も含め、実効性のある人材確保策を講じてもらいたい。
 第三に、歯科技工所への周知が確実に届く手段を整備し、必要な予算措置も含め、実効性を高めてほしい。県民の安心・安全のため、適正管理の徹底を願う。
 第四に、現場ではデジタル化が進み、設備投資が欠かせない。しかし、投資負担は大きく、さらにコロナ期の借入返済が重なり、体力を削っている歯科技工所も少なくないと聞いている。廃業が進めば、県民が必要な補てつを受けられない事態につながりかねない。経営環境に関する支援策を見える化し、相談先まで迷わずつながる導線を明確にしてほしい。そして、診療報酬の適正化について、これは非常に大切なので、現場の実態を国に伝え、改善を強く働きかけてもらいたい。
 歯科技工士は、県民のかめる喜び、食べる楽しみを支え、健康長寿社会の実現に向けて、欠かせない存在である。この大切なインフラを守り、次世代へ引き継ぐため、県の積極的な取組を強く要望して質問を終わる。
【委員】
 私からは、三つのテーマについて聞く。
 まず一つ目だが、ユニボイスブラインドをはじめとした音声コードの活用に関してである。
 愛知県では、視覚に障害がある人や小さな文字が見えにくい高齢者、日本語に不慣れな外国人などが災害リスクなどを認識し、早めに避難につなげてもらうことを目的としたハザードマップ情報を音声で聞くことができる、「耳で聴くハザードマップ」サービスの利用を開始した。その際に使用している音声コード読み上げアプリがユニボイスブラインド、以下、ユニボイスと呼ぶが、これについて、冒頭のハザードマップは防災、減災の観点だが、福祉分野でも十分に活用できると思ったのが今回の質問のきっかけである。
 福祉分野においては視覚障害者に対する様々な支援があると思う。視覚障害者については、行政と接するという観点で健常者と大きな違いはないと思うが、そのアクセス方法には大きな違いがあると思う。
 そこで、福祉的な支援内容の情報は、行政機関から、どのような手段で視覚に障害がある人へ発信し、受け取られているか。
【理事者】
 視覚に障害がある人に対する情報提供手段としては、県において、視覚障害者のための情報提供手段の普及に係る基本方針を定めている。この中で必要となる情報については、音声コードやテキストデータの提供など、視覚障害者への合理的配慮の提供に取り組むこととしており、県においては、福祉施策に関する主な計画の概要版に音声コードを使用するほか、広報あいちの音声コード版の発行などを行い、市町村においても同方針に基づき対応するよう働きかけ、必要な情報が提供できるように努めている。
【委員】
 続いて、行政から当事者への情報伝達方法は、他分野でも応用できるものが多いと考える中、このユニボイスは大いに活用できる可能性があると考える。その啓発方法について、一般的に多様な声、コミュニケーション手段への理解を広げるための活動として想定し、行政主体のイベントや当事者団体、福祉施設への啓発などにより情報を伝える側だけでなく、情報を利用する側として、視覚に障害がある人や高齢者などに対して、ユニボイスを含めた音声コードの利用を広く周知していくことが重要であると考える。
 そこで、ユニボイスを含めた音声コードの利用について、視覚に障害のある人など、情報を利用する人への周知を今後どのように行っていくのか伺う。
【理事者】
 委員指摘のとおり、視覚に障害のある人や高齢者など、情報を利用する人々に対して、ユニボイスを含めた音声コードの利用を周知することは重要であると考えている。そのため、音声コードを付与した冊子や印刷物にはユニボイスアプリの紹介を掲載するよう、庁内各局や市町村に対し働きかけるとともに、掲載された印刷物を当事者団体との会議等で配布、周知するなど、ユニボイスを含めた音声コードが活用され、当事者に必要な情報が届くよう努めていく。

福祉ガイドブック令和6年度の画像
​音声コードを使用した資料(令和6年度福祉ガイドブック)

【委員】
 このテーマに関して要望する。
 以前、愛知県には高齢者デジタルサポーター制度があった。県全体のデジタル化の進展につなげる観点で、市町村と連携し、高齢者のデジタル・デバイドの解消に向けて、高齢者へのスマートフォン・パソコン操作教室を行政が支援していたものである。実は、中部地方では三重県、静岡県においてこのユニボイスが先行導入されており、例えば静岡県ではユニボイス活用のために出前講座を行っている。同様のことを愛知県で行うことで、ユニボイスの認知度アップ、活用度アップにつながると考える。
 他県の状況も鑑みた上で、当事者団体等の意見も踏まえながら、ユニボイスを含めた音声コードのさらなる活用に努めてほしい。また、今回はハザードマップの読み取りがきっかけであったが、今後は他分野との連携、例えば教育現場、企業や店舗、SNSはじめ、県のLINEへ登録している人へのプッシュ通知なども活用した形で、より多くの人に、このユニボイスの存在を知ってもらい、使ってもらうことでバリアフリー社会の形成が進むような環境整備を要望する。
 続いて二つ目のテーマだが、斜頭症、漢字で書くと斜めの頭の症状となるが、この斜頭症について伺う。
 斜頭症とは、向き癖などにより頭部の形が非対称になる状態である。頭部が圧迫されることによって片側が平らになったり変形したりすることが原因で発生する。特に乳児に見られることが多く、健常1か月児で、中等症以上の頭蓋骨変形が約26パーセント、うち矯正が必要と思われる重症、最重症が約7パーセントというデータもある。
 今回質問するきっかけになったのが当事者からの声である。斜頭症の子をもつ父親と会話をしたが、子どもの目の位置が明らかにおかしいと気づくとともに、頭の形が明らかに丸くないことから斜頭症という言葉を初めて知ったそうである。SNSなどで情報収集したが真偽が不明で、クリニックを最終的に受診。矯正ヘルメットの存在を知り、保険適用外のため全額自己負担だがヘルメットで子どもの頭蓋骨矯正を行い、正常値に戻ったそうである。情報が少ないため不安に思うこともあったそうで、行政からのきちんとした情報提供があればありがたいという声ももらった。
 斜頭症になる主な原因は、仰向けでずっと寝かせておくことや、早産や低出生体重児、体重の軽い赤ちゃんは頭の形が変形しやすい傾向にあると聞く。また、双子や三つ子など多胎妊娠で育った赤ちゃんは子宮内のスペースが限られるため、頭の形に影響が出るともいわれている。
 斜頭症の症状は、冒頭に伝えたように見た目で頭部の片側が平らになっていることや、顔や耳が左右非対称に見える、頭の後ろの部分に異常な角度や膨らみがある、機能的なこととしては、眼鏡がうまくかけられない、自転車のヘルメット等がきちんとはまりづらく、回りやすい。
 一方で、予防と治療のためには、寝かせ方の工夫でタミータイム、いわゆるうつ伏せ遊びが推奨されており、昼間赤ちゃんをうつ伏せにする、左右に向けて寝かせることで圧力を均等に分散させることができる一方で、子どもを絶えず注視する必要があり、家事育児に余裕がないと時間的に厳しいともいわれている。
 最後に伝えたヘルメットだが、全額保険非適用なので、最低でも30万円から60万円かかる。
 しかも、全額自己負担である。注意点としては、斜頭症自体が生命に関わることはほとんどないが、見た目に影響を与えるといわれている。早期に対処することが重要で、もし子どもに斜頭症の症状が見られる場合、小児科医や専門家に相談することが大切であると聞く。
 乳児健診や育児相談などの母子保健事業の実施主体は市町村だが、斜頭症に関して県が取り組んでいることがあれば伺う。
【理事者】
 県では、市町村が実施する乳幼児健康診査の手引書として、愛知県母子健康診査マニュアルを作成し、名古屋市を除く市町村の母子保健従事者の人々に活用してもらっている。このマニュアルには、生後1か月、3か月から4か月、6か月から10か月、1歳6か月及び3歳の各乳幼児健診における診察や保健指導の要点などを記載している。
 頭部の診察については、頭の大きさを測り、成長の経過を観察することや、頭の形、神経発達上の異常の有無などを確認すること、医療機関へ紹介する場合のポイントなどが記載されており、このマニュアルに基づき、市町村が対応している。
【委員】
 斜頭症の認知度は、近年高まりつつあると聞くが、まだ不十分であることを考えたときに、認知度を上げるという観点では、メディアや公共施設の活用や、乳幼児の発達に関心が高まっている段階で積極的な情報提供が考えられる。また、医療機関について、全ての医師がこの症状に対して適切なアドバイスができるわけではないと聞いているので、働きかけがあるとよい。
 そこで、多くの人に知ってもらう観点で斜頭症の認知度アップが必要だが、どのように考えるか。
【理事者】
 斜頭症のほとんどは外部からの圧力により生じることから、生活の工夫により改善できるものが多いとされている。しかし、2,500人から3,000人に1人の割合で治療を必要とする人がいるともいわれている。一方で、病的な理由がなくても頭の形を整えたいと希望する家族もいる。
 このように、斜頭症については様々なケースがあるため、個々の状況や保護者の頭の形を整えたい気持ちも尊重しつつ、不安を助長しないような対応をすることが必要である。このため、まずは市町村の母子保健担当者が個別の相談に適切に対応できるよう、研修会などの機会を通じ、啓発していきたい。
【委員】
 このテーマに対しての要望だが、今述べたように、啓発活動と教育、様々な育児支援イベントやSNS、また育児の情報提供という観点では保育所、産婦人科と様々なところで啓発ができると思う。他にも、定期健診や乳幼児健診のような場もある。
 加えて、社会的サポートの提供ということで、今はまだ一足飛びかもしれないが、先ほど伝えたヘルメットに対しての補助金や助成制度、なかなか難しいと思うが、斜頭症を含めた補助金の提供や、保育士や育児サポーターの研修に斜頭症の情報を入れるなど、当事者の不安をあおらないことを大前提として、積極的な取組を行ってほしい。
 では最後に、三つ目のテーマ、障害者手帳の手続簡素化について伺う。
 障害者手帳の取得、更新の手続を簡素化することは、支援の質の向上に大きな意味を持ち、障害者にとって非常に重要である。しかし、現状では取得、更新の手続を行う際に必要書類や手順が多く、内容も複雑なため、簡素化を進めてほしいという当事者からの声を聞く。
 障害者手帳には身体、精神、療育の3種類があるが、現状の申請手続の方法は、それぞれどうなっているか。また、再交付や更新時には対象者にどのように知らせているか伺う。
【理事者】
 身体者障害者手帳については、居住する市町村に申請し、市町村から県に進達される。申請方法は、原則窓口か郵送での対応となっている。身体障害者手帳は有効期限の定めはないが、障害の状態が変化する場合には、障害程度の再認定を行う必要があるため、同様の手続で再交付申請を行うこととなる。療育手帳についても、身体障害者手帳と同様の手続方法となっている。再認定が必要となる期間については、知的障害の程度や年齢により異なっている。また、身体障害者手帳及び療育手帳の両方とも、再認定が必要な場合は、市町村より対象者に郵送により知らせている。
【理事者】
 精神障害者保健福祉手帳についても、身体障害者手帳等と同様の申請手続方法となっている。
 精神障害は症状に変動があることから、2年間の有効期限が設けられている。2年ごとに更新の手続が必要である。更新前には市町村から対象者に郵送により知らせている。
【委員】
 現状の申請方法は窓口か郵送のみ可能と理解した。取得更新に関しては、本人あるいは委任を受けた者ができるようだが、そもそも提出された書類を審査して申請受理か否かを行政が最終判断するのであれば、いわゆる面談は必要ないと思われる。
 ところで、来年6月から開始予定のパーキングパーミット制度に関して、本年9月定例議会の一般質問において、議員が申請手続では当事者、行政の利便性向上、効率化にも寄与するオンライン申請も導入すべきと要望しており、当局においても検討しているものと思われる。オンライン申請を実施することによる当事者にとっての選択肢の拡充、利便性の向上は障害者手帳の申請にも全く当てはまることであり、非常に有効だと考える。
 そこで、障害者手帳の申請手続において、オンライン申請の導入を進めるべきだと考えるが、どうか。
【理事者】
 障害者手帳のオンラインによる申請は、委員指摘のとおり有効である。
 しかし、オンライン申請を導入するに当たっては、市町村との情報共有や、医師の診断書のオンラインにおける取扱方法など整理すべき課題があるため、現在国において調査研究を行い、課題の整理やロードマップの作成等を行っている。
 本県としては、障害者手帳は全国的な制度であることから、国の状況を注視し、方針が示された場合には適切に対応していきたい。
【委員】
 申請手続がオンラインで簡単にできるようにすることで、窓口に行かなくても申請ができるようになる。これにより交通費や時間の節約にもつながる。国の動きを注視しながらの対応なので、国が導入を決めた段階で、県がばたばたしながら動き始めるのではなく、円滑で迅速なシステム導入ができるような体制づくりを要望する。
【委員】
 私からは、三つのテーマで質問する。
 まず、被爆二世のがん検診について質問する。
 今年は被爆80年という節目の年となった。2024年度末現在の愛知県内の被爆者健康手帳の交付者数は1,236人、平均年齢は84.51歳と被爆者が高齢になり、被爆体験を語ることが難しくなっていく中で、次の世代に引き継いでいく重要な役割を担うのは被爆二世である。県として、これらの被爆二世の健康不安にも寄り添ってほしい。
 まず、被爆二世が申請したら受け取ることができる健康記録簿について、いつから始めたか、またどのような内容であるか説明してほしい。
【理事者】
 本県では、被爆二世健康記録簿を2021年11月から配布している。この記録簿は、健康管理に役立ててもらうことを目的に配布しているもので、県が国から受託し、実施している被爆二世健康診断の結果を自身で4回分記録することができるほか、かかったことのある病気や現在かかっている病気、予防接種の状況なども記録することができる。健康診断の5回目以降の記録については、新たな健康記録簿を配布し、継続して管理できるようにしている。
【委員】
 私も手元に今あるが、緑色でこのサイズの被爆二世健康記録簿というものがあり、今、答弁してもらった内容で、4回分の記録ができるようになっている。
 では、健康記録簿の申請数について、2021年の配布開始以降の推移を示してほしい。
 また、被爆二世健康診断を受診した人数についても5年間の推移を示してほしい。
【理事者】
 被爆二世健康記録簿の申請数は、愛知県在住の人で2021年度は423人、2022年度は62人、2023年度は27人、2024年度は21人となっている。被爆二世健康診断の受診者数は、愛知県在住の人で、2020年度は255人、2021年度は336人、2022年度は316人、2023年度は323人、2024年度は316人となっている。
【委員】
 次に、現在愛知県では被爆二世健康診断で受けられる健診の項目がどのようになっているか示してほしい。
【理事者】
 健康診断には一般検査と精密検査があり、一般検査では、血圧測定や尿検査のほか、血液検査として炎症の有無を判断するCRP定量、血球数、血色素の三つの検査を実施している。また、医師が必要と認めた場合には、肝臓機能検査や糖尿病かどうかを判断するヘモグロビンA1c検査も実施する。精密検査については、一般検査の結果に応じて医師が必要と認めた場合に、眼底検査やエックス線検査などの検査を実施する。
 なお、一般検査については、受診者が希望する場合、血液細胞ががん化することで起こる多発性骨髄腫の検査を2016年度から実施している。
【委員】
 検査の中にがん検診が含まれていない。被爆者援護法に基づき、被爆者と認定されると医療費の自己負担分が補助され、手当てなども受けられるが、被爆二世については根拠となる法律がない。しかし、被爆者援護法に準ずる附帯決議の中には被爆二世、三世の健康面について記載されている。原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に対する附帯決議の5番の部分に書かれていることを紹介してほしい。
【理事者】
 被爆者援護法の附帯決議の5番には、被爆者とその子及び孫に対する影響についての調査、研究及びその対策について十分配慮し、二世の健康診断については、継続して行うとともに、その置かれている立場を理解して一層充実を図ることと書かれている。
【委員】
 今読み上げてもらった附帯決議で触れている部分について、もともと提出された被爆者援護法では、被爆二世、三世に対する影響も対象にすることが示されていたそうである。しかし、衆議院で否決され、現行の法律になったという経過がある。しかしその趣旨は、今読み上げてもらった附帯決議には残された。被爆二世の健康診断について、その置かれている立場を理解し、一層充実を図ることとある。被爆二世からがんの不安があるという声や、被爆二世の不安解消に向けて、少なくともがん検診を行ってほしいという声が寄せられている。東京都や静岡県は独自にがん検診を項目に加え、行っていると聞いた。
 そこで、被爆者援護法の附帯決議を尊重する立場に立って、愛知県独自で被爆二世へのがん検診を決断してほしいが、どうか。
【理事者】
 被爆二世に対しては、公益財団法人放射線影響研究所において、2000年から2007年にかけて健康影響に関する調査が行われた。その結果、親の被ばく線量と生活習慣病との関連を示す証拠は得られなかったが、今後、調査対象となる人々の高齢化に伴って、影響が見られる可能性は否定できないなどとし、引き続き調査が継続されている。被爆二世健康診断の実施主体である国が引き続き調査を行っていることから、県としては国の動向を注視していく。
【委員】
 国の動向ということで今答弁があったが、調査ではなく、戦争責任、国家補償として取り組むことが必要だと思う。被爆二世も原爆の被害者として考え、国の判断待ちにせず、東京都や静岡県は率先して既に実施しているため、不安解消に向けて、県独自のがん検診を被爆二世の願いに応えて行ってほしいことを強く求め、この質問を終わりたい。
 続いて、子どもの医療費無料化について質問する。
 本年6月定例議会の本委員会でも質問した、18歳までの医療費無料化についてである。
 前回、質問の中で触れたように、県内の市町村における18歳までの医療費無料化が拡大した。
 しかし、多くの市町村で財政負担が増え、財源確保に苦労しているようである。
 名古屋市は、県の実施する子どもの医療費無料制度に独自に上乗せして、入院、通院ともに18歳年度末まで無料にしている。2025年度の県と名古屋市の子どもの医療費無料化に係る総予算は約130億円である。そのうち県の負担は約23億円、たった18パーセントである。残りの82パーセントは名古屋市の負担である。豊橋市も県の実施する子どもの医療費無料制度に上乗せして、入院、通院とも18歳年度末まで無料である。県と豊橋市の子どもの医療費無料化に係る総予算は2024年度で17億円である。このうち県が負担しているのは約3億3,000万円、20パーセントで、残り80パーセントを豊橋市が負担している。
 愛知県が市町村と費用を半分ずつ負担する現行制度の下で、入院、通院とも18歳年度末まで対象を拡大することで市町村の負担軽減につながり、他の施策に財源を活用できる。
 例えば、名古屋市は現在107億円の負担だが、県が18歳年度末まで引き上げることで65億円の負担になり、42億円の負担軽減になる。9割の市町村が18歳までの医療費を無料化している今、県が18歳年度末までに対象を拡大し、市町村の負担を軽くする役割が求められると思う。
 国に要望し、市町村に任せるだけではなくて、入院も通院も18歳までの医療費無料化を支えるために県の役割が必要だと考えるが、どうか。
【理事者】
 本県の子ども医療制度は、通院医療にあっては小学校就学前、入院医療にあっては中学校卒業までの子どもを対象として、医療保険の自己負担分の無償化を行う市町村へ助成を行うものである。
 市町村においては、子育て支援に係る様々な施策を推進する中で、県の助成制度をベースに、市町村として子ども医療費助成の対象年齢拡大の必要性を判断した結果、2025年10月1日現在、18歳までの児童については、通院医療にあっては50市町村、入院医療にあっては全ての市町村が助成対象としている。
 県としては、このベースとなる県助成制度を持続可能な制度として運用していくことで、その役割を果たしていきたい。
【委員】
 ベースとしてとのことだが、やはり市町村は努力して、子ども医療費の無償化を18歳まで拡大し、その分負担が増えている。やはり、この負担を軽減していくためには、県がさらに制度を拡充して、役割を果たしていくことが欠かせないと思う。都道府県の中でも、18歳まで医療費無料化の流れが始まっている。群馬県は子どもの医療費助成を18歳までに対象を引き上げた。ホームページには、少子化対策や子育て環境の充実を図るため、県内どこに住んでいても子どもが医療を無料で受けられるようにと、引上げの理由を挙げている。入院、通院ともに高校生世代までを対象とし、所得制限なし、受診時の自己負担なし、窓口の立替払なしと大変使いやすい制度だと思う。
 対象年齢引上げの際に、子どもの医療費無料化について、県内の県立高校に通う生徒の保護者へアンケートを実施している。その中で、9割が子育て家庭の経済的負担が軽減されると答えたそうである。自由記述を見てみると、教育面で費用がかかるので医療費無料化は高校生こそありがたいと思う。部活でけがをすることが増え、手術や入院をすることになり、初めてのことで動揺したが医療費が無料というのを聞いて不安材料が一つ消え、気持ちに余裕が持てたなど、歓迎する声があった。他県のアンケートではあるが、子育て支援の後押しになっていると思う。
 愛知県内では市町村によっては通院で1割の窓口負担があるところ、通院は中学校卒業まで無料にとどまっているところもあり、格差が生まれている。県内どこに住んでいても格差なく18歳まで医療費無料制度を受けられるようにするのは県の役割である。
 そこで、他県の取組に学んで、愛知県でも18歳まで対象を引き上げ、通院も入院も無料に向けて取り組むべきと考えるが、どうか。
【理事者】
 本県としては、所得制限及び一部負担金のない、対象年齢を含め、全国都道府県の中でも一定の水準にある仕組みとして、長年にわたり取り組んでいるところであり、引き続き安定的な制度運用に努めていきたい。
【委員】
 全国で一定の水準で安定的なとのことだが、今まではそのように全国でも水準としては高いと言われ、もちろんそのとおりでもあると思うが、安定といっている間にも、群馬県の制度が充実したものになり、18歳までの拡大を行った。鳥取県も同様の取組を始めた。愛知県の年齢、水準を上回る県が既に出てきている。このため、やはり制度が進んだ県に学び、さらに全国の高い水準に愛知県を持っていくためにも、18歳まで引き上げることが必要だと思う。
 先ほど述べたように、まだ一部自己負担や所得制限などもあるが、入院、通院ともに18歳年度末までとしているところが福島県、東京都、静岡県を含め9都県に広がり、努力が始まっている。国が行うことも、全国一律の助成制度にしていくという点では大変大事だと思うが、やはり国の判断待ちにせず、県が率先して決断し、取り組むことで県内の格差解消になると思うが、この点に対する考えや認識を伺う。
【理事者】
 市町村が地域の実情に応じて、それぞれの政策的判断により助成対象の拡大を図ってきたところがあるため、県としては、現在の制度を引き続き持続可能な形で運用していきたい。
【委員】
 それでは大変不十分な答弁かと思う。
 愛知県では、先ほどから述べているように、通院で義務教育就学前まで窓口負担を無料、入院は中学校卒業までが対象である。2023年度の決算額は87億1,100万円と前回答弁してもらった。
 それでは、愛知県が18歳まで通院、入院ともに引き上げた場合はどれくらいかかるか。独自に試算してみた。大体の計算ではあるが、約230億円程度必要だと思う。十分予算措置可能だと思う。対象を引き上げても持続可能な制度として安定的に運営することはできるのではないか。
【理事者】
 県としては、子ども医療をはじめとした福祉医療制度全体を将来にわたって安定的に運用していくことが大変重要であると考えていて、当面は現行の水準を維持していきたい。
 また、子ども医療制度については、本県も含め全国全ての自治体で独自の負担軽減、無償化が行われている現状を踏まえると、全国一律での制度創設など、国において統一的な対応が図られるべきものであり、今後とも様々な機会を捉えて国へ申入れを行っていく。
【委員】
 国へ言うことももちろん大事だが、ぜひ県独自で判断して、子どもの医療や福祉についても充実する県政にしてほしい。
 子どもの権利条約の四つの原則の中では、生命、生存及び発達に対する権利、すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されている。子どもの最善の利益、子どもに関することが決められ、行われるときは、その子どもにとって最もよいことは何であるかを第一に考えるとあり、それを保障する政策を進めるのは県の責任でもある。子どもの権利保障の観点からも、愛知県として、18歳まで通院・入院無料へ早急に決断することを重ねて要望し、このテーマについての質問を終わりたい。
 次に、病院内保育所の保育士の処遇改善について質問をしたい。
 まず、病院内保育所の役割について、県としての認識を伺う。
【理事者】
 病院内保育所については、病院特有の夜間や休日勤務に対応した柔軟な保育サービスを提供しており、子育てと仕事の両立を支援することで、職員の離職防止や一定期間育児のために離職している人の再就業の機会となり、人材確保に資するものと認識している。
【委員】
 人材を確保していくことにも資するということである。やはり24時間、医療従事者が命と向き合う職員が仕事も子育ても両立しながら安心して働き続けられる、そのような役割を果たしていると思う。医療現場を支えるために本当に欠かせないことだと思うが、しかし、その専門職である保育士の処遇が著しく低いという状況がある。院内保育所で働く保育士の賃金の原資となる国からの補助金は、2013年度の保育士1人当たりの月額標準単価が基本額18万800円のまま10年以上据え置かれてきた。
 そこで、補助単価について県は独自に引き上げる努力をしたのか、それとも18万800円で据置きのままであるか、示してほしい。
【理事者】
 補助単価については、厚生労働省が示す地域医療介護総合確保基金に係る標準単価を準用し、単価を設定しており、18万800円据置きとなっている。
【委員】
 愛知県は据置きのとのことである。賃金を上げる手だてが必要である。近隣県では、静岡県は平成26年度に地域医療介護総合確保基金ができたときに補助単価を見直し、22万5,600円へ引き上げ、努力している。愛知県の医療現場を支えるためにも、愛知県も補助単価を見直してもらいたいが、どうか。
【理事者】
 病院内保育所運営費補助金の補助単価の見直しについては、安定的な病院内保育所の運営に資することから、現在検討している。
【委員】
 検討しているとのことなので、ぜひ見直して引上げてもらいたい。
 保育士全体の賃金水準が他産業よりも低いことが問題となり、認可保育所を対象とした処遇改善が不十分ながらも進んできたが、多くが無認可である病院内の保育所の保育士の賃金は低い水準のままとなっていた。
 我が党議員の国会での質問でも示された、全日本国立医療労働組合のアンケート結果では、院内保育所で働く正社員、契約社員の保育士の基本給の平均は約19万円である。月20万円もない。一般の保育士と比べても8万1,000円低く、全産業と比べても20万8,000円低い現状である。
 日本医療労働組合連合会の院内保育所実態調査の結果では、認可保育所との格差について感じている施設は61パーセントにものぼり、賃金面での格差を訴えている施設が約7割にものぼっている。また、賃金について、2023年、厚生労働省賃金構造基本統計調査によると、20歳から24歳の保育士の平均賃金は22万4,900円となっている。正確な比較にはならないが、院内保育所の保育士との賃金格差は4万9,000円にも及び、ケア労働者の賃上げから取り残されている実態を示している。
 こうした現状を受け、現場からの声も実り、国から地域医療介護総合確保基金に係る標準単価の一部改定について通知が出された。この通知では、基本額を5万6,600円増の23万7,400円とした。また、24時間保育や病児等保育、休日保育等への加算額も引き上げられた。愛知県にも通知が届いていると思う。
 そこで、今回改定された基金について、国へ応募した後取り下げたと聞いた。いつ応募し、いつ取下げを決めたのか、また、その理由について答弁を求める。
【理事者】
 国の標準単価改定による所要額の算定に時間を要するため、一旦は11月5日に基金の追加募集に応募したが、仮に単価を国の標準単価に増額する場合でも、基金に不足が生じないことが判明したことから、11月18日に応募を取り下げた。
【委員】
 取り下げた理由は、県の財源で十分できるという判断でよいか。
【理事者】
 仮に単価を国の標準単価に増額する場合でも、基金に不足が生じないということで取り下げた。
【委員】
 処遇改善に向けて、ぜひ今回改定された、国の補助単価を本年4月に遡って適用して、病院内保育所への補助をしてほしい。三重県は本年4月に遡及して実施すると聞いている。他県でも同様に、本年4月まで遡って、国の内示が出たらすぐに対応できるよう、準備している県も既にある。ぜひ愛知県でも遡及して増額してほしいが、どうか。
【理事者】
 補助単価の改正時期についても検討していく。
【委員】
 ぜひ愛知県として決断してほしい。
 院内保育所の現場の実態調査では、保育の質を確保し、向上させていくためには、専門職としての教育、研修の保障はもちろん、保育士等の賃金・労働条件の改善が急務と述べられている。また、愛知県日本医療労働組合連合会からも、医療・介護職が働き続けられるのは院内保育所があるからこそで、低い賃金で募集しても保育士が集まらないことから、直ちに引き上げてほしいと、現場の声が寄せられている。
 そこで、医療提供体制を下支えし、子どもの命と向き合い、奮闘している院内保育所の保育士へ、専門職としてその役割にふさわしい処遇改善、今検討しているとの答弁があったが、直ちに必要だという認識を持っているか伺う。
【理事者】
 病院内保育所に勤務する保育士については、病院内保育所運営費補助金の単価の増額見直しをすることで処遇改善につながると考えるので、検討を進めている。
【委員】
 処遇改善につながることで検討を進めているとのことだが、今までずっと置き去りにされてきた分野であるため、早急な検討をいつまでにやるかを現場に早く示してもらいたい。
 もう一つ、今後処遇改善を実施するに当たって、補助金を受け取った医療機関が他の経費に流用することがないように注意する必要がある。厚生労働省も、地域医療介護総合確保基金からの院内保育所の保育士増額分は保育士の人件費にしか使えないと述べている。
 そこで、院内保育所に支給された補助金が流用されていないかを確認すべきと考えるが、どうか。
【理事者】
 病院内保育所運営費補助金は人件費に対する補助であるため、書類審査、実地調査を通して申請された人件費の金額を給与台帳により確認するなど、申請内容が適切かの審査を行っており、今後も引き続き適切な審査事務を進めていく。
【委員】
 流用がされていないかしっかりとチェックしてほしい。
 ケア労働者としての処遇改善を直ちに進めてもらうことを最後に要望して質問を終わる。
【委員】
 今月19日に本委員会の県内調査で視察に伺う予定である、あいち小児保健医療総合センターについて伺う。
 まず、あいち小児保健医療総合センターにおける、遺族等に対する心のケアについて尋ねる。
 本年11月26日に亡くなったあいち小児保健医療総合センターの伊藤浩明センター長の冥福を心よりお祈りしながら、約40年間小児医療に関わっていた伊藤浩明センター長の遺志を引き継ぎ、後を託された多くの医師や医療関係職員がより多くの子どもたちを救うことができる環境整備を願って質問する。
 あいち小児保健医療総合センターは2001年11月に保健医療を統合した施設としてスタートし、2016年2月に小児専門の救急医療の拠点として救急棟が開設され、2016年3月に東海3県初の小児救命救急センターとして指定され、愛知県唯一の小児医療専門施設としての役割を担っていると聞いている。また、2020年度からは小児救急外来、小児ERとして独立した部署になり、24時間365日体制で治療に当たってもらっていると認識している。
 あいち小児保健医療総合センターで対応する患者の中には、重症児や重篤な状態の子どもも多いと思うが、現状、年間何人ぐらいの子どもに対応しているか伺う。
【理事者】
 あいち小児保健医療総合センターの入院患者数は、昨年度4万9,580人であり、うち18歳未満は4万7,576人、外来患者数については、昨年度8万3,716人であり、うち18歳未満は7万8,005人の子どもに対応している。

あいち小児保健医療総合センターの画像
​あいち小児保健医療総合センター

【委員】
 大変多くの子どもの治療に当たっているとのことだが、残念ながら治療のかいなく、亡くなった子の親や兄弟などに対しては、心のケアや話し相手が必要になると思う。
 亡くなった子の親などに対する、医師や看護師の負担の状況について伺う。
【理事者】
 あいち小児保健医療総合センターに入院している重症患者の中には、家族の心の準備ができないまま亡くなる人もおり、家族は深い悲しみに包まれること、ストレスがかかることで体や心に様々な不調を来すことがある。そうした場合には、つらい気持ちを聞きながら、深い悲しみであるグリーフと付き合っていくための手伝い、いわゆるグリーフケアを行っており、2019年10月からは患者が亡くなった場合に、家族にグリーフカードを渡す取組をしている。このカードには、家族に寄り添う言葉とともに、グリーフケアとして、何らかのサポートが必要な場合に病院とつながることができる専門のメールアドレスを記載するなどしている。家族からメールがあった場合は、あいち小児保健医療総合センター内にある保健センターで内容を確認し、必要に応じて心療科医師や臨床心理士に連絡が入るようになっており、看護師等、多職種と連携し、家族の心理的葛藤や問題に対応している。
 こうした対応を行うため、心療科医師、臨床心理士のほか、看護師もグリーフケアの講習等を受講し、終末期の患者やその家族に対し、寄り添う看護を行っている。
【委員】
 重症患者や重篤な患者などがたくさんいる中で、あいち小児保健医療総合センターでは、小児における脳死下の臓器提供をしていると聞く。脳死下の臓器提供の実施件数について、愛知県は2020年度以降のデータでは全国1位と聞いているが、これまでの実施状況はどうなっているか。
【理事者】
 あいち小児保健医療総合センターにおける脳死下の臓器提供の実施件数は、2020年度以降6件となっている。
【委員】
 様々な箇所が臓器提供されると思うが、家族を亡くすという想像に絶する悲嘆に対して、さらに臓器提供となると、どのように説明して承諾してもらうのかを考えるだけでも心が痛む。成人ドナーの遺族に精神科受診を勧める大学病院等もあると聞くが、小児の場合、遺族はまだ若い両親や幼い兄弟であることを考慮すると、その対応に個別性が高いことが想像できる。小児の場合、成人よりも繊細なドナー家族のケアが必要だと思う。最終的には国レベルでの保健医療の範疇で対応すべきであるとは思うが、多くの臓器提供を行っている愛知県で先進的な取組を期待したい。
 そこで、ドナー家族のケアをどのようにしているか。
【理事者】
 臓器提供した場合、大切な人を亡くす悲しみとは別に、様々な感情を抱くことがある。例えば、本人の意思をかなえられたという達成感や何か意味のあることが最後にできたという肯定的な感情を持つ反面、本当によかったのだろうかという否定的な感情も芽生え、自問自答に悩むことがある。また、周囲に伝えたときの反応として、例えば何げない言葉に傷つくことや悲しい思いをすることもあり得る。あるいはこうしたことを恐れて臓器提供したことを人にはいえず、一人で悩みとして抱える場合も考えられる。
 あいち小児保健医療総合センターでは、先ほど述べたグリーフケアの中で、こうした家族の心理的葛藤や問題に対して、心療科医師、臨床心理士、看護師等の多職種が連携し、できる限り家族に寄り添ったケアを行うことができるよう努めている。
【委員】
 子どもが亡くなると、外来の診察ではないため、外来予約等ではなく、突然遺族が訪問することになり、現場で業務等のやりくりに難渋することもあるかと思う。そうしたことを考えると、現在、恐らくボランティアベースで主治医や担当看護師が勤務中に時間を作って対応しているという状況ではないかと推察するが、そうした現状から、重症、重篤な状態の子どもの終末期医療について、遺族外来も必要ではないかと考える。
 例えば、子どもの臓器提供についても、脳死判定から移植、親や兄弟への心のケアのためには、業務として時間を取って取り組むことができる相談員の配置も必要ではないか。赤ちゃんや子どもの思い出を共有できる人、思い出に寄り添い、力になってくれる人、そうした精神科医や看護師、保健師などの配置についてぜひ考えてもらえるよう、要望する。
 続いて、あいち小児保健医療総合センターにおける、虐待が疑われる児童への対応について尋ねる。
 未必の故意と言われる子どもに対する虐待だが、事故なのか故意なのか分からないといった判断の難しさがある場合においても、発見の最前線である医療機関の果たす役割は計り知れない。小さな声から拾い上げる支援として、あいち小児保健医療総合センターではMANAZASHIというフラグアプリを作り、スマートフォンやタブレットにアプリケーションを入れればシステムが使えるようにして、医師が子育て不安を感じる子どもがいることの認識をフラグレベルで登録して、大府市とともに関係機関と情報共有ができるようにして不安を可視化する取組をしていると聞く。
 そこでまず、あいち小児保健医療総合センターにおいて、新規に虐待が疑われた事例について、昨年度と今年度の件数を伺う。また、内訳として、乳幼児に関する件数と虐待が疑われる場合における児童相談センターや警察へ連絡した件数についても伺う。
【理事者】
 あいち小児保健医療総合センターでは、児童虐待の防止等に関する法律等に基づき、院内における虐待への対応方針等を明確にし、虐待の早期発見、被害者への保護・救済への迅速な対応等を行うことを目的として、権利擁護委員会を設置している。
 令和6年度に権利擁護委員会が対応した新規事例は、少し気になるという事例も含めると60件あった。また、令和7年度の11月末までに権利擁護委員会が対応した新規事例は、少し気になるという事例も含めると52件あった。
 次に、内訳として、令和6年度の新規事例60件のうち46件、令和7年度の11月末までの新規事例52件のうち32件が乳幼児に関する件数であった。また、令和6年度の新規事例60件のうち、児童相談センターへの通告は4件、市町村への通告・情報提供は7件、令和7年度の11月末までの新規事例52件のうち、児童相談センターへの通告は7件、市町村への通告・情報提供は5件であった。
 なお、あいち小児保健医療総合センターから警察へ連絡したケースはない。
【委員】
 次に、虐待が疑われるとまではいえないが、注視した方がよい場合について、あいち小児保健医療総合センターとしてどのように関わっているのかを伺う。
【理事者】
 外来や病棟など、あいち小児保健医療総合センター内で虐待が疑われるとまではいえないが、注視した方がよいケースに出会った場合は、まず、センター内の保健センター、保健室へ療養支援として連絡し、保健師による支援につなげている。また、日常診療において医師がリスクを判断し、行政の見守りが推奨されるケースなど、支援を要すると思われる児童については、市町村への情報提供を行うようにしている。
【委員】
 あいち小児保健医療総合センターでは、虐待に関する児童相談センター、警察等との協力連携体制についてはどのようになっているか。
【理事者】
 あいち小児保健医療総合センターにおいて虐待が疑われる患者を発見した場合には、虐待の告知や処遇の決定を行う児童相談所や、犯罪捜査を行う警察、支援を行う市町村などの関係機関と連携を取りながら対応していくことになる。例えば、院内で虐待が疑われるケースに出逢った場合は、職員はセンター内の保健センター保健室等へ連絡を行い、基本的な対応方針を検討するための会議を開催し、その検討結果に基づき、児童相談所や市町村への通告や相談を行うことになる。ケースによっては、虐待の状況や情報を共有し、援助方針の確立と役割分担の確認などについて話し合う個別ケース会議を開催することがあるが、この会議には必要に応じて児童相談所、市町村等の地域の関係者にも参加を依頼している。
 また、他の病院から、医療が必要であって虐待が疑われる児童の転院について、直接または児童相談所を通じて相談を受けることもあり、こうした場合には管轄の児童相談所と協力、連携しながら、虐待が疑われる児童への対応を行っている。
【委員】
 今様々な答弁をしてもらい、個別ケースには会議を行っている、連携を取っているという話であったが、現在の協力連携体制について、今足りていないこと、何を課題と考えていて、今後どのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 あいち小児保健医療総合センターでは、虐待が疑われる児童への対応について、児童相談所や警察と協力、連携して行っているが、医療機関とこうした機関との連携をさらに進めていく必要がある。
 あいち小児保健医療総合センターでは、県からの委託を受け、児童虐待防止医療ネットワーク事業を実施している。これは、虐待やその兆候を発見しやすい立場にある医療機関の虐待対応力の一層の向上を図るとともに、医療機関相互に相談、連携できるネットワークを構築することなどにより、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応を推進する事業だが、その一つとして児童虐待対応医療機関連絡会を開催して、事例検討などを行っている。昨年度はこの連絡会を3回開催したが、うち1回は医療機関や児童相談所だけではなく、警察や検察にも参加してもらい、事例検討を行った。今年度においても、10月に今年度2回目の連絡会を同様の形で開催した。
 このような取組を通じて、今後も、医療機関、児童相談所、警察、検察との連携をさらに深めていきたい。
【委員】
 あいち小児保健医療総合センターでは、虐待により身体的な後遺症が残ってしまった子どもへの支援についてはどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 身体的後遺症により医療的なケアが必要となった場合、通常は自宅療養となるが、虐待事案ではこのような対応を取ることができない。このため、あいち小児保健医療総合センターでは、医療的なケアを受けながら、乳児院や児童養護施設への入所が可能となるよう、必要な支援に取り組んでいる。
 また、緊急手術が必要な場合など、高度な医療対応が必要な事例を受け入れることで、小児医療を担う最後の砦としての役割を果たしている。
【委員】
 様々な連携が必要であるとのことだが、国は虐待対応の3機関連携、行政と警察と検察の連携を指示している。一方、けがや事故、あるいは不十分な育児に起因する問題は医療機関を受診することが多く、医療機関で発見される可能性が高いと考えられる。医療機関と行政と警察と検察の4機関の連携を速やかに実施することで、虐待や不適切な育児への速やかな対応ができるのではないかと考える。
 また、医療現場において、そのような小児に遭遇した場合、市町村に連絡する責務がある。
 各市町村において、地域病院とこども家庭センターなどとの連携が進んでいると思われるが、当然、目に余るような事例の共有が優先されると推測する。より小さな問題を多忙な臨床現場から拾い上げられるような連携が必要なのではないか。国からの3機関連携を超える、県からの4機関の連携指示があれば、関係機関が同時に動きやすくなり、虐待をより早く発見し、もっと子どもたちを早く救ってあげられるのではないか。
 あいち小児保健医療総合センターでは、フラグを立てる大府市との取組でMANAZASHIという情報共有サイトを現在保育園にも試用拡張している。教育現場から提供される情報も重要なので、いずれは教育現場へと進める予定と聞くが、当然、教育現場は子どもにとって安心できる環境であるべきで、昨今、教育現場でも盗撮や体罰、暴力などがニュースで上がっているが、そのようなことがない教育環境の確保が必要である。無力な子どもに対する虐待を防止するために、4機関との連携を強く要望する。
 また、高い志を持って小児医療に取り組む医療者のモチベーションを下げないよう、全ての子どもの未来のためにという志を酌み取ってもらい、公営の小児センターだからこそできることをしてほしい。今月19日に本委員会でも県内調査に赴くため、ぜひ公営の小児センターとしての必要性を鑑み、視察したいのでよろしくお願いする。
 次に、発達障害者の支援対策について尋ねる。
 2005年に施行された発達障害者支援法に基づき、各自治体では支援体制の整備が求められている。
 発達障害者支援法第2条では発達障害の定義を定めており、発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、その他、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であり、その症状が通常低年齢において発現するものとされている。また、発達障害者とは発達障害及び社会的障壁により、日常生活または社会生活に制限を受ける者を言う。政府広報オンラインによると、発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどがとても苦手だが、優れた能力を発揮している場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害とされており、近年、発達障害を持つ子どもが増えてきていると聞くが、まず、県内におおむねどれぐらいの人が該当すると想定しているか。
【理事者】
 県内の該当者数について、正確な人数は分からないが、厚生労働省が行った令和4年生活のしづらさなどに関する調査で、発達障害と診断された者の数は、推計値となるが、全国で87万2,000人となっている。愛知県の人口比率から推計すると、約5万2,000人となる。
【委員】
 発達障害の子どもは、できる限り早期に発見して適切な療育を行うことで、社会生活に適応できる能力が身につきやすくなると言われているため、子どもと接する機会の多い保育士や、幼稚園教諭が発達障害の特性や接し方などについての知識を十分持って業務に関わることが大切である。
 そこで、本県では発達障害の早期発見、早期支援についてどのような取組をしているか伺う。
【理事者】
 医療療育総合センター内に設置しているあいち発達障害者支援センターと、特定非営利活動法人愛知県自閉症協会・つぼみの会との共催で、保育士、幼稚園教諭向け連続講座を開催し、自閉症をはじめとした発達障害の特性などについて理解を深め、適切な支援の在り方について学ぶ講座を実施するとともに、愛知県社会福祉協議会、福祉人材センターに委託し、施設職員等を対象に、発達障害児者への適切な支援方法などについて学ぶ実践的な研修を実施している。また、研修講師として、あいち発達障害者支援センターの職員を派遣している。
 また、あいち発達障害者支援センターのスタッフが発達障害児のいる療育機関、保育所、幼稚園等を訪問し、事例検討などを行い、具体的な支援方法についてのアドバイスを行う機関コンサルテーションを実施することにより、発達障害の発見、支援ができる人材の育成に取り組んでいる。
【委員】
 障害のある子ども、例えば衝動的に行動する、対人関係や発達の偏りが気になる子どもを育てている親は、日頃から悩みを抱えていて、特に成長過程、子どもから大人への移行期である思春期から青年期においては悩みも多いと思う。今後の子育てに不安を感じるなど、本当に困っていると思うので、障害のある子どもの子育てに心配を抱える親への支援として、どのようなことを行っているか伺う。
【理事者】
 あいち発達障害者支援センターにおいて、発達支援プログラムとして、親子支援プログラム事業とペアレントメンター活用事業を行っている。親子支援プログラムは、発達障害特性理解のための講義、疑似体験、ピアカウンセリングを通して、知識、子育てのコツの理解及び精神的なサポートを体験し、事後フォローとして、1週間から3週間の間隔で2回程度、保護者が子どもの行動をきちんと捉えられるようになることを目標とした実習をしている。
 具体的には、子どものよいところ、努力しているところ、困ったところを整理していき、子どもの現状を確認するための一助となるよう、また、参加者同士で取り組むワークも交え、参加者同士が互いに知り合い、交流を深める機会としている。また、ペアレントメンター活用事業としては、乳幼児から青年期まで子育てに心配を抱えている保護者が同じ立場の保護者同士や先輩との交流を深めることを通して、今後子育てしていく上での基本的な安心感を持ち、子育てのヒントや今後の指針を得られるような機会を提供している。
【委員】
 今、様々な支援をしているという説明を聞いたが、将来的には本人や支援する家族が高齢化していくことを考えると、親亡き後を見据えた対策の推進も必要だと思う。このことについて、本県としてはどのような取組を行っているか。
【理事者】
 障害者の高齢化や親亡き後に備え、本人の希望に沿った親元から一人暮らし等への移行や、親が病気になり介護が見込めない事態に対応できる相談業務や人材育成などの専門性を有する地域生活支援拠点等の設置が市町村の努力義務となっている。本県では、地域生活支援拠点等は県内全域で設置されたが、求められる機能を十分有していない地域もある。
 そこで、本県においては、各市町村が地域生活支援拠点等における機能に関する検証、検討を行う際の参考資料として、令和3年度に、地域生活支援拠点等運用状況の検証・検討のための手引きを作成した。また、令和5年度に市町村に対して取組事例の調査を行い、各市町村における地域生活支援拠点等の機能の充実が図られるよう、事例の横展開を目的とした本取組事例集を作成し、市町村に活用してもらっている。
【委員】
 拠点は各市町村の努力義務で設置するため、市町村がそれぞれ考えているとは思うが、障害のある人が今後必要となること、今後の課題についてはどのように考えているか。
 また、今後のさらなる支援について、県としての考え、またどのように取り組んでいくのかを伺う。
【理事者】
 発達障害者支援対策については、これまでの取組によって、乳幼児期から成人期までのライフステージごとの取組を進めてきた。ライフステージごとの取組に加えて、課題を考えたときに、例えば乳幼児期から就学期、就学期から成人期といった移行期への切れ目のない支援が必要である。つまり、ライフステージをつなぐ支援が必要であると考えており、支援機関相互の連携を強化していくことが求められる。
 本県では様々な分野の関係機関で構成される、愛知県発達障害者支援体制整備推進協議会という場があり、このような協議会の場を活用して、生涯を通じて切れ目のない継続的な支援が行えるよう、引き続き総合的な支援体制の整備に取り組んでいくことを考えている。
【委員】
 成長過程においての移行期、ライフステージに合った支援を考えているとのことだが、障害のある子どもの支援について、親亡き後の対策については、親が元気なうちに今後の不安を解消できるような相談窓口などを考えてもらい、協議会をやっているとか、県が市町村に対しても様々な働きかけをしているとか、ぜひそうした情報が対象の人に行き届くようにしてもらいたい。他者との関わりが持てずに接触が少なく、なかなか情報が得られないという場合もあると思うので、そうしたことを今後配慮してもらうことを要望して質問を閉じる。
【委員】
 訪問介護サービス提供体制の確保について、今までも関連の議論がされているが、先日ある新聞報道で、訪問介護事業者の倒産件数が2025年は過去最高になったとあった。訪問介護は、令和6年度の基本報酬改定において利益率の高さを根拠に、2パーセント以上マイナス改定された。その影響等によって厳しい経営状況にあることに加えて、人材確保が困難な状況から職員の高齢化も進んで、サービス提供の継続が厳しくなっており、将来的には訪問介護の提供体制の崩壊が危惧される状況になっているという内容であった。本県でもこうした現状があるとすれば大変心配であるため確認したい。
 愛知県における訪問介護事業所の総数、また、配置数はどのように推移しているか。また、もし分かれば、令和6年度の報酬改定の影響も含めて答えてほしい。
【理事者】
 本県における訪問介護事業所の総数は、2000年に介護保険制度が始まって以降、一貫して増加しており、いずれも4月1日時点の事業所数だが、2023年が1,903事業所、2024年が1,990事業所、2025年が2,063事業所と、毎年度増加している状況である。また、訪問介護事業所の廃止数だが、2023年度が98事業所、2024年度が113事業所、2025年度が10月末までの7か月で53事業所となっている。なお、昨年度までの過去10年間の年度ごとの廃止事業所数だが、平均で107.4事業所であるため、2024年度の報酬改定の前と後で比べて、顕著に廃止事業所数が増えているといった傾向は現在のところ見られない。
【委員】
 愛知県の現状として、廃業する事業所もあるが、それ以上に起業する事業所数が多く、総数ではどちらかというと増えているとのことであるため、全国の状況とは若干違うかもしれないが、これも必要なサービスであり、今後高齢者数が2042年のピークに向かって増加する予測になっていることから、基本報酬は全国一律の公定価格であるため、国への働きかけも含めて、県としてしっかりと対応をお願いしたい。
 次に、事業所の偏在の問題について、この記事の中に、全国で事業所が一つもない自治体が増加しているとあった。今では100の町村に広がっているとのことである。県内では、訪問介護事業所がない市町村は一つもないが、1事業所しかない市町村が飛島村、設楽町、東栄町、豊根村と4町村あると聞く。こうした地域で訪問介護事業所が増えない理由として、まず、訪問介護事業所の指定を受けるためには、訪問介護員が常勤換算で2.5人必要である。その人員を確保することも難しい、厳しい状況にあると聞く。今後も人口減少が見込まれる中山間地域等において、事業所の新規参入を進めるためには、こうした人員基準の弾力的な運用も含め、柔軟な対応が必要であると考える。
 そこで、特に中山間地域等において訪問介護事業所が参入しやすくするための仕組みづくりについて、県の考えを伺う。
【理事者】
 中山間地域等において介護事業所を開設しようとする場合、必要となる介護人材の確保等が困難な状況があることから、介護保険法では、人員や設備に関して通常よりも緩和した基準を県で定め、少ない人員でも事業所を開設できる仕組みが設けられている。さらに、緩和された基準も満たすことが難しい地域においては、市町村が定める一定の要件に適合すれば、事業所を開設することができることとされている。県では市町村に対して、通常の指定基準では事業所の確保が難しい場合に、こうした制度を積極的に活用してもらうよう助言を行っている。
 また、国は、2027年度の介護保険制度の改正に向けて、訪問介護事業所が安定的に収入を確保できるよう、現行の回数を単位とする出来高制の報酬に加えて、利用者1人当たりの定額制報酬を選択できる仕組みや、デイサービス等の職員が空き時間を活用して訪問介護を提供できるようにする新たな仕組みの導入について検討を進めている。
 県としては、こうした国の制度改正の動向を注視し、制度の活用について市町村にしっかりと周知を図り、中山間地域を含めた本県の訪問介護の提供体制の確保に努めていく。
【委員】
 国は、できる限り住み慣れた地域で必要な医療介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現できる社会を目指すといっており、介護は国の制度が基本であることから、先ほど答弁があったように、今後国の見直しがあるかもしれないが、県としても国への要望をしっかりと継続するとともに、県としての取組もしっかりとやってほしい。
【委員】
 本年9月に公表された2024年の日本人の出生数は68万6,173人と、初めて70万人を割った。100万人を割ったのが2016年、130万人を割ったのが1989年である。したがって、27年間で30万人減少していたペースが急激に加速して、僅か8年でさらに30万人減少したことになる。
 10月10日に公表された愛知県の2024年出生数は、4万5,514人と昨年と比べ2,888人減少し、現在の統計制度となった1947年以降で最少となっており、少子化は待ったなしの状況である。
 この状況を何とかするための対策として、私が重要だと考えているものの一つがプレコンセプションケアである。プレコンセプションケアとは、男女を問わず将来のライフプランを考えながら日々の生活や健康と向き合うことで、性や妊娠に関する正しい知識を学び、健康管理を促すことを言う。私は昨年9月定例議会の代表質問でも、このプレコンセプションケアを含めた女性健康支援事業について質問させてもらい、大村秀章知事からは、本県ではすこやか妊娠・出産総合ポータルサイトAICHIを2024年3月に開設し、プレコンセプションケアについて啓発しており、8月末でのアクセス件数が8,039件だったと当時答弁してもらった。
 そこで、すこやか妊娠・出産総合ポータルサイトAICHIではどのような啓発をしているのか、アクセス件数の実績と併せて伺う。
【理事者】
 ポータルサイトでは、若いうちから男女問わず妊娠、出産について正しく知ってもらえるよう、プレコンセプションケアについての説明や、不妊症、不育症に関すること、また、妊娠出産を経験した人の声や相談窓口などについて情報発信している。アクセス件数は、2025年11月末時点で2万7,252件となっている。

すこやか妊娠・出産総合ポータルサイトAICHIの画像
​すこやか妊娠・出産総合ポータルサイトAICHI

【委員】
 若い世代が自分の将来を展望する際に、性や健康、妊娠に関する正しい知識の取得方法や、相談する場所、手段について必ずしも広く知られていないといった現状を踏まえ、国においてもプレコンセプションケアに係る課題と対応について整理し、本年5月にプレコンセプションケア推進5か年計画を策定した。計画には、今後5年間の集中的な取組の一つに、全ての世代の人々を対象に性や健康に関する正しい知識の普及と情報提供を行うことが掲げられている。
 そこで、本県ではプレコンセプションケアに関する正しい知識の普及と情報提供について、ポータルサイトによる啓発のほかにどのような取組をしているのか伺う。
【理事者】
 本県では今年度、市町村保健師、助産師等がプレコンセプションケアを踏まえた母子保健活動に取り組んでもらえるよう、研修会を実施した。また、市町村が学校等と連携して実施する健康教室へ公益社団法人愛知県助産師会に所属する助産師を講師として、従来から派遣しているが、今年度はプレコンセプションケアについて知識を深めてもらう機会を増やすため、健康教室の回数を増やし、主に小中学生を対象とした思春期教室を実施している。そのほかの取組としては、妊よう性について解説したリーフレットを、成人式を迎えた人に配布している。
【委員】
 国の5年間の集中的な取組としては、正しい知識の普及啓発と並んでもう一点、相談支援の充実も挙げられている。相談支援について、昨年9月定例議会の代表質問では、若い世代の使用しやすさを考慮し、LINE相談を2023年秋から開始し、支援に取り組んでいるとの答弁をしてもらった。
 そこで、LINE相談における相談内容と実績について伺う。
【理事者】
 本県では、学校や仕事が終わった後でも、妊娠や出産に関する悩みなどを相談できるよう、あいち性と妊娠相談ほっとラインを毎日午後6時から午後10時まで開設している。2024年度は375件の相談があり、妊娠したかもしれないなどの不安が174件と最も多くなっている。そのほか、女性の体や出産に関する相談などがあった。
【委員】
 今、LINE相談について答弁してもらったが、LINE相談のほかに、相談支援に関する県の取組について答えてほしい。
【理事者】
 本県ではLINE相談のほかに、公益社団法人愛知県助産師会へ委託し、電話による健康相談を祝日等を除く月曜日から土曜日の午後1時30分から午後4時30分まで実施している。2024年度は768件の相談があった。また、LINE相談及び電話相談を利用した人のうち、予期せぬ妊娠などで産科医療機関への受診が必要な状況にある場合には、助産師が相談を受けた上で同行するアウトリーチ型支援を実施している。
 なお、県の保健所にも相談窓口を設置している。
【委員】
 ここまで聞いた県の取組では、特に知識の普及啓発について、学生を中心に取組を展開しているように感じた。一方、国が目指している全ての世代の人々を対象としていくという点を考えると、対象者のさらなる拡充が必要であると考える。
 本年9月、私事だが、職場で女性特有の健康課題に関する研修を受講した。これは選択制の研修ではなく、必修の研修だった。研修を実施した背景には、女性の社会進出が進む中、職場で働く女性の健康課題を正しく理解し、職場環境を整備することは女性のウェルビーイングの実現や企業の価値向上に寄与するとの考えが会社にあると理解している。
 受講して感じたことは、私自身が思っていた以上に女性の身体の特徴を理解していなかったこと、そして、男性も女性も身体の特徴についてしっかりと学ぶ機会を確保することが大切である。現状、こうした学習機会を社会に出てから得ることは限られているかと思う。しかし、むしろ社会に出てからこそ繰り返し必要であると強く感じた。
 プレコンセプションケアの知識普及については、学生向けだけではなく、幅広い対象への働きかけが必要と考える。県として今後どのように取り組んでいくのか。
【理事者】
 本県では、市町村が実施する健康教室へ公益社団法人愛知県助産師会に所属する助産師を講師として派遣しているが、主な対象が小中学生となっているため、プレコンセプションケアについては就職した後も企業等において正しい知識を習得できるよう環境整備が必要と考えている。
 そのため、今後は従業員の健康管理に積極的に取り組んでいる愛知県健康経営推進企業に対して、従業員が自身の将来の健康について考えるためのプレコンセプションケアに関する情報をメールマガジンで発信することで、企業としても取り組んでもらえるよう働きかけていく。
【委員】
 最後に、もう一歩踏み込んで卵子凍結について伺う。
 本県には、将来自分の子どもを産み育てることを望む小児・AYA世代のがん患者等に精子や卵子等の採取、凍結保存を行う、妊よう性温存治療及び妊よう性温存治療により凍結した検体を用いた温存後生殖補助医療にかかる費用を助成する制度がある。
 今回はこの制度とは別に、病気のリスクがない健康な女性が加齢により妊娠することが難しくなっていくことに備えて卵子を凍結すること、ノンメディカル卵子凍結に関する県の認識について伺いたい。
 2023年10月より、東京都では、健康な人が使える卵子凍結助成金が始まった。また、大阪府池田市や山梨県が助成金事業を開始している。東京都がノンメディカル卵子凍結への助成を始めたことによって、卵子凍結やリプロダクティブ・ライツ、いわゆる産むことや、いつ産むかを自分で決める権利への関心が高まっている。
 こうした動きについて、私自身大変関心を持ったところだが、卵子凍結について語る際には、医療面、倫理面、社会面、経済面等々、幅広い視野に立って考える必要があり、知識や理解がまだ足りていないと感じている。
 そこで、生成AIにノンメディカル卵子凍結についての賛成・反対意見を聴いてみた。すると、賛成意見として三点、一点目、女性のライフプランの自由と自己決定、二点目、加齢による不妊リスクへの備え、三点目、晩婚化、出産年齢上昇、不妊治療増加といった社会問題に対する一つの選択肢といった回答が得られた。逆に反対意見としては、一、妊娠成功率への過大な期待、二、高額な費用と経済格差、三、出産は後回しという社会メッセージへの懸念といった回答が得られた。同様に、行政が支援することへの賛成・反対意見では、賛成意見として、一、少子化対策の一環として期待できる、二、経済負担の軽減、公平性の確保、三、女性のキャリア継続を後押しといった回答。反対意見としては、一、医療的効果や成功率が不確実、二、出産の後回しを助長する懸念、三、税金の使い方として優先度が低い。これについてもう少し補足すると、予算には限りがある中、医学的な緊急性のないノンメディカルな卵子凍結支援に公費を投入することは、現在進行形の不妊治療や子育て支援、医療的適用の卵子凍結など、より優先度の高い公的支援を必要とする分野への予算が圧迫されるというようなことである。このような回答がAIから返ってきた。これはチャットGPTもジェミニも大体同じような回答であったため、恐らくそのようであると思う。現状では賛否の意見が色濃く存在していることが分かった。
 そこで、ノンメディカル卵子凍結に関する現時点での県の考えについて、答えられる範囲で答えてほしい。
【理事者】
 ノンメディカル卵子凍結を行うことについては、キャリアや学業との両立のメリットがある一方、医学的には必ずしも妊娠できる保証はなく、妊娠した場合でも年齢が上がれば上がるほど出産時のリスクは高くなるなどデメリットもあり、当事者が正しい知識を持った上で選択することではあるが、公益社団法人日本産科婦人科学会の見解としては推奨しないとしている。
 本県においても、現時点においては同様に考えている。
【委員】
 冒頭、出生数の急減について触れた。出生数の急減が始まった2016年に生まれた子どもたちは2034年に18歳となる。このため、この頃から毎年高校、大学を卒業して新たに社会の担い手となる人材の急減期が始まる。
 本年、本委員会の県外調査で訪問した北九州市のスマートライフケア共創工房で紹介された書籍、働き手不足1,100万人の衝撃、この世界がやってくることである。その世界に対する打ち手については、書籍をはじめ、違う場での議論が必要だが、今回は出生数そのものにダイレクトに影響する部分について質問させてもらった。
 知っていて選ばないことと、知らないで選べないことは違うのだ、これは、こども家庭庁が実施したプレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会で若者から出た意見である。また、知ろうとしない人でも知識を得られるシステムをつくることが重要だとの意見も出たそうである。
 日本は性や生殖に関する教育の機会が乏しく、先進国の中で知識が最低レベルともいわれている。私自身もさきに触れた女性特有の健康課題に関する研修を受講して、はっとさせられたし、全ての人が適時適切に知識をアップデートできる社会をつくり上げることがとても大切であると思う。
 国は来年度、プレコンセプションケアの普及啓発や卵子凍結モデル事業による環境整備に予算を充当する考えを示している。本県においてもこうした動きにしっかり対応できるよう、取り組んでもらうことを要望して質問を終わる。

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