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一般会計・特別会計決算特別委員会審査状況(令和7年11月12日)

ページID:0622613 掲載日:2026年1月28日更新 印刷ページ表示

一般会計・特別会計決算特別委員会

委員会

日時 令和7年11月12日(水曜日) 午後0時59分~
会場 第8委員会室
出席者
 富田昭雄、新海正春 正副委員長
 直江弘文、須崎かん、近藤裕人、辻 秀樹、中村貴文、安井伸治、
 小木曽史人、細井真司、しまぶくろ朝太郎、喚田孝博 各委員
 経済産業局長、同技監、産業部長、水素社会・モビリティ推進監、
 中小企業部長、革新事業創造部長、
 労働局長、就業推進監、技能五輪・アビリンピック推進監、
 観光コンベンション局長、観光推進監、
 労働委員会事務局長、同次長兼審査調整課長、
 会計管理者兼会計局長、同次長、
 代表監査委員、監査委員事務局長、同次長、関係各課長等

一般会計・特別会計決算特別委員会の審査風景画像
委員会審査風景

付託案件等

決算

決算第1号 令和6年度愛知県一般会計歳入歳出決算
 歳出第5款経済労働費及びこれに関する歳入
決算第6号 令和6年度愛知県中小企業設備導入資金特別会計歳入歳出決算

会議の概要

  1. 開会
  2. 決算概要の説明
  3. 質疑
  4. 閉会
主な質疑
経済産業局、労働局、観光コンベンション局、労働委員会事務局関係

【委員】
 令和6年度決算に関する報告書194ページ、雇用対策事業費の2、UIJターン促進事業費について伺う。
 県では、県外からの人材還流を促進するためにUIJターン希望者への情報提供や就労支援を行うあいちUIJターン支援センターを東京都と名古屋市に設置して、相談対応や求人紹介などを実施している。本年9月定例議会において議員が一般質問で取り上げ、開設以来、昨年度までの8年間で6万4,145件の利用があり、498人が県内企業への就職を実現したと答弁があった。
 依然として県内企業の人材不足は深刻であり、特に若年層や専門人材の確保は、地域経済の持続に不可欠である。一方で、首都圏への人口流出や都市部への集中が続く中、UIJターン施策の効果的な運用が求められている。令和6年度決算ではこの事業に3,422万3,051円が支出されているが、事業の成果とそれに対する評価などについて伺う。
 初めに、令和6年度におけるあいちUIJターン支援センターの利用実績について、具体的には、相談件数、県内企業への就職決定者数、直近5年間の各実績の推移を伺う。
【理事者】
 2024年度におけるあいちUIJターン支援センターの利用実績について、利用件数は7,146件、就職決定者数は75人となっている。
 次に、直近5年間の利用件数及び就職決定者数の実績の推移は、2023年度が1万618件、75人、2022年度が9,902件、71人、2021年度が1万1,508件、66人、2020年度が9,433件、69人となっている。
【委員】
 次に、本事業による県内企業の人材確保に対する評価と課題、今後の対応について伺う。
【理事者】
 本事業の評価については、UIJターン支援センターの就職決定者数の事業目標を2021年度までは50人、2022年度以降は70人と設定しているが、直近5年間においてはいずれの年度も目標を達成しており、県内産業における人材確保の一助となっているものと認識している。
 一方で、課題としては、首都圏の求職者に対して、愛知県内の企業の情報が十分に届いていない点が挙げられる。特に、学生等の若年層に対する訴求力が十分でないことが課題である。
 こうした課題に対応するため、首都圏の大学等との連携を強化し、UIJターン支援センターが学内セミナー等に積極的に参加することなどを通じて、愛知県企業の魅力を効果的に発信していく。
 また、SNS等を活用した広報手法にも工夫を凝らし、若年層を含む幅広い層への情報提供を充実させていく。
 さらに、求職者一人一人の希望に寄り添ったきめ細かな相談支援を徹底することで、利用件数及び就職決定者数の確保に努めていく。
【委員】
 自動運転と歴史観光の計2件について伺う。
 まず初めに、自動運転社会実装推進事業について、令和6年度決算に関する報告書179ページの商工業振興費のうち、自動運転社会実装推進事業費2億6,600万余円について質問する。
 愛知県では自動運転の社会実装推進を全国に先駆けて、2016年から多様性に富んだ実装実験に挑戦しており、令和6年度には県内3地域で自動運転の実証実験を行ったと承知している。
 私も昨年、STATION Aiから名古屋駅東側まで運行している自動運転車両に同期3人で試乗した。途中、ドライバーが瞬時に手動に切り替えて運転する場面もあったが、それ以外は自動運転走行が続き、思った以上に快適であった。
 まず、令和6年度の3地域での実証実験について、それぞれどのような目標、テーマを持って取り組んだのか伺う。また、その成果について教えてほしい。
【理事者】
 昨年度は、名古屋市中心部、中部国際空港周辺、愛・地球博記念公園の3地域で実証実験を実施した。
 名古屋市中心部では、交通量の多い都市部での定期運行をテーマに、市街地の複雑な道路環境における円滑な走行を実現するとともに、定期運行を通じ社会受容性の醸成を図り、また、将来のロボットタクシーの県内展開に向けたオペレーション等の検証を行った。
 成果としては、幹線道路の車速に沿った自動運転車両による定期運行は全国初、また、総便数に対して95パーセントの高い予約率を達成し、多くの人に乗車してもらった。車内無人を想定した予約から乗車、降車までの流れも、8割以上の人が問題なく利用できた。
 中部国際空港周辺では、常滑市街地と中部国際空港連絡道路を含むルートの2か所で実施した。常滑市街地では、コミュニティバスの自動運転化をテーマに、夜間の走行など、実装を想定した検証を行った。
 成果としては、夜間走行時の自動走行率は97.2パーセントと夜間にもしっかり走れ、常滑市が運行するコミュニティバスと同等のサービスを提供できた。
 中部国際空港連絡道路を含むルートでは、中型バスによる高速道路の自動運転走行をテーマに、イベント時の輸送を想定した立ち席や夜間走行、強い横風への対応、ETCレーンを安全に通過する走行制御の検証を行った。
 成果としては、ETCレーンも自動で通過でき、また、自動車専用道路における中型バスの安全走行が確認できた。
 愛・地球博記念公園では、歩車混在空間における安全走行をテーマに、ジブリパークの各エリアを結ぶ園内バス東ルートにおいて、多くの歩行者が行き交う環境下での安全性確保の検証を行うとともに、実装に必要となる正確なオペレーションを検証した。
 成果としては、バスの周辺歩行者へのアンケートで安全と感じた割合が95.5パーセントを達成し、受け入れられることが確認でき、定時性も確保できた。さらに、多くの人が利用する東ルートでは、着座のみの自動運転バスで積み残しが発生してしまう課題も抽出できた。
【委員】
 それぞれの目標、成果が分かった。
 次に、令和6年度の実装実験で得られたデータとして、自動運転率、体験乗車数、体験者の感想を伺う。
【理事者】
 データについて、自動運転率は、名古屋市中心部で90.5パーセント、常滑市街地で91パーセント、中部国際空港連絡道路を含むルートで96.2パーセント、愛・地球博記念公園で96.5パーセントという結果だった。主な手動介入場面であるが、路上駐車車両の回避や車線変更の場面であった。
 体験乗車数について、名古屋市中心部で1,419人、常滑市街地で201人、中部国際空港連絡道路を含むルートで245人、愛・地球博記念公園で2,888人であった。
 体験者の感想としては、名古屋市中心部では乗車満足度が90パーセントとなっている。一方で、走行中に不安に感じた点として多かったのは、路上駐車車両への対応であった。また、中部国際空港周辺では利用者アンケートで不安を感じない自動制御だったかの結果が80パーセント未満であって、ブレーキ操作の技術、調律改善による乗り心地の向上が求められている。
【委員】
 最後に、令和6年度の実績、成果を踏まえて、今年度、どのように取り組んでいくのか伺う。
【理事者】
 今年度は、名古屋市中心部、中部国際空港へアクセスする高速道路、愛・地球博記念公園の3か所で実証実験を行う。
 名古屋市中心部では、自動運転タクシーの社会実装に向けた取組を加速し、路上駐車が多い栄地区をルートに加えて、重点的に課題抽出を行っていく。その結果を踏まえ、1月に自動で車線変更ができるよう、アップデートを予定している。
 中部国際空港へアクセスする高速道路では、高速バス路線の自動運転化を目指し、全国初となる大型観光バスタイプの車両による走行実証を行う。昨年度のETCレーンの通過や、時速60キロメートル走行などの要素を生かしていく。
 愛・地球博記念公園では、昨年度までの実証で西ルート、管理用道路、東ルートを走ることにより、導入に適したルートとして西ルートを選定した。今年度は西ルートにおいて自動運転バスの実用化を見据えた運行実証を実施していく。
【委員】
 今答弁してもらった課題等を克服してもらって、今後、ますます自動運転が推進されることを期待する。
 続いて、歴史観光推進事業について、令和6年度決算に関する報告書201ページの歴史観光推進事業費4,400万余円について質問する。
 あいち歴史観光推進協議会において、首都圏はじめ県内各地にて観光展の開催、歴史イベントへの出展、デジタルスタンプラリーなどを実施しているが、まず、令和6年度の事業内容を具体的に伺う。
【理事者】
 あいち歴史観光推進協議会について、2024年2月に県と市町村、観光関係団体等、合計109団体で設立した。この協議会を通じて、武将、お城、街道のテーマを掛け合わせ、愛知県の歴史観光として、オール愛知で観光誘客や県内の周遊促進に取り組んできた。
 具体的な取組として、まず、観光展の開催については、昨年7月に東京都であいちの歴史観光をPRする観光展を市町村や観光協会にも出展してもらって開催した。
 あと、歴史イベントの出展だと、代表的なものとしては、12月に横浜で開催されている全国規模の城郭イベント、お城EXPOに出展した。
 また、デジタルスタンプラリーについては、昨年度7月から2月の8か月間にかけて、10のテーマを設けて、お城と古戦場、街道といったところを歴史スポットにしながら、1コース2か月のスタンプラリーを合計10コース開催した。大体、1コース10ぐらいのスポットを設けている。
 これ以外にも愛知県の歴史観光をPRするウェブサイト、ポータルサイトの開設や、愛知県内でも愛知県はじめ全国のお城をPRする城郭イベントであるにっぽん城まつり、小牧山城に専門家による現地のガイドウォーク、街道関係では昨年度、東海道五十七次の完成400年を記念した沿道8都府県、東京都から大阪府までの8都府県の宿場関係者による取組事例の発表会など、武将、お城、街道に関する様々な取組を実施した。
【委員】
 事業内容については分かったので、次に、令和6年度の事業の実績について教えてほしい。
【理事者】
 今言った事業について、それぞれの取組の一部の実績を紹介する。
 まず、首都圏で開催した観光展だと、7月に2日間開催したが、2日間で延べ1万6,500人に来場してもらった。その前には、2022年や2023年に、大河ドラマどうする家康に絡んで東京都で観光展を開催したが、2022年も2023年も約1万6,000人の来場者数だったため、2024年もそれ相応の人にしっかり東京でもPRできたと思う。
 先ほど少し言った歴史観光のポータルサイトについて、昨年6月末につくって、月平均の閲覧数が約2万5,000ビューという数字である。この前年のどうする家康のときに開設していた武将観光の特設サイトの数には及ばないが、そのときの半分を超えるぐらい閲覧数があったので、2024年度は愛知県を舞台とする大河ドラマが放送されていなかったことを考えると、ある程度、比較的多くの人に情報発信できた。
 また、スタンプラリーについて、全10コース、延べ約3,700人余りに合計3万1,000スポット訪問してもらえた。県内の人が多いが、県外からも1割程度参加してもらい、一定の効果があった。
【委員】
 来年、豊臣兄弟!があるため大きな期待を持つが、これまでの事業を踏まえて、今の答弁も含めて今年度どのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
 まず、引き続き武将、お城、街道と、愛知県ならではの歴史スポット、歴史観光資源をしっかりPRして、観光誘客、県内の周遊促進につなげていきたいと考えており、今いろいろ取り組んでいる。
 また、歴史観光の関心層を分析すると、例えば、昨年度のスタンプラリーの参加者を見ると、男性、女性と比べると男性が多く、年代だと40代、50代、60代が比較的多いということで、新たなファン層の獲得に向けて、女性や若年層など、比較的、相対的に割合が低かった層の獲得に向けて、今年度から女性や若年層をターゲットに、県内各地にある写真映えするような武将ゆかりの庭園を対象としたフォトコンテストも実施している。
 先ほど委員も言ったが、来年1月から大河ドラマ、豊臣兄弟!が放送される。2023年のどうする家康のときには、ふだん人が少ないスポットにもたくさんの人に訪れてもらった。今回も大河ドラマはある程度、誘客効果があると思う。
 県としても大河ドラマを活用して、例えば、初回放送に合わせたパブリックビューイング、番組出演者によるトークショーを1月4日に開催予定である。また、名古屋駅でのインフォメーションセンターの設置、車での周遊を促すドライブマップの作成を行う。さらに、3県にドラマ館が設置され、愛知県内にも中村公園に設置される。他県だと、滋賀県長浜市、奈良県大和郡山市にドラマ館が作られることから、愛知県、滋賀県、奈良県を周遊するキャンペーンに取り組んでいく。
 そういった取組など、しっかり大河ドラマを活用して、情報発信、周遊促進の取組を行っていきたい。
【委員】
 三点伺う。
 まず、一つ目に、令和6年度決算に関する報告書168ページ、あいちデジタルヘルスプロジェクト推進事業費について伺う。
 本事業は、2023年9月にあいちデジタルヘルスコンソーシアムが設立され、デジタル技術等を活用し、高齢者が健康なときからフレイルを予防し、住み慣れた地域で暮らせる支援をするとともに、生涯を通じて生きがいを持って生活することができる地域を実現することを目指すものとして、昨年度から具体的なテーマに沿って、事業が取り組まれているものと承知している。
 令和6年度決算に関する報告書には、基本計画に基づき、早期に社会実装を目指す七つのテーマに係る先行事業に着手するとともに、新たに三つのテーマを採択し、合わせて10件の実証事業を県内各地で実施したとある。
 そこで、まず、昨年度の事業費3億285万9,095円の内訳について伺う。
【理事者】
 事業費の内訳については大きく二つの経費に分かれている。
 一つ目は、フレイル予防のための運動や食事改善をはじめ、早期に社会実装を目指す七つのテーマに係るサービス、ソリューションの実証委託費であるデジタルヘルス社会実装先行事業費として約1億2,500万となっている。
 もう一つは、この七つのテーマ以外で新たなサービスの実証を支援する共創促進事業をはじめとして、県民向けサービスの窓口となるポータルサイトやサービス利用を通じて取得する各種データ、こちらを活用するデータ連携基盤の開発に向けた仕様書作り、このほか、プロジェクト全体のマネジメント業務、また、このプロジェクトの推進母体であるコンソーシアムの運営経費を含めた委託事業として、約1億7,700万円となっている。
【委員】
 大きく二つの事業でこの事業費を支出したと理解した。
 そうした中で、先行事業として取り組んだ3テーマ7事業については、今年度も引き続き同様の実証体制で実施しているようであるが、共創促進事業として今年度は昨年度とは違う事業が実施されているようである。昨年度の同事業は単年度事業として取り組んだようであるが、この事業の採択はどのようにしているのか。また、事業の成果はどうだったのか。また、共創促進事業の狙いはどのようなところにあるのか伺う。
【理事者】
 共創促進事業については、先ほどの七つの先行事業以外に新たなサービスを創出するための支援、それに併せて、県民に提供するサービスの拡充を図るためのコンソーシアムの運営等の経費を実施している。
 共創促進事業のうち、新たなテーマに関するサービスの創出支援に関しては、委託事業者において、支援対象事業者の公募をし、採択している。昨年度については7月2日から7月26日までの期間を募集期間として、12の事業者から応募があった。
 事業の採択に当たっては、コンソーシアムの附属機関であり医療・ビジネス・行政の専門家で構成する有識者会議でアドバイスをもらいながら、実証後の社会実装が見込めるか、先行事業とは違った取組の広がりが期待できるかといった観点から評価、選定した。
 昨年度は、健康診断のデータやAIを活用して、フレイルリスクの高い高齢者を特定した上で、医療機関の受診を働きかけるプロジェクトが2件、また、高齢者向けのタブレット端末の導入を通じて、生活の質の向上や介護現場の負担軽減につなげるプロジェクトが1件、計3件を採択した。
【委員】
 共創促進事業は、今説明してもらったように、委託事業者がそれぞれ附属機関で採択されたとのことである。
 一方で、委託事業者の事業として、データ連携基盤事業も含めてだが、1億7,000万円という大きな金額で推進してもらっているとのことである。単年度で終わってしまうにはあまりにも惜しいような事業もあったかと見受けられたが、この辺りはこれからトータルでデジタルヘルスプロジェクトの中で生かされることを期待したい。また、この事業がそもそも、健康寿命の延伸、そして生活の質(QOL)の維持、向上を目指したものであることは理解するし、将来的には医療、介護、福祉の費用が軽減されていくことにも資するものと期待しているため、今後、この事業もしっかりと見せてもらいたい。
 続いて、障害者雇用促進対策について伺う。
 この年度においては、雇用促進費、就労支援事業費、精神障害者就労定着支援事業費、中小企業応援障害者雇用奨励金の予算が計上され、執行されている。令和6年度決算に関する報告書195ページに、障害者就労支援事業費と中小企業応援障害者雇用奨励金の2事業が記載されているが、他の事業の実施状況も踏まえながら伺う。
 昨年、2024年4月から障害者の法定雇用率が2.5パーセントとなり、来年、2026年7月には、対象事業者が常用労働者40人以上の企業から37.5人以上の企業となり、法定雇用率も2.7パーセントへと引き上げられる。
 厚生労働省愛知労働局の公表資料によると、昨年、令和6年12月時点で、愛知県内の民間企業の障害者雇用者数、実雇用率は過去最高となったものの、実雇用率は2.36パーセントと全国の2.41パーセントを下回り、法定雇用率2.5パーセントには届いていない状況となっている。
 そうした状況を踏まえ、障害者就労支援事業等は、障害者雇用促進にとって大事な事業であると思っている。
 そこで、昨年度の障害者就労支援事業の実績と成果について伺う。特に、障害者の就労は、本人はもとより、職場の周りの人々の理解がないとなかなか定着に至らないことが多いものであるが、定着支援の取組はどのように対応してきたのか伺う。
【理事者】
 障害者就労支援事業では、国と連携し、あいち障害者雇用総合サポートデスクを運営し、障害者の受入れから雇用後の職場定着まで一貫した企業支援を行っている。
 昨年度の企業からの相談件数は7,444件で、2019年5月の開設以降、増加傾向となっており、サポートデスクの認知度は着実に広がっている。特に、2024年4月からの法定雇用率の段階的な引上げに伴い、採用や職場実習に関する相談が増加している。こうした相談の中から、昨年度は県で67人の職場実習をコーディネートし、そのうち32人が採用に結びつくなど、障害者雇用を促進することができた。
 職場定着に向けては、職場の同僚が身近な理解者となり、働く障害者をサポートする、企業内援助者の養成研修を2回開催し、38人に参加してもらった。さらに、企業に出向いて職場定着のための具体的なコンサルティングを行うあいちジョブコーチを38社に105回派遣した。加えて、企業への出前講座や見学会も実施して、障害者雇用への理解促進にも取り組んでいる。
 こうした取組により企業と障害者の橋渡しを行い、円滑な職場定着を支援している。
【委員】
 障害種による特性も、支援の在り方として対応がそれぞれあるかと思う。精神障害者は、一見、見た目からは健常者との違いもなく、時に誤解を招くことがあり、そうした周りの誤解が人間関係を損ない、離職するといったケースも多々あると聞いている。精神障害者の特性等の対応として、精神障害者就労定着支援事業を行ってもらったものであるが、どのように支援をしてもらったのか伺う。
【理事者】
 精神障害者就労定着支援事業では、精神障害者の就職後の早期離職を防止することを目的とし、企業と障害者双方のミスマッチを防ぎ、相互理解を深めた上で、適切なマッチングの機会を提供するために実施した。
 具体的には、企業が障害者の障害特性や必要な配慮事項を把握しやすいよう、障害者の特性を理解している支援者が同席する面接会を開催した。
 また、面接会に先立ち、事前支援として、企業に対しては精神障害者への理解を深めるためのセミナーや勉強会を実施し、求職者に対しては参加企業の概要を知るためのオンライン企業説明会や、履歴書の添削を含む模擬面接会を行った。
 さらに、支援者に対しては、面接同行時の心構えに関するセミナーを実施するなど、関係者それぞれに対する支援を行った。
 昨年度は、名古屋市及び豊橋市において面接会を開催し、延べ60社の企業から参加希望があり、65人の求職者が参加し、そのうち13人が就職した。
【委員】
 私も以前、こうした精神障害者から相談があった。職場の中で理解されないとのことで、難しい人間関係の中で悩んでいることがあり、ハローワークから派遣してもらい、職場の人に研修を受けてもらい、一定の理解をしてもらったことがあった。
 そうした中で、精神障害者の定着支援事業が昨年度をもって終了し、今年度は就労支援事業の中で取り組んでいることも聞いた。そうした中で、愛知労働局職業対策課、県労働局就業促進課が発行している令和7年障害者の雇用のためにという冊子の中に、ハローワークにおける障害者の就職件数等の推移が掲載されている。
 身体障害者、知的障害者、精神障害者の3障害における、令和2年から令和6年までの愛知県内の推移を話す。身体障害者は、令和2年に新規求職申込件数が3,294件、令和6年は3,544件と、この5年間、ほぼ横ばいという状況であった。また、知的障害者における新規求職申込件数は、令和2年の時点で1,778件、令和6年では1,965件と、これも若干増えているが微増で、特に、この精神障害者の新規求職申込件数は、令和2年では5,983件が令和6年では1万428件と、倍に近い人の申込み、求職者状況になっている。
 精神障害者の求職申込件数がこれだけ増えていることを思うと、昨年度事業で終わったとのことであるが、引き続き、こうした精神障害者の就労定着支援に向けて、しっかりとサポートしてほしい。
 次に、中小企業応援障害者雇用奨励金について、当初予算では4,680万円が計上されているが、決算額としては61件、3,330万円となっている。当初の見込みとの相違によるものかと思うが、どのような理由によるものなのか。
【理事者】
 本奨励金は、障害者雇用経験のない中小企業が初めて障害者を6か月間雇用し、以後も継続雇用の見込みがある場合に支給するものである。
 昨年度の予算額については、前年度の支給実績を基に、昨年4月からの法定雇用率引上げに伴う企業の障害者雇用の進展による支給件数増加を見込んで計上した。
 しかしながら、実際には、企業は必ずしも初めて障害者を雇用するケースばかりではなかったため、本奨励金制度の支給要件に合致しなかったことなどの要因により、実際の支給件数は当初の見込みを下回った。
 今後は、こうした点も加味しながら、より実態に即した予算積算を行っていく。
【委員】
 最後に、昨年度の雇用未達成企業は何社で、法定雇用の未達成企業の割合はどの程度であったのか伺う。
【理事者】
 愛知労働局が発表した令和6年6月1日現在の状況によると、雇用義務のある従業員数40人以上の企業7,434社のうち、法定雇用率未達成企業数は3,975社、未達成企業割合は53.5パーセントである。
【委員】
 53.5パーセントの企業が法定雇用率を達成できなかったということだと思う。これは引き続き、また来年には法定雇用率が引き上げられることもあるため、しっかりと周知しながらサポートしてもらえることを願う。
 続いて、令和6年度決算に関する報告書201ページ、観光デジタルマーケティング推進事業費について伺う。
 本事業は、昨年2月に策定されたあいち観光戦略2024-2026を踏まえて、県内観光資源を訪れる観光客に関する属性や人流等のデータを可視化、分析できるツールを導入し、希望する市町村、地域観光協会が利用できる環境を整備するとともに、市町村等に対して観光施策におけるエビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング(EBPM)の重要性やデータの分析手法を学ぶことができる勉強会を開催し、好事例を共有できる機会を設けるとした事業であると承知している。
 そこで、本事業の昨年度の事業実績と効果はどうだったのか伺う。
【理事者】
 まず、観光デジタルマーケティング推進事業は、市町村等が旅行者のデータを活用して、的確かつ効率的に観光コンテンツの造成やプロモーション等ができるように、県として支援するものである。
 その中で主な取組として、スマートフォンの位置情報に基づく県内の市区町村、観光スポット別の来訪者の年代や性別といった属性、あるいは居住地、訪問地等といった移動情報、人流情報をデータで取得・分析できるツールを県が契約した上で、希望する市町村や観光協会がアカウント代の負担のみで利用できる環境を提供しているというものであって、昨年度は、市町村、観光協会、合計35の団体にこのツールを利用してもらった。
 なお、昨年度、ほかにも宿泊、飲食、お土産などの観光消費額、口コミなどの評価情報を取得、分析できるツールを利用できるモデル事業も5団体で実施している。
 また、先ほど言った属性や移動情報、人流情報のデータを分析するツールの活用に向けて、市町村や観光協会を対象として、6月に専門家によるツールの操作方法や実践的な活用方法を解説するガイダンスを開催したほか、11月と2月に専門家に出席してもらい、データを活用した事業取組状況等の意見交換を行う報告会、中間報告会、最終報告会を開催した。
 これらを通じて、例えば、観光施設ごとの来場者の年代、性別、居住地等、いわゆる来場者のデータを分析して、その傾向を踏まえて、ターゲットを定めて広告配信するような取組も行われており、実際、この報告会でも七つの市町村等から事例発表をしてもらった。その発表会を通じて、ほかの出席団体等に横展開できたと思っている。
【委員】
 私の住む蒲郡市も昨年度、今年度とデジタルマーケティングで事業を推進しており、今までなかなか見えなかったものが見えてきて、それを今後の観光政策、戦略の中に生かしていけるとのことで、市の担当者、観光協会は、この事業の優位性を感じているようだった。こうした可視化されたデータが基となって、観光DXの推進、あるいは観光におけるイノベーションが可能になってくると思う。
 あいち観光戦略2024-2026策定時の有識者による検討会議においても、出席者からこうしたデータの活用は施策の立案の際に非常に重要としながらも、データの購入は費用が継続的に必要となるとともに、各市町村、観光協会等、それぞれ重複したデータを購入し続けるのは非効率であるとのことで、県がある程度しっかりとカバーする必要があるとの意見も出ていたようである。
 こうしたことについて、県当局においてどのように考えるのか。
【理事者】
 データの活用については、的確かつ効率的な施策で大変重要だと思っている。
 その中で、県は、先ほど言った属性や人流データを分析するツールの利用契約、あるいはデータの購入等を行って、希望する市町村等がアカウントを取得してそのツールを利用できる仕組みを、2023年度から本格的に実施している。
 このツールについて、2024年度は35団体が使っている。さらに、今年度についてはさらに増えて、40団体がそのツールを利用している。これまでツールの利用環境を提供して勉強会を重ねてきたことで、県内各地の各市町村、観光協会においても、観光行政に対してデータを活用していく機運が盛り上がって、醸成されてきたと思っている。
 今後も、県内各地で最新のデータに基づく的確かつ効率的な観光施策が一層進められるように、このような取組を進めていきたい。
【委員】
 昨年度よりも今年度、このツールを使って取り組んでいる団体も増えているとのことである。いっときのみならず、継続的にデータを購入してもらい、観光戦略を打ってもらえるような取組を推進してもらえるよう、しっかりと財源確保も願う。
 そうした中で、2024年度のこの年次報告を見てみると、この計画が立てられた数値目標として、2026年度の計画の重要目標達成指標(KGI)を昨年度、既にほぼ達成した状況である。そもそもの目標設定がどのように検討したものだったのか、また、KGIの変更は検討しているのか伺う。
【理事者】
 あいち観光戦略2024-2026のKGIは、三つ設定している。一つ目は、質を示す指標である観光消費額単価、二つ目として、量を示す指標である観光入込客数、三つ目として、この単価と入込客数を掛けた観光消費額、この三つをKGIとしている。
 その中で、それぞれの目標設定の考え方だが、観光消費額単価は、コロナ禍前の2019年の約1.25倍の単価を指標としている。この1.25倍としたのは、国が観光立国推進基本計画の中で、2019年から2025年で外国人旅行者の消費額単価を1.25倍にするといったことがあったので、これを参考に、あいち観光戦略では日本人、外国人とも、観光消費額単価を1.25倍とすることを目標とした。
 観光入込客数は、コロナ禍前、2019年以降、2020年、2021年で一気に落ち込んでしまったが、まずコロナ禍前まで戻そうと、2019年をやや上回る数字を目標とした。
 観光消費額は、この二つを掛け合わせると前の戦略が1兆円だったが、ここから10パーセントアップの1.1兆円を目標として設定した。
 この三つのKGIについて、委員も言ったが、三つのうちの二つ、観光消費額単価と観光消費額は2024年に目標を達成した。その一方で、観光入込客数はまだその目標値に及んでいないため、2026年度までに全てのKGIを達成できるように取り組んでいきたい。
 なお、この戦略の中のKGIを変更する予定について、今のところ、特に考えていない。ただ、2027年度以降の次期戦略の策定に向けて準備に取りかかったところである。今後、この次期戦略のKGIを定める上で、今現行の数字等も踏まえた上でしっかり検討していきたい。
【委員】
 2項目伺う。
 まず、令和6年度決算に関する報告書177ページの商工業振興費のうち、19の産業空洞化対策減税基金事業費について伺う。
 産業空洞化対策減税基金は、大企業、中小企業等の国内投資を支援し、競争力の高い産業や事業への転換を促す目的で、21世紀高度先端産業立地補助金、新あいち創造産業立地補助金、新あいち創造研究開発補助金を創設することで、企業立地、研究開発や実証実験に対する補助制度を通じて、県内への投資拡大や雇用の維持・創出、革新的な技術・製品開発を支援してきたものと認識している。
 また、今年度からは基金事業の制度改正を行い、産業競争力強化減税基金に名称を改め、愛知県の産業が直面する新たな課題に対応していると認識している。
 そこで、まず初めに決算について、令和6年度における21世紀高度先端産業立地補助金、新あいち創造産業立地補助金、新あいち創造研究開発補助金について、それぞれ補助内容を具体的に伺う。
【理事者】
 まず、21世紀高度先端産業立地補助金だが、こちらは県経済に大きな技術波及効果をもたらす大規模な先端工場や研究所の立地を支援する補助制度である。
 令和6年度は、日本特殊陶業株式会社のクリーンエネルギー自動車に搭載する全固体電池の研究、開発を行う研究所の小牧市内での新設をはじめ、2社に補助を行った。
 新あいち創造産業立地補助金は、市町村と連携して地域の経済、雇用を長年にわたり支えてきた企業の工場拡張などの再投資を支援するとともに、国内シェアが高い企業や成長率の高い分野に対する投資案件、また、県内に拠点のないソフト系IT企業が本県に新たにオフィスを設置する際の経費などを支援する補助制度である。
 令和6年度は、豊川市と連携してコニカミノルタメカトロニクス株式会社による産業用デジタル印刷システムの製品及び消耗品の製造工場の豊川市内での新規立地への補助をはじめ、32社に17市を通じて補助を行った。あわせて、ブラザー工業株式会社によるプリンター等インクジェット製品の印刷用ヘッド部品の製造工場の名古屋市内での新設をはじめ、23社に県から直接補助を行った。
【理事者】
 2024年度の新あいち創造研究開発補助金は、予算額8億5,000万円に対して、企業等に支払われた決算額は7億4,557万8,000円であった。
 新あいち創造研究開発補助金の主要な研究開発、実証実験は、本県における高付加価値のモノづくりの維持、拡大につなげることを目的として、次世代自動車産業や航空宇宙産業など、今後の成長が見込まれる分野において、企業等が行う研究開発や実証実験を支援するものである。
 実績として、県内企業等の研究開発、実証実験に対する補助に関しては、申請件数が130件あって、採択件数は61件であった。
 採択金額は7億5,960万5,000円で、このうち、大企業は10件、1億7,925万5,000円、中小企業は51件、5億8,035万円であった。
 最終的に、補助事業を完了した60件に対して6億6,026万1,000円の補助金を支出し、このうち、大企業は10件、1億3,851万円、中小企業は50件で、5億2,175万1,000円であった。
【委員】
 数字を具体的に答えてもらったが、それぞれ事業効果について伺う。
【理事者】
 立地補助事業の効果であるが、市町を通じた補助を含め、令和6年度は57社に補助を行っており、そのうち、中小企業が44社で全体の約8割を占めている。
 企業立地の補助金は、大企業の先端的な工場や研究所の設置から本県の産業基盤を支える中小企業の工場拡張まで幅広く活用されており、本県のモノづくりを支えている。
 また、企業の投資効果としては、2012年度の創設から昨年度までに525件を補助対象としており、企業の愛知県内への総投資額は約9,495億円、約7万7,400人の常用雇用者の維持・創出効果が見込まれている。
【理事者】
 事業の効果についてだが、補助終了後のアンケートで、2024年度については商品化に進展したものが3件あるという結果であった。
 このうちの一例であるが、株式会社ジェイテクトグラインディングツール、岡崎市にある企業であるが、電気自動車の駆動制御などに用いられる高性能半導体の研削工程などに使用されるダイヤモンドホイールという加工機具について研究を実施した結果、加工対象となるこの半導体材料の炭化ケイ素基盤を高品位に研削できるホイールの商品化に至り、本年8月時点で販売されていると聞いている。
 また、2012年度の制度創設から2024年度までに939件の補助を行っているが、そのうち、261件が商品化に進展している。
 こうしたことからも、新たな技術・製品開発に取り組む県内企業への後押しができていると考えている。
【委員】
 令和6年度決算に関する報告書192ページ、勤労者福祉推進事業費のうち、2、中小企業男性育児休業取得促進事業費について伺う。
 男女が共に仕事と育児を両立できる職場環境整備は、少子化対策に寄与するばかりではなく、企業イメージが向上することによる優秀な人材の定着を促進する効果があると認識している。
 また、企業による男性の育児休業取得を促進することで、男女共に活躍する機会が創出され、生産性が向上し、企業自体の競争力が高まることも見込めると考えている。
 そこで、中小企業に対し奨励金を支給しているが、昨年度の予算額、支給実績、不用額について伺う。
【理事者】
 中小企業男性育児休業取得促進奨励金は、男性従業員が育児休業を14日以上取得した場合に50万円、28日以上取得した場合に100万円、中小企業に支給する制度となっている。
 昨年の予算額は9億4,450万円であり、支給実績は50万円が182件、100万円が704件、合計886件、支給総額は7億9,500万円、不用額は1億4,950万円となっている。
【委員】
 昨年度の支給件数が合わせて886件とのことだが、利用した企業の規模別の状況について伺う。
【理事者】
 規模別の支給割合であるが、従業員30人以下の企業が41.3パーセント、366件、31人から100人以下の企業が38.7パーセント、343件、101人から300人以下の企業が20パーセント、177件となっている。規模の小さい企業においても多く活用してもらっている。
【委員】
 一度、需要が増える見込みで予算の増額が過去あったと思うが、約1億5,000万円の不用額が生じている理由について伺う。
【理事者】
 奨励金制度については2023年9月から開始しており、昨年度、2024年度の予算積算においては2023年度の申請実績を踏まえて、月平均申請件数を91件、計1,092件、9億4,450万円を計上している。
 しかしながら、2024年の支給実績は月平均74件と予算計上時の見込みを下回り、予算に対する執行率が84.2パーセントとなり、約1億5,000万円の不用額が生じた。
 なお、昨年度の途中にチラシ等による周知啓発を行った結果、申請が増加したこともあって、制度の周知が十分に行き届いていない部分もあったと考えている。
 このため、奨励金制度のさらなる周知啓発に努めることで、より多くの中小企業に制度を活用してもらえるよう取り組んでいく。引き続き、男性が育児休業を取得しやすい職場環境の整備に向けた中小企業の取組をしっかり支援していく。
【委員】
 周知不足によることが原因と答弁があった。1億5,000万円だと、100万円の支給では約150件、50万円の支給ではあと300件程度、中小企業に新しく利用してもらうことができるので、周知不足が原因だと認識しているのであれば、その辺りの周知をもう少し徹底していくように要望して、質問を終わる。
【委員】
 令和6年度決算に関する報告書202ページ、観光費のうち、観光施設費等補助金について伺う。
 この補助金については、市町村や観光事業を目的とする一部事務組合などが行う観光施設の設置、改修、いわゆる観光施設の整備というハード事業に対する助成と、観光展の開催など観光振興事業というソフト事業に対する事業助成で、市町村等を支援することによって、県内の観光地の開発、観光振興を目的とする補助金だと承知している。
 昨年度、具体的にどのような事業に補助を行ったのか、まず伺う。
【理事者】
 昨年度の補助の状況であるが、203ページの表に幾つか記載があるが、このうち、国定公園、県立公園、一般観光地と書いてあるのは、先ほど委員が言った観光施設の整備や改修に係る、いわゆるハード事業である。残りの観光展、広域的観光振興事業、観光誘客促進事業は、いわゆるソフト事業になっている。ハード事業だと、昨年度は、例えば、観光センターの新設や、園地、遊歩道の整備、あるいは駐車場の舗装等、こういった市町村の取組に対して支援した。
 一方、ソフト事業だが、観光展は、観光物産展の開催の経費、広域的観光振興事業は、複数の市町村が関係する団体の情報発信やイベント開催等に関するものであり、最後の観光誘客促進事業は、2022年度から2024年度の3か年の時限でジブリパークの活用、あるいは大河ドラマどうする家康を活用したプロモーション事業等に対して支援した。
【委員】
 11市町村、10団体に対する事業、ハード事業並びにソフト事業に対して、支援、助成を行ったとあるが、この採択、事業実績があるもののほかにも、我々、自由民主党愛知県議員団の活動において、様々な地域の意欲ある取組の提案などを聞くことも多い。今回の実績に対して、昨年度、市町村からどれだけの要望があって、それに対してこの補助金を活用してこの決算や実績でどれだけ応えることができたのか、その実績について伺う。
【理事者】
 まず、昨年度、予算は全体で6,500万円であった。それに対して年度当初の段階で、7,400万円程度の要望が市町村等からあった。そのため、市町村によっては、一部の事業を翌年度に先送りしたこともある。
 また、実際、要望をもらう中で、ハード事業については一律で約9割の額、1割弱をカットする形で交付決定した。ソフト事業は満額交付している。
 なお、年度途中、予算の執行状況等を踏まえる中で、入札残等によって残額も多少発生したので、希望した市町村に追加で再交付した。
【委員】
 この決算の結果を見ると、我々議会が議決した令和6年度の当初の予算では6,500万円あって、そこに対して7,400万円程度の要望があったにもかかわらず、実際に実施できたのが記載にあるように5,711万4,000円ということで、せっかく予算があって要望はそれ以上にあったのに、結局、執行できたのがそれに十分追いついていない。しっかり検証して次に生かしていって、意欲ある市町村等の観光振興事業の取組にしっかり活用してもらわなければいけない。
 予算よりも要望が多かったので、当初の補助予定額を減額し、一律9割交付した。様々な補助金でよくあることだと思うが、ならしをかけて多くを拾おうとしたにもかかわらず、逆効果になってしまって、それが拾い切れなかった。
 これを今後に生かすためには、市町村、意欲ある担い手、自治体等の事業主体のニーズをあらかじめ的確に把握した上で予算編成し、まずしっかりとした予算額を確保していくこと。
 そして、我々自由民主党愛知県議員団も、昨年度、今年度の予算、そうした側面からも確保してほしいと併せてよく聞いていたのが、昨年度までのこの補助金は、ハード事業については補助率が3分の2から2分の1となっていて非常に活用しやすい一方で、ソフト事業については県内全域で一律3分の1の補助であったので、ハード事業と同様に支援を厚くしてほしい。自主財源を考えると、どうしても立ち止まってしまうと聞いていた。
 また、ソフト事業の多くが複数の市町村の連携による実施を補助要件にしており、単独ではこれまで要件になかったので、こうした補助要件に関しても使い勝手のよい補助制度に見直してほしいという声ももらい、昨年度、要望して、今年度の予算の増額と補助要件の見直しにつながっていると承知している。そうした視点から、今年度はどのように予算を編成して、補助要件についてもどのように見直しを行ったのか、そして、今年度は、昨年度の決算の検証を踏まえて、どのような補助見込みとなるのか伺う。
【理事者】
 まず、今年度の予算額は、昨年度の6,500万円から1,000万円増の7,500万を計上している。先ほど委員が言った見直しについては、今年度からソフト事業で一部見直しを行った。
 具体的に言うと、人口問題が特に課題となっている五つの市町村、新城市、設楽町、東栄町、豊根村、南知多町に対して、こういった交流人口、関係人口の創出拡大に向けて、基本的にソフト事業、これまで複数の市町村が連携して行う事業だったが、この5市町村が行うソフト事業については単一市町村でも補助ができるように見直した。
 実際、この5市町村のうち、今回、4市町村から、地域の食材を活用した取組や観光PR動画の作成など、補助額ベースで合計300万円の補助金の交付決定をした。
 一方で、全体の要望については、今年度、7,500万円の予算額に対して、ハード、ソフトを含めて約1億1,000万円の要望があった。昨年度よりも要望額が増えており、その関係で、昨年度は約9割程度で掛けたが、今年度は約3分の2を掛けた。
 今はちょうど執行状況等の確認も行っており、また、入札残等で余るケースもあるので、再交付するなどして、少しでも多く活用してもらえるように取り組んでいきたい。
【委員】
 最後は要望とするが、まず、予算の確保については、昨年度の要望ベースまで1,000万円上積みして7,500万円と、ニーズに対応した予算の確保については評価したい。また、ソフトの事業についても、要件を見直すことによって各市町村等の実施主体が使いやすいように見直しを行ったことに関しても評価したい。
 この昨年度の決算を検証して、こうした意欲ある取組に応える予算執行にしていかなければいけない中で、予算は7,500万円確保したところ、実際のニーズがまだ拾い切れていないと思うが、補助要件も拡大したことでニーズが増えて1億1,000万円の要望があった。これに対して補助金にまた補助率のならしをかけることで、昨年度の補助の9割を見直して3分の2となると、当初予定していた市町村等の計画を考えると、また今年度も難しい。これが続いてしまうと、1年、2年、3年遅れてしまうことによって、せっかく地域が意欲ある取組を行っていこうとしているのに、逆に県がストップをかけるような、逆効果になってしまっては、決していけないと思っている。
 もし、必要があれば、これは補正予算で対応することも考えながら、今、まさに今年度はあいち山村振興ビジョンの改定期であって、そうした地域振興ビジョン、人口ビジョンというものは、交流人口を増やし、次の段階で関係人口を増やしていき、そこから定住人口を増やしていくという、こうしたストーリーを描いていかなければいけない中で、観光はそれに関する大きな起爆剤になる。
 この補助事業は、意欲ある市町村や地域の取組をしっかり県として支援していくものであるので、観光施設費等補助金の拡充を通じて、山村地域等における観光による交流人口や観光人口の増加、地域の活性化に取り組む市町村等をしっかり支援できるよう、県の取組を充実することを要望して、質問を終わる。
【委員】
 令和6年度決算に関する報告書の170ページ、海外スタートアップ支援機関連携推進事業費について伺う。
 冒頭の理事者の説明で、この辺りを随分さらりと言った気がする。表が載っているからだと思うが、まず、この表の中身のことを少し説明してほしい。どういった成果があったのか、かいつまんで紹介してほしい。
【理事者】
 県では、2018年に策定したAichi-Startup戦略に基づいて、県内のスタートアップ・エコシステム形成に向けた取組を進めている。その一環として、アメリカや中国、シンガポール、フランスなど9か国22のスタートアップ支援機関、大学等と連携し、国別のスタートアップ支援プログラムを実施するとともに、国や地域を限定せず、海外のスタートアップと県内企業との協業を支援するマッチングプログラムを実施した。
 9か国22機関との国別の支援プログラムのうち、例えば、アメリカとの連携事業では、北米展開を目指すスタートアップのハンズオン支援や、テキサス州で開催された世界最大級の複合イベント、サウス・バイ・サウスウエストへの出展支援など、五つのプログラムを実施した結果、ハンズオン支援に参加した県内スタートアップがアメリカ企業との協業に向けた秘密保持契約の締結を行ったほか、テキサス州でのバイオマスの実証実験や製造業のDXプログラムの英語版プロダクト開発などの成果が生まれた。
 また、中国支援機関との連携事業では、浙江大学と連携した学生交流・創業支援プログラム、アイデアソンに参加した県内の学生が、アイデアソンで考案したビジネスプランを基に実際に起業し、STATION Aiへの入居につながった。
 そして、国別の支援プログラム以外にも、海外スタートアップを本県に招聘し、県内企業との協業を支援するマッチングプログラム、Aichi Landing Padを実施して、海外スタートアップ8社が本プログラムへの参加を契機にSTATION Aiの会員になるなど、海外スタートアップの誘致や県内企業との協業促進といった成果が生まれた。
 今後も、海外のスタートアップ支援機関、大学等との連携を通じて、県内スタートアップの海外展開支援や県内企業と海外スタートアップとのオープンイノベーションを促進して、STATION Aiを核とした国際的なイノベーション創出拠点の形成を図っていきたい。
【委員】
 アメリカ・テキサス州や中国など、それなりに具体的な成果があったと聞き取れた。もう少し具体的な社名を聞こうかと思ったが、今聞いたら秘密条項の契約があるという話なので出てこないと思う。テキサス州は、昨年、我々県議会で視察に行って、テキサス大学オースティン校も訪問した。大村秀章知事が下ならしをした上で我々議会も訪問したので、丁寧にいろいろ説明してもらった。それが、実際に芽が出てきた、成果があったと聞くと大変うれしい限りであるし、テキサス州は、愛知県の大企業、トヨタ自動車株式会社をはじめ多くの企業が既に連携している。そういったことを深く、太くしていけると理解できるので、本当にありがたい話だと思う。
 少し視点を変えた質問をするが、この表の一覧について、今の答弁の中でも、スタートアップがSTATION Aiに入ったという声が聞こえた。県内のスタートアップというのは、STATION Aiにもともと入っているところをターゲットにしてこのような案内をしているという理解でよいか。
【理事者】
 事業の参加の公募に当たっては、STATION Aiを中心に、県内のスタートアップに幅広く声をかけている。
【委員】
 先ほど答弁の中にも、2023年のAichi-Startup戦略に基づいて、いろいろ事業を進めていると聞いているが、やはりSTATION Aiは、先ほどの理事者の説明にあったように、準備からPFI事業で始めて、建設できて、ということになっていると思う。少し質問が飛んでしまうが、STATION Aiのもともとのスタートアップの目標数、そして、今時点で何社のスタートアップが入居しているのか。
【理事者】
 STATION Aiであるが、入居のスタートアップに関しては、開業後5年後をめどに1,000社を集積する形になっている。現在、STATION Aiに入居しているスタートアップについては、10月時点で600社弱のスタートアップが集積している。
【委員】
 先ほどの理事者の答弁にもあったように、STATION Aiには海外の支援機関との連携によって入っており、日本の企業ももともと随分入っていて、600社弱ということである。1年経ったところだが、その前のPRE-STATION Aiから随分成果があると聞いている。
 そこで、また少し違った話を聞くが、スタートアップ自体について、海外の連携が絶対なければいけないわけではなくて、もともとある企業のモノづくり産業ともう少し連携しなければいけないと考えたときに、ページが変わるが、令和6年度決算に関する報告書172ページのスタートアップ支援事業費に少し着目したい。
 こちらもいろいろ表があって、それぞれ説明書きがあるが、これをかいつまんで聞きたい。ディープテックスタートアップへの支援というのが採択件数6件となっているが、具体的にどのような進捗なのか。
【理事者】
 ディープテックスタートアップとは、大学の研究機関発の最先端科学技術を用いて新たなサービス、プロダクト、ビジネスを開発するスタートアップで、革新的なイノベーションを創出し、社会課題を解決する可能性を秘めている。
 県では、そのディープテックスタートアップに特化して支援するAichi Deeptech Launchpadと銘打つプログラムを昨年度も展開した。
 ディープテックの社会実装には時間と費用を要することから、本プログラムでは、各分野における高度な知見を持つ専門家による伴走支援を提供するほか、審査により上位採択となる2社については、1社当たり約4,000万円の研究開発費の支援を実施した。
 また、そのほかにも、一般的なスタートアップ支援同様、ベンチャーキャピタルや公的資金の調達支援、人材採用支援などの成長支援を提供するとともに、事業会社、スタートアップ支援者を含めた関係機関によるコミュニティー形成や情報提供などを行った。
 昨年度は、プログラムに6社採択して、その中から他企業との共同研究契約に発展した事例も生まれた。
【委員】
 他企業との連携も生まれたということだが、ディープテックというのは、日本企業に限ったことになるのか。
【理事者】
 このスタートアップを募集する際には、国内のスタートアップということになっている。
【委員】
 続いて、表にマッチングイベントというのが三つあるが、それについて伺う。
 スタートアップと、それから既存の企業、この連携というのは、やはり既存の企業の業績を伸ばす意味では大変有意義であり、あるいはスタートアップにとってもメリットがあると思うが、このマッチングイベントでどんな成果があったのか。
【理事者】
 昨年度、県では、スタートアップと県内企業の連携支援として、あいちマッチングと銘打って支援プログラムを展開した。
 昨年度は、マッチングを希望するスタートアップ183社と県内企業11社に対する専門家による伴走支援やマッチングイベントを1回開催して、90件の商談及び17件の協業が生まれた。
 具体的には、生成AIを活用した翻訳サービスを提供するスタートアップの製品を県内メディアが翻訳サービスとして導入したという成果も生まれている。
【委員】
 続いて、その下にある人材マッチングイベントについても伺う。
【理事者】
 急成長を目指すスタートアップは、財務基盤や人的資本が脆弱であることが多いため、人的・物的リソースの投入ができず、優秀な人材へのアプローチが難しく、人材採用に課題を抱えている。
 こうした課題を解決するため、Innovation Job Fairと銘打って、スタートアップでの就労を希望する人とスタートアップとがマッチングするイベントを1回開催した。
 昨年度は、スタートアップが22社、就労希望者が143人参加して、この中から8社において、新卒やインターン、転職、副業など、幅広い属性で11人の採用が実現している。
【委員】
 それぞれのアイデアをどこかで披露して、それでそれがまた広がりを持つという意味では、下にあるコンテストというのが非常に大きな内容だと思うが、これについて詳細を教えてほしい。
【理事者】
 スタートアップコンテストとして、起業を目指す人を対象とした賞金総額600万円のAICHI STARTUP BATTLE、ほかに、ユニコーンを目指すスタートアップを対象とした賞金総額1,000万円のアイチ・ネクスト・ユニコーン・リーグの2種類のコンテストを、昨年度、初めて実施した。
 AICHI STARTUP BATTLEは、企業の知見、資金両面をサポートし、事業成長を後押しするアクセラレーションプログラムとビジネスプランコンテストを一体的に行うものである。昨年度は54人の応募があり、選抜された10人によりコンテストを1回実施した。最終的には、優秀者3人を表彰して、いずれもSTATION Aiへの入居につなげた。
 もう一つ、アイチ・ネクスト・ユニコーン・リーグは、次世代のユニコーン企業となり得る有望なスタートアップの成長支援や誘引を図ることを目的に年3回開催したピッチコンテストであって、昨年度は計228人から応募があり、選抜された30人が登壇した。本コンテストを通じて、製造業や医療など幅広い分野の7社のスタートアップを表彰するとともに、STATION Aiへの入居につなげた。
【委員】
 それぞれのコンテストで、戦って、表彰を受け、賞金をもらい、これからさらに活動を進める。STATION Aiの中で進めるということなので大変有望なのだが、特にユニコーン、ネクスト・ユニコーンということになると、最近あまりGAFAという言葉を使わないが、まさにそういった大きな企業を目指していけるような、そこが一番の目標だと思うので、ぜひとも今後も支援してほしいと思う。
 先ほどの海外スタートアップ支援機関連携推進事業費のところで、説明書きにテックガラジャパンとあって、名古屋市内でやったと説明があった。実際にはいろいろな出会いがあるので、今話のあったマッチングイベントに近いものがあると思う。ピッチコンテストもやっていたと思うが、テックガラジャパンについて、実績とその成果はどのようであったか伺う。
【理事者】
 テックガラジャパンは、2025年2月4日から6日まで、未来を開くテクノロジーの祭典をテーマに初めて開催した。
 この3日間でSTATION Ai、中日ビル、ナディアパークをメイン会場に、89の基調講演、セッション、140社の展示、9か国16社が参加したピッチコンテスト、商談会、交流会、90のサイドイベントと、様々なプログラムを展開した。
 会期中は、国内外のスタートアップや事業会社、投資家など、3日間で22の国、地域から実人員5,000人を超える数多くの人々が参加した。
 800件を超える商談が行われたが、商談会の場だけではなく、交流会やサイドイベントでの偶然の出会いから企業同士の事業連携に発展したという例も聞いており、この地域に新たなイノベーションを創出するグローバルイベントが誕生した。
【委員】
 海外からもテックガラジャパンにいろいろ来ていると思う。それこそこの海外スタートアップ支援機関連携推進事業の中にある国や関係機関は来ていると思うが、インド関係の機関、あるいは企業、スタートアップは来ていたか分かるか。
【理事者】
 実際、テックガラジャパンに来た22か国のうち、インドから来た人もいる。また、ピッチコンテストに参加した9か国の中にも、インドのスタートアップがいたと聞いている。
【委員】
 なぜ最後にインドのことを聞いたかというと、一般会計・特別会計決算特別委員会だからその内容だけ聞いたが、これからグローバルという言葉自体がどうなっていくのか少し分かりにくくなっているものの、将来的にいろいろな海外との連携は日本にとっては本当に重要なことだと思う。いわゆるスタートアップ先進国、あるいは、スタートアップ・エコシステムの先進国だけでなくて、インドも同じようなレベルのものをしっかり持っていると思う。そういったところとの連携も、今後しっかり図ってもらいたいと要望する。

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